Reader Store
ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る
ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る
リサ・ランドール、向山信治、塩原通緒/NHK出版
作品詳細ページへ戻る

総合評価

12件)
4.4
4
7
0
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんとも心惹かれるタイトルではないか。 恐竜絶滅はチクシュルーブ・クレーターをつくった隕石によるものだ、ということになっているのが、なぜダークマター? まあ、風が吹けば桶屋が儲かる、とかバタフライエフェクトのような気もしないでもないが、太陽系外のオールト雲にある小さな天体がダークマターによって影響を受けて軌道を変え、地球にむかってきたのでは、という説を、科学的に、そして結構わかりやすく説明している。 太陽系は天の川銀河を約2億4000万年で一周しており、その間、銀河平面を上下に移動する、という動きがポイント。銀河平面にはダークマターが集まっており、普通の物質とダークマターによる二つのディスク、即ちDDDM(ダブル・ディスク・ダーク・マター)によって太陽系の天体が影響を受ける、という仮説。 今後の検証が気になる。

    1
    投稿日: 2022.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    宇宙最大の謎,ダークマター。その恐竜絶滅との関わりとは? 世界的科学者リサ・ランドールの新説がわかりやすく解説されています。そもそもダークマターって何?という方は,第3部「ダークマターとは何か」から読んでみるのもおすすめ。

    0
    投稿日: 2020.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ダークマターモデルに関する部分はまだ仮説で証拠が揃っていないこともあり紙幅が限られている。 そこに至るまでの現代宇宙論と全く分野の異なる地質学恐竜絶滅に関する部分がほとんどを占める。 著者も認めている通りまだ仮説であるしアグレッシブすぎる部分もあるが非常に面白いと思う。

    1
    投稿日: 2020.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    リサ・ランドール博士の本は初めてだったが読みやすくてユーモラスで好印象。素粒子標準理論などは知ってる前提で書かれてるので、ニュートンや図解シリーズを読んでおくことがオススメされる。 標準理論では多様な素粒子の存在が確立されているが、ダークマターにも多様な種類があるのでは?というアイデアはとても斬新で、そのモデルが観測とうまく一致しているのは衝撃的。銀河の回転運動に太陽系の垂直動作も加味されているとは知らなんだ。 素人的なデタラメだが、引力で引き合う通常物質、斥力を増大させるダークエネルギーがあるなら、ダークマターは一定距離以内で斥力、一定距離を離れると引力って特性を持ってるのかも、と考えてみたり。 約3500万年の一定周期で彗星がオールトの雲から来るとのことだが、木星ならもっと多い数がぶつかるのか?密度スカスカなのに一定周期なんてありえるのか?地球にぶつかるのシナリオ以外の考察は?オールトの雲は密度や形状が不明なのにダークディスクの影響で1個や2個、飛ばされるやつがあるとはどういうことか? など、疑問が多く残ってしまった。 ビッグファイブや古生物、地質学についてのテーマは省いてページを少なくしてほしかった。博士の専門外のことは詰め込まなくても、専門家の著書を読むので・・ 使われなくなった哺乳類型爬虫類と表現してたり、生命の起源は古代地球の浅瀬だとか、せっかく新しい本なのにちょっと古い言及があったりしたので気になってしまった

    0
    投稿日: 2020.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しいし長いしでものすごく時間かかったけど、ダークマターが眉唾ものではなく、最近では確実にあるとされてきたということが飲み込めた。少し前まではダークマターとかダークエネルギーはエセ科学みたいな風潮あったのに、科学は時代によって変わるから面白い。

    0
    投稿日: 2018.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    宇宙の誕生から原子が出来、そして星が出来ることを解説する。この太陽系の特徴を述べ、ダークマターが恐竜絶滅の引き金を引いたかもしれないと仮説を述べる。ダークマターの部分は良く分からないが、それまでの所は興味を引かせる書きっぷりで、著者は天文学者ではないが、宇宙の神秘を感じさせてくれる。

