
総合評価
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powered by ブクログ本作では、育児をめぐっての夫との関係、夫の実家との関係が、わかりすぎるほどわかる。 口に出せば、大したことではなくなってしまう程度の不満。 わかっているから口には出さないけれど、だからこそそれは孤独に心の奥にしんしんとたまってゆく。 私にとっては、もう何年も前のことだ。 今は子どもも大きくなり、また違った悩みがあるが、本書を読んでいる間、私の心は当時に完全にワープして苦しかった。 『八日目の蝉』以降、角田光代の書くお話は、どうしてこうも心にグサグサと刺さるのだろう。 自分の体験と重ねあわせ、既視感とともに読み進めるのは、時につらすぎて、何度も手を止めて深呼吸しなくては先に進めない。 でも、そういうお話を読んで共感している人が山ほどいるとしたら…悩んで、それを乗り越えようともがいているのは、私一人ではないといつも勇気づけられるのだ。 だからまた、読みながら苦しくなるのがわかっていても、角田光代を読んでしまうのだろうと思う。
12投稿日: 2017.10.30
powered by ブクログ2016年1月、発売してすぐに購入したが、読み終わるのに随分と時間を要した。 ストーリーがしっくりこなかったのか、話題が重かったせいなのか、読み進めようと枕元に置いておくものの進まない…(いつしか、BOXティッシュを置く土台となっていた。) こないだ出張があり、現地で比較的自由な時間があるだろうなと思い 持っていく本を選んでいるときに手にしたのが『坂の途中の家』だった。 残り200ページ以上残っていたが、なぜか一気に読むことができて、読み終えることができた。 裁判員制度なんて、予備校の時に勉強した記憶があるけど身近なものではないし 結婚も子育てもしていないから、主人公に自分を置き換えることもできないけれど、けっこう感情移入して読むことができた。 ※去年は、読み始めても飽きてしまい全然進まなかった。 自身の環境の変化があったせいなのか、弟&妹の子育て(姪3人)の様子をみることが多くなったせいなのか。 結婚して、子供産んで育てる! 幸せストーリーのように思えるけれど、母親は大変なようだ。勝手に追い込まれてしまったり、助けの手が悪魔の手に見えてしまったり。端から見ると、単なる被害妄想じゃないのかな?と思ってしまったり 夫婦間だけでなく、お互いの父母の関係もあったり複雑だった。 坂の途中の家… 人生の坂、なんとか登りきってほしい。 (自分なりにタイトルを解釈) にしても、角田さんの題材が社会派というのかスリルのあるテーマになってきた… (誘拐とか横領とか) もしかしたら、来年あたりに『坂の途中の家』もドラマ化、映画化されたりして…
0投稿日: 2017.10.23
powered by ブクログ自分の子育ての時ってどんなんだったっけって 思い出さされた作品だったわ そう思うとうちの子は手がかからんで幸いやたなぁと~w
0投稿日: 2017.10.23
powered by ブクログ17/10/17 (71) なんだか久しぶりに大作を読んだような。だけどこれきちんきちんと読んでいると鬱になりそうな。精神病みそうな。負のオーラががんがんで頭が痛くなる。ホラーじゃないのにとてつもなくホラーな話だった。母親、てこんなにも大変だ。
0投稿日: 2017.10.17
powered by ブクログ主人公と被告のシンクロがハンパない。 ステレオタイプな周囲の人々により増す孤独感と、幼児虐待という事件は、読んでいるこちらもどんよりした気持ちになった、
0投稿日: 2017.10.14
powered by ブクログ苦しかったー。なぞの憎しみの原因がなんなのか知りたくて先を急ぐように読んだ。そんな愛し方、か。母親の愛に恵まれたはずなのにどうしてそんな愛し方になってしまうのか。相手を見下し傷付ける言葉を無意識的に選ぶ。劣等感を植え付けさせ、痛めつけて考えることを奪っていく。昔いたな。 角田光代の本てほんと日常のなんてことはないことがベースで自分に重ねやすいから、今まで自分でも言葉に出来なかったモヤモヤした気持ちとかなんとなく抱えていた不満が整理して表現されててああなるほど、と思ってしまう。むしろ気づかなかったこととかも知ってしまったようでいいやら悪いやら。とにかく人の言っていること曲解しすぎないようにしよう 笑
