
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館の魔女、もう何度再読したか分からないけれどやっぱり面白い。 マツリカとキリヒトの別れ。この後の世界情勢がどうなっていくのかも気になる。ミツクビはかなり手強いからな。 ヴァーシャが生きることを選択してくれて良かった。 意思によって、決断によって、人は運命や宿業を超えていくのだ。マツリカ様の教え、大切にしたい。
0投稿日: 2025.11.28
powered by ブクログ伏線回収の爽快感とともに、再読終了。 「花に嵐のたとえもあるさ。さよならだけが人生だ。」の名調子が頭をよぎる締め括り。 名前は、贈り物であり、祝福であり、愛であり、新しく名前を与えることは、呪いからの解放であり、生の肯定なのだね。 名前、大事だなぁ。 あと、主従関係にラブ線絡むと、かならーず「お前の意志で私を選べ!」っていう展開になるんだなぁ、と。二十年くらい前、全然別系統の小説でこの展開を見てたから、なんか懐かしかった。いつの間にか日本の小説で定番化してた?
1投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ面白かった。この四巻の半分辺りから特に面白い。マツリカやキリヒトはもちろん、図書館付きになった衛兵達のキャラクターも良かった。
0投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログむせかえるような情報量と豊富な語彙で埋め尽くされる文章の結実。キリヒトとマツリカの感情がダイレクトに突き刺さり、終盤は胸がギュッと締め付けられたままだった。だからこそ、とても読後感が良い。 というかさ、これメフィスト賞受賞作だったわ…… すっかり忘れて読んどった。マツリカ様は魔術はないと言い切ってたけど、そんなロングタームの暗示とか実質魔術じゃないの? とか三巻読み終わるところまでにちょいちょい疑問があったけど、全部トリックであったか……
0投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログ3巻はインターバルだったのか。 4巻、ページ数が倍じゃん!! マツリカ様自身も海を渡り 大国ニザマで帝を相手に丁々発止の心理戦。 すげ〜わ〜。 さらに続けて その左手の自由を奪った暗殺者と ニザマの黒幕との死闘。 次々と仕掛けられる罠に 力では衛兵たちが 知ではキリンとハルカゼが立ち向かいます。 マツリカと世界の平穏を守るため 闘う「図書館」の試みは 果たして成功するのか…。 すごかった…。 うう〜ん、ひさしぶりに「大河」だ。 正直、最初ちょっと文体とかも とっつきにくかったけど ストーリーが興に乗ってきたら 気にならなくなったわ。 物語の力って、すごいね。 基本、上から目線のマツリカ様も どんどん年相応の面も出てきて 「姫」キャラ萌え(*´∀`*) 大団円にいたるまで 本当に本当にいろいろあったけど 読み切ったら大満足です!
0投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ語彙力皆無だが、マツリカの誰かへ送る言葉は一言で言えば粋。粋という単語に纏めてしまえるほど簡単なものではないが、言葉とは意思であり意志。と、私はそう感じました。
0投稿日: 2025.08.17
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数年ぶりに再読。読み終わりたくない…!と思いながらも堪能した。 マツリカは魔法ではなく、言葉で人を動かしていく。政治劇や張り巡らされた権謀術数は面白く、マツリカから言葉を奪おうとする者が迫る様子はハラハラした。 これからも一ノ谷・二ザマ・アルデシュの動乱は続くのだろう。危険に身を晒しながらも新たな名を得たヴァーシャ。いつか自分の意志で図書館の一員として帰ってくるために出立したキリヒト。別れは表面上あっさりしたものでもこみ上げるものがあった。彼らの旅路を想像しつつ、また会う日を心待ちにしたい。
1投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ最終章、第4巻を読み終えました。言葉に表して気持ちを伝えることが容易くないと言いましょうか、とにかく圧巻、感無量でした。1行で言い表すとすれば、言葉を呑むほど感動している…に尽きます。 ニザマ、アルデシュ、一ノ谷の三国和睦会議は固唾をのんで読み進めました。その量、軽い文庫本1冊分くらいはあるんじゃないかしら…! キリンの活躍は読んでいて爽快でした。 最終章、やはり魅せつけてくれますね。双子座の居城へと向かうマツリカ一行ら。面前でその様が繰り広げられているかのように臨場感が伝わってきます。焦りや恐怖といったもので支配され、呼吸も浅く早くなっていて、気づけば目を見張るように本を見つめていました。 個人的にコダーイ大佐は裏表がなく好感が持てるし、人として好きですね。アキームも勇敢でかっこいいと思いました。 やはり要となったのはマツリカとキリヒトの指話かなと。和睦会議で遺憾無く発揮していて爽快でした。相手に悟られず、どんな内緒話でも話すことができるんですからね。 いつの間にか夢中になって、前のめりになって(笑)、周りが見えなくなるくらい惹き込まれる世界観でした。続編もあるようなので、そちらもまた楽しみたいと思います。
15投稿日: 2025.06.13
powered by ブクログなんて面白い小説!!!一巻の読み始めたときは文章が堅くて読むのが大変だったけど四巻にもなると慣れたもんで先が気になって気になって寝る間も惜しまず一瞬で読み終わってしまった この本には、ある世界が、学問が、人間が、言葉が、なんと鮮やかに渦巻いていることだろう! こんなに知識欲を掻き立てられる小説は初めて もう一度読み直したい アニメ化をとてもしてほしい…
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ最初の2巻くらいは物語が動かず読むのに時間が掛かったが、第3巻あたりからはそれまで蒔いていた伏線を回収しつつ国を動かしていくためどんどん面白くなっていく。 ファンタジーではあるが魔法など非現実的なものは登場せず、時代が移りゆく瞬間を描いた歴史小説を読んだような壮大さがある。 何気ないひと言の言葉から、その人物の背景や事情を推察し、言葉で人を動かしていくマツリカはまさに図書館そのものだった。 著者が言語学者ということもあるのか、知らない言葉が山ほど出てきて、自身の語彙力の無さを痛感した。 流石にあれ程の言葉は使いこなせないが、もっと言葉を大切にしようと思った。
6投稿日: 2025.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語終盤で「キリヒト」と「アカリ」、「ヴァーシャールヘイ」と「ヴァシリー・ヴァザレリ」のように名前を軸に物語を展開していたのが面白かった。 名付け、ラベリングというのは、世界を切り分けてある程度のまとまりとしてカテゴライズ化し、区別するという行為である。 「キリヒト」ではなく「アカリ」なのは、図書館の魔法使いの護衛で暗殺者という役割としてのキリヒトではなく、マツリカとともに困難をくぐり抜けてきた一人の人間であるキリヒトを待つということだと思う。 「ヴァーシャルヘイ」に「ヴァシリー・ヴァザレリ」という名前をつけたのも、事件が起きたあとでもみんなが慕っていた陽気で明るい「ヴァーシャ」と同じように今も思っているよというマツリカの意思のように思う。
1投稿日: 2024.12.05
powered by ブクログ終わってしまった。 ファンタジー小説ということで、家にあったものの読むつもりもなかった。でも、面白いと聞かされ半信半疑で読み始めたのだが、ここ数年で一番面白かった。 極端などんでん返しやトリックごあるわけではない。でも、ちゃんと仕掛けもある。「先が読めてしまう」という悪い意味ではない、想定通りに進む心地よいところと、斬新な進み方が共存してる。 烏の伝言、楽しみです。
0投稿日: 2024.11.09
powered by ブクログ最終4巻。だいぶ長いが、それは今更感じません。 前半半分で広がっていた風呂敷がだいぶ畳まれた感が出て、もうここで完結ぞ?あとは帰るだけぞ?となったが、読み進めるとそんなことはない、あるべくして設けられた壮大なエピローグでした。
2投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログ時間はかかつたもののやっと最後まで読むことができました。なにかもう面白かったという感想しかでてこない。それ以外のことを考えて、この読み終わった時の気持ちを他のことで上書きしたくない、そう思う作品でした。時間があるならばまた始めから読み直したい。むしろ一度読んだ記憶を消し去ってから読み直したい気持ちでいっぱいです。
1投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ展開がスピーディで、小難しい言葉遊びもなく、面白かった。後半でまさかの展開もあり、分厚いながらも一気に読めた。マツリカとキリヒトのキャラがいい。もう少しキリヒトの活躍するストーリーを読みたいな。
0投稿日: 2024.08.30
powered by ブクログ配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01429604
0投稿日: 2024.08.01
powered by ブクログ言語学者、高田大介の超大作ファンタジー小説。 緻密に織り込まれた伏線がやがて一本の糸につながる。 裏打ちされた知識は膨大。面白い一冊であった。 確かにハリーポッターやロードオブザリングにも引けを取らない大作
0投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館を出て来た向かって大冒険したりして、図書館の魔女が完結。マツリカとキリヒト、イラムとアキームと、恋愛要素がそこそこあったなあと振り返る。大河小説としてお風呂読書で楽しんだが、外伝的な続編に期待。
0投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログ正直飛ばし読みしたところはあるけど、これを面白いと言わずに何と言うのか。こんな世界のこんな人達、これだからファンタジーはやめられない。
0投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ小難しいとか説明が長すぎるとかブツブツ言いながらも2巻以降の3冊は3日で読んじゃった。言葉と書物のアレコレの解説をされるよりも(それがこの本の魅力なんだけど!)たくさんの人がワイワイ言いながら色んなところに行って(舌鋒鋭く)戦う方が読み応えがあっていいね。話の山場はミツクビとの対決になるのかなと思ったけど違った。マツリカ、キリン、キリヒト、みんな若すぎるなと薄々思ってたところ、ご高齢のニザマ帝が出てきて彼の経験と深みを持った話し方に落ち着く。
0投稿日: 2024.03.26
powered by ブクログとりあえずの最終巻。 文字、言葉、会話、文章、書物。それらの集大成でありたい図書館。集積した知識と情報の可能性。 この小説も、言語学、土木知識、地政学と知識と情報の一冊。まるで図書館のようなー。ってまさか、ひまわりめろんさんのレビューを読んだ記憶が感想になってしまったミステリ。 この巻は、動きがあって楽しかった。魔女マツリカの右腕の動きを奪った双子座を追い詰めていく過程の緊迫感とか。マツリカとキリヒトの距離感の変化とか。 が、しかーし、この4巻だけでも600ページを超える長編。ここまで読んで、そして世界は続く、という感じで終わりを迎えるのは、少し寂しい。ページ数が残り少なくなってきて、キリヒトの師とタイキは、どーなってるの?皆んなで海に飛び込まなくて良いから、もう少し他を書いてくださいよ。と思いながらラストを迎えた。 といっても、この先の物語を空想することは楽しい。そして、作者さん言語学者さんかな?言葉に詳しく大切にしているし、その力を信じているのでしょうから、読者と自分の文章を信じて、もう少しタイトな作品お待ちします。
50投稿日: 2023.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々に長編ものを一気読みしてしまった。 あー楽しかった、どっぷり浸かった。 文庫本4巻の大長編。 ファンタジーというか、軍記物。言葉を操る少女による軍記物。 なにが起きるかと思ってワクワクしながら読んだけど、結局今回は三国の睨み合いを解いたくらいのことだった。(しかもまだ解決してない) 世界観の説明なのか、国同士の諍いや言語学やら 、ひたすら冗長でわかりにくいところが多々。地下通路の下り、あんなに長いの意味あった? ……と諸々とりあえず差し置いて、わたしの大好物のお話でした。キャラクターがとにかくよかった。 キリヒトの先生もタイキ先生も姿を現してくれなかったので、続き待ってます。
1投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログクライマックスまでの過程は世界観の綿密な構築のために費やされるため,ジャン・クリストフの如くとっつきづらいが,クライマックスとなる本巻は鳥肌が立つような展開がさらさらと流れ出す.外交・恋愛・ファンタジー・言語学,と幾層にも積まれた各ストーリィの核が紡がれ最後花開く様は,これまでに決して味わったことのない新しい物語感の扉を開いた感覚を覚え,嗚呼,こんな物語を読める時代に生まれて佳かった,と心から思う.
