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宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀
宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀
辻村七子、雪広うたこ/集英社
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総合評価

19件)
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    シリーズ第2部完結! 結末に、「わあああ」と心の中でうめいた。 大切な人に心が伝わる瞬間は、奇跡というしかなくて、共に歩もうとするその瞬間は、かけがえのない、まさに宝石の輝き。 さて、本作では絶えず二人に試練を与えてきたオクタヴィア嬢と対峙する。 大切な人は欲しくない、そう考える少女の心を溶かすのは難しい。 大切な人が先に逝ってしまったから。 ちっぽけな自分を守るために死んでしまったから。 この意固地な人間…どこかでみたことがある…そうだ、『鬼滅の刃』霞柱、時透無一郎だ… 「あなたがいた『せい』ではなく、あなたがいて『くれた』から」(218頁) これは誰かのために、自分のために、生きようとする人に対する著者からのエールだ。 心を伝えること、とてもむずかしいから、一生の課題にしないといけない。 だからこそ、誰かの心が現れた言葉を私は噛み締める。 積み上げて、自分になった言葉を、心を、誰かが必要な時に届けてあげられるように。 常には寄り添えないから、私の代わりに、その人の支えになれるように。 本作がずっと語ってきた宝石の名は、ずっと「人の心」だった。 リチャード、正義、さよならなんて言わないよ… だって、第三シーズンがあるから!続きは明日!

    5
    投稿日: 2023.09.17
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    「一日目」 独りだけ生き残り。 冷静に全てを説明し逃亡など不可能だが、せめて要点だけでも伝えられたら良かったな。 「二日目」 手を組んでたのは。 しつこ過ぎるのも嫌がられるだろうが、心の壁を崩すには必要な時間とゲームだったな。 「その後の日々」 盛大なパーティで。 これだけの人が集まってくれたのは、今まで色んな場所でお節介を焼いたおかげかもな。

    0
    投稿日: 2023.07.10
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    2部完結。貴族問題がようやく完結。 色々な事実発覚も、前向きに進みはじめられたのでよかった。 宝石もいろいろ出てきたので、クイズもあり面白かった。

    2
    投稿日: 2023.02.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二部完結。 オクタヴィアと和解できて良かったです。 ヴィンスさんの人柄も最高です。 皆いい人たち。パーティーでそれが垣間見れます。 そして正義の進路。 公務員になるか宝石商になるか。 正義の出した答えは、リチャードの専属秘書。 とても正義らしい決断だと思いました。 正義とリチャードの関係性は今後どうなるのか。 とても気になります。

    17
    投稿日: 2022.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やはり宝石に関する物語感は薄くなっているような…そこは少し残念 オクタヴィア嬢との対話、つらさを全て背負い込もうとする彼女を救ってあげられたのかな ヘンリーとジェフリーも、みんな環境が良い方向に動いたと思う それより何より… プロポーズ!プロポーズしたよ! それに全部持っていかれて読み終わり…第二部完結おめでとう(色々と)

    0
    投稿日: 2022.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    筆力はいつもながら素晴らしいと思う。ただ、作者は男性の内面の描き方は素晴らしいが、女性の描き方は苦手なのだろうかといつも思う。 オクタヴィアは結局、何が原因で何をしたかったのか、サラリと描き過ぎて、ただの反抗期のワガママ娘の引きこもりにしかなっていなかった。デボラの為の復讐なら、もっとデボラの出番を増やすべきだった。 それに、執事との対決もホテルの廊下なのはどうか。 最終的に正義とリチャードは、変わりがない。

    0
    投稿日: 2022.07.04
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    好きって恋愛感情だけではないよなぁ、と思った。恋人とか友達とか家族とか色んな好きがあるし、関係性についても名前は色々あるけど、どれかを選ばなくちゃいけないものでもない。リチャードや正義だけでなく、ヘンリーやジェフリー、ヴィンス、オクタヴィアの全員がそれを体現してる。

    1
    投稿日: 2022.03.09
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    何度かもどかしさに悶え苦しみ、本を閉じたり開いたりしながらなんとか読み終えた…。 正義くんが見出した進路、読者としてはあまりにも嬉しい。これからも物語が続くのかなという期待でいっぱい。 誰かと誰かの関係をあらわす言葉は一つだけに絞る必要なんて無くて、いろんな関係性があって、それはきっといくつあっても良いものなんだなぁと。 なんというか、第二部でようやくあるべきところにおさまった。満足です。