0投稿日: 2017.10.13
powered by ブクログわが子を殺害した母親の事件について裁判員裁判の補充裁判員になったりさこ。全く関係のない、いつしか事件について自らの境遇と重ねていくようになる。思い通りにならない子育て、わが子の聞き分けのなさ、夫との関係、、、すべての母親について、他人ごとではないのではないか。非常に考えさせられる物語
0投稿日: 2017.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夫婦の関係って濃密だから、上手くコミュニケーションが取れてればいいんだけど、噛み合わなくなると、どんどん危ないことになると思う。 多くの夫婦は、若い時期の恋愛の結果、その関係に至る。そこに至る道筋は、理知的な判断や、深い考察に基づくようなものではない場合が多いのではないか。むしろある種の衝動に駆られて、その関係に至る訳だ。 だとすると、衝動で長い生活を共に送ることは困難であるはずだし、なかでも困難な共同事業である子育てを共にやり遂げることは、希な幸運なくては可能ではない、ということをまざまざと感じさせる本だった。 自分自身妻に、無意識の悪意をぶつけていなかったか、読み進めるなかで不安になってしまった。 最終的には、相方を信頼し、尊敬できているかどうかがポイントだという、謎解きがなされている。個人としては、ほっとしたが、それはそれで、この本のドキドキを弱めてしまったようで残念でもあった。
0投稿日: 2017.09.11
powered by ブクログ裁判員裁判を舞台に、一見幸せそうな主人公の夫婦関係、親子関係にじりじりと迫っていく。 主婦の里沙子は、三歳になる娘の子育て中だが、裁判員に選ばれてしまう。裁判では、それぞれの証人が全く印象の異なる発言をして、「藪の中」を思い出す。裁判が進む中、里沙子は、担当した事件の被告人と自分をどんどん重ねていってしまう。 そして、あることに気づかされる。
0投稿日: 2017.09.08
powered by ブクログカラリと晴れ上がった日曜日には相応しくない本を読んでしまった と思った。テーマは時代を反映させてオーバーラップした今のある種の母親像の悩みも。作者が読み手に挑んだ内容の小説かな?
0投稿日: 2017.08.20
powered by ブクログ自分と似た境遇の被告人が裁かれる裁判での裁判員としての経験を通して、自分と夫、自分と娘との関係性を見直していく。 裁判員として選ばれた人の中にもいろんな考えの人がいて、里沙子の意見に同意しない人もいれば、里沙子が自分自身の気持ちをうまく伝えられない場面もある。 それでも私にはもどかしい里沙子の気持ちはよく分かった。 一歩間違えれば被告人席に座っていたのは私かもしれない。 訳もなくグズる2歳児のイヤイヤ期や、自問自答する里沙子の内面描写は見事。 2017/08
0投稿日: 2017.08.15
powered by ブクログ「対岸の彼女」を大学生の時に読んだあと、しばらくして30代で読んだときの感覚の違いに驚いた記憶がある。恐らく、映画や本、芝居を観て持つ印象や感想は自分がこれまで経験した価値観によって作られるから、歳をとったが故に読んだときの感覚が変わるのは当たり前といえば当たり前ではある。しかしその感じるギャップのデカさに驚くのは角田作品が抜きん出て多い。恐らくそれは作品の中で描く女性の表現精度が物凄く高いからなんだと思う。 非常に面白かった。映画にするなら今ですね。紙の月よりもきっともっと面白い作品ができる気がする。
1投稿日: 2017.07.30
powered by ブクログ夫、義母、小さな娘と向き合う女の 心持ち、苛立ち、驚き。 気持ちの揺れがリアルで 共感できて。。。 ああ。。。そう、そう。 たまらなかった。
0投稿日: 2017.07.21
powered by ブクログ寝かしつけても起きて来る、全然言うことをきかずに泣き叫ぶ。子育てが終わってしまえば、そんな苦労も笑い話になるけれど、夫婦共に育てたとしても、子育て中は時折強い孤独感に襲われる時がある。この小説に感情移入してしまうのは、誰しもこの物語の登場人物になり得てしまう危険性を自らの経験を通じて知っているからではないでしょうか。