    0
    投稿日: 2018.10.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ダークマターと彗星と恐竜、これらは(本文中で著者も語っているが)、自分の中の5歳児の心を魅了する。もちろん私も大好きなテーマだ。加えて、リサ・ランドール博士の著書は読んでいて楽しい。「ワープする宇宙」を読んだ時も、物理の楽しさを味わった(内容は難しかったけど)。本書は難しい理論も数式も出てこない。でも宇宙の構成から恐竜まで見事に解説する。しかもランドール博士が提唱するDDDM理論は、私の中の5歳児の心をくすぐる。銀河の中に薄いダークマターの円盤が存在することで、定期的な生物大量絶滅を説明できることにワクワクした。科学書だけど、読んでいて面白い。ランドール博士の筆力と翻訳者の実力に脱帽だ。

    0
    投稿日: 2018.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    161119 中央図書館 ダークマター、インフレーション理論、銀河の力学、太陽系惑星系の構造から、古地質学、古生物学まで、おそろしいほどの話の拡がり。一見、トンデモ本に見えてしまうのだが、高名かつ実績のある著者の名声が、そうではないことを伝えるし、一つ一つのトピックも、すべて(おそらく)最新の最先端の科学知見と、当該分野の一流研究者の見解に支えられている内容。 多くの青少年を、科学の道へと志させるためのバイブルとなるだろう。

    0
    投稿日: 2016.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    すごい本だった。スケールがでかい。しかも進行中。決意表明でもある。パリへの飛行機の中で残り250ページを一気に。いろいろな伏線が結論に向けて収斂してく様は見事

    0
    投稿日: 2016.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    第1部”宇宙ができあがるまで”では、ダークマターの総量が宇宙マイクロ波背景放射に影響を及ぼすこと、ある程度の広さの領域が収縮すると、ダークマターがほぼ球状のハローと呼ばれる領域を形成し、その内部で通常の物質のガスが冷えて中心部に凝集し、星になったこと、第2部”活発な太陽系”では小惑星と彗星にはどちらもアミノ酸が含まれており、そのうちのいくつかの種類は、この地球上で生命の一部になっていること、第3部”ダークマターとは何か”では、ダークマターが彗星衝突を引き起こした可能性があることを知りました。読み応えアリ。

    0
    投稿日: 2016.06.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    確かな観測事実であるダークマターの存在と,天体衝突による生命の周期的絶滅との関係を解き明かす新仮説の紹介本。 ダークマターには,自身と重力以外の相互作用をするタイプのものがあって,それが銀河系に形成する円盤が,オールトの雲から内太陽系に向けて彗星を弾き飛ばし,それが恐竜絶滅にもつながったという「ダブルディスクダークマター仮説」。それを提唱者リサ・ランドール博士が自ら分かりやすく解説してくれる。 ダークマターは相互作用しないから,銀河系を円盤状でなく球状に取り巻いているとばかり思ってたけど,相互作用するタイプならエネルギーを放射して(失って)上下方向に収縮し,円盤を形成するというのはなるほど納得(角運動量は保存されるので)。 ダークマターが単純に一種類のモノである必然性はないんだしな。 その自己相互作用するダークマターが,銀河系の普通の円盤より薄く,その内側に存在してるなら,太陽系がそのダークマター円盤を表から裏から貫くタイミングで地球生命が周期的に絶滅しているのだ,という説明が成り立つとか。 そう簡単には実証できないのだろうけど,とてもエキサイティングな説だ。 監訳者あとがきはこちら "第1部は、それだけで最新宇宙論への優れた入門書…第2部は、太陽系、生命の起源、恐竜絶滅についての解説" 『ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る』 http://honz.jp/articles/-/42582 全三部中,二部まででもとても有意義な読書になるはず。