0投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログG 2023.1.6-2023.1.9 そこにない文字そこにない言葉から一つの物語を紡ぎ出す図書館の魔女。 3巻からの後半は物語も進むし、ニザマからアルデシュへ舞台も広がり、三国会議、アデルシュへ、刺客との闘い、どんどん動きも加速して、大団円。 マツリカの想い、キリヒトの想い、その他の人たちの心のうちも濃やかに描かれていて、なんとも読み応えのある作品。
1投稿日: 2023.01.09
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった! 自分は面白ければ面白いほど読むスピードが上がるんですが、3,4巻の1,000ページ1日で読み終えちゃいました(ちゃんとお風呂掃除や洗濯物干しにトイレ掃除に娘の塾の送り迎えのミッションをこなしながら)ギア4です 巻末の解説によると著者の高田大介さんは言語学者でもあるんだそうです なるほど〜 丁寧に仕込まれた伏線の数々は見事に回収されつつ、まるでミステリーのようなどんでん返しもあり ほのかに甘いラブストーリーの要素もあって 言語学や農学、土木工学の智慧も得られて 海に山に北に南にと様々な気候風土を旅して 政治に外交、戦略に奸計と まさに「図書館」のような一冊でした! 「図書館」大好きな自分が面白いと思わないわけがないです そんなの最初から分かってましたよ(嘘つけ)
50投稿日: 2022.11.05
powered by ブクログ長かったー。まずは読み切った達成感と重厚な物語が終わったカタルシスを感じた。本巻は、三国会談から刺客との死闘と、政治劇と冒険が両方楽しめ、お腹いっぱいになった。とはいえ、冷静に振り返ると、本巻もそうだが、作品全体としてもう少しタイトにした方が読みやすかった気がする。読了後、満足感と共に疲労が押し寄せ、次に繋がる匂わせもありながら、しばらくはいいかなと思ってしまった。世界観にどっぷりつかるため背景知識がこれでもかと詰め込まれるのはいいとして、不必要に感じるプロットも多く活劇シーンのテンポの悪さも気になった。
0投稿日: 2022.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやあすごかったー。感動したー。 ものすごく濃い時間だった。 『図書館の魔女 第四巻』 高田大介 (講談社文庫) 大スペクタクル長編ファンタジー最終巻である。 いやいや、もはやファンタジーと思っては読んでいない。 すべてを読み終えた今、まごうことなき現実世界が、頭を、心を、いっぱいに満たしている。 心地良い疲労感と新たな一歩への希望が目頭を熱くする。 ニザマの西方離宮で、ニザマ、アルデシュ、一ノ谷の三国間の円卓会議が開かれた。 今にも戦端を開こうとしている一ノ谷、アルデシュ両国の和睦の会談、主催するのはニザマ帝である。 ところでこのニザマ帝、マツリカに食えないジジイ呼ばわりされているだけあって、ただの暗君ではなかったね。 二国間の和睦をまとめると同時にニザマに政変を起こし、中常侍一党の更迭と自身の退位禅譲を実現し、ニザマを再興する計画だ。 帝室を利用しようとしていた一ノ谷を逆に利用するという、マツリカのさらに上を行くニザマ帝の知謀に、思わずニヤリとしてしまう。 しかもそれに先代タイキが一枚噛んでいた、というのも面白い。 算術に裏付けられた鉄壁の論理展開で戦役の理非を説くキリンと、「筋」と「信義」を熱く語り人の心をつかむニザマ帝の説得により、三国会談はうまくいくのだ。 途中、まぎれていたミツクビの間者が場を抜け出したことも織り込み済み。 「秘密は漏れてなお武器になる」を地でいく策謀にまみれた異常な世界で、海峡地域全体をひっくり返すような話し合いが行われている。 マツリカの、キリンの、ニザマ帝の、“言葉”が世界を変えていく。 樹の根のすみずみに水が行き渡るように、言葉によって人の心が動かされていくところに感動する。 しかしながら、ここが物語のハイライト、というわけにはいかなかった。 ここから先がものすごかった。 双子座(ミトゥナ)の居城へと向かう途中、マツリカ一行は、これでもかと言わんばかりに刺客に襲われまくる。 死体ゴロゴロ怪我人続出。 寝る前に読むと悪夢を見そうだ。 難しい言葉をガンガン使ってくるところも含めて、読者に容赦ない作者(褒めてる)。 キリヒトが仕込みの刀で疫神の群れを斬っていく場面がすごい。 「イズミルはキリヒトが何をしているのかも、もう見えなかった。ただキリヒトが剣を振るえば、その結果だけは目の前に転がっていく。これがこいつの本気か!これが本物の……刺客の手練。頼りになる……というよりむしろ、イズミルの背中を駆け上がって全身を震わせた感情は、やはり恐怖だった。」 この様子をじっと見つめて立ちつくしているマツリカの姿が、私はこの巻の中で一番印象に残った。 場は凄惨でありながらも、無音の美しさに色々な感情が読み取れるシーン。 鳥肌が立った。 人間離れしたキリヒトの強さが、悲しく胸に迫ってくる。 そうだった、この物語は最初から“無敵のキリヒト”を礼賛してはいなかった。 いつもいつも、悲しさを伴っていた。 この物語の根底に揺るぎなくあるのはやはり“言葉”なのだと、改めて感じたシーンがある。 アルデシュ兵の北方山岳地方言、一ノ谷の俗語、イズミルだけが話せる共通語、衛兵の一部だけに通じるマツリカの手話、キリヒトだけが読み取ることができるマツリカの指話。 それぞれの、わかる言葉とわからない言葉が交錯し、修羅場を飛び交い、それでも不思議と理解しあって、ともに戦っている。 言葉を持たないマツリカが言葉で未来を切り拓いていく様がしっかりと細部まで描かれていることで、最初からブレることのない物語のテーマがきちんと貫かれていると思った。 マツリカに名前をつけてもらったヴァーシャールヘイが、手紙の宛名を見て泣くシーンがある。 運命に翻弄され片腕を失くし、まるで捨て犬のようにボロボロだった彼が、マツリカに新しい命をもらった。 もう、もらい泣き。 ミツクビが使い捨てした“駒”のひとりひとりにだって本当はヴァーシャと同じように心があり、生きる未来があり、大切な人がいるはずなのだ。 帰路の船の中、一枚の毛布に二人でくるまって幾晩も過ごすマツリカとキリヒトにドキドキする。 恋愛感情というよりは、二人の関係が、既成の概念では言い表すことのできないものであるのだということだけは、理屈でなく分かった。 マツリカとキリヒトの別れの日、マツリカはキリヒトの本当の名前を手紙に記した。 「その名はアカリ。『灯火(ともしび)』を意味する遥か東方の言葉だった。彼は今までキリヒトとして生きてきた日々の間にその名の意味を思い出すこともなかった。その名がいまや彼の胸の中に響いていた。」 うわ…… 日本語なのか…… 泣けてくるなぁ。 いい名前だなぁ。 感動に目を潤ませつつ、四巻にもわたる長い長い物語のページを、今、ゆっくりと閉じた。
1投稿日: 2022.08.24
powered by ブクログ山で育った少年は図書館に暮らす「高い塔の魔女」の元に行く。書物と知識に通じる魔女は己の声を持たぬ少女だった。 圧巻の大娯楽小説。言語、書誌学、歴史、政治、戦争、科学、地理、ありとあらゆるものが詰まった世界で、魅力的なキャラクターが言葉と心を交わす。
0投稿日: 2022.03.02