0投稿日: 2017.07.03
powered by ブクログおそろしかった。 自分には夫も子供もいないのに、まるで自分のことのように思えた。八日目の蝉もまだ読んでいないので、ぜひ読んでみたい。
0投稿日: 2017.06.25
powered by ブクログ杉江松恋さんが2016年のベストミステリーと推されていたので期待して読んでみました。 裁判員候補者として選ばれた里沙子。乳幼児の虐待死を巡るもので、都内に住む30代の女性が浴槽で8ヶ月になる長女を死に至らしめた事件であるという。現在の里沙子は専業主婦で、2歳になる娘の文香の育児に追われている。自分とさほど代わらない立場の人が裁かれる場にいるということに不安を覚えつつ、彼女は毎日裁判所に足を運び始める。 途中、重いのでくじけそうになりましたが 心理描写が凄いですね、よくあてる霊能者、占い師みたい 角田さんのホームドラマっぽいのは読んで好みでなかったけど、こういうミステリータッチは好み。
0投稿日: 2017.06.13
powered by ブクログ‹ブックデータベースより› 刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇にみずからを重ねていくのだった―。社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と“家族”であることの心と闇に迫る心理サスペンス。 ーーー 乳幼児を浴槽に落として溺死させた事件の裁判員となった里沙子。 その裁判を通して、今までしっかりと意識してこなかった自身の結婚生活や育児の「違和感」を見つめなおします。 自分を助けてくれる、まっすぐな人だと思っていた夫の「悪意」を感じ取るようになったり、聞き分けのない娘にイラつく自分を被告人と重ねておびえたり。 主人公が悩んだりイラついたりする場面が精密に描かれていて、読んでいて苦しくなることも。 自分が恋愛相手にしてしまうかもしれないようなこと、そして相手がそのことに対して嫌な思いをするとしたらこういう思考経路をたどるのだろうな、ということも想像できて、ある意味「勉強」にもなりました。 「傷つける」つもりはなくても、相手が傷つくことはあるのだ、ということを改めて感じます。 とりあえず、恋人ともめているときに読むのはお勧めしません。
0投稿日: 2017.06.06
powered by ブクログこんなに読者で苦しい気持ちになったのは初めてに近い。 辛いのに読むのをやめることができない。不思議な感覚だった。 補充裁判員に選ばれて 同じ小さな子どもを育てる女性として 自分と被告人とを重ね合わせて 子どもや夫との関係に自問自答していく姿は 心が凍りつくようだった。 自分も知らず知らずのうちに、 逃げや心に蓋をして見て見ぬふりをして やり過ごしているのかもしれない。 こうやって裁判という形で 否が応でも向き合って自分を投影するうちに 見えてくる目を覆いたくなる現実もあるのかと。 胸にずしんとくるものを抱えての読了となった。 八日目の蝉や神の月 といい、ぐさりとナイフを突き立てられるような話。書いている作家さんはよほどタフな方なのだと思う。
0投稿日: 2017.05.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
内容が重い。 裁判員裁判に選ばれた幼い子持ち主婦の話。 その裁判が赤ちゃんをお風呂に沈めて しまった同じく主婦の裁判で、主人公は 自身の身を振り返りながら裁判員として 裁判を傍聴する。 なんだろう、子供を育てていると 思い通りにならないことばかりで こっちまでぎゃーってなることがあるけど ぎゃーとなる反面、もう本当にかわいいーと 思う部分や、日常の中のもう駄目無理って 思いながらなんか笑ってしまう部分があって、 バランスが取れている。 この本では負の部分ばかり強調されて 強調されて、そんな風に人の裏ばかり読んで 本音もぶつけずに悶々としてたら家庭も 壊れるわ!って主人公にイライラしてしまって まあ角田さんの本あるあるなんだけど、 あるあるなだけに他の角田さんの本の内容と 既視感もあって、退屈すぎた。 子育てって人からの話だけでは絶対にわからない やってみないと絶対にわからない、そういう この作者の弱点が露わになっている本だなと思った。
