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パリは燃えているか?〔新版〕 下
パリは燃えているか?〔新版〕 下
ラリー コリンズ、ドミニク ラピエール、志摩 隆/早川書房
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総合評価

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    ヒトラーの破壊命令によってパリに危機が迫っていた。抵抗運動は勢いを増し、市街で激しい戦闘が繰り広げられた。自由フランス軍を率いるドゴールは、連合軍とともに一路パリ入城を目指す。作家ヘミングウェイは従軍記者団に加わり、解放の瞬間に立ち会うべくパリに向かう。砲弾が飛び交う文化の都は、戦火の荒波に翻弄されて――膨大なインタビューや資料をもとに、世紀のドラマを再現したベストセラー。 目次 第二部 闘争(承前) 第三部 解放 訳者あとがき 解説/柳田邦男 参考資料

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    投稿日: 2025.07.28
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    連合国軍によるパリ解放から、 大パリ司令官ディートリッヒ・フォン・コルティッツによるドイツ軍降伏、そして解放を目の当たりにしたパリ市民の歓喜の様子が描かれている。 これからフランス国内統治を目指す、シャルルドゴールの動きも合わせて描かれる。 パリ解放というパリ市民にとって歴史的瞬間。この上ない喜びを「想像できる」とか「理解できる」というのはおこがましい感じがするけど、私なりによく理解できるなと思った描写。 連合国軍がパリに入った喜びを伝えるため、国営ラジオが《ラ・マルセイエーズ》を流すと、数万のパリの家庭で、市民たちが誰に言われるまでもなく、ラジオの音量をいっぱいにあげ、家の窓をさっと開けた。真っ暗なパリの街中が、再び自由と誇りを取り戻し、パリ全体を勝利の合唱で包んでしまった。 話は変わるが、私は作者や訳者の「あとがき」が好きだ。ブクログの感想でも、本文よりも「あとがき」に触れることがある。今回のあとがきもよかった。こういう風に文章を書けるようになれればいいのだけど。 以下、「あとがき」から少し感想を。 もともとパリ解放自体は第二次世界大戦のうちの1つのエピソードに過ぎない。戦史的にはノルマンディ上陸作戦やアルデンヌ反攻作戦と比べると、ほとんど意味をなさない。すでに戦争は終わりに近づいており、ドイツの敗北は確実になっていた。 しかし、1944年8月25日パリ解放を知ったヒトラーは自分の発したパリ破壊命令(軍事行動的には意味がない)が行われているかを知りたくて、「パリは燃えているか?」と訊いた。 ヨーロッパの多くの記念建築物がヒトラーの破壊欲によって地上から抹殺されていった。しかし、人類文化永遠の燈火ともいうべき「パリ」という記念建築物がヒトラーの破壊から無傷のまま解放されたのは、奇跡としか言いようのない多くの「偶然」が働いている。 だが、それより「文化」や「芸術作品」の持つ力が、物質的には無力である「美」を破壊できなかったということに注目したい。ますます物質化していくばかりの我々人類文化の趨勢を、一度でも省みる必要がありそう。 おまけ。NHK「映像の世紀」が大好きでよく見ていた。この「映像の世紀」のテーマ音楽となっているのが、加古隆の「パリは燃えているか」である。久しぶりに聴き始めると止まらない。オケ、吹奏楽、4重奏Ver等々。もともとこの曲大好きだったけど、この本を読んでからもっと愛着が湧いた。

    25
    投稿日: 2025.07.09
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    ▼上巻の感想に書いた通り、もうとにかくオモシロかったです。 ▼下巻も疾風怒濤。連合国軍パリ入城のくだりは、講談を聞いてるかのようなカタルシス、高揚感があります。 ▼下巻を読んで思ったのは、「ドゴールってすごかったんだなあ。もっと知りたいなあ」でした。まあ、言い方を変えると、「ドゴールのことは相当好意的に英雄的に書いているなあ」とも言えます。 ▼それにしても、「パリ」という街の持っているオーラみたいなものというか、あるいは、余所者がパリに抱くイメージというか、そういうものの根っこには、この「ヒットラーとパリ」というあまりにもよくできた物語があるんだろうなあ、と思いました。

    8
    投稿日: 2025.04.08
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    凄い!対ドイツだけでなく、連合軍との折衝や自国の対共産党を苦慮するドゴール。一市民の日常や一兵士のパリに向けての一刻一刻が手に取るように描かれている。167ページのカブ機から見るサクレクールとアンヴァリッドの描写には涙が出た。

    2
    投稿日: 2022.12.26
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    第二次世界大戦末期、ドイツ占領下のパリがどのように開放されたかを詳細な取材をもとにして書かれた図書。 パリ解放がついに実現するが、やはりパリ市民によるドイツ協力者やドイツ兵へのリンチがあったよう。これまでにドイツ兵がパリ市民にしていたとはいえ、大衆とは恐ろしい…。 パリ解放後のド・ゴールと共産党の政治的な争いもはじめて知る。 とはいえ解説にあるように、大戦中多くの都市が廃墟となるなか、パリが廃墟とならなかった奇跡は、一人一人のその時々の行動が大きく影響したことを思うと感慨深い。