powered by ブクログ「キリヒトにはマツリカの脳髄の中に、取るに足りない断片を引き寄せて一つの物語に組み立てていく強力な磁力の力の中心とでも言ったものがあるように思える。マツリカの頭の中に吹き寄せられた知識の断片は、その強力な磁場の中で整序され、それぞれ所を得て配列され、有機的に組織づけられてさらに巨大な知恵に織り上げられてゆく。 それはまさしく図書館の似姿だった。マツリカの中に図書館がある。いやマツリカこそがひとつの図書館なのだ。」 最終巻は、全4巻の中で最大長編なのだが、大どんでん返しもなく、これまでの展開を粛々と畳んで行くのに過ぎないように、私には感じられた。 確かに幾つか明らかになったことはあるけれども、なくても物語全体には大きな影響はない。1番描きたかったことは、既に描き切れていたからである。それが、冒頭抜き書きしたキリヒトのマツリカに対する評価である。 一見すると、ここで描かれているマツリカは現代のAIのようでもある。でもそれは「人間の姿をしたAI」ではない。「AIの能力を持った人間」として描かれる。それは同時に、言語学者としての著者が「現代の図書館を最大限活用したならば、貴方もマツリカになれるよ」というメッセージなのだろう。 そのためには、人間としてのマツリカを、そしてそれを補佐する「高い塔=一ノ谷の図書館」のスタッフたちの人間性を描かなければならなかった。そのための物語だったのだろうけど、私が編集者ならば枚数を半分にしろと言ったと思う。エンタメとしてのスピード感がなかったからである。綿密に作り上げられた世界観を持った上橋菜穂子のデビュー作「精霊の木」は、編集者により3/4に削られた。 更には、ファンタジーとしては世界観が未だ不十分。現代図書館の知識を十二分に応用したいという気持ちはわかるが、産業革命が未だ達成されていないのに、冒頭抜き書きにあるように、キリヒトが19世紀に確立した「磁力理論」に精通しているという設定はなんなの?とは思う。一事が万事。方々に出てくる難しい言葉は、「検索」すれば出てくるので、私は驚かない。著者が図書館の中の「(知識を)その強力な磁場の中で整序され、それぞれ所を得て配列され、有機的に組織づけられてさらに巨大な」物語を作ったのはわかるにしても、それをパラレルワールドとして成立させるだけの説得性が、未だこれほどの長編の中に感じられない。全く違う歴史過程で作られた世界ならば、そこまでは言わないけれども、この世界はあまりにも私たちの世界と似過ぎているので、大変気になるのである。 ‥‥厳しいことを書いてしまったが、 冒頭抜き書した著者の「メッセージ」には、大いに共感する。 主人公を、「言葉を発することはできないけれども、豊かな言葉を持ち」「その言葉を武器にして世界と渡り合う」「10代の少女」に設定し、それを補佐する者も、「10代の少年」に設定したのも、大きなメッセージを持っていて共感する。 あえて言えば、「究極の問い」は、こうだったのかもしれない。 図書館の中の「言葉」によって 未来をつくることはできるのか。 とりあえず、この物語の中では出来た。 そこは良かったと思う。
64投稿日: 2022.02.23
powered by ブクログ片手にこの小説、片手に辞書、それでもわからないときはインターネットで言葉を調べながら読んだ作品です。これまで読んできた中で読み終わるまでに一番時間がかかりましたが、それに見合う読書体験ができました。人生で一番読み応えがあって、感動し、満足させてもらいました。こんなに趣味が読書で良かったと思ったことはありませんし、今小説を読んでいる!という充足感が最高です。
1投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ"世界のありとあらゆる事どもを細大漏らさず記すべく数限りない書物が書架に背を並べ、やがては書物の詰まった棚の数々がそれじたい一つの世界をなして、網の目のように絡まりあって世界の全体を絡めとっていこうとする。 これが図書館だよ、キリヒト。" 山育ちの少年、キリヒトは、「先生」の命で、図書館で過ごすことに。そこで出会った「図書館の魔女」は言葉を自由自在に操る、がしかし声を出せない、一人の少女だった。 "言葉を操るが、声を出せない" この設定こそ本書の最大の肝となる。 キリヒトの生活は今までとはうって変わり、本に囲まれた環境は新鮮な驚きに満ちていた。 その驚きは全て読者の驚きでもあり、図書館の役割、本の役割といったマツリカの話は、本好きであれば誰しもすぐに引きこまれるだろう。 言葉とはーーこの謎は、答えの出るものではない。それでも、全四巻の物語を通じて少しずつ紐解かれていく。 図書館の魔女であるマツリカは、言葉のみで世界を動かす。智慧と言っても良いのかもしれない。 街で聞いたたった一つの言葉、相手が口にしないたった一文字の言葉、そこに膨大な知識を加え、物語を紡ぎ上げる。 剣や魔法で戦うのではなく、智慧で戦いを収める。 それがマツリカのやり方であり、権謀術数も本書の見どころだ。 そして推理や謀略、新鮮な知識といった物語の内容を支えるのは、間違いなく丁寧な人物描写。 マツリカとキリヒトはもちろん、ハルカゼや、キリンイラム、ヴァーシャールヘイ、ニザマ帝、登場回数の少ない人物だとカシムまで、皆本当に描きこまれている。一言でいうならば、一人残らず"深い"のだ。 最後の別れのシーンは胸にジンとくるものがある。 本や言葉について語るだけあって、文章も美しい。出てくる言葉の語彙が非常に豊富で、少し大げさだが、日本語の美しさが感じられる。 いつまでもこの世界に浸っていたい。そう思わせる、最高に濃密な読書体験だった。
5投稿日: 2022.01.28
powered by ブクログ第四巻。とりあえずの完結編。 三国和睦会議困惑するアルデシュ。 人をモノとしか見ないミツクビの行動。 緊迫した場面で間諜の考え方を面白がるマツリカ。 「見逃した」とか「気付いていれば」という予告が 入るので、ハラハラしながら読み進めないといけない。 双子座(ミトゥナ)の館を目指す一行に向けられた刺客。 人形遣いの本当の意味。そして双子座を指し示す意味 これは、やられましたぁ~ 全くもって、落ち着く暇もありゃしない。 本を愛し、言葉の力を信じるすべての人に!っていう 最初のキャッチコピーを最後まで貫きました(^◇^;) あぁ・・・図書館の地縛霊になりたいと思っていたけど ますます思いが強まったわぁ~
2投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログ三国和睦会議にも スパイはいる。 誰が情報を漏らしているのか マツリカの左手に術をかけた 双子座はつかまるのか はたして 追い詰めた双子座だけが 術師なのか 姿を消しているキリヒトの先生や図書館の魔女の先代は? アクションにつぐアクション! 4巻は厚いのに 離せずに読んでしまいました。 これで終わりなのかと思ったら まだ続編がありました。 楽しみです。
1投稿日: 2021.12.16
powered by ブクログニザマ帝による宦官中常侍との決別宣言の影響 アルデシュの説得プレゼン 戦争の過程と維持で必要になる物資と費用 領土を得た仮定の展望 新たな農地と農法の提案 揚水技術の説明 双子座の追跡 帰路のあれこれ エピローグ 前半の交渉はキリン無双すぎ(笑) いや、まぁこうなることはわかってたけどね そして、間諜がいる事を前提に行動している人たちの凄さ ニザマ帝とマツリカの頭の中はどうなってるのかね? マツリカの交渉術というか、ピンチも全て利用して、それをさも最初から考えていたことかのような振る舞い ほぼまとまった交渉の弱点を利用して、技術の価値を操作して情報を得るとかって、詐欺師のやり口ですよ?(笑) 双子座の追跡に関しては、描写が微に入り細に入り込んでいる でも、何故かその場面が脳内に再生されない不思議 表現が冗長な気がするんだが、私の想像力や知識のなさが原因なのですかね それにしても、ヴァーシャールヘイ…… ってか、あんな生物兵器のような疫神をどうやって管理運用してるんですかね? あの人数をちゃんと適切な使い方をできるように管理するって、かなりコストがかかると思うんですが…… ま、そこはフィクションってことで 帰途のマツリカの強欲っぷり ま、それが人を救う形になってるのが面白いところ 証文のやりとりの伏線がここで生きてくるとはねぇ 物語の構成というかキャラクターの配置の妙ですね エピローグはマツリカらしいし、キリヒトらしい 全体を通じて 壮大なボーイミーツガール物語という理解がしっくりくる そして、自分の存在意義を自分で選ぶという、自己実現の話なんだな それでいて、知識エンターテイメントの要素や国家レベルの謀略など、知識と洞察力が必要だったりと懐が深い あと、タイトルからはファンタジーな印象を抱くのに、作中では結果的に非現実的要素を全否定する超リアリズムな物語になっている不思議 架空の国のはずが、まるで世界史のどこか一部を切り取ったかのような、地理・歴史、キャラクターの設定が凄い 総じて冗長な表現が多いと思われるのは、著者が言語学者であるのが理由なのだろうか? そのせいで頭の中でイメージ化するスピードと物語の内容の進行が大幅にズレている気がする もっと簡潔な表現と描写で文量が半分くらいだと私に丁度いい感じだろうか?