    0
    投稿日: 2021.08.21
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    第二章完結、かな。オクタヴィア嬢との和解?ヘンリー伯爵のみごとな采配。正義もとうとう将来を道を決めた。これからのみんなも楽しみだけど、お話続くかなぁ。。。

    0
    投稿日: 2021.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こちらも途中まで読んでてそのままにしてしまってたもの。 ようやくリチャードの周りが片付いた感じ。 今後のリチャードと正義の方向性も整って、ますますこれからの2人の話が読みたいなあ。 オクタヴィアちゃんが楽しく生活してるかも気になるので、その後がみたいです。

    1
    投稿日: 2021.04.08
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    2020.12.13 初期の初期からずっと思ってるんだけど、これは、blじゃないのか??エッセンス以上スパイス以上…… ストーリーのメインは、正義くんの生き様と、リチャード好き好きする話…… もちろん、ここまで購入して読んでるので、大好きなんですが…‥くっついて欲しいけど、そういう書籍じゃないならそういう展開にはなり得ないのか?という矛盾の葛藤による文句です笑

    0
    投稿日: 2020.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1部では連続ものの短編が1巻ごとに3話ずつ収まっている、という感じだったけど、2部では1巻ごとに1つのテーマで話が続いていくという構成でした。 ジェフリーもヴィンスもハッピーエンドで良かったーー。 オクタヴィアちゃんもとりあえずは一件落着で、初めてヘンリーに頼もしさを感じました。 3部も期待してます!正義とリチャード、もうもどかしすぎるのでくっついてくれ!!

    0
    投稿日: 2020.10.12
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    いやもう!拍手喝采!! オクタヴィアちゃんのどうにもならない絶望(それはもう、漂白されて真っ白な)を断崖絶壁として、それをロッククライミングするとして、まずどこに足をかける?っていう難題。 ヴィンセントさんの飄々とした愛情。覚悟を決めた『長兄』ヘンリーさん。なんていうか、皆の力が合わさって物事が切り開いていった感じ。 そこに至るには、まずそこまでに正義とリチャードさんが悩み、行動し、それぞれの物事やひととに相対して積み上げ編み上げしてきた関係性があったからこそだと思う。 物語が進むに連れ、「えー!?」「わぁー!」の連続で、ものすごい読みごたえ。 そして、スリランカの中田さんちでの大団円のパーティは壮観。 最後に、25歳になった正義が、公務員か、宝石商か。将来をとうとう定めるその結果が……! なるほどねぇと唸りました。自分をよく分かってるw これだけこんがらがったクレアモント家の、まあお家騒動とリチャードの過去を切り開き、心からリチャードが笑えるようになったのも、正義くんのまっすぐな愛情故かなぁ。 友情とかエロスの意味での愛とか超えて(あるいはすべて含んで、かもしれないけど)その魂が好きだよと。おまえの顔は本当に美しいと。 そこに私心がないんだよなぁ。嫉妬とか変な執着じゃなく、本当に眩しいくらいまっすぐな思い。 表現しきれないけど、良かった。素晴らしい結末だった。3部はどうなるのかな?楽しみです。あー読み終わるの寂しい。でも何回も読み直したい。それとそれと、正義くんは本当に頭いいなぁ!賢いリチャードさんに対し善良なだけの主人公、では全くない。頭がいい。

    0
    投稿日: 2020.10.01
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    大団円\(^o^)/♪オクタヴィア嬢が遂に登場!(゜゜;)という事でドキドキハラハラしたけれど、なんとかなった(;゜∇゜)ヘンリー兄ちゃんの啖呵、格好良かったよ(^^;)これで終わってほしいような、続きが読みたいような…

    1
    投稿日: 2020.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に綺麗な終わり方だった。もしこれで3部がない、と言われても納得の終わり方だった。結局2人にとっての"あるべき場所"はお互いの隣、という言うまでもない事だった。 ただ、もうあの2人に言う事はひとつ…。 末永くお幸せに! でも秘書Ver.の正義とリチャードの話も読みたいな。

    0
    投稿日: 2020.07.23
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    良くって1巻から読み直してしまったよ✨ヘンリー最高にカッコ良かった。他の誰もが霞んでしまうくらい素敵だった!✴️これ以上無いくらいの大団円で、第3部はどんな苦難が待っているのか予想つかないな。コロナ問題かね?

