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堕落論 アニメカバー版
堕落論 アニメカバー版
坂口安吾/KADOKAWA
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総合評価

84件)
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    スっと入ってくる話と、噛み砕かないと少し分かりにくい話があった。ただ、どの話も共通して言えるのが「なんとなくだが坂口安吾の言いたいことは分かる。共感する」の2つだ。 ハッ、と価値観が覆るような話ではないが、己の心の奥底にある価値観について再確認させられる本だと思う。 青春論や悪妻論など現代を生きる私たちにとっても身近な話もあるので、語り口の展開でも読みやすい。

    0
    投稿日: 2025.12.20
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    面白かった。この時代の文豪の語り口、好き。 俗悪なようでひねくれているようで、素直。率直でいようとがんばってる感じも。 日本人が、天皇を言い訳にして終戦を迎えたくだりはなるほどと。言い訳がなければただお上に従う国民性は健在かもなー。 「舞台は僕が想像し、僕がつくれば、それでいい。」

    0
    投稿日: 2025.07.03
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    堕落論、難解だった。難解だったけど、この人の言いたいことは分かる。ただ私が自分の解釈をここにどのように書いたらいいのか纏まらない。 終盤の「大阪の反逆」から「教祖の文学」「不良少年とキリスト」は坂口安吾の迫力ある文章と思いに圧倒された。まだ何となくだけど、この方、私は好きかもしれない。

    8
    投稿日: 2025.02.14
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    読んでよかったと心底思えた。彼の言葉には全て噛み砕かれた理由があった。左翼思想でありながらも、決して伝統自体は否定していない。彼が言っていたのは、何も考えず古くからあるものが正しいと思い込み生きることへの批判だった。このように個人的には腑に落ちるようなことが多々あり今まで言語化出来なかった自分の心のモヤモヤが晴れた気がした。 戦後の日本は特攻隊故なのかやはりどこか"死"に対する美徳精神のようなものがあったのだろう。ただ、坂口安吾は自殺はしょうもないという。この彼の芯の強さとそこにある悲しみにものすごく胸を打たれた。 限度を知ること。これは現代日本においても学習で得るべき重要なことだと思う。

    1
    投稿日: 2025.01.27
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    これを読むと敗戦直後の日本にタイムスリップします。 読んだその日から私のバイブルになりました。とりあえず生きろ!とこの作品で坂口安吾はずっと言っています。口悪いのにめちゃくちゃ頭良くて、器デカいのに鬱で、なんかとても魅力的な人物でした。 まんが版もあるので難しくて読む気失せそうという方はまんが版から入るとエッセンスが分かりやすいです。私も最初はまんが版で読みました。墜落論、続墜落論と2つで一つの作品と思います。 「不良少年とキリスト」では友人だった太宰治の死を受けて悔しい気持ちが感情のままに綴られているようで涙が出ました。ここでも、「自殺なんてするなよ、俺はお前の分まで生き抜いてやるからな!」と。 坂口安吾のエッセイは難しい表現も多いのですが時々すごく感情的でそこがとても刺さるのです。

    2
    投稿日: 2024.12.15
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    坂口安吾「堕落論」読了。“人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。”堕ちゆく事は是としながらもそれすら簡単にはいかない。そんな不条理が孕むからこそ生きていく事が愉快であり大切なんだと説く安吾の思いに魅了された。混沌な状況に一筋の道を垣間見た。

    7
    投稿日: 2024.07.15
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    生活に目を向けた評論 形而上学的なことよりも、実質を重視する、機能主義的な考え方が通底している 無頼派と言われる所以が詰まっていた 悪妻論なども面白かった 不良少年とキリストには、胸が熱くなった

    1
    投稿日: 2024.06.30
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    本作は難解で私には難しく感じましたが坂口さんは時に面白いエッセイのような本を書いたり知的な本を書いたりと本当にバラエティーに富んでいる方なんだなと思いました。

    6
    投稿日: 2024.05.01
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    難しかった〜 結局何を言ってるのか、自分の頭の中で整理しないと理解できない。 私の解釈では、 人間は本来堕落していく生き物であって、それは規則なんかで防げるものではなく、落ちるところまで落ちた後に、自分で自分を掬い上げて行くしかないのだ。 っていうところまでしか分からなかった。 戦時中の人間はキラキラしてた的な話は何を言いたいのか結局よくわからなかった また今度もう一回読もう

    0
    投稿日: 2024.04.15
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    堕落した先に、真実の幸福がある。 どっちにしたって、人間は堕ちきれるほど強靭な精神を持ち合わせちゃあいない。 欲望に誠実に、厭なことを厭だと言う。 デカダン文学というものを初めて読んだ。 思えばクリムトも好きな自分は、通ずるものがあるのを感じるかのように、嫌いになれない内省的な語り口。 頽廃的だが、大事なのは詰まるところ、正直になれよってことか。 真実に生きて、私自身で生きる。 幼稚に聞こえるけど、幼稚なままで生きるには世の中苦しい。欲求のまま生きることは苦しい。でも結局、人間は苦しみを求めて生きてるんじゃあないのっていう。

    1
    投稿日: 2024.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    くらっちゃうよね。思想の力強さも、文章の無駄のなさも虜になってしまう。 永遠はありえない、歴史に必然性はなく、人は人格を有する。そういったことを突き詰めて、実行したのが彼の生き方だったのだろう。 名作と呼ばれる本ばかり読んでいても、浅い人間になりそうだけど、この作品に出会えて素直に感動している。

    2
    投稿日: 2024.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自らの思う所を、いかにも作家らしい書き口で展開されるのが評論という印象であり、坂口安吾も歯に衣着せぬ口調で表している。 その中でも特に印象に残る書き口が、「堕ちきる」という表現である。これは単に受動的に堕落していくのではなく、自ら堕ちていこうとする意志が必要になることを表現しているように思える。ただ漫然としていては、堕落することもできない人間の半端な部分をうまく捉えているようにも思えるこの一言が、非常に印象的だった。

    0
    投稿日: 2024.02.04
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    京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくては困るのだ。 親子二人恭しく拝礼していたが、得体の知れぬ悲願を血につなごうとしているようで、痛々しかった。 人間の、又人性の正しい姿とは何ぞや。 欲するところを素直に欲し、厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ。 好きなものを好きだという、好きな女を好きだという、大義名分だの、不義は御法度だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ見つめることが先ず人間の復活の第一条件だ。 元より人間は思い通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず、手の中の玉は逃げだし、希望の多くは仇夢で、人間の現実は概ねかくの如き卑小きわまるものである。 私はあなたの肉体を考えるのが怖しい、あなたに肉体がなければよいと思われて仕方がない、私の肉体も忘れて欲しい。 そして、もう、私はあなたに二度と会いたくない。誰とでも結婚して下さい。私はあなたに疲れた。私は私の中で別のあなたを育てるから。 淳風良俗によって罰せられるよりも、自我みずからによって罰せられることを怖れるべきだ。 恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。 一般に人々は、古い習慣や道徳に自我の欲望を屈服させ同化させることを「大人らしい」やり方と考え、そういう諦めの中の静かさが本当の人間の最後の慰めであり真善美を兼ね備えたものだという風に考えるのだ。 私も不幸にして、そういう考え方のできない生まれつきです。 我々の陰鬱なる家庭は決してしかくあくまで守らねばならぬ値打を持つものではないだろう。 我々の家庭は外形内容ともに尚多くの変貌変質すべき欠陥があり、家庭の平穏に反することが直ちに不道徳を意味することは有り得ない。 歴史というお手本などは生きるためにはオソマツなお手本にすぎないもので、自分の心にきいてみるのが何よりのお手本なのである。 自分という人間は、全くたった一人しかいない。 そして死んでしまえばなくなってしまう。はっきり、それだけの人間なんだ。 一時的に自分を忘れられるということは、これは魅力あることですよ。たしかに、これは、現代的に偉大なる魔術です。 第一、ほんとに惚れて、死ぬなんて、ナンセンスさ。 惚れたら、生きることです。 然し、生きていると、疲れるね。