3投稿日: 2017.05.15
powered by ブクログ「乳幼児の虐待死事件をテーマ」にした、これまたダウナーな作品。 裁判員に選ばれた主人公が、夫との関係や育児に苦労する自分自身と被告人の境遇を重ね合わせる心理描写が抜群にリアルです。 どの家族も抱えてそうなボタンのかけ違いには、全子育て女性が共感すること請け合い。 男である私も思わず「あるある」と膝を打ちそうになりました。 虐待死というテーマに関しては、最終評議での主人公の言葉が、同様の事件に対するフェアなものの見方として印象に残りました。 「わたしはやはり被告人に同情します。両親、夫、義母、友だち、医師や保健師、ほかの母親たち。ひとつボタンを掛け違えたばかりに、みんな、声も届かないほど遠い人たちに思えて、助けを呼ぶ声がどうしても出なかった。それはけっして見栄でもプライドでもなかったと思います。自分ひとりがどうしようもなくだめでおろかな母親に思えたんじゃないでしょうか。そのことをもうだれにも指摘されたくなかったんじゃないでしょうか。そして、助けを呼びたいのに呼べないことに、身近な人はだれひとり気づかなかった。そのことはわたしは同じ母親として心から気の毒に思います。だからといって赤ん坊を水に落としていいはずがない。同情できないのは、その一点のみです」
0投稿日: 2017.05.04
powered by ブクログ突然選ばれてしまった裁判員裁判。補充とはいえ、幼い娘・文香を義母に預けてまで毎回裁判所に通わなければならなくなった里沙子。しかも対象となる事件は、自分と同じ専業主婦・安藤水穂が、幼いわが子を湯船に落として死なせてしまうというものだった。 報道を見ても、他の裁判員の意見を聞いても、「夫や周りは協力的だったのに、水穂一人が悪者」といった意見が大多数の中、事件に関する証言を聞いていくうち、もしかしたらこうだったかもしれないではないか、なぜその言葉の裏に潜む悪意を誰も理解しないのだと、自分と重ねて水穂に肩入れしていってしまう里沙子。文香へのしつけのつもりが、ちょっとしたタイミングの悪さで夫に虐待扱いされてしまうなど、あまりにも水穂のケースとリンクする出来事が多く、里沙子の思考は致し方ないものであると思うし、読者側も、里沙子や水穂に共感を覚えてしまう人は多いのではないだろうか。夫のものの言い方が、額面通りにとらえていいのか、暗に批判する気持ちが含まれているのか。最後になってもどちらが正解だったのかわからず、読み終えてからも里沙子のように悩んでしまった。当事者にしかわからない悪意というのを描くのがうますぎる。
0投稿日: 2017.05.02
powered by ブクログ3.5 なかなか理解しにくい話し。でも終盤は先が気になってどんどん読みすすめました。男性には共感しにくいのかな。
0投稿日: 2017.04.26
powered by ブクログ延々と心の闇が押しては引く波のように繰り返される内容に辟易とした。 確かに何がしたいでもなく、ただ相手を傷付ける夫というのはいそうではあるが、そういう人間社会にある闇を表現するのにこれだけの長いストーリーに仕立てる必要は感じられなかった。 なんとなく宮部みゆきの『ソロモンの偽証』に似ている感じを受けた。
0投稿日: 2017.04.22
powered by ブクログ角田さんらしく、なんともいえずリアリティのある本。テーマは育児と夫婦関係といったところか。結婚して子供を育てたことのあるる人なら共感するところが多いだろう。夫婦関係って、本当に対等であればよいですが、実際は力関係があって一方が相当我慢している、といったことがあり、それが歪を産んで取り返しのつかないことになる、というのはあると思います。難しいですね。あと、主人公の子供の女の子はかなり手が焼ける子で、これを読んでいると子供やいやになりそうですね。いくらイヤイヤ期だからといって、これはひどすぎだと思います。
0投稿日: 2017.04.22