2投稿日: 2021.11.06
powered by ブクログ終わった。 すごい話だった。 本当に面白い本を読んだ満足感でいっぱい。 長い長い物語で、言語学者だという作者が紡ぎ出す文章を読むのは結構大変だったけど、丁寧に読むことができてよかった。 魔女と呼ばれている人物が主人公だけど、魔法は出てこない。 架空の世界の外交小説でありつつ、少年少女が心通わせる物語、敵対する者や衛兵たちとの胸が熱くなる戦いと友情。 もう盛りだくさん。 終わるまで長かったけど、もう少しで終わり…となると、この世界から離れるのが淋しくなって、ちびちびと読んだ。 続編も出ているようなので、そちらも読んでみようと思う。
0投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログあっと言う間に終わってしまった。 異色のファンタジーと言えると思う。 よく練られたストーリー。魅力的な登場人物たち。 複雑になり過ぎることもなく、最後まで集中して読めた。要所では伏線回収の度にハッとさせられる。物語は道半ば、これからも続いていくことが想像できる。 マツリカ達は言葉で世界を変えた。 キリヒトとの出会いから、水路の探検、装置の発見、一ノ谷の外交政策に三国会談。 不意に描かれるマツリカの少女感には、読んでるこちらはどんな顔をしていいのやら。 双子座兄弟の事情には、成程と唸ってしまった。伏線だらけだったのね。 衛兵たちがとても人間味があり、彼らの会話や態度はどこかホッとさせられる。 言葉の力に、信頼や裏切り、人情に忠義。他にも色々と見所満載の物語。おもしろかった。 読了。
18投稿日: 2021.07.03
powered by ブクログほんと、一生のお願い! この小説はぜひ読んでみて! 読んだ後に、もし面白くなかったという感想だったら、もう 『kazzu008に騙された!!』 とネット上で滅茶苦茶炎上させてもいいですから!! この小説は、カテゴリー的にいうとファンタジー物になるんだろけど、そんじょそこらのファンタジーとは全くちがいますね。 火を噴くドラゴンも出てこなければ、魔法も出てきません。 雰囲気的には、古代ヨーロッパと中国を合わせたような世界が舞台。 そこで活躍するのが、 「高い塔の魔女」と恐れられている少女マツリカ 魔女と言っても、先ほど言ったように本当に魔法を使うわけではなく、その知識と知略で世界を変えてしまうような能力を持っているのです。 そのマツリカのもとに一人の少年が送られてくるところから物語は始まります。 その少年の名はキリヒト。 彼の役目は、マツリカの手話通訳。 そう、「高い塔の魔女・マツリカ」は声を出すことができないのです。 「声なき少女」が知恵と勇気で世界を動かすという壮大な物語なのです。 いや~。本当に面白かった。 しかもこの本は著者のデビュー作なんですよね。 そして著者の本職は『言語学者』。本書のなかでも民俗学に通じるような言語学の幅広い知識が散りばめられ、そちらの方でも満足度も半端ありません。 世界を動かすというストーリーも最高だし、マツリカとキリヒトの ボーイミーツガール 的な要素もあり、そういった胸キュン(←死語)シチュエーションが好きな方も満足させてくれるはず(笑)。 文庫本で4巻。しかも内容は非常に濃いのでがっちり読み応えがあります。 それでも2巻の後半くらいからキリヒトがなぜマツリカのもとに送られてきたかという理由が明らかになっていくと、もうページをめくる手が止まりません。 おっと、これ以上はもう書けないなww マジでおすすめの本ですから、ぜひ未読の方は手に取ってみてくださいね。 久しぶりのレビューでちょっと力の入ってしまったkazzu008からのお願いでした!
33投稿日: 2021.05.20
powered by ブクログ2021.1.10 この巻のためにこれまでがあったのかと納得の一冊でした。 恋愛にフレない所も好感もてたし、一人一人が、こう動くよな〜と思わせるシリーズ物独特の世界観がよかった。
5投稿日: 2021.01.14
powered by ブクログ架空の世界の物語なのでそれだけでいうとファンタジーだけど、魔法や何やらは一切出てこなくて、外交、緻密に組み立てられたストーリーがすごく面白かった。最終巻は泣きつつ、締めくくりも本当にしっくりきて他の小説とはまた違った満足感。
5投稿日: 2020.12.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
言語への情熱は十分すぎるほど伝わった。 しかし残念ながらここで一旦本を置くことにした。 ますます描写が長くくどくなっていく。 著者の方には谷崎潤一郎氏の文章読本をお読みいただきたい。お読みならば御見解を聞きたい。 平易な言葉を使うこと。 文章の無駄を削ぎ落とすこと。 この作品の文章と真逆のことが心得として書かれている。 もちろん文章の正解は一つではないが、正直この心得を意識しながら推敲を重ねたなら、この作品は1/5のボリュームまで下がっただろう。 持てる限りの言葉を尽くして語るのも技術のうちだが、その持てる言葉の中から最適解のみを抜き出す努力も必要ではないか。 …などと文を綴る才覚のない者が言っても仕方ないが、この文を受け付けない人間が、ひとえに語彙力や読解力が無いため、とは思わない。 つまりは相性、といってしまえばそれまでだが。
3投稿日: 2020.09.07
powered by ブクログ何故こんなにこの作品は素晴らしいのだろうか。生まれて初めて「読み終わりたくない」と感じた小説だった。私が小説の中で特徴を感じる観点の1つして”科白以外の文”がある。ここでは客観的な文が多いが2種類ある。1つ目は”世界を俯瞰”している視点と”第三者の目”という視点である。特に後者は珍しいと感じる。この視点があることで、読者はまるでその場にいると感じ、臨場感や緊張感を肌で感じるかのように読み進めて行くことができる。更に、最後の場面は続きを匂わせる雰囲気で、読みたいなと思う。
0投稿日: 2020.09.03
powered by ブクログ面白かった! 久しぶりに夢中になって、貪るように読み切りました 既に続編が発行されていますが、マツリカを含む図書館の皆と役目のために図書館を出たキリヒトがどのように絡んでいくのか、今から楽しみです!
0投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ「図書館の魔女」全4巻を読了した。 この小説には表紙や本文中にも一切の挿絵がない。あるのはその大陸の地図だけ。 挿絵を必要としている訳ではないが、無い事 によって、この本を手にした様々な人たちの想像によって創造される風景や人物は間違いなくそれぞれ違うだろうと思う。その人それぞれの風景や人物像が創造される事こそファンタジー小説の魅力なんだろうと今回改めて思ってしまった。 「図書館の魔女」読者の年齢や性別、はたまた職業や趣味など様々な要因によって、いく通りものマツリカや図書館が描かれたと思う。例えばこの小説を映画にするとなれば果たしてどのような景色になるのか?それを想像するのもまた楽しい。
1投稿日: 2020.01.11
powered by ブクログ面白かった‼ 剣は人を分断する。言葉は人をつなげる。 マツリカが追い求める、”彼我の間に、言葉を交わすチャンスはなかったのか?”という問い。言葉によって世界を平らかにできる、という証明。 言葉が人を人たらしめているのならば、言葉でつながっていくことこそが、人の在るべき姿だと思った。
0投稿日: 2020.01.09
powered by ブクログ一ノ谷の高い塔に住む魔女マツリカを中心とするファンタジー。読み終わったが、これって導入部なのだろう。 著者が言語学者のため、文章や単語が難しく読みづらかったのは俺だけ?とりあえず読み進めてきたが大変面白かった。時間を置いて改めて読んでみたい。 当然、次も読む。
5投稿日: 2019.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろくて何晩か明け方まで読んで過ごしてしまった。 のめり込んでいても一息に読むとはいかない厚さ。しかし少しずつラストに近づき、これで終わってしまうのかと寂しさある四巻だった。 一ノ谷から二ザマ、アルデシュへ向かう一行の長く険しい旅。図書館の魔女である少女マツリカと手話訳・護衛の少年キリヒトの関係は一層深まり、手話のわからなかった近衛兵達も自然と手話を学んだり言語の違いを越える場面がある。共通の言葉を介し関係を深めること、しかし言語や人種が違っても気持ちを通じ信頼しあえること、どちらもグローバル化する日常生活で身近にあり共感しやすい。 推理小説のような謎解きやドンデン返しがあるけれど、裏づけされていく背景には常にマツリカの底知れぬ知識や記憶力洞察力がある。 これだけの知識をたくわえるという神秘が図書館にあったなんて。昔から図書館は好きな場所だけど、改めて図書館の空気に重みを感じられるきっかけになった。 キリヒトの耳鳴りや襲ってくる巨人的な者達、ゾンビ的な者達の動き、ミツクビの謎めいた性質は、はじめこそ得体の知れない気味悪さに満ちていたけど、話が進むにつれ、薬中毒の結果だったり、周波数の違う犬笛の音だったり、双子を襲う仕掛けなど、ファンタジーの世界ではあっても科学的でリアルな作りで、これまでよんだものとは一味違うなと思った。 秋に読んだことでおいしい影響もあった。マツリカの中毒気味な葡萄酒の飲みっぷりに、長い旅を終えたあとの離れでのイラムのあたたかいスープ! 本を離れてもトロッとしたワインや心のこもった料理に心惹かれる。 読み終わることへの寂しさを感じながらのラスト、マツリカとキリヒトとの別れについて、目が覚める文がある。 「別れが近づいていることに悲嘆と慄きと、そして漠然とした期待とをふたつながら覚えていた。…一つの文に句点を打たねば次の文が始まらぬように、…、一冊を閉じねば次の巻には進めないように、新しく門を開いていくために閉じなければならない扉がある。」 物語との別れも、また次の巻にはとどまらず新たな人生の書との出会いへの一歩。そして、然るべき機会に出会う書が悩みや祈りへの答えをくれることがある。 読書は素晴らしい。一冊を終え新たに続けることを思い出させてくれる。
3投稿日: 2019.10.02
powered by ブクログとても面白かった! 最後のハラハラドキドキの展開、大好きです! まさかのオチもあって文句なしの傑作!