    0
    投稿日: 2023.08.24
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    大好き大好き大好き。大っ嫌いな高校で唯一の思い出と言っても過言ではないもう名前も忘れてしまった革命的な現代文の教え方をしてくれる大好きなおじいちゃん先生(イケメン)が坂口安吾推しでずっと覚えてた。大学入ってすぐ読んだけどそこまで響かなくて、25になって読んだ今大声で叫びたいぐらい楽しかった。角川のKindleやけど60パーぐらいまでのまさに堕落論らへんが最高。太宰治も宮沢賢治も好きじゃないんだけど(むしろ嫌い)小林さんとかもちょっと読んでみようかという気になった。個人的に、宮本武蔵の後悔の話と「ない方が美しいからと取り除いた柱さえない」という表現と日本の妖怪の話と自由というものがいかに痛苦に満ち溢れているかという芸術の話が好きです大好きです

    0
    投稿日: 2023.03.09
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    面白かった!坂口安吾の思想をそのまま飲み込むには成熟が必要で難しく感じたが、話の引き合いの出し方や力強い語り口のお陰で輪郭を掴めた感じ。 勝ちは得られないけど負けはしないといった言葉が印象的。

    0
    投稿日: 2023.02.17
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    てぬぐいの表紙が好き。 太宰とか芥川とか小林とか、次々と言いたいことを言いながら、それでいて的を射ているような、 私にはちょっと難しかったな、 「ほんとうのことというものは、ほんとうすぎるから、私はきらいだ」 この言葉が印象に残った。

    0
    投稿日: 2022.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思っていたよりアツい人でした。 安吾作品で最初に触れたのは桜の森の満開の下で、ちょっと怖くて儚い小説に思ったので、もっとセンサイな人かと。文学に対する姿勢が本気で真摯で、生き生きとしている。 当時の人にしては働き方に対する意識がだいぶ令和寄りなところがスゴい。使えるものは使って、労働時間削減しろとか。 「罰当たりが血を吐きながら作る作品」に、生きている人間の文学の凄みを熱弁している。もがきながら生み出すモノが愛しいのかなと思う。(教祖の文学) 歯が痛いという生活の中から、太宰の急逝に触れていて、悲しみがじわじわと伝わってきた。死ぬのはいつでも出来る、いつでも出来るんだからそんな事はするな、生きていくのは辛いけど、それでも生きていかなくては、と繰り返している。メディアがした「実は太宰は生きていて安吾が匿っている」というカンチガイに、そうであれば良いのに、と書くのが悲しい。(不良少年とキリスト)

    0
    投稿日: 2022.04.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    エッセイが読みたくなったので。終戦後、立ち直ろうとしている日本の気運に乗った作品だからか、「既成概念に反抗していくぞ!」感を強く感じた。確かに何にでも歯向かいたい当時の若者にはウケるだろうなぁという感じ。 各エッセイで表現が重複するところが多いように感じたが、筆者の意見が一貫しているところに好感を持てた。 有名なだけあって「青春論」と「堕落論」、「恋愛論」が面白かった 『私たちの小説が、ギリシャの昔から性懲りもなく恋愛を堂々めぐりしているのも、個性が個性自身の解決をする以外に手がないからで、何か、万人に適した規則が有って恋愛を割り切ることができるなら、小説などは書く要もなく、また、小説の存する意味もないのである。』(「恋愛論」より) たしかに。

    1
    投稿日: 2021.11.23
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    エッセイという読み物として見た時、今まで読んできた、まぁあまり多く無いけど、その作品達とは一線を画す。言いたいことの重心がブレていない文章を文豪が書くとここまで力強く印象づけられる。帰納していく段落は美しく見えて、そこに坂口安吾がいるかのような印象を持たされる。  堕落。  彼の発する堕落は多くの現代人には理解できないだろう。僕もその1人だ。なぜならみんな堕落して無いから。けれど、そのうち彼の言う堕落が現れて目の前を塞ぐ事態になるだろう。その時はじめてこの「堕落論」の爆発的な力を見るのだろうと思う。

    0
    投稿日: 2021.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『日本文化私観』 秀吉の駄々っ子精神の部分がいまいち理解できなかった。三十三間堂の太閤塀を実際に見ていないからということもあるだろうが、自分にはそれも金閣銀閣と同じように金持ちの道楽的なものと区別がつかない。両者ともにそれそのものに意味などなく、他者に対して威厳を示したいだけの俗物だったのではないかと思った。 文化を形成するのはあくまで人間だという考え方はとても的を得ていると思う。自分に置き換えると、確かに人から見られるのは過去に生み出した作品や過去の行動であるかもしれないが、「自分」というものはその作品ではなくてこの私自身であるということに改めて気付かされた。 日本文化私観は日本の西洋化を「猿真似だ」と揶揄する人に対しての直接的な批判だと感じた。西洋化することは決して日本の誇りを失ったわけでもなければ西洋に盲目に心酔してるわけでもなく、ただ生活にとって必要なためであり、そこには必ず美が生まれると考えているように感じる。現代においてあらゆる面でコモディティ化が進み、模倣品に溢れているように感じられるがそこに美が感じられないのは「必要」から生まれた模倣ではないからだろう。技術が発展し、その物自体では差がつけられず、デザインなどで差を生むようになった現代においてもう一度「機能美」というようなものに焦点を当ててみると面白いかもしれない。 『青春論』 彼にとって青春は人生そのものであり、現実の奇蹟を起こすために小説を書いていると言っているように私は思った。常に奇蹟を追い求めることは気づくたびに落胆することの表と裏だと述べられているが、この言葉はとても印象深かった。いままで私は奇蹟というものを自分の外に見ていたが、現実の奇蹟として自分で山を掘って金を出すということをしてこなかったと感じた。人生の救いを自分以外に求め、自らの闘争心を失くしてしまったらそれこそ生きてる意味を感じられなくなると思う。私も宮本武蔵のように人生半ばで闘争心を失うという「区切り」をもって青春時代を語るのではなく、できることなら死ぬときまで前進し続けるような人間でありたい。 『堕落論』『続堕落論』 自分もどこかで他人に救いを求めてたのかもしれない。もっと真っ当に落ちて欲望の赴くまま、自分の力で生きようと感じた。 衝撃的だったのは戦中の日本人の姿がイメージしていたものと異なっていたことだ。空襲の最中、妙な落ち付きと決別し難い愛情を持っていて、そんな状況を楽しんでいた人もいたということが、全く異なる世界に生きていながらスリルが楽しくなるようないまの感覚と似たようなものを感じて、戦中の日本人もまたただの人間だということを実感した。 そして、耐え凌ぐことが美徳とされている文化への批判はとても共感した。必要は発明の母なりという言葉通り、我慢というものは停滞であり、思考の放棄であると私も考えた。例えば怒られている時にその場を耐え凌ぐために無心で謝罪の言葉を言うのは簡単だが、自己を内省しその意味を理解することこそ人間として成長すると思う。私も自分に甘えて我慢することなく自分の欲求と向き合い、そのたびに考え、成長したいと思う。 尾崎咢堂の世界連邦論というものが作中で触れられていたが、日本人という枠組みを捨てて世界人として区別なく生きるべきだという考えがもしかすると現代においてもっと共感できるのではないかと思い、読んでみたいと思った。