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    投稿日: 2021.03.07
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    Dデイ、ノルマンディ上陸作戦は成功し、連合軍は着実にドイツに向かっていた。そのすぐ先には4年間、ナチスに占領されているフランス、パリがあった。亡命していたフランスの指導者 シャルル・ドゴールは連合軍のパリ解放と同時に、共産勢力に先んじてフランスの主導権を得るために奔走する。 しかし、パリを今解放すると、パリ市民への支援物資の輸送等だけで連合軍への負担はとてつもないものになる。アイゼンハワーはフランスを迂回して進行する作戦を選ぶ。 一方、ヒトラーは焦燥していた。ポーランドの首都ワルシャワでは、レジスタンスが一斉蜂起したばかり。自力に勝るナチスドイツはレジスタンス鎮圧後、ワルシャワ市街を徹底的に破壊して、廃墟にした。 ヒトラーからパリ防衛の最高責任者に任命されたコルティッツ大将は、連合軍にパリを渡してはならない。ドイツ軍が撤退する時にはパリは廃墟となっていなければならないとヒトラーから命ぜられる。パリ市街の橋や、建物には破壊のための大量の爆薬が密かに仕掛け始められた。 果たして、パリは解放されるのか? 単なる歴史の流れだけではなく、歴史上は無名の戦士となる多くの兵士や市民への取材なども使いながら、パリ解放に至るドラマ、群像劇を描く。

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    投稿日: 2019.10.21
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    映画や、話で「パリは、燃えているか」のセリフは聞いたことも読んだこともありますが、その元々となったエピソードを読むのは初めて。なかなか切迫した事情だったんですね。まさに紙一重。パリが破壊されなくて良かったよ。

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    投稿日: 2019.05.19
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    著者の本職は雑誌記者。60年代当時存命だった関係者へのインタビューなどを元に、第二次大戦でのターニングポイントとなった戦いの一つである「パリ開放」を活写して、ピューリッツァー賞を獲ったノンフィク。終盤の展開にややしつこさを感じたものの、著者の意図もわかるので不快感はない。一つ一つのエピソードが印象深いものばかりで、最後まで引き込まれた。

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    投稿日: 2019.03.20
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    原書名:IS PARIS BURNING? 第2部 闘争(承前) 第3部 解放 著者:ラリー・コリンズ(Collins, Larry, 1928-2005、アメリカ・コネチカット州、ジャーナリスト)、ドミニク・ラピエール(Lapierre, Dominique, 1931-、フランス、ジャーナリスト) 訳者:志摩隆(1931-、翻訳家)

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    投稿日: 2018.11.06
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    「パリ解放」。第一報は誤報だった。しかし、4年に渡るドイツ軍の 占領を耐え忍んで来たパリ市民は歓喜した。 この誤報は既成事実となる。ドイツ軍に必死の抵抗を続けるフラ ンス国内軍からの必死の訴えに、ドイツ本国への侵攻を優先して 戦争の終結を急いだ連合国軍は作戦を変更し、ノルマンディー 上陸作戦で生き延びた一部の部隊をパリへと急がせた。 その場に居合わせた人々の体験は歴史という大きな流れの中で は表に現れることはない。だが、本書は上巻共々に無名の人々に 焦点を当てならがら、大きな流れを追うという手法が素晴らしい。 本来、ヨーロッパ戦線の主役であるはずのドゴールやアイゼンハ ワー、ヒトラーでさえ脇役に過ぎないのだと思う。歴史の本当の 主役は、本書が綿密に描いた市井の人々や前線の兵士たちだ。 アメリカがこれほどフランスに歓迎されたことは後にも先にもなった だろう。自分たちを解放する為にパリ入城を果たしたアメリカ軍兵士 たちを、パリ市民は大歓迎する。 きっと古い戦争を闘った人なのだろう。持てるだけの勲章をすべて つけた老人は、大粒の涙をぬぐおうともせずに連合国軍の兵士た ちを眺めていた。 癌を患い寝たきりの老婦人は、パリを救ってくれたアメリカ兵に会い たいと自分の寝室にひとりのアメリカ兵を招き入れる。「これがあな たをこれからの戦争のあいだ守ってくれますよ」。枕元のテーブルに 置かれた十字架を、老婦人は兵士に差し出した。明日もまた来ると 約束した兵士が、翌日、その家を訪ねた時に既に老婦人は亡くなっ ていた。 4年前、ヴィシー政権の誕生と共にフランスを追放されたドゴールの 呼びかけに応えて、自由フランスに参加する為に家族にも知らせず に出奔した青年たちがいた。パリ解放と共に家族との再会を果たし た者がいる一方で、パリ目前で命を落とした者もいた。 4年間のドイツ占領時代にドイツ軍に協力した女性たちが丸刈りに されたのは多くの写真が残されているのでも有名だろう。 そして、フランス内部ではパリ解放の一方で早くもドゴール派と共産 主義者との対立が表面化する。ドゴールが、再度歴史の主役となる のはパリ解放後なのだと思う。 敵の手に渡るくらいならパリを殲滅せよ。ヒトラーの命令であった。 だが、この美しい街をワルシャワ同様の廃墟にすることに躊躇した ドイツ軍パリ司令官コルティッツの緩やかなサボタージュによって、 パリを代表する建造物は破壊を免れた。私たちが今でもノートル ダム寺院や凱旋門、エッフェル塔が見られるのはパリではドイツ軍 による致命的な破壊工作が決行されなかったことによる。 だが、パリ陥落の報を受けてもヒトラーは自分が下した命令が実行 されていることを信じていた。例えパリが陥落しても連合国軍が手 にするのは廃墟となったパリでなくてはならない。 「パリは燃えているのか?」 ヒトラーは側近に問うた。確かにパリは燃えていた。ただし、それは ヒトラーが下した破壊命令によっての炎で燃えていたのではない。 ドイツ軍の旗に変わって再び掲げられた三色旗が翻り、ラ・マルセイ エーズが響き渡るパリは、解放の歓喜で燃えていたいのだ

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    投稿日: 2017.08.24
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    そのうち読もうと後回しにしていた1944年のパリ解放を描いたノンフィクションを読了。スカートを翻し、自由のために火炎瓶でドイツ戦車と戦い散っていくパリっ子の姿が印象的すぎて。

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    投稿日: 2016.09.13