0投稿日: 2019.08.18
powered by ブクログいやあ、面白かった。見事な大団円だ。 シリーズ最終巻。 他の2巻分あるんじゃないかと言う分量の本巻の、前半は言葉による対決、そして後半は剣による対決が描かれる。 文武両方での対決は、どちらも期待通りの胸のすくような展開だった。 うん、こういうお話を読みたかったんだよ。 正直、シリーズ前半は冗長で平坦な展開であまりワクワクしなかったのだけど、最終巻のこの盛り上がりはいい。 そんなハイライトの後の比較的長い後日談は、それこそ、作者がこの物語を終わりがたく思っているようにも感じられた。 そして個人的なハイライトもこの部分。 船室でマツリカとキリヒトが将来の約束を交わす場面。 二人の想いが溢れてくる。 一つに寝具を二人で被って眠る様は恋人か、あるいは仲の良い姉弟の様に睦まじい。 再び出会うことを約束された別れは寂しくはあっても悲しくはない。 二人の再会の物語を期待している。
0投稿日: 2019.06.07
powered by ブクログ厚い。 ラストの攻防に思わず一気読み。 双子座が互いを呼ぶ、 我が半身、片割れ フェラム(の対訳)にやられた。
0投稿日: 2019.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終えるのに時間がかかってしまった。仕事が忙しいのもあったが、冒頭の円卓会議が苦痛。長くてまどろこしくって、はよ、実物見せなはれと思いつつ読み進めた。 説得する相手が素直で物分りが良すぎると思うのは自分がひねくれてるせいか? その部分さえ読み終えれば物語もスピード感を持ってくれ、楽しんで読めた。 エピローグ的な章もちょい長め。 全体を通して。 この作家さんのスタイルなのか知らんけど、描写がくどい。 演出的に小難しい言葉を使うのには読んでるうちに慣れたが、それに続く関東言葉(かたす、マツリカのべらんめぇ口調等)に違和感が拭えなかった。 高い塔で本ばかりに囲まれて暮らしていくとツンデレ度が上がるのだろうか?某学園の図書館最上階で本に囲まれてる少女とちょいキャラがかぶってるね。 大ボリュームで満足。 ただしこの後の話はしばらく読むのはいいかな。
0投稿日: 2019.05.03
powered by ブクログとうとう読み終わってしまった、というのが最初の感想です。 最終巻にして物語は一気に飛躍を見せ、これまでマツリカとキリヒトが体験した全ての出来事が意味を持つ。面白さのあまりこのボリュームを1日で読破してしまった。 全4巻で終わりだと思っていたのに新シリーズがあると知ったときの喜びは、読んだ人には分かると思います。
2投稿日: 2019.04.28
powered by ブクログ最高のファンタジー小説の一つです 最初はセリフも殆どなく、地の文章だらけできついですが、キリヒトとマツリカが出会ってからは一気に面白くなりました
2投稿日: 2019.04.21
powered by ブクログものすごい物語だった! 3国同盟、古アルデュでの戦い、帰りの船上、そして高い塔。 みんなの未来に幸あれ! 当然、物語のその後がきになるわけです^^;
0投稿日: 2019.03.08
powered by ブクログ三つの国を又にかけた大冒険の回でした。意外な人物の裏切りが明らかになります。 マツリカにかけられた呪いを解く為に敵と対峙する場面では細かい描写で描かれていて、最初から最後までハラハラしました。 マツリカとキリヒトのやりとりも神秘的でした。
2投稿日: 2019.01.21
powered by ブクログ本当に素晴らしい小説でした。評価の☆が5つまでしか無いのが惜しい。 壮大なファンタジーかと思いきや魔法も不思議な生き物も出てこない。(民族による体型などの違いはあるけれど。)でも、確実に質の高いファンタジー。巻末の解説に「指輪物語やハリー・ポッターに勝る物語」とあったのですが、まさにその通りだと思いました。 読み始めはページ数の多さと言葉の難しさに圧倒されて、読み終える事が出来るのかも怪しく感じました。でも、4巻を読む頃には早く先が知りたくもあり読み終えるのが寂くもあり。沢山の知識や考え方が入ってくるのだけれど決して押し付けがましくなく、読み手にちゃんと考える余地を与えてくれている。 沢山の人に読んでほしい物語です。
6投稿日: 2018.12.13
powered by ブクログ超弩級の大傑作、と言うほかない。 これほどまでに途轍もなく、ただひたすらに面白い小説に巡り会えた幸せを、読後の気怠い充足感の中でしみじみと噛み締めている。 著者の高田大介氏は、言語・文献学の研究者であり、本書にはその知見が物語のアクセントとして実に効果的に差し込まれている。 専門家にしか書き表せないであろう、「ことば」というものの奥深さと面白さが、マツリカを筆頭とするたいそう魅力的な登場人物たちによって語られることで、素人同然である自分にも、水が染みこむかのように染み渡った。 本書のように、しっかりとした「文学」を面白がれる読者であれば、本書にて開陳される「ことば」への深い造詣は、それだけで読み応えのあるコンテンツと成り得る。 そしてなにより、本書の「物語」が抜群という言葉すらも凌駕するほどに面白い。 幾重にも張り巡らされた権謀術数と、僅かな、取るに足りないような言葉の切れ端から、鮮やかに推理を組み立てていく一連の流れには、ただ感嘆するしかなかった。 そして、その物語の登場人物たちが、これまた他に類を見ないほどに魅力的、かつ個性的で、特にマツリカとキリヒトとの遣り取りは、胸に深い印象を刻んだ。 なにより、随所に挟み込まれるユーモアには、思わず笑い声が漏れるほどだった。 さらに、著者の文体、その中でも文章のリズムが本当に素晴らしい。 「読む」という行為がただただ愉しく、文字を目で追うことが快楽となる。 それはまるで、美しいメロディに身を委ね、身体が自然と揺れるに任せているかのような心地よさ。 こんなに素晴らしい読書体験はそうそう出来るものではない。 深く示唆に富んだ知見と、面白さに引き込まれる物語、そして、そのすべてを表現するきわめて優れた文体。 これだけすべてが揃った小説に出会ってしまったら、虜になるなと言われても無理な話だ。 続刊も楽しみ。
4投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログ一の谷の一行は、ニザマの西の離宮で、和睦の会議に出席することになる。その席では、アルデッシュ側を説得する必要がある。どんな秘策を高い塔の魔女であるマツリカは用意しているのだろうか?難しい漢字や熟語が出てくる。言葉の世界を操る魔女が登場するからかな。
1投稿日: 2018.10.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
著者の本は初めて。文庫本4冊で2千ページ超える。第一巻でくじけそうになったが、ふと気づくと内容に魅了され、4巻まで来た際には、読みえる終えるのがとても惜しくなった。 ファンタジーというカテゴリーになってはいるが、そういったカテゴリーでくくれない凄い世界観がこの小説にはある。 小説に描かれる世界の最古の図書館がある一の谷の「高い塔」。高い塔は、マツリカという魔女に支配されている。魔女は年端もいかない娘、そして喋ることができない。知識は力なりという言葉があるが、正に知の集積された図書館から、政を彼女は行う。図書館にある本、当たり前だが全て言葉で書かれている。知識を得るためには、言葉を通じて、内容を理解、記憶・記録し、使うときには、言葉が使われる。マツリカは、声を発することができないが、様々な表現手段を使い、外交を行う、少しでもこの世界が平穏であるようにと願いながら。言葉とは何か、そして知識とは何か、この本は何度も問いかけてくる。又、知っているということの凄さと、知らないという事の怖さをも伝えてくる。戦争や死というものの悲惨さが描かれており、政がそういったものと切り離せない悲しさを感じるが、知識や言葉が、そういった事を無くしうる可能性、力を持っている事を言語学者である作者は伝えたかったのかなと感じた。 凄い小説に出会えてよかった思える一冊。これだから読書は楽しい。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ最終巻がとびっきり分厚いってことは、ページ数だけで分冊したわけじゃないってことね。 久しぶりに出会った、何度でも読んでみたい物語のクライマックス。 はらはらどきどきの筋書きを追って1回目。 気に入ったシーンをじっくり味わいたくて2回目。 言葉や書籍について深い英知に触れたくて3回目。 ちりばめられた言葉を辞書で探しながら4回目。 まっしろな頭に戻って5回目。 いつでも、マツリカやキリヒト、ハルカゼやキリン、イラムやアキーム、ニザマの帝・・・に会いにいけるのは、楽しい。この本に描かれていない、いろんなエピソードを空想してみるのも、いい。 また、会いにいきます。
0投稿日: 2018.09.28