    2
    投稿日: 2021.01.01
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    坂口安吾(1906~1955年)は、新潟県に生まれ、東洋大学印度哲学倫理学科を卒業し、終戦直後に発表した『堕落論』、『白痴』により注目を集めて、太宰治、織田作之助、石川淳らとともに無頼派・新戯作派と呼ばれた、近現代日本文学を代表する作家の一人。 『堕落論』は、1946年(昭和21年)4月に雑誌『新潮』に掲載された作品で、同年12月に続編『続堕落論』が雑誌『文學季刊』に掲載された。書籍では、1947年に単行本が出版され、文庫版は角川文庫のほか、新潮文庫、岩波文庫、集英社文庫などから出ている。 角川文庫版には、『堕落論』、『続堕落論』に加え、1942~48年に書かれた随筆・評論、『日本文化私観』、『青春論』、『デカダン文学論』、『戯作者文学論』、『悪妻論』、『恋愛論』、『エゴイズム小論』、『欲望について』、『大阪の反逆』(織田作之助論)、『教祖の文学』(小林秀雄論)、『不良少年とキリスト』(太宰治論)の合計13篇が収められているが、各文庫の収録作品は多少異なっている。 同時代の文人の評論(小林秀雄などはその典型)というと、難しい言葉を使った硬い文章が少なくなく、ソフトな文章に慣れた現代人としては、読むにあたり相応の緊張感を要するが、安吾の文章は思いのほか読み易い。 『日本文化私観』より、「(ブルーノ)タウトは日本を発見しなければならなかったが、我々は日本を発見するまでもなく、現に日本人なのだ。我々は古代文化を見失っているかもしれぬが、日本を見失うはずはない。日本精神とは何ぞや、そういうことを我々自身が論じる必要はないのである。説明づけられた精神から日本が生まれるはずもなく、また、日本精神というものが説明づけられるはずもない。日本人の生活が健康でありさえすれば、日本そのものが健康だ。」「それが真に必要ならば、必ずそこにも真の美が生まれる。そこに真実の生活があるからだ。そうして、真に生活するかぎり、猿真似を羞ることはないのである。それが真実の生活であるかぎり、猿真似にも、独創と同一の優越があるのである。」 『堕落論』より、(あまりも有名な文章だが)「戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。・・・他人の処女でなしに自分自身の処女を刺殺し、自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすためには、人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。・・・堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。」 『続堕落論』より、「天皇制だの、武士道だの、耐乏の精神だの、五十銭を三十銭にねぎる美徳だの、かかるもろもろのニセの着物をはぎとり、裸となり、ともかく人間となって出発し直す必要がある。」「人は無限に堕ちきれるほど堅牢な精神にめぐまれていない。何物かカラクリにたよって落下をくいとめずにいられなくなるであろう。そのカラクリをつくり、そのカラクリをくずし、そして人間はすすむ。堕落は制度の母胎であり、そのせつない人間の実相を我々はまず最もきびしく見つめることが必要なだけだ。」 こうしてみると、本書の作品群に通底しているのは、日本(人)がそれまで覆い隠してきた「ニセもの(ウソ)」を暴くことだとわかる。そして、そこからしか、あるべき日本(人)は生まれない、と安吾は言っているのだ。。。 (日本人に限らない)人間にとっての文化とは何か、といった点については首肯しかねるところもあるが、論旨は理解できるし、日本人とは何か、日本文化とは何かを考える上では、とりわけ貴重な論考なのだと思う。 (2020年12月了)

    1
    投稿日: 2020.12.03
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    日本の規範・権力・支配の構造を暴き出し、それと人間本来の姿との矛盾を示している。 人間的性質を熟知しているがゆえに、人間的性質を抑え込むような規範を作る、という形で支配は行われてきたんだなあと思った。生物学的本能の押さえ込みを感じる。文化という"禁止"をする規範。 戦争中の描写は圧巻である。 「けれども私は偉大な破壊を愛していた。運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである」 続堕落論の過激さもいいね。 「最も天皇を冒瀆する者が最も天皇を崇拝していた」 たえがたきをしのび〜の放送を聞いて忍んで負けようと言う国民に対し「嘘をつけ!嘘をつけ!嘘をつけ!我等国民は戦争をやめたくて仕方がなかったのではないか」 「日本国民諸君、私は諸君に日本人、及び日本自体の堕落を叫ぶ。日本及び日本人は堕落しなければならぬと叫ぶ」

    0
    投稿日: 2020.10.11
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    小気味良い痛快な内容だった。 人間は堕ちるとこまで堕ちきり、そこで新たな自分を見つけ、救われる。 堕ちないように、堕ちないようにとなんらか手立てをしたところで、人間は堕ちるのだし、堕ちきってからの方が本当の人間として生きられる。 下手な倫理観で人の失敗を嘲笑ったり、不倫浮気をネタに視聴率を稼ぐ世の中だけど、本当に本気で生きて堕ちたのなら、そこからが本当の人間としての生き方になるんだと思う。 現在進行形で堕ちている自分。死にたいと思って生きているが、どうやら、どんな状況においてもただ生きることが、シンプルで素敵なことなんだろうなぁ。

    2
    投稿日: 2020.07.05
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    実を言えば何度も読む愛読書なので、今更という感じがあるけども、記録としてあげることにした。初めて読んだのは40年くらい前の高校生の頃だった、衝撃だった。敗戦のあとの日本人としてこんな考えがあるとは思わなかった。もはや戦争が風化していた。それが突然現実味をおびた。これからも戦争を儀式としてうわつっらだけ、伝えることはあるだろう。しかしこの本(正確にはこの本をよんだのではなく、別のほんなのだが)が残る以上、戦争の醜さとそれの上で生きている現代は批判され続ける。そしてそのことが希望になっている。何回も読んで、自分を戒めている。

    3
    投稿日: 2019.03.19
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    この本を読んで正直ほっとした。人間は堕落する、そのこと以外に人間を救うことはできない、とのこと。だから我々は落ち込んだ時には徹底的に落ち込んでも良いのだ。そのあとにそこから見えてくる世界があるはずだからだ。人間は結局のところ孤独な存在なのだ。だから無理に人にこびへつらうことも、無理に友達をつくる必要もないのだ。少し安心した。堕落によって人間が誕生した、生きよ堕ちよ、堕落すべき時には真っ逆さまに落ちねばならぬ、地獄において人生を生きよ、生きることにはあらゆる矛盾があり、不可欠・不可解である等人生に自然体で接している。考え方で今までとは違うので徹底的に堕ち込んでみるのも良いかもしれないと感じた。