powered by ブクログさすが女性の作家。出産後の新米ママとしての描写は非常にリアルで、自分の出産後の感情を思い起こせる内容で良かった。人物描写も丁寧で、読み応えもあり。裁判の証言で登場する人物一人一人の描写については特に思った(反対に、裁判員達についてはどうしたの?と思うほど手抜きというか、型にはまったような描き方しかしていなかったような笑)。 そして主人公の夫が、ずっと殆ど意識できないように静かに、しかし振り返ればしっかりとした意思(つまり、悪意)を持って主人公が自信喪失するように接して来た事に、主人公が気づく所は恐怖を感じる程の感覚を持って読めたと共に、案外身近でそういう事は良く起きてるのではないか?とドキっとした所でもあり、非常に印象深かった。 この部分ゆえにこの小説はとても面白かったが、どうにも主人公が嫌いなタイプで共感できなかったので星3つに。もっとしっかりしなきゃね。特に母親なら。人のせいにばかりしたり、自分の非力さを嘆いたりしてるのはだめなんだよ。
1投稿日: 2017.04.21
powered by ブクログ江國さんを読んで「女は怖い」と思った。しかしそれは恋愛に対する特性のようなものであって傍観者的な立場でいられる。 翻って角田さんの題材は結婚、出産、育児…それに絡む親子夫姑と人間関係諸々のなか生成される本性でありそれ自体はブラック角田ではないのだけれどあまりのリアルさに思わず引いてしまうような疲れる読書。 物語としては補充裁判員の目を通して幼児虐待の被告を描く婉曲の手法を取っているがかえってそれが合わせ鏡となり重々しさを加速する。 ほのぼのとしたタイトルのようだが坂の途中に留まるか転げ落ちるかは紙一重なのであろうな
1投稿日: 2017.04.20
powered by ブクログ2017/4/16 主人公の気持ちがよくわかりすぎて、すごく身近に感じた。 裁判員裁判の話のようで、本当は夫婦の話。弱い人は自分の弱い部分を隠すために相手を蔑む。 どうして夫という生き物は妻を孤独にして追い詰めるのかという疑問の答えはそれ。 最後に主人公が少し報われたように思えて、少しすっきりした。
0投稿日: 2017.04.17
powered by ブクログどうか幸せな最後でありますようにと祈るように読みました。 子育て中のお母さんだけじゃなくて、いろんな人に読んでもらいたい。 水穂が起こした裁判員裁判に参加していくうちに、自分の置かれている状況と重なっていく描写がリアルでした。 子育て中に追い詰められる人って少ないのかな。私はよくわかったけれど。。。
0投稿日: 2017.04.05本当にほんのわずかな差で、私も被告人のようになっていたかもしれない。。。
角田氏の作品を読むのは初めてです。 普段ミステリばかり読む私が手にとったのは、心理サスペンスの帯です。 主人公にも、被告人にも、感情移入し過ぎて冷静ではいられなくなりました。 わかるわかる、あるあるこういうこと、と終始感じていました。 主人公や被告人が感じていることを、理解できない人がいる、ということもわかります。 自分が感じていることを率直に話すことができる人がいる、ということは とても稀有で貴重な存在だと感じました。 「ふつうってなに?」と改めて考えました。 この作品はぜひ老若男女に読んでほしいと思います。 この主人公と被告人のことを理解できる人も、できない人も。
10投稿日: 2017.04.03
powered by ブクログ幼児虐待事件という重い題材をテーマにしながら 補充裁判員という立場から自分の事と家族のことに比較しながら さらに掘り進められていて補充裁判員でさえも こんなにも重圧のあるものだというのがとても伝わりました。 読み始めは軽い気持で読んでいましたが、 公判が進むにつれてまるで自分が裁判員になったかのように思えてきて、 里砂子と同じように自分だったらどうだろうかと考えながら 噛み締めるかのように読んでいました。 母親というのは子供を産めば徐々になっていくものだろうと 多くでは語られますが、子供を育てていくというのは 予想外のことやマニュアル通りに行かないことが 日々あることに気付かされます。 子供を産んだこともなく育児もしたことがないので 被告人や里砂子などの心境までには至らないにしても 狭い空間の中で子供と母親とは一対一の関係の中で どう接していくのかが本当に大変なのかというのが伺い知ることが出来ます。 子育ても上手くいかない中で体調の変化、 そして彼女を取り巻く家族関係、特に夫や両親との付き合い方が この被告人にとってはとトラブルがあり 、 それが秘火に油を注ぐきっかけになってしまったのかとも思えました。 