powered by ブクログこれだけの長さでありながら、物語が終わってしまうことを惜しむような本に出会ったのは、とんでもなく久しぶりな気がします。ひょっとしたら初めてかもしれない。 世界観、設定、話の展開、伏線、学問的な裏付け、根拠に理論。何より、風景に気候、動植物に飲食物、建造物に道具類、そして人物描写と心理描写。物語に関わる一切において手を抜くことなく、細部にわたって考え抜き、大切に言葉を選び抜き、丁寧に綴られたということが伝わってきます。 登場する言葉が難解すぎて&政治的なやりとりが難しすぎて、浅学な私の頭ではついていけない部分もかなりあったのですが(涙)、それでもこの話は十分に面白かった。分からないでも分からないなりに読み込まないと大要が掴めないことは序盤で思い知ったので、他の本ならば読み飛ばしてしまいそうな説明部でも丹念に辿っていかざるを得ず、その結果、物語の中にどっぷりと浸ることが出来たようにも思います。 題名に「魔女」を謳いながら、本当の「魔法」は登場しないけれど、この話は間違いなく、幻想的で心躍るファンタジーでした。 余談ですが、各話の小題が平仮名なのが気になって、何かの暗号になっているのではとタテ読みしても特に何も読み取れずにいたら……まさか、作中で全く別のタテ読み暗号が出てくるとは(笑) 最後に一言。 キリヒトとマツリカが可愛すぎる……!!(太字強調)
0投稿日: 2018.09.22
powered by ブクログこの圧倒的な世界観は唯一無二。早く先が読みたいというよりも、長くこの世界に浸っていたいと思わせてくれる、そんな物語。
0投稿日: 2018.08.26
powered by ブクログ■言葉の呪術的な力を熟知した著者による、大スペクタクル小説、完結! 海峡地域の動乱を期するニザマ宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座するは、宦官宰相の専横を忍んできたニザマ帝、アルデシュ軍幕僚、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師は追い詰められるのか?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
0投稿日: 2018.07.16
powered by ブクログうならされるような快作。 タイトルからして魔法の飛び交う話かと思いがちだがそうではない。 言葉を自在に操り、読み解き、あらゆる事物を動かす力を持つ少女について、畏怖を込めて「魔女」と呼んでいるだけのこと。 しかしどれだけの本を読めば少女のうちにこれほどの知識を身の内に秘めることができるだろう。 私も小さいころは多読派だったけど単に童話ばかり読んでたからなあ……って自分と比べても仕方がないが、非現実的ではある。まあそこはさておき。 人々の口の端にのぼる噂話やら些細な手がかりから、一国の政情までも動かしてゆく「魔女」の快進撃が面白く、ぐいぐい読める。 ボーイミーツガール的な青春物としての楽しさもある。 描写が緻密すぎて文体のリズムを悪くしており、冗長な印象を受けるのが玉に瑕だが、全体としては静と動をうまく使い分けているので読みづらいというほどではない。 普段何気なく使っている「言葉」の広がりや可能性についてしみじみと考えさせられた。 おそらくまだまだ続きがあると思うので楽しみ。
2投稿日: 2018.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミツクビと対決そして決着…とはならなかったけど、良い終わり方だったと思う。個人的にはもっとキリヒトにキリヒトとして活躍して欲しかった。
0投稿日: 2018.07.11
powered by ブクログ2巻の途中ぐらいで一度断念。その後一年後に再読すると、巻が進むごとにどんどん面白くなり、読み終わった今では喪失感でいっぱいです また、もっと重厚感のある物語が読みたい!! キリヒトとマツリカがかわいすぎる…!
0投稿日: 2018.06.23
powered by ブクログストーリー展開とキャラの個性が面白い。 作家さんの言語学の知識量がすごく、架空を交えつつも、言語に関する重厚な説明がいつまでもどこまでも続く。それが物語発展の大きなキーワードで、必要不可欠なものにしてあるのもすごい。 一巻の段階では、ストーリーの方向性が読めなかったけれど、3、4巻の展開がおもしろく、あの厚さを一気読みしてしまった。 緊迫の戦闘時に手話で会話することになかなかイメージを持たなかったけれど、マツリカとキリヒトはすごいからなんとかなっていたんでしょう。 言語的な解説をはしょったらおそらく三分の一くらいの厚さになりそう。 ストーリー自体のテンポがよかった。 マツリカとキリヒトの組み合わせ解消…さびしい。
0投稿日: 2018.05.17
powered by ブクログやっとの思いで読了。最終巻でいろんな伏線がきれいに回収されていってスッキリ。続編も読みたいけど、なかなか書いてもらえないんですよね分かります。
0投稿日: 2018.05.15
powered by ブクログすげー!最後の最後まで、全く隙が無く面白かった~!言葉に対する真摯な態度とかも一切ブレず。多少難解に感じるところがないこともないけど、それは作品の崇高性を高めこそすれ、マイナス点にはなり得ない。文学論や政治論、土木工学から男女関係にまで筆が及び、守備範囲も多岐に渡るけど、それぞれが十分に咀嚼された上で提示されていて、とってつけた感も皆無。ちょっとしたどんでん返し的サプライズも用意されていて、ミステリ風の楽しみも味わえる。シリーズ第二作も既に発表されていて、まだこの世界感を楽しめるんだっていうのもとても有難い。いやいや素晴らしかった。絶品です。
2投稿日: 2018.05.08
powered by ブクログあっという間に4冊読み終えてしまいました。。。 これは説明のつかない気持ち。。。 読んだ人しかこの世界に行くことができない、それは どんな本にも言えることなんですが。。。 彼らが涙を流すときは わたしも泣きました。。。 どうしようもないことでも いまは変えることができないとしても 必ず未来につながっていると。。。 待っていると。。。 物語はまだ続いているはず。。。 続きが読みたくて仕方ないです。。。 読み終えたくなかった。。。
2投稿日: 2018.05.07
powered by ブクログ面白い、ただちょっと説明的な記述が多すぎかな、必要だとは思うけどもう少し少なくしてもいいと思った。 続編を読みたい。 シリーズの本があるから読もうと思ったら続きってわけではなさそうなんで非常に残念
0投稿日: 2018.01.22
powered by ブクログ【再読】 言葉は大切。言葉を伝えることは価値があること。なのに、伝える手段や機会が増えれば増えるほど、無為な言葉ばかりが溢れてしまって、どうしても伝えたい大切な言葉が紡げなくなってしまう。私は何十年とそれが苦しかった。何も考えず、苦しまず、誰に届かなくても構わない言葉を話すたび、自分自身が希薄化していく気がしていた。行き場を失った私の思考が、言葉に成り得なかった何かが、意識の底に沈んで散逸していく様を、ただ一人なす術もなく受け入れていた。 この本を読み、「大切な言葉を見失うな、抗え、選択しろ。」と、背中を押されているようで、とても救われた。話すという方法じゃなくていい。大切な言葉がある時、散逸する前に留める努力をしようと思った。同時に二つの言葉は伝えられないのだから。 *以下引用* 文字にすれば証が残る。考えていることが邪だから、自分の言葉が文字になって、手を離れたところに残るのが恐ろしいんだろう。(p105) 無傷の戦役など有り得ない。失って、奪われて、それでも勝ち取るべきものがある、それでも守るべきものがある__それは国か、信義か、誇りか。いや、戦場に流される血を、尊い犠牲と呼んで当たり前のように肯ってしまうならば、そのようにして勝ち取られ、守られた国に、信義に、誇りに、如何なる至上の価値を見ればよいのか。流された血は誰の血で、守られた国、信義、誇りは誰のものなのか。(p116) 私の生きた年月の倍の星霜を戦場の露天に過ごした歴戦の将の言葉であろうとも、修羅場に「流される血」が他ならぬ誰の血なのかを忘れて顧みようとしない者たちの語る「戦の義」になど一歩たりとも譲るまい。(p121) 一代の栄耀に驕れる宦官に、国をたしかに後裔に手渡していく節操を期待しうるのか、甚だ気遣わしい。彼らが隣国や盟邦を裏切って恥じないのは、後世に禍根を残していく患いを顧みないことにあるのかも知れません。(p138) 二人の間に言葉は通じていたのか。細かいことは何を言っているかはわからなくとも、思いが伝わっているなら、それは言葉が通じたと言えるのかも知れない。(中略)互いに相手の知らぬ言葉で話し合い、互いの言っていることは微妙にすれ違っているように見えながら、二人は気心の知れた友人のように会話を交わしている。(中略)彼らの間に交わされるすれ違っていく言葉の中に、イズミルには由来の見えない理解が交換されているのを感じるのだった。ならば言葉が通じるというのは、何を意味するのだろうか。一ノ谷俗語しか話さぬキリヒトと、東部山岳方言しか話さぬイシュトバーンの間には、すでに彼らだけに取り交わされる耳に聞こえない言葉があるようだった。ならば「言葉」とはいったい何なのだろうか。(中略)この夜に出会ってきた言葉の通じなかった者たち、語らなかった者たち、彼らとの間にも「言葉」はあり得たのだろうか。彼らにも「言葉」はあったのだろうか。俺たちが、とうとう聞きとることは出来ずに終わってしまった言葉が__(p424) どんなに脆弱に見えても、ひとたび世の争いに曝されればたやすく壊たれ、滅ぼされるように見えても、私たちが、誰かが、この知の礎を毅然として守るなら、その一欠片でも守り通せるものなら、私たちが守ろうとするものは人から人の手に渡り、国境を越え、時代を超え、そしてかたく受け継がれていくだろう。そしてその都度、ほんの少しずつでもその影響力を増し、ほんの少しずつでもその訴求力を高め、いずれその訴えが万人に届き、いずれその価値が諸人の手に分け持たれるだろう。