    0
    投稿日: 2018.12.16
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     焦土、と言っていいだろう。家は焼け落ち、田畑は荒れて、路傍には浮浪者がうずくまる。人々は闇市に行列を作り、娼婦と孤児が夜の街を徘徊する…。どこか遠い国の話でも、マンガやラノベの話でもない。たかだか70年と少し前、他ならぬ私たちの国で、普通にみられた日常風景である。  太平洋戦争後の混乱の中で、坂口安吾の『堕落論』は書かれた。わずか十数ページの小論文だが、そこに込められた熱量は凄まじい。「建設のために、まず破壊を」と説く過激さは狂ったテロリストのようでもあり、人間を見つめる静謐な眼差しは有徳の僧のようでもある。野蛮さと格調高さが奇跡的に融合した名文だ。  かつては国の為に命を投げだした若者が闇市の商人になり下がり、貞淑だった戦争未亡人は別の男を追い求める。それはしばしば言われるように、敗戦によるモラルハザードなのだろうか? 安吾の答えは否である。敗戦は関係ない、それが人間の本性なのだ。戦争に負けたから堕ちるのではない、人間だから堕ちるのだ。  安吾曰く、戦中の日本は美しかった。だが忠義と貞節など、美しい国を支えていた美徳は結局、空虚な幻影に過ぎなかった。その証拠に我々は、昨日までの敵国に、今日は嬉々として隷属しているではないか。我々は放っておけば、いとも簡単に二君に仕え、二夫にまみえてしまう民族なのだ。だからこそ為政者はことさら理想論を振りかざして、美徳という名の鎖で民衆を縛りつけずにはいられなかったのだ…と。  戦後レジームが日本人を堕落させたのではない。日本人はただ本来の姿に戻っただけだ。生きてゆく以上は堕落するのは避けられず、その現実を受け入れるところから真の復興が始まるのだ。人間は弱いから、幻影にすがらずに生きることはできない。だからと言って、戦前の亡霊のような徳目を今更持ちだしたとてなんになろう。一人ひとりが生身の体で人間の「生」を体験し、実感として掴んだ血の通った理念のほか、すがるべき幻影などありはしない。…と、安吾は言っているように思える。 〈生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか〉 『カラマーゾフの兄弟』の未完に終わった第2部で、皇帝暗殺を企てるのは、敬虔なクリスチャンの三男であったという。してみると、テロリストのように民衆を煽動し、僧侶のように人間を慈しむ、安吾の思想にも矛盾はないのかもしれない。一流の聖職者ほど、闘争を厭わない激しさを心に秘めているものだろうから。硬直したシステムに風穴を開けることなしに、システムに押し潰されて窒息しかけている人を、救う手立てはないだろうから…。  発表から70年たった現代でも少しも色褪せず、読む者の胸を打つ名文である。

    23
    投稿日: 2018.02.25
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    ホントそうだなあって思えるとこもあれば、いやいやそれは…ってとこも。 まぁそれは当然なことだけど。 『青春論』に、『独身者は何かまだ一人前ではないというような考え方で、…』と書いてあってその辺のことは今もその当時も変わらないのだなぁと。そういうふうに感じるところが何箇所かありました。 もちろん当時より少しずつでも変わってはきているのだろうけど、やはり時間をかけないとそう人間変われないものなんだろうなあ…。 この中では『不良少年とキリスト』がすごく好き。 他のより感情がすごくのってるというか文体が全然違くて、怒りや悲しみや悔しさなんかが文章から滲み出ててやはり太宰の自殺に思うところがかなりあったんだろうな…と。 何度でも読み返したい。

    0
    投稿日: 2018.01.01
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    青空文庫で読んだ「不良少年とキリスト」に感動して、紙の本でも欲しいと思い購入。カバーがアニメのものになっていたことが不満。知識不足もあり理解できない話が多々ありましたが、面白い考えを持った人だなと思いました。やっぱり紙媒体で読んだ方が心に直接響いてくるような感動があって好きです。

    0
    投稿日: 2017.07.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の一ページ目で時代背景的なところで挫折し積んでから読み終わるまでかなり時間かかってしまった。 青春論のはずなのになぜか宮本武蔵の剣法の話が出てきたり(ここがとても面白くてまたバガボンド読みたくなった)、主題と関係なさそうな話から自分の言いたいことへ収束していく感じが面白かった。今パッと出てこないのだけど、この言葉は自分に留めておきたいとか、もっと早く出会っていれば楽だったと思えるような考え方がいろいろ詰まっていた。 とても稚拙なレビューでお恥ずかしい限りです。

    0
    投稿日: 2017.04.26
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    やはり時代が違うので、中々についていけない部分もあるけれど堕ちきった先に新しい何かが見えてくるというものはある意味普遍的な考え方でもあるし、今の時代にも何かが見えてくるのではないかという気もする。 太宰の下りは、この人は本当に彼のことを好いていたのだなとわかる胸にじんわりとくる文章だった。

    0
    投稿日: 2017.01.07
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    堕ちること、生きること、過ごすこと。色褪せない観点。 人間は可憐であり脆弱であり、それゆえ愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。

    0
    投稿日: 2016.03.06
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    「人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。」 すごい。面白い。 この作者のすごいところは身の回りや歴史上の人物・事件をバサバサと自分の想いで論じときには切り捨てながらも、どうしようもなく愚かで狡猾で「アンポンタンな」人間への愛情に溢れているところだ。不完全で小狡い人間を、それゆえに真っ当になりたいと思う人間を愛し、称賛しているからだ。 だからこの方の文章は温かい。いうなれば世俗にまみれた温かさだ。坂口安吾という人物に会ってみたかった。そう思わずにはいられない。 「暑い」とか、「歯が痛い」とかで本気で癇癪を起こし、それを原稿に書いてしまうのに思わず笑ってしまった。チャーミングな方だ。

    1
    投稿日: 2015.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    烏兎の庭 第一部 書評 11.28.02 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/darakuy.html

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    投稿日: 2015.05.05
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    同じ新潟県民として1つくらい坂口安吾作品読んでおこうと思い読んでみました。 思っていた以上に面白いですね。他の作家とかに言及しているところが特に。

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    投稿日: 2014.11.30
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    初・坂口安吾は名エッセイ集。なんぞこれ…ものすごくおもしろい!なかなか言葉にならないもやもや、言いたくても言えないこと、そして言われたくなくて気付きたくないことが次から次へと。一文一文を噛み締めるように読んだ。戦中戦後のエッセイが、でも時代など全く関係なしに、今の(少なくとも)私にも必要な言葉ばかり。何度でも再読したくなる予感。

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    投稿日: 2014.10.02
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    当時、こんなことを書いても大丈夫だったんだろうか…と思ってしまったような、ことも書かれており、驚きだった。 とても興味深くて面白かった。 『不良少年とキリスト』では、太宰さんのことが書かれていて、当時の様子を垣間見れたのは嬉しかった。

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    投稿日: 2014.09.15
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    人間のどうしようもない孤独、その他もろもろ負の性質を直視した上で、それを受け入れ生きていくしかない、ということ?「人間だけが地獄を見る。然し地獄なんか見やしない。花を見るだけだ。」

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    投稿日: 2014.09.01
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    言葉使いの荒さにはびっくりしたけど坂口安吾面白い人だ。一応一通り読んだけど、文章の意味を捉えられたのは半分もないし、その半分でさえ理解できたとは言い難い。自分の考えをはっきり言い切る、かっこいい言葉がたくさんでてきた。 また、時間があるとき読み返したい!