子育てのこどだけでなく夫のちょっとした言動、 特にモラハラについてはこの作品では本当に怖く思えて 本を読んでいる途中から自分自身も変な錯覚に陥り夫の言動を細かく見てしまいました。 幸いこのようなことはないにしろ、 その日の気分でちょっとしたことの誤解のずれから 夫婦のお互いのずれになってしまうというも怖く思えました。 そして里砂子も思っていた通りに裁判で語られていることが、 他人事ではなく誰もが日常的に送っている風景の中の出来事で それが事件になってしまうというのがなんとも生々しかったです。 こんな思いをして女性というのは子育てをしているのかと思うと 脱帽する思いでした。 今の世の中は核家族で人間関係も希薄なので 、 子育てを一人でしていくのは実に孤独で大変かということが分かります。 夫、家族、保健師など身近な人にも本音が言えずに がんじがらめになってしまこと。 このようなことがならないためにも何処か本音を言える場所が 少しでもあれば救いになるのかと思ったりもしました。 それと同時によくニュースなどでこの手の事件が報道されると 両親を悪く思ってしまう傾向がありますが、 この作品を読んだことでまたいっそう事件の見方や 考え方が変わりました。 こんなにも心が鬼気迫る思いがした作品は初めてかと思います。 考えさせられることが多々あり、 読み終わってもまだ整理しきれないところがあり 感情移入100%の社会派エンターテイメントと言わずにはいられない作品で読み応え十分でした。
1投稿日: 2017.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幼い我が子を死なせてしまった水穂と、その事件の裁判員となった里沙子。 似ている点が多く自分と被告人との境目を徐々に見失っていく様子には、角田さんの小説だからこうなることはわかっていたのに苦しくてたまらない。 子や夫や義母や実母に苛ついてしまうのはどこまでが普通でどうなったら異常なんだろう。そんなのは測れないし客観視するのも難しい。結婚も子育ても私には無理だ、と思ってしまった。私には角田作品は影響力が大きすぎるな。いつも感想が本そのものではなくて自分のことになってしまう。その没入具合が好きではあるのだけど。
0投稿日: 2017.03.24
powered by ブクログ読んでいて気が重くなった。気が重くなりながら読んだ。 この主人公の主婦は考え過ぎなのではないか?こんなにも人のことを気にするものなのか?しかも、旦那にこんなに気を使うものなのか?と時にはイライラしながら読んだ。 補充裁判員になった里沙子。里沙子が担当する裁判は、里沙子と同世代の主婦が、娘を風呂に落とし、殺してしまった事件。里沙子にも2歳の娘がいて毎日娘のわがままに翻弄されている。 ちょっとしたことで旦那に娘への虐待を疑われていると感じ始めた里沙子。旦那の一言一言にいちいち嫌味を感じたりするうちに被告人が自分とリンクしてきて・・・ 正直感情移入は出来なかったし、早く読みたいと思えるような話ではなかったが、実際、こういう人もいるのかも知れないとも思えた。そう思うと心理描写がかなりリアルに感じた。
2投稿日: 2017.03.23
powered by ブクログ一気に読めた。ところどころ説明が長かったり、同じようなことの繰り返しで読むスピードが遅くなったり、億劫になったりしたが、基本的には、裁判員の補欠になり、それをきっかけに、主人公の気持ちの揺れ方、夫、娘、両親、義母・義父、友人との関わり方について考える機会を通し、自分自身の結婚生活、育児、社会とのかかわり方を見つめなおすという経緯が伝わってきた。 関わった事件は、母親が育児ストレスか、周囲とのかかわりが持てなかったか(夫、義母含め)育児に対して自信を無くし、子どもを風呂で水没させてしまった事件。 自分も2歳になる子供を持つ主人公里沙子が、被告人と自分を重ね合わせ、裁判員制度に関わっていく話。 被告人の環境を推測し、客観的判断をしなければならないが、つい自分の結婚生活、育児、周りとの関わり方を重ねてしまうのは仕方がないが、里沙子自身、会社を辞め、育児に専念し、夫陽一郎に気づかっての生活、夫や義母からのプレッシャーなど、事件にかかわるまでは見つめてこなかったことを考えるということで、言葉にし、自分がどうありたいのか分かっていくことになって、いいきっかけになったと思う。 