    2
    投稿日: 2020.07.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者の辻村七子さんの優しさを『宝石商リチャード氏の謎鑑定』を通して受け取ることができることにとても嬉しく思う。丁寧な言葉と物事を見通す目と言語化する能力に浸って、真っ直ぐな言葉、辻村七子さんの思い伝えたいこと熱量を、読者はわたしたちは感じることができる。誠実さにかってに信用を寄せてしまう。本当に深く考えられてこの作品が出来上がっているんだなと思う。 ネタバレ⤵︎ ︎ 「悪役めいた台詞を言う時、ジェフリーは少し甘い声を出す。どうぞ責めてくださいと言わんばかりの声色に、俺の頭は冷静になる。三百年前のことに腹を立てている場合じゃない。中身のない義憤は自分のための怒りだ。この場所で三百年生きてきた人たちを踏みにじる行為になりかねない」 辻村七子さんのこういうところが好き。この思考でこの作品が書かれていることが嬉しくて、何よりキャラクターの言葉の土台に安心出来るものがあるというのがとても大きい。 オクタヴィアの死生観が誰かの為にという形を取ってしまうのは、彼女の両親の愛の形がそれであったこと、それ以外を伝えられなかったことだ。両親の愛が彼女に継がれて、彼女も誰かに伝えたかった。それこそが彼女の知っている手放したいのに手放せない一つの愛で、だからこそそれ以外の形のヴィンスの愛に救われるのだと思う。 オクタヴィアのいうハッピーエンドがハッピーで終わらないことなど彼女が一番知っている。死ななければエンドにならない。 彼女のハッピーエンドを見て死んでしまいたいという願いを誰かに笑われたくないな。 それでも彼女は中田正義の「献身の愛」をハッピーエンドとは取らず、残されたものの話をして、彼女は自分が終わらせたいと願っていると同時に、残された人たちの感情にも苦しんでしまうのだから。 このハッピーエンドの話をした後に、ハッピーエンドという括りにされないものを提示するの本当にすごい。オクタヴィアの言うハッピーエンドは彼女が押し込んだもので、それはハッピーエンドというそのものの話に繋がり、いままではみ出されていたものの存在にもスポットライトが当たる。その上でジェフリーの恋人の話が出てくるんじゃないかな。変わることを嫌い伝統的な貴族としていなければならないジェフリーの恋人は今までならバットエンドが待ち受けている。その定義こそおかしいじゃんというカウンターになるし、オクタヴィアのいうハッピーエンドとジェフリーの吐きそうと言わせるバットエンドが対比されている。そしてその後に、どんな関係性にも当てはまるだろうリチャードと正義を出すことで、それらが上手くまとまる。いままでなら出来得なかったことが出来たものを提示され、ハッピーエンドやバットエンドのそれすらをぶっ壊していて、それは辻村七子さんの優しさなんじゃないかと思った。

    2
    投稿日: 2020.07.07
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    これは、なんともはやギリギリでした。良かったけど。今まで燻っていたオクタヴィアさんのこととか、正義の将来とか全部解決して2部完。もうちょっと続いて欲しかったけど。オレンジ文庫はいつも少し物足りないところでシリーズが終わるからな…

    0
    投稿日: 2020.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オクタヴィアに纏わる出来事の中で、正義とリチャードの間に大学生時代から育まれていった関係性が、ひとまず落とし所を迎えた。 この物語を読むといつも思うのが、2人の関係性が羨ましいなということ。恋人とか夫婦とか家族とかいう枠組みの外で、互いに唯一無二と認識して、人生の終わりを迎えるまで、一緒に歩んでいきたいと思っているのが、幸せで羨ましい。正義もリチャードも、心の中に闇の部分を抱えていて、けれどそれをお互いに救いあい、かつ生来の優しさを持っているからこそ、そうあれるのかもしれないと思う。ある部分では依存関係にも見えるけれど、純粋に、お互いの側にありたいと思える相手を、自分も同性に欲しかったなと思ったりする。 奔放な姉妹の姉がスリランカで正義とリチャードに会った時、正義が言った”好きな人”がようやくわかってほっとした。 第3部ではどんな話の展開を迎えるのか楽しみでしょうがない。 作者が宝石や音楽や芸術にロマンを感じているのが、物語の要所要所で語られていて、そのことにも強く共感するから、この話はとても好き。 長く続いてくれるといいなと思う。

    2
    投稿日: 2020.06.21