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    投稿日: 2014.08.12
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    “坂口安吾” 名前は聞いたことあるが、どんな人で、作品があるのか分からなかったので、読了。 本書は坂口によるエッセイで、有名な「堕落論」の他にも「青春論」「恋愛論」、果てには「悪妻論」なんてものまである。そこに通じているのは一人一人の人生に対する肯定であり、人生や人間にたいする諦めではない。 小説家はその作品で評価される・・・というが、 このエッセイを読み、面白い人だなと感じ作品も読んでみたくなった。

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    投稿日: 2014.05.09
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    坂口安吾の太宰治への愛情深さを、彼の太宰の死を惜しむ文章からその心情が伝わってきた。太宰の死は確かに安吾が言うとおり酔った弾みでなってしまったものなのかもしれない。太宰だけじゃなく、安吾の同世代で活躍した小説家の考察が読んでいて楽しめた。

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    投稿日: 2014.03.06
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    ・収録作品・ 日本文化私観 青春論 ☑堕落論 続堕落論 デカダン文学論 戯作者文学論 悪妻論 ☑恋愛論 エゴイズム論 欲望について 大阪の反逆 教祖の文学 不良少年とキリスト 注釈 磯田 光一・解説 坂口安吾―人と作品 檀 一雄・作品解説 年譜

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    投稿日: 2014.02.18
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    最後の章がキチガイなテンションで始まったときはどうしようかと思ったが、ちゃんと収まっていたので良かった。「学問は限度の発見だ。私は、そのために戦う。」という締めのセリフはカッコいい。 坂口安吾は合理主義者だと感じた。日本人の慎みの美徳を完全否定して、徹底的に利便性を求めていたところが面白かった。彼はきっと冷やし中華にマヨネーズをかけるタイプの人間だ。 しかし恋愛に対しては合理主義を貫けていなかった気がした。でもそこが人間らしくて良いと思う。 堕落論よりは続堕落論のが面白かった。 坂口安吾の小説を読んでみたい。 「学問は限度の発見だ。私は、そのために戦う。」

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    投稿日: 2013.09.16
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    坂口安吾はわたしが今まで信じて疑わうことなく囚われてきたものたちを、気持ちいいくらいにばっさりと否定した。苦労や家庭や道徳に囚われず自分の欲望を認めて自分の力で這いつくばって生きなきゃいけなかったし、本当は生きたいと思ってたのかもしれない。はじめて、自分の根幹が揺らぐような衝撃を受けて、解放されたような視界が開けたような気持ちになった。生きるには大きな覚悟がいると思った。

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    投稿日: 2013.08.22
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    「古いもの、退屈なものは、亡びるか、生まれ変わるのが当然だ。」 13のエッセイから成り立っている。基本的に誰かを批判しており、称賛していることはない。”じゃぁ、著者はどうなのか”と思ってしまうこともしばしば。 日本文化私観では、欧米に憧れる日本人と過去の伝統ばかりに重きを置く人々に対する痛烈な批判が面白い。これが発表されたのが1942年だと考えると、よく書けたものだと感じる。 デカダン文学論では、あらゆるモノに対して、誠実さを求める考えは、処女幻想だと評した。何かが進化していくためには、それが破壊されなければならないと説く。これは、日本文化私観の発展かもしれない。 悪妻論では、精神的なつながりだけの恋愛が神聖だと考えられている現状を嘆き、肉欲こそが、人間の本質的なもので、他人を魅力するものだと捉えた。肉欲を肯定しているにも関わらず、著者は、意中の人物と口づけをしただけで絶交していることから、肉欲に生きる人物は著者の目指す姿なのかもしれない。 エゴイズム論では、対価を求める親切を斬る。親切は、無償の愛であり、それが裏切られたからと言って、相手を恨んではいけないし、その行為をやめてはいけない。これはキリストの教えに通じるところがある。 著者は太宰治と仲が良かったらしい。その太宰の新しい面を発見できたのはとても興味深かった。

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    投稿日: 2013.08.16
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    すごいなぁ。有名無名構わず真正面からバッサリぶった斬り。無茶苦茶言ってるんだけど、真理をついてる気もするんだから。なんだか落語家みたいな人だな。

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    投稿日: 2013.08.09
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    超・有名な坂口安吾のエッセイ集。 特製カバーは空色? っぽいブルー。 語りかけるような文体で太宰治について語った『不良少年とキリスト』が面白かった。

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    投稿日: 2013.07.25
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    坂口安吾の小説を読まずにエッセイを読む。というのもどうなのか。エッセイでも、書評でもあり、ただの悪口の羅列だったり。 「この時代」と十把一絡げにしてしまうのは乱暴だが、頭でっかちで自意識過剰な男が多いなという雑感。 「僕が想像し、僕がつくればそれでいい。」これを言ってしまうには危なさが漂うが、ちょっとかっこいい文章だった。

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    投稿日: 2013.07.23
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    「堕落論」坂口安吾 随想録。灰色。 坂口安吾は初読です。 人間性のいろいろについて。あてなく書き連ねられているふうが正直読みづらかったですが、ひとつの骨子(例えば「欲望は秩序のために犠牲にせざるを得ないものではあるけれども、欲望を欲することは悪徳ではなく、我々の秩序が欲望の満足に近づくことは決して堕落ではない。」p214.)に対して、よくまあ逐一ねちっこくズルズルと書き起こせるなと感じること延々。 普段から深い考察と穿った視点がないと無理。見習いたいです。 収録作品の初出が昭和17〜23年の戦中戦後であることを考えると、このキナ臭くなさというか、埃っぽい四畳半を感じさせる読みごこちが意外でした。 中学生くらいで読んでいたかった。(3) 以下メモ ----- p116.日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ。 堕落論と安楽死 、苦しみから逃れるエゴこそが二重の拘束から人間を救う、のではないかしらん。 またしかし、「堕ちぬくことはできないだろう」(p118.)から、法によって義を偽することで安堵する 日本人が連綿と続いてきたのは、統治者が何より日本人を知り抜いていたから? ←p124 p222.我々の周囲には思想のない読物が多すぎる。読物は文学ではない。

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    投稿日: 2013.06.26
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    昔の人だと思っていたけど、読んでみると意外と面白い考え方をする人だと思った。 まぁ、途中言ってることがわからなかったり、何度か寝落ちしたけど……。

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    投稿日: 2013.04.28
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    本文より"美しいものを美しいままで終らせたいという小さな希いを消し去るわけにも行かぬ。未完の美は美ではない。その当然堕ちるべき地獄での遍歴に淪落自体が美でありうる時に始めて美とよびうるのかも知れない" 人間の堕落について戦争や日本古来の思想から分析し淡々と事実として述べており面白い