    0
    投稿日: 2016.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『ダークマターと恐竜絶滅』というタイトルはきわものっぽくて一見相当に危ない。日本の出版社がつかみを狙って付けたタイトルではと思ったが原題にしても”Dark Matter and the Dinosaur”だった。著者が『ワープする宇宙』のリサ・ランドールではなく、無名の人の著作であればおそらくは買っていないだろう(その前に出版もされていないだろうが)。そもそも『ワープする宇宙』というタイトルも相当に危険な香りがするのだけれど。 本書で書かれていることを簡単に言うと次の通り。6,600万年前に生じた恐竜絶滅は彗星の地球への衝突によるというのが定説だが、その原因となった彗星を地球に向かわせるためには太陽系を囲むオールト雲に重力的な揺さぶりが生じる必要がある。その揺さぶりに著者らが主張する仮説「ダブルディスク・ダークマター」が関与しているのではないか、というものだ。 「そこで私たちが考えたのが、太陽が天の川銀河の中央平面──晴れた夜の空に見ることのできる明るい星と塵の縞模様──と交差するときに、太陽系がダークマターの円盤にさしかかると、その影響で太陽系の外れの天体が弾き飛ばされ、最終的に地球に衝突して大変動をもたらしたのではないかというシナリオである」 ダークマター自体がまだ検証されたものではないのだが(著者はダークマターが何かわからないが、それが存在することは確実だと主張している)、著者らはダークマターを構成する粒子にも複数の種類があると仮定する。物質を構成する基本粒子が複数あるのだから、ダークマターの基本粒子が複数あっても不思議ではないという。もちろん、その可能性は排除されるべきではないが、大胆な仮説だ。著者の仮説では、ダークマターは銀河において通常は球状のハローを形成していると考えられているが、ハローを形成するダークマターとは別のある種のダークマターは銀河における通常物質と同じように円盤を形成すると仮定する。 これが「ダブルディスク・ダークマター」という理論である。 6,600万年前に起きた直径15kmほどの天体の衝突は確率的事象である。恐竜絶滅と絡めるのは話としては面白いが、著者らの科学者としてのメインの主張は、ダークマターの組成に関する理論であろう。そもそも著者は宇宙論の理論科学者なのだから。 恐竜絶滅は興味深い傍証のようなものだ。恐竜を持ち出すのは読み物としては面白いし、知的好奇心もくすぐるが、著者らのダークマターに関する仮説を証明するには別の証拠が必要である。 まとめると上記の通りで結論にも疑問の余地があるのだが、その結論に至るまでの太陽系生成と生物進化(と絶滅)に関する解説がよくまとまっていて出来がよい。恐竜絶滅だけでなく過去の生物進化やその大量絶滅についてかなりの紙幅をとって説明している。著者はこの分野の専門家ではないはずだが、解説として分かりやすい。ただ著者は過去に発生した大量絶滅に周期性を見るのだが、周期性があるかどうかをまず判断できるかどうかから議論になるところだと思う。周期性があるように見えるだけで、単なる偶然やこじつけである可能性も十分ある。過去の時間確定における不確実性や、絶滅や気温変動について複数の要素が絡みあっていることを考えるとその特定困難性は明らかだ。ここで示そうとされた周期性も単なる幻である可能性だって十分にある。その可能性の方が高いくらいだと自分は思っている。さらに周期性があったとして、その原因をダークマターの円盤を太陽系が横切ることによって生じる彗星の飛来に求めるのは、他にも周期性を生じさせる候補がある中で信頼に足るものにはなっていないのかなと思う。 それにしても驚くべきは本書に書かれている内容の多くが非常に最近の短期間のうちに明らかにされた事実であることだ。恐竜の絶滅の原因も1980年代にはわかっていなかった。ユカタン半島に残るクレーター - チクシュルーブ・クレーター - が発見されたのも1991年のことだ。ダークマターにしても同様だ。ダークマターは科学界においてコンセンサスを得ているようだが、正直に言ってこれほど奇妙なことはそうそうないだろう。 また、地球史についての知識が増えることで、生物進化史についての説が数多く出てきているのが現状のようだ。そのおかげで関連する書籍が多数発刊されている。ダークマターと恐竜絶滅について書かれたこの本もそういった本のひとつだ。自分がどこから来てどこに行こうとしているのか、という問いは常に興味を惹きつけてやまない問いである。この先の数十年、自分が生きているうちでもきっと多くのことが分かってくることだろう。 太陽系生成、生物進化史、最新宇宙理論が混じり合い、読み物としては面白い。科学理論としては検証されたものではないことは認識しておくべきだろう。 ---- 2016年6月19日にKavli IPMU主宰の一般講演会として「ランドール博士の科学的探索」が開催された。本書で書かれたダークマターと恐竜絶滅がテーマ。ひとまず応募してみたが、約5倍の当選確率を引き当ててライブで聴講した。この研究によって次の4つのことを学んだというのが印象的だった。 ・Awe of Wonder ・Many fields of science ・How recent is our understanding ・The importance of the rate of changing http://www.ipmu.jp/ja/2016-dinosaurs --- 『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4140812397

    0
    投稿日: 2016.05.04