一ノ谷の奥に高い塔の立つように、この世界に我々の護る知の礎が、諸人の恃む智慧の殿堂となって屹立するだろう。だがこれを守っていくために必要なのは諍いではない。兵戈を執り、弓馬に依って護るのではない。(p472) キリヒトはマツリカの瞳の中に、運命を否定するものを、運命を超えていくものを見ていた。運命だろうと、宿世だろうと、生まれだろうと、マツリカにはそれらは従うものではありえなかった。意志によって、決断によって、人は運命や宿業を超えていくのだ。(p529) 高い塔に踏み込んだ者達はみな善かれ悪しかれ生涯の岐路を知る。今まで知らぬ世界をいくつも知ることになり、それとは逆に、生涯会うことはない人々、足を踏み入れることはない土地、手にすることのない宝、聴くことのない歌の存在を知る。図書館の伽藍を過ぎて、書庫にのぼれば、地理も言葉も時代の壁すらもやすやすと乗り越えてしまう人の智慧が凝り固まってそこに待っている。図書館の中で世界は時も所も超えて拡がる。反対におのれの今まで持っていたはずの世界は身の丈まで縮んでしまう。図書館は世界の広さと、寄る辺なき自らの卑小さを、ありありと教える。 そして人は岐路の前に立たされている自分を知り、目の前の膨大な言葉の集積、世界の集積の中から、立ち寄るべき棚、手に取るべき書、目を走らせるべき一行を選ばなくてはならない。どれほど目の前の世界が広大であっても、一度に手に取る書物は一冊きり、一度に目で追うべき行文は一本きり、辿るべき道はその都度ひとつだ。目の前にいくつの道が開けていても、二つの道を同時に歩むことは出来ない。だから図書館は人の命運に選択を迫る。人はそこで知ることを覚え、知りえぬことを悟る。選ぶことを学び、選びえぬことを知る。そしてひいてはら高い塔で人は生涯を選ぶ。(p533) 言葉は何かを伝えるためにあるんじゃないよ。言葉そのものがその何かなんだ。言葉は意思伝達の手段なんじゃない。言葉こそ意思、言葉こそ「私」……(p589) __私が死んでも、私が滅しても、私の言葉はまだ滅びない。ハルカゼが、あるいはキリンが、あるいはキリヒトが、次に「私の言葉」となり「私」となるだろう。もし私の言葉が、二ザマの宦官共が厭うたほどに、恐れるほどに、黙らせねばならぬと断じたほどに強いものなのだとしたら、私の言葉は私がいなくなった後も決して死なないだろう。(p589)
0投稿日: 2018.01.11
powered by ブクログ言葉に興味を持って生きてきたことを全肯定されるような本だった。 これまで読んだ本全てのうち、控えめに言っても5本の指に間違いなく入る名作!と、読書家でもない自分の尺度を持ち出すことすら、おこがましいけれど。 これをプレゼントしてくれる親友がいて幸せだと思った。
3投稿日: 2017.11.23
powered by ブクログ政治的な調略あり、呪術をからめた戦闘あり、海上での感動的な会話あり、まだまだ広がる未来を予感させるいくつかの別れありと、盛りだくさんな最終巻。長い物語を読む喜びがつまった作品だと思う。またぜひ、成長した彼らに再会したい。
3投稿日: 2017.11.19
powered by ブクログ『私の自信は、私の言葉が人に届くということ、これ一つで私は、私たちは戦っていける。そして私の失望は、私の言葉の届かなかった者達がいたということだ。 だがそれを運命だと断じてしまうのは、私の信条にしたがって退けておこう。私はまだ考えている。何か手がなかったのかと、何か出来ることがなかったのかと、何か彼らに届く言葉が他になかったのかと。あったはず、あったはずだ。』 素晴らしい!なんて素晴らしいファンタジーなんだ。 魔女と呼ばれているが、用いるのは「言葉」の力のみ。 ファンタジーと呼ぶのはミスリーディングかもしれない。どちらかというと権謀算術の犇めくサスペンス政治小説と呼んだ方がよい。 最高の一冊。個人的には『カラマーゾフの兄弟』並みに面白い!
2投稿日: 2017.10.15
powered by ブクログキャラクターたちの魅力に引きずられるようになんとか読了。描写が細かすぎるのがちょっと辛かった。もう一度最初からじっくり読み直したいけどなあ・・・。
0投稿日: 2017.09.17
powered by ブクログトールキンの定義では、ファンタジーとは「往きて還りし物語」とのこと。確かにマツリカ一行は、他国に行って、帰って来た。古典的なハイファンタジーの形式を踏襲しているが、最後に、またも「往く」者たちがいて、これこそこの本の本論だと思う。彼らが「還る」場所は図書館しかないのだから、次の物語が紡がれるはず、と期待。 この巻にきて、いきなりホラーアクション映画のような怒濤の展開。 刺客「双子座」を確保しに行く一行に襲いかかる刺客また刺客、罠の山!これまでのじっくり読書ペースはどこにいったやら、ページをめくるのももどかしいほど没頭した。 アクションシーンのキリヒトの活躍は圧巻。 たが、この巻の真骨頂は、最終章が終わったあとの「つけたし」の部分。 裏切り者へのマツリカの言葉。 キリヒトが「キリヒト」でなく個人として生きるための別離。言葉の永遠性と名前の重要性。 切なく余韻を残す、すばらしい読書体験だった。
5投稿日: 2017.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久しぶりの本格ファンタジー。 幸せな時間が終わった。 知識は、それを知っているだけでは意味をなさない。知識を縒り合わせ、もしくはパズルのように組み合わせて、ストーリーを紡ぎ出すことができて初めて有用となる。 そしてそれは情報も同じ。 少しでも、ほんの少しでもいいから知識や情報から新しい真相を紡いでみたい。 以下、最も印象に残った場面。 三国会談にて、キリンの説得を始める場面より 「マツリカ様の知略が鬼神のそれならばまさに鬼神に横道無し-直ぐなるか、邪なるかがマツリカ様の関心の外なら、それは私が幾重にも補おう。…マツリカ様が知略に懸けてこの会談を準備したのなら、私は良心に懸けてこの和議を成立へ導いて見せよう。」 ここから先、マツリカに良心が芽生えていく。その過程、そしてラスト。 面白い。
0投稿日: 2017.09.12
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物語の精妙さと重厚さに呆然となる。硬骨な、言葉を巡る政治劇でありながら、次々に展開される理路整然とした謎解き、手に汗握る戦い、さらにはもどかしいほど無垢な少年と少女の触れ合いに引き込まれ、夢中になって読み進めてしまう。物語の幕引きの美しさ、潔さ、また最後まで投げかけられる言葉の仕掛けも見事。
2投稿日: 2017.08.30
powered by ブクログ第45回メフィスト賞受賞作。 すんごく面白かった。これは…数年に一度出るか出ないかの凄まじいファンタジーだと思う。世界設定もさることながら、細かな部分も確かな知識もしくは調査に裏付けされて緻密に描写されている。ここまで微に入り細を穿ちといった感じで書かれているリアリティ溢れるファンタジーは、おそらくファンタジー作家なら皆目指すところなのだろうが、それを実現できているファンタジー小説は数えるほどしかない。 いやほんとにすごい。 とはいえ小説としてのアラは見えなくもない。特に1巻目、2巻目は視点移動がぽんぽん起こるせいでちょっと読みにくかった。 それから、描写が細かすぎてちょっと辟易する場面も。カットしていいところも結構あったんじゃないかなあと思う。 というか序盤がきつかった。まだ世界観にもキャラクターにも入り込んでいないのに、延々と情景描写が70ページ以上続くのは、ちょっと。 歴史、地理、政治、あらゆる側面からの世界の詳細な説明、まるで階段を一段一段上っていくかのような隙のない理屈で組み合わされた登場人物たちの会話、そしてあらゆる分野の知識の開陳にかなりのページを割かれていること…この小説を読んでいると、大学の教授の話を聞いている気分になる。学生時代師事した話好きの教授を思い出す。それとも作者が言語学者だという前情報による偏見だろうか。 この言葉、知識の奔流は読む人を選ぶだろう。人によっては「講釈はいいから早くストーリー進めてよ!」という気分になるかもしれない。ただこの小説、その講義の中にこそストーリーの鍵が含まれていたりするものだから、読みとばすのはおすすめしない。 ついでにいうと難しい言葉もたくさん出てくる。結構小説を読んでる方だと自負していたが、読めない、意味のわからない言葉がわんさかあって自尊心をへし折られた(笑) ペンは剣より強し。それを体現している物語だと思う。 ただし、剣の方もなおざりにされずやっぱり細かな描写でしっかり描かれていて、剣の方にクローズアップされたシーンもすごく面白い。 剣が活躍するシーンでは一見ファンタジー的な生物や能力が出てくるのだが、いちいち民族学etcの説明がされてて、おそらく空想生物ではなく実際にこの世界にいる存在を想定しているんだろうなということを窺わせる。勿論多少過剰な味付けはしているだろうけれども。 おかしな話だが、このファンタジーは徹底してファンタジー色を追い出すことによって素晴らしいファンタジーになっている、と思う。 まるで高い塔の魔女が魔術を嫌っているかの如く。
6投稿日: 2017.08.18
powered by ブクログこれほど素晴らしい小説は久々でした。 題名は魔女だしファンタジー枠だけど、魔法が出てくることはなくファンタジーでもない。 言葉とは何か、考えさせられる作品です。 続編も続けて読みます!