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    投稿日: 2013.04.06
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    読んだきっかけ:100円で買った。 かかった時間:2/18-3/10(22日くらい) あらすじ:「人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。」第二次世界大戦直後の混迷した社会に、戦前戦中の倫理観を明確に否定して新しい指標を示した「堕落論」は、当時の若者たちの絶大な支持を集めた。堕ちる事により救われるという安吾の考え方は、何時の時代でも受け入れられるに違いない(裏表紙より) 感想: 読みづらかった。短編集だが、簡単なのと難しいのの差が激しい。青春論、堕落論はしんどかったです。内容は、なるほどこれが無頼派か!というもの。この時代、あるいは前時代の文学者に喧嘩売りまくり、みたいな。なるほど、と思わせるものもたくさんありました。

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    投稿日: 2013.03.31
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    ぶっとんでた。なんにも古くない。すごく勇気出るし、色々愛しくなる。日本人なら読んだほうがいい。正しく堕ちて、生き抜くこと。 堕落論のテンポと痛快な批判で爆笑。続堕落論も含めハイライトかな、デカダン文学論のさいご、『私は風景の中で安息したいとは思わない。〜』で泣く。 風景が美しい?否、人間が一番に決まっているって言い切れるのすごい。まぁ、そうなんですけどね…。

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    投稿日: 2013.03.12
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    青空文庫にて表題作のみ。 どだい無茶な不幸や苦痛や硬派を貫く事が美徳というような世の中だが結局人は忘れ適応してゆく生き物だからそうやって堕落して生きてゆくしか仕方がない。 苦痛だけで生きられたらいいのだけど、やはり無理だよなあ。

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    投稿日: 2013.02.21
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    笑った。表現の仕方もさることながら、書いてる内容も面白い。いい意味で時代を感じさせない近さの文章。気軽で好き。

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    投稿日: 2012.12.03
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     坂口安吾の随筆集。冒頭の「日本文化私観」を国語の教科書で読んだことがあったので、興味が湧いて読んでみました。  文体がやや古いので現代人としては読みにくさがありますが、それに勝るほどに文章が気持ちいい。間違っていると思うものには間違っていると真っ向から勝負をかける姿には、降って湧いたような反逆精神がありません。もちろん彼の思想はあくまでも彼の思想であるし、時代背景が違えば同じ文章でも価値が変わるのは当たり前で、賛成も反対も言いたくなるのだけど、それでもなぜか続きを読みたくなるのは筋の通った思想を提示してくれるからなのかな、と感じました。反抗の中に客観的な内実が伴っていて、誰かの言葉を傘にすることもなく、何の論拠もナシに作文することもなく、ひたすらに自ら考えていることが言葉の向こうに見えてきます。  正直な話、坂口安吾の作品は読んだことがない(そもそも純文学は進歩が感じられないので興味が無かった)のですが、少し手を付けてみようかなと思わされる一冊でした。まあ、芥川も太宰も漱石も鴎外も川端も三島も知らなくたって、今まで文章を読んできたのだから、それが自分の文学私観でいいのだろうけど。

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    投稿日: 2012.10.30
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    美しさのための美しさは素直でないというが、余計な美しさも人には必要でしょう。坂口さん自身、まじめな文章よりも人を笑わせる余計な文章が好きと言っていますし。

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    投稿日: 2012.10.01
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    かゆい所に手が届く。いや、痛いところに確実にパンチを食らわせてくるという表現の方が正しいか。 辛辣なる批評のなかにあって、どこか背中を強くバーンと叩かれたような気がする、そんな本。

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    投稿日: 2012.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    難しいが読みごたえがあってこれぞ読書!と感じさせる作品。13作品が収録されている。一部の作品は私が無知で、批評している作家のことや時代背景の知識が不十分なところがあり、十分に理解できなかったところがある。しかし、他の作家を批評する場合にも、現代では作家間の関係性など、大人の事情があってここまで辛辣に批評できるのだろうかと感じた。 私は、日本文化私観という作品に特に感銘を受けた。筆者は「見たところのスマートだけでは真の美にはなりえない」と述べている。つまり、人々の魂がやどるものにヒトは美を感じるのだ。本文にある具体例からまとめると、月夜の景観に代わって、ネオンサインが光っているという状況もそこに人々の生活が真に存在するならば、美しいと感じるということだ。つまり、真に必要ならばなんでも美しいし、文化になりうるということだ。 私はこのことに加えて、同じものでも見かたによって必要性の感じ方に違いが出るということを提案したい。例えば、私たちが、ネオンサインに美を感じないとき、ネオンサインは、私たちにとって必要ない状況であるといえる。一方で、飛行機に乗っていて夜景をみるとき、街の光(ネオンサインも含めて)を美しいと感じる。これは、そこに人々が生活している証としての光と感じ、人々が生活するために必要なものだと私たちが無意識に感じているからだ。景観を意識した街づくりが近年注目されていて、どのように美を形成していくかということが検討されているが、人々にとって真に必要なものならばおのずと美しい街づくりが実現できるのではないだろうか。真に必要なものを形成することが困難なことではあるのだが。 また、筆者は法隆寺もヒトがいるから寺があり、必要なかったら焼いてしまえばよいと述べている。私はこの言葉から、日本固有の文化というものが現存しているのか、頑なにそれを守ることが本当に必要なのか検討することも今後出てくるのではないかと感じた。 次に表題の堕落論について少し述べる。人間だから堕ちるのであり、堕ちきって初めて変わることができるというのが主旨だと感じた。この言葉から、私は、人間は戦争や目先の利益にくらんだ争いをやめることができない。それは人間はまだ堕ちている途中で、どこかで変わることができる可能性を秘めていると拡大?解釈した。と、同時に私が生きている間には人間が堕ちきることはないとも感じた。

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    投稿日: 2012.08.11
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    日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ。 生きよ堕ちよ、その正当な手順のほかに、真に人間を救い得る便利な近道があるだろうか。 堕落論、なんだか難しそうだから、ずっと敬遠していました。 でも、読んでみたらおもしろい!! もっと早く読んでもよかったかも!! 恋愛論がすごく好きです。 「恋なしに、人生は成りたたぬ。 所詮人生がバカげたものなのだから、恋愛がバカげていても、恋愛のひけめになるところもない。」 この文章に衝撃あんど勇気づけられました! 所詮人生はバカげたもの、そんな言いぐさにもつい納得できてしまいます。 開き直れば案外人生思い通りにいくのかもしれない。 恋愛は、人生の花 こんな風に言い切れる坂口安吾のファンになりました。 他の短編を見ても、なんだろー文体? 投げやりなおっちゃんって感じですごく好き。 歯に絹着せぬものいいが素敵です。 今の時期に出会うべくして出会った本なのかもしれない! 読んでよかった。

