
総合評価
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powered by ブクログ謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。 物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとなまって言われる殺戮機械としてのこっていたり、猫の遺伝子を組み込んだ生命爆弾兵器やら精神障害者の特化した能力を宇宙船に組み込んで宇宙を航行したりと異様な世界が描かれます。政治学者でもあった著者の思考は独特ではあるけれどリアルな感触を持たせるところも魅力。がちがちなハードSFとは違うけれどなんでもありありファンタジーとも違う。やっぱりスミスの作品は他の何とも似ていない唯一無二の存在。遺伝子操作された結果である言葉を話すクマ人間やカメ人間とかネコ人間出てきて、シドニアの騎士とかに影響を与えたんだろうなとも想像してしまいます。古びない作品群は今読んでも想像力を刺激します。
14投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ独特の感覚で描かれる未来史「人類補完機構」. 重苦しいモノトーンの物語で始まる「無幻世界へ」. 補完機構の創立が描かれる「マーク・エルフ」「昼下がりの女王」メンシェンイェーガー11号(マーク・エルフ)登場. 原題はScanners Live in Vain .和訳が絶妙な「スキャナーに生きがいはない」.宇宙船を操る特別な改造人間スキャナー.彼らは自身の苦しみと引き換えに宇宙船を飛ばし,人類に貢献していた.ギルドのような組織をつくり,統括者はヴォマクト.しかし,新技術が開発され,スキャナーの苦しみを介さない宇宙航行が可能になる.スキャナーたちは新技術の開発者に暗殺者を送り込む. 「竜と鼠のゲーム」宇宙に潜む邪悪な存在「竜」.人間の心には竜に映るその存在も,パートナーには巨大な鼠にしか見えないのだ.
0投稿日: 2019.06.30
powered by ブクログ読みにくくてなかなか進まなかった。 珍しく飛ばし読みして7割くらいで返却。 設定は面白かったので残念。
0投稿日: 2018.05.26
powered by ブクログSF。連作短編集。はじめての作家。 20世紀から130世紀にわたる未来史。時間的なスケール、世界観的なスケール、どちらも驚異的。 内容は、背表紙にあるように、「奇妙で美しく、グロテスクで可憐」。一言では表現出来ない、あらゆる魅力がある。 好きな作品は「マークエルフ」「昼下がりの女王」「ガスダブルの惑星より」「スズダル中佐の犯罪と栄光」。 以下、印象的な作品のメモ。 「第81Q戦争」 見世物としての戦争。森博嗣『スカイ・クロラ』に酷似。 「マーク・エルフ」 主人公カーロッタの生い立ちが素敵。マンショニャッガーがよいキャラ。 「昼下がりの女王」 前話から続く物語。後半はジュヌヴィーブ夫人代筆らしい。ロマンチック! 「スキャナーに生きがいはない」 デビュー作らしい。65年前の読者は、この異様な物語をどう感じたのか? 「星の海に魂の帆をかけた女」 夫人との合作。ラブロマンス。夫人が絡むとロマンチックな作品になる傾向が。 「人びとが降った日」 8200万人が空から降ってくる、この設定だけでも刺激的。 「青をこころに、一、二と数えよ」 タイトルのセンスはベストか。 「鼠と竜のゲーム」 ネコSF。ネコ可愛い。 「ガスダブルの惑星より」 夫人との合作。ショート・ショート。グロテスクなファーストコンタクトもの。ブラックさが良い。 「スズダル中佐の犯罪と栄光」 短編としては濃密すぎる世界観。
1投稿日: 2016.12.25人類補完機構
どこかで聞いたことのあるタイトル。 しかし本家はこちら、その発生から衰退までを珠玉の短編で綴る一作です。 未完なのが悔しい一作
5投稿日: 2016.06.03
powered by ブクログ中身を確認せずに買ってしまったが、これは、第81Q戦争などを組み直しただけでした…今のところ既読のみ。まあこれを機会に揃えちゃうかなあ。ノーストリリアも買うかー。
0投稿日: 2016.04.24
powered by ブクログ基礎知識が定まらないのと まだこれしか読んでいないので 評価は難しいのだけど 舞台や道具はともかく、物語の中にある 人間的な部分、ロマンチックな思いは いまも色あせないのではないか。
0投稿日: 2016.04.13
powered by ブクログ『人類補完機構全短篇』の第1巻。 全3巻完結予定で、2巻、3巻も近刊とのこと。こういう場合、大抵は完結してから読むのだが、続刊の刊行スケジュールがはっきりしないので、取り敢えず1巻を読了。 時系列順に編集されているが、どれから読んでも特に差し障りはないように思われる。全体的に割とセンチメンタルな傾向があるのも特徴か。
0投稿日: 2016.03.18