気付かないうちに愛されている、大事にされていると思い込んでしまうが、母親・義母・夫にしても相手をおとしめ、傷つけ、そうすることで自分の腕から出ていかないようにしている。みんな、自分よりも賢く、成長していくことを阻むかのように、アドバイスをしているつもりが追い詰めていることになぜ気づかなかったのか。 大事なのは、やはり自分で考え、どうしたいか言葉にすること。それを相手に伝える。話をすること。 出来ない関係なら、そこまで。相手に合わせて依存を始めた段階で、関係は上下になり、家族であっても崩れる。 裁判員は色々な年齢、立場の人の意見が聞けるし、今まで家の中にいた里沙子にとっては、夫から能力以上だと言われても、最後まで辞めずに続けたこと、被告人の判決までちゃんと聞けたことはとても成長になったと思う。離婚するのか、どうするのか、働くのか、働かないのか分からないが、新しくスタートしようとする終わり方でよかった。
0投稿日: 2017.03.12
powered by ブクログ図書館で借りて半分しか読めなかったけど次予約の人がいるので一旦返却。198ページまで。まだ半分。面白い。また予約して一回りしてきたら続き読も。 2017.4.15読了。重くて深い。思ったのは、小さい子どものイヤイヤって、ほんとイラつくよなってこと。だからと言って殺していいわけではないと作中の裁判でもまぁその通りの結果になったのだけど。これから子どもを持つ人は、子どもは寝ないし泣くし絶対出して欲しくない日に熱出すし疲労困ぱいで帰った日に限ってわけわかんない理由でかんしゃく起こすし叱るとなんなのこの人って目で睨んでくるものだと思っていてほしい。それでもそれを上回る幸せをくれるけど、それは贈り物だと思ってまずは頑張れ。
0投稿日: 2017.03.11
powered by ブクログ夫と娘と三人で暮らす主婦、里沙子。ある日裁判員に選ばれる。我が子殺しのその裁判が進むにつれ、被告の女性と自身とが重なっていくようになり…。子供を産み育てた女性なら誰でも自分を投影してしまうような内容で、辛くなるけど、でもどんどん読めてしまう。無意識に閉じ込めないいた現実を突きつけられ、もう二度と元には戻れなくなる主人公が、それでもラスト清々しいと思える。とにかく読み応えあり。
0投稿日: 2017.03.07
powered by ブクログ裁判員制度で、いきなり裁判員に選ばれてしまった普通の一人の子供を持つ母親のお話し。 事件の被告が、自分と同じ境遇だということと照らし合わせながら、書いている。 自分を型にはめようとする母の存在、社会の存在、常に自分より強いと思わせるように仕向ける夫の存在、 何もかもが、誰にもわからないようで、本人にだけわかる。 さて、次に彼女は、何をするのだろうか。 他人の暗示をはねのけるだけの自信と勇気。そして一人でも生きていくんだという心じゃないかなって思う。 女性にかけられた呪文を説くのはとても難しい。昔から、男性に養ってもらうものだといわれて育ち、学歴が男性より高いと結婚できないといわれ、家庭では女性を求められ、旦那の実家では、旦那の付属物。 自分の家でも、旦那を立てろと言われる。 そうやって、押し込められた世界。
1投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログ2歳の少々癇癪持ちの娘を育てながら 裁判員の補欠に選ばれる 旦那は娘の癇癪も見た事も無いし 子育て特有のイライラも知らない 公判中の子供を死なせた母親と 無関心だった父親を探りながら 自分の家と対比して見てしまう 主人公 ビールを飲み過ぎるシーンが 印象的
0投稿日: 2017.03.04
powered by ブクログ一気読み 今の自分の現状とマッチしすぎていて心が苦しくなってしまった 母との葛藤 娘との葛藤がリアルすぎる 吐き出せなかった思いをまさに代弁していて、これだから読書はやめられない
0投稿日: 2017.02.24
powered by ブクログ3歳の子供を持つ父親としては、大変に衝撃的な作品であった。あまり事前に作品情報を知らないままに読み進めたが、最初は裁判員制度を題材にした話かと思いきや、多くの思