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    投稿日: 2012.08.09
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    安吾の考える美とは何か。 「堕ちることで生きよ」とセンセーショナルな論調で戦後文壇を席巻した坂口安吾のエッセイ集。表題作「堕落論」ほか、「日本文化私観」「青春論」「続堕落論」「デカダン文化論」「戯作者文化論」「悪妻論」「恋愛論」「エゴイズム小論」「欲望について」「大阪の反逆」「教祖の文学」「不良少年とキリスト」の13編収録。  研ぎ澄まされた包丁で根菜がすぱりすぱりと切られていく―終始そんな気持ちにさせられる文章です。その理由が冒頭の「日本文化私観」でわかります。解説によればこの作品はブルーノ・タウトの同名の評論に題をかり、平明簡潔に、安吾のあらゆる思考の手引か解説をでもしているように見えるという一編です。  一般的にもっとも日本的と考えられている町・京都での自身の体験を語り、そこにある寺院や文化について触れていくのですが、読み進めるうちに安吾の中では「真に日本的なるものなどは無い」のだと気づかされます。建築も芸術も意図的なものであって、むしろそこに在るがままの人間に価値を置いているところが、続く12編を読み解くための鍵となっているのです。安吾のこうした主張は、日本の伝統美について論じたブルーノ・タウトについて触れた次の文章からも観て取れます。 <…即ち、タウトは日本を発見しなければならなかったが、我々は日本を発見するまでもなく、現に日本人なのだ。我々は古代文化を見失っているかも知れぬが、日本を見失う筈はない。日本精神とは何ぞや、そういうことを我々自身が論じる必要はないのである。>  今を生きる日本人の生活がどのようなものであろうとそれこそが紛れもない日本であって、桂離宮と日光東照宮のどちらが日本的かなどというのは意味がない。簡素であろうと豪奢であろうと、意図的であるということにおいてはどちらも同じ。タウトさん余計なお世話です―とまでは言っていませんが、この論のタイトルがタウトの評論と同名であることが、一つのアイロニーになっていることを感じさせます。  そんな安吾の考える美とは何か。「日本文化私観」の最終章において、それは明らかにされます。小菅刑務所と築地にあったドライ・アイスの工場、港町に錨をおろした軍艦の3つを挙げ、ここには、美しくするために加工した美しさが一切なく、不要なる物はすべて除かれ、必要のみが要求する独自の形が出来上がっているからこそ美しいのだというのです。建造物に想起されたこの思いは、安吾自身の仕事、即ち書くということへ収斂していきます。 <美しく見せるための一行があってもならぬ。美は、特に美を意識して成された所からは生まれてこない。どうしても書かねばならぬこと、書く必要のあること、ただ、そのやむべからざる必要にのみ応じて、書きつくさねばならぬ。ただ「必要」であり、一も二も百も、終始一貫ただ「必要」のみ。そうして、この「やむべからず実質」が求めた所の独自の形態が、美を生むのだ。>

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    投稿日: 2012.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    20年ぐらい前に買った本で、ずっと置いてあった本。 今だから分かる部分も多い。安吾が書いていた年齢と今の自分の年齢が近いからか、買った当時では理解できなかったと思う。 書かれた時代を確認すると戦後直後も直後。戦争中の言論の自由を奪われていたころを思うと、若者にセンセーショナルを巻き起こしたことも理解できる。 「堕落」という言葉は強い言葉だけれど、ダメ人間になれということではなく、もともと人間はダメなところを持っていて、その自覚を持てということか。今の時代でも十分通じる話である。 ただ、今の戦後とは違う混乱期をどう見る?恋愛も政治も社会も歴史は生きている人間が作っている。過去はあくまで過去だ。

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    投稿日: 2012.02.13
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    読むのにやたら時間がかかってしまった。12のエッセイが収録されているが、全篇通してくだけた文体で真正面から問題と向き合っている感じがした。著者が言いたいのはつまり、人間不在の文化なんて何の意味もないという、普通と言えば普通のこと。でもそれができないのが今の悪いところだなぁという話でしょうか。「今」って今なのがやっぱりすごいところ。でも個人的には太宰治論が一番興味深かった。お酒の話になるとほんとに飲んでるみたいな文体になるのはやっぱ本当に飲んでたんだろうかwすごく好き。

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    投稿日: 2012.01.13
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    好きなんだけど、多分自分にもこういうとこがあって、読むと堕落の道に走りそうだから読まないで、しかし棄てられないでいる本

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    投稿日: 2011.10.10
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    個人的には堕落論よりもデカダン文学論・教祖の文学・不良少年とキリストの方が面白かった。他はあまりしっくりこなかったが、無頼さがひしひし感じられた。

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    投稿日: 2011.09.16
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    人間は堕落するものだ、と言うと後ろ向きなようだが、実の所、その真実を踏まえてから考えていこうという前向きな本。 武士道が日本人の本質のように語られることがあるが、そうではなく、武士は力があるので寧ろサボりたいというのが本音であり、それを制する為の武士道、という考えのほうがリアリティがある。武士道は本質的ではない。すなわち人は堕落の部分を見つめ、自分なりの武士道を見つけるべきだ・・・といった感じ。

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    投稿日: 2011.08.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

     終戦間もない頃に書かれた『堕落論』は太宰治の『斜陽』などとともに戦禍の後の焼け野原に残された人々のハートをがっちり掴んだとされている。 ・気になった部分  日本人はもともと強い憎悪を感じることが少なく、仇討ちに燃えた武士は多くなかった(むしろ水に流すことが多かった) ・「生きて虜囚の辱めを受けず」という言葉は日本国民を戦地に赴かせるためのイデオロギーである ・義士も聖人も人間である以上、堕落から免れることはできない。堕落こそが人間を救う   ・藤原氏のように、天皇を政治的に利用して冒涜するものが最も天皇を崇拝してきた ・価値観や利害の対立は、どれほど社会が進化しようと変わらない。対立の中にこそ人間の真実の生活がある  全体として「大和魂」とか「仇討ち」とか「忠義」といった言葉にこびり付いた手垢が剥がれ落ちていく爽快感と共に「義士」や「聖人」といった世俗的な評判の空しさを感じる。  天皇であろうと、聖人君子であろうと、庶民であろうと人間は人間である。ありのままの自分と向かい合ってこその人生なのだと思った。この文章からはそんな力強さも感じられた。

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    投稿日: 2011.06.19
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    思春期の頃に読んだかも。読んでないかも。 久し振りにこういうのを手にしたが、とりあえず今はこういうのはいいや。

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    投稿日: 2011.02.24
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    2010/12/18 読了。 初めは少し古い文体に戸惑ったが、慣れてくると大して気にならなかった。

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    投稿日: 2010.12.19
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    堕落論や続堕落論で書かれていることは非常に本質的だと思った。日本人の所謂ムラ的なるものの、建前性がよくわかる。天皇に関する考察も共感できて、現代の政治でも未だに見られる権力の二重構造状態である。 日本人の未発達な自我が、こういったエゴイズムや建前を生むのではないか。

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    投稿日: 2010.12.12
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    強い。全体的に。 この考えになれますかと聞かれると、なれないと思います。 だからこそ、人々から憧れの眼差しで見られるのではないでしょうか。 そして自分の弱さを確信する本。

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    投稿日: 2010.03.27
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    「大ゲサすぎたのだ。限度。学問とは、限度の発見にあるのだよ。大ゲサなのは、子供の夢想で、学問じゃないのです。」 太宰の死について、「不良少年とキリスト」ほど的確に、そして愛情深く書かれた文章は無いのではないだろうか。