0投稿日: 2017.08.14
powered by ブクログヴァーシャ!涙 小説なのに結構な飛ばし読み。言語学者の著者がこの作品に込めた想いを半分も理解できていないかもしれないけれど、それでもこの世界に、物語にはまることはできた。 続編も読む。
0投稿日: 2017.05.21
powered by ブクログ言葉の持つ力を信じたい、そう思えた本でした。 名前やふと口にした言葉に込められた意味の重さをもっと感じたり考えたりしてもいいなと思う。 マツリカとキリヒトが、再び手をつなぐ日を楽しみに待ちたい。
0投稿日: 2017.05.19
powered by ブクログまずい、久々に心を持っていかれた。 しばらく一ノ谷から現世に帰れそうにない・・・ これは、ひとを生かす話。 戦役は止める、モブは助ける、刺客も助ける。 もーぐっと来たわ。 決め台詞、決めシーンがいろいろカッコイイ。シビレル。 浮いた話が少ないのが逆に良い。青臭いの好き。 しかし、双子座の屋敷を脱出するところ、何がどうなって、誰がどうなっているのかわかりにくい。てか全然わからん! でも、わかりづらい情景描写はどうでもいい(言い切った!)。 ・・・双子座ぁああ・゚・(ノД`;)・゚・ 伏線は丁寧に回収されているのだが、いくつか引っかかるところがある。 「あれ?」と思ったのはわたしだけじゃないはず。 続編に期待が膨らむ!
0投稿日: 2017.04.26
powered by ブクログ第四部 ニザマ、アルデシュ 円卓会議と双子座の館の対決 マツリカとキリヒトそして衛兵たちの闘いに息が詰まる。会議の場での成り行きに息を呑む。彼らが並び立つ平和な未来を目にしたい。 次の本は短篇集、読んでる合間の目に浮かぶのは図書館の魔女たち‥‥
0投稿日: 2017.02.22
powered by ブクログいろいろなところで、「すごい」と評価を受けているこの物語。 たしかに、最後のページをめくった時にわたしも「すごい」と呟いてしまいました。 筆者の博識、創造力、文章力、どれを取っても圧巻の一言。 ただ、誰もが楽しめる物語とは、わたしは言えないと思いました。 重厚さを求める方にはオススメですが、文章の厚みがあるので読みにくいと感じる方も確実にいると思います。 わたしはどちらかといえば後者寄りだったのが、自分でも残念です…
0投稿日: 2017.02.16
powered by ブクログシリーズ最終巻。 前巻までに計画されていた戦略がついに実行される。 命をかけて先へ進むマツリカたちを、試練が襲い、全てが終わった後にもまだ信じられないどんでん返しがある。 ストーリーはもちろん面白く、最後までうまくまとまっていて、読み切った達成感がある。 この先続きそうでもあるし、ここで終わりでもある。 この続きが読みたい。 このシリーズは、剣や銃や暴力で人を支配し動かすのではなく、言葉の力で人を動かせるということが書かれている。 ファンタジーというストーリーを通して、言葉というものはこういうものだという概念のようなものを説明している物語だと思う。 普段、言葉とか声とかについて考えることなんてないので、言葉とはどういうものかとの問いの答えをシリーズ読み終えて見つけた気がする。 本当に面白かった。
0投稿日: 2017.01.21
powered by ブクログ正直に言うと、言葉の波に翻弄されて二冊目読み終わる辺りまでなかなか物語に没頭出来なかった。物語を読むのには知識が必要とはまさにその通りなのねと思ったら作者は言語学者だったのか。それが二ザマ国内の事情に食い込んできたあたりから、夢中になった。これはあとがきにもあったが、ファンタジーの形をとった外交小説なのだ。最終巻はもはや圧倒されるのみ。あちこちに隠されていた謎が次々と明らかになり、頭の中は大混乱だがそれもまた楽しく思える。何よりも「言葉」とは何かなんて今まで考えたこともなかった謎に触れられただけで満足。2017年最初の読了がこのシリーズで満足だ。それにしてもミツクビの思考を表した数ページには唖然とした。あんな方法があるとは!
0投稿日: 2017.01.09
powered by ブクログ傑作、しかし解説調の文章はますます色濃くなり、同じ説明がリピートされるため、小説ながらとばし読みが標準となる。 物語の筋は素晴らしいが、ムダに冗長で難解にした文章で楽しさ半減。半分くらいのボリュームにまとまってたら最高!
0投稿日: 2017.01.05
powered by ブクログ慣れるまでだいぶ苦労したが、物語が展開しはじめてからは早かった。ファンタジー枠には勿体無いほどの卓越した文章力が素晴らしかった。ただ巻末の解説があまりに稚拙でとてもガッカリ。良さを全く伝えられていない。あと地図が酷すぎる。手書きの方がまだマシだった。地図はエーゲ海あたりの、オスマントルコとかのイメージを重ねてるようだが、登場人物の名前のせいか、和風な装いの描写と捉えてしまうことも多くて混乱する。説明は細いのに描写が不安定なせいで頭に絵が浮かびにくい。
0投稿日: 2017.01.05
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帯に惹かれて購入。面白かった! こういう自分の世界を作りたかったというか語りたい系のファンタジーはいいなぁ。地に足が着いた感じのファンタジーだった。なんか読んでいて言語学の講義みたいだなぁと思った所があったのとあの危ない現場に要人を連れていく必要はあったのだろうか、というのは疑問に思いましたが。普通だったら武力系の人が捕まえて御前に引きだして対面、だよなぁ… 火までつけちゃうし。危なっかしいことこの上ない。 とは言え武力を使わず言葉だけで世間と渡り歩くのはかっこいいなぁ。でも個人的にはマツリカ様よりもハルカゼが好みだな。キリンとハルカゼが両脇固めてる感じがすごい好みです。そしてキリヒトが帰って来るのが楽しみだな~ というわけで続巻も楽しく読みたいな、と思います。面白かった!
0投稿日: 2017.01.04
powered by ブクログ言葉とういう物が色んな人や事体を救い変えて行った。言葉とういのは手段ではなく、その人の存在そのものの力。言葉の威力をしみじみと感じ入らせる物語だった。長たらしく説明文的で、それほど重要でないと思われるような部分が、読み終えた今となっては後から大事な事柄だったと気づき、「しまった!軽く読み過ごした~」と思う事もしばしば。キリヒト帰還後の話を早く読みたい。
0投稿日: 2016.12.12
powered by ブクログ1000円超え。買うのをためらった。 でも、終わりまで読みたさが勝った。 再読するべきだろうな。流しすぎた。
0投稿日: 2016.11.29
powered by ブクログ今年一の当たり本でした。読書に集中して、読み終わった後に現実に戻りきれない感覚は久し振りです。 怒涛の最終巻。マツリカの語る、言葉の話に胸を打たれました。別れの手紙にも。 一つの世界を作り上げてしまうなんて、本当にあった話みたいで、読み終わった後も、話がまだ続いているような気がしてます。
3投稿日: 2016.11.25
powered by ブクログ涙一歩手前。 4巻での盛り上がりは素晴らしかった。 正直、みんなが逃げ出すところとか、景色が全く頭に浮かばないのにその必死さとかみんなの気持ちだけでグッと来るものがあったし、本当にあっというまだった。 辛い事実や別れ。 でも、マツリカが本当に素晴らしい仲間に囲まれていることを示しているのもこの巻。 今年は本当に本の当たり年だが、これもその一冊に加わること間違いない。 でも、文庫だから読めたかも。あの厚さにはなかなか心折られるものがあるからね。 でも、続きはまだ文庫になってないようだからがんばるか。。。
0投稿日: 2016.11.23
powered by ブクログあーあー 文庫本巻末の解説をされている東えりかさんが書かれている。 (裏表紙を閉じた後、私と同じようにつぶやくはずである。「すごい」と。) まさにすごいんです。 そして、こうも書かれている。 (複雑な仕組みを理解しようとして緊張して読み進めていく中で、ふっと胸キュンの場面に出会う。) はい、そうでした。 ただ、私の場合は理解するのを諦めましたが(^^; 次に読もうと準備している本があります。 でも、続編… 書店に走ってしまいそうです。
0投稿日: 2016.11.11
powered by ブクログ第一巻:起 第二巻:承 第三巻:転 第四巻:結 こんなにも起承転結がきれいに分かれている小説は今まで読んだことがない。好き嫌いは別として。 とにかく会話が長く、説明が多く、「起」(第一巻)を読んだときは 「こんな面倒な本の続きなど読みたくない」 と投げ出したものの、一か月後に気付いたら続巻を買って読んでいた。 「承」(第二巻)でようやくこのシリーズの方向性を理解し、 「転」(第三巻)で本筋にたどり着き、 気づけばあっという間に終わった「結」(第四巻)。 続編が出る余地のある終わり方が、この後どうなったか想像を掻き立てる。
0投稿日: 2016.11.01
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最後は幻想的でいい! だけど政治の話が終わった後、結構長いページが割かれていたのはちょっと残念…。あのページ数の間にもう一つ事件とか何か起こして欲しかった… でもヴァーシャの正体とか最後の名前のところは良かった!!!
0投稿日: 2016.10.29
powered by ブクログ完結。近年稀にみる傑作だと思う。 あらすじ(背表紙より) 海峡地域の動乱を期するニザマ宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座するは、宦官宰相の専横を忍んできたニザマ帝、アルデシュ軍幕僚、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師は追い詰められるのか?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
0投稿日: 2016.10.10
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2016/10/9 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2017/3/27〜4/10 とうとう、この壮大なるファンタジーの世界の幕切れ。冒険有り、ロマンス有り、友情あり、裏切りあり、など内容てんこ盛り。よくもまあこんな世界を築けたもんだ。もうすぐ、続編の烏の伝言か文庫化されるようだ。ああ、早く読みたいぞ!
0投稿日: 2016.10.09
powered by ブクログまだ肝心のミツクビたちは倒せていないので続きが気になって仕方ないです。マツリカの腕を封じた仲間が、中にいるのはわかっていましたが、犯人は意外でした。みんな満身創痍なのに生きる気力があって、私ももう少しこれくらい頑張れるようになりたいなと思わされました。
0投稿日: 2016.10.06