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    投稿日: 2009.11.09
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    新潮文庫版と表題が同じだが、収録されている作品は7割がた異なっている。新潮の方が、割と長めのものを多く収録するのに対し、こちらは比較的短いものが多い。 「デカダン文学論」「恋愛論」が特に良かった。 なかなか同じ作品を繰り返し読むことのない僕だが、「堕落論」「日本文化私観」などは新潮とダブって収録されているので、自然と二度読むことができて良かった。

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    投稿日: 2009.10.29
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    人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。第二次世界大戦において、正しい道を歩もうとして間違った道を歩んだ日本を批判し、堕落することによって救われるという坂口独自の考えを中心に書かれたエッセイ集。  「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。」 坂口安吾の視線がとても斬新、そして納得させられてしまう。 堕落を受け入れることで、人は追い詰められることなく健全に生きられるのだろうと思ったし、堕落を受け入れる心を持ちたいと思った。

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    投稿日: 2009.10.18
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    ”この戦争をやった者は誰であるか、東条であり軍部であるか。そうでもあるが、然し又、日本を貫く巨大な生物、歴史のぬきさしならぬ意志であったに相違ない” このフレーズどこかで見た事がある、、誰?日本人じゃなかったような気はする ”朝儀を盛大にして天皇を拝賀する奇妙な形式が大好きで、満足していた。天皇を拝むことが、自分自身の威厳を示し、又、自ら威厳を感じる手段でもあったのである” ”人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生きており、又死なねばならず、そして人間は考えるからだ” ”美しいものを美しいままで終らせたいということは一般的な心情の一つのようだ” 天皇制、武士道は必要に迫られて出来上がったもの。システムに頼るのではなく、人は落ちるところまで落ちたときに自分を見つけ、自分を救う。

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    投稿日: 2009.10.16
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    僕が持っているこの本は、古本屋で140円で買った角川文庫。昭和五十五年 改版三十四版発行、とある、全体日焼けして茶色に染まり、破れかけた表紙をセロテープで補強し、それもはがれてきている年期もの。 買った22、3の頃、読んでみてもまったく受け付けなかったのだが、その後ニーチェの本を読みふけったのち、まだまだ自分の中に大きなわだかまりがあった頃、改めて読んだ時の衝撃・・・。 ホント人生観が大きく変わった気がした。 大げさに言えば、「罪と罰」のラスコーリニコフが「空気が必要だ」と言われた、その空気だったように。 その現実という大地(それがいいのか悪いのかではなく、それそのものとして)に足をつけて立つということを教わった。

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    投稿日: 2009.07.11
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    「孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります。 いかに退屈であろうとも、この外に花はない。」

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    投稿日: 2009.06.28
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    人間は何処まで落ちようと完璧に落ちきることはできない。そしてそれこそが人間のあるべき姿なのだ。 てなことを言っておられて、なんか救われた。 だからこそ、落ちた後は、這い上がる道しか残されていないのだ

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    投稿日: 2009.02.17
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    坂口安吾の短編エッセイ集。 短編といってもひとつひとつ読み応えがある。 一度だけでは読みたいない。 何度も何度も読み返し、少しでも自分の血肉に変えて行きたいと思う。

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    投稿日: 2009.02.16
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    たまには古い人の作品でも読まねばなるまいと思って手に取ったのが本書である。坂口安吾については、「白痴」を読んだことがあるくらいで、他は何も知らない。そういえば高校時代に、国語便覧で戦後文壇の寵児だったと書いてあったような気がするが、ともかく彼がどういう人生を送り、どういう思想を持っていたかについては、何の予備知識もなかった。そんなバチアタリが一時の気の迷いの末に本書に飛びついてみたみたら、これが結構面白かったのである。言葉尻を捕まえれば、いくらでも矛盾を指摘することはできようが、そんな野暮なことはするまい。本エッセイには、坂口安吾という人物の世界観が、そのまま紙面に飛び出してきたようなところがある。安吾の孤独に関する洞察は徹底しており、他の何がぶれようが、その孤独に関する記述にだけはぶれがない。しかし、そんな魂の孤独を引き受けながらも、彼は他者に対する温かい眼差しを捨ててはいないのだ。本書の最後のエッセイに、安吾の真髄を見た気がする。

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    投稿日: 2008.12.26
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    16歳で出会う。 工芸室の裏で読む。土の匂いと会談の雑草。 風と光と二十の私に重ね合わせる。野心は、悲しくない。 ゼミの提出課題に選んだ。 16歳で読んだあの時の衝撃や興奮が忘れられず本を読む。

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    投稿日: 2008.11.25
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     坂口安吾の本。  有名な本なのであれですが、人間というものを、楽観的でもなく悲観的でもなく徹底的に見つめなおすことで、人というものの本質を見出していこうっていうのが堕落論です。 ただその表現は、とても厳しく、だからこそ力強いのでした。「生きよ堕ちよ」その厳しくも徹底的に前に進むという姿勢はとてもかっこいいす。  そのほかにも青春論とかいろいろあって面白い。必読。

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    投稿日: 2008.11.08
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    「日本文化私観」「青春論」「堕落論」「続堕落論」「デカダン文化論」「悪妻論」「恋愛論」「エゴイズム小論」「欲望について」「大阪の反逆」「教祖の文学」「不良少年とキリスト」収録。 初坂口安吾でしたが、かなり面白かった。自分の嗜好に近いみたい。人生観というかそういうのが… もっとも、時代を越えてこういう表現がマイルドになってコレなのか、当時においてもコレなのか分からないものの こういう人は友人とか近しい人にはなれないし、近くにいたら腹立ちそうだけど。 特に、太宰の自殺をきっかけに(?)書かれたみたいな、坂口の太宰評の「不良少年〜」が気になる記述が多かった。

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    投稿日: 2008.10.31
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    前々から気にはなっていたやつ。 戦時中や戦後に書かれた評論をまとめた本ですけど、あまり古臭さは感じませんでした。 いやまあ、所々時代を感じさせる描写はありますけど。 個人的に気になったのは何度も出てくる文学論。 文学とは自分の人生をかけるものだ、みたいな、気合の入った論です。 これは個人的に、近年のものと相当合わない気がします。 中村うさぎが「『自分の作品に命をかけている』といわれると白ける」みたいなことを書いてたのを思い出したせいでしょうか。 エンターテイメント性があふれてるのもあれば、重々しいのもあるわけです。で、どっちが優れてるとかいうのも変だし。 安易な作品なんて文学じゃない!とか言われても区別つかないし、特に区別する必要感じないし、 作者の魂がこもってないとダメだ、とか言われても読者にはよくわかんないですよね。 鼻歌交じりで書かれてようと傑作は傑作だし。 どうもその辺の気負いは共感できませんでした。 でも全体的にみて面白かった。やっぱ文章うめえよ文学者。

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    投稿日: 2008.09.29
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    テスト期間に読んで泣きそうになりました。これ、読み進めちゃって赤点とるしかないやん…!笑 ななめにうがった視線に慣れるのに時間がかかりそうだけど、とっつきにくくはなかった、そんな感じ。

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    投稿日: 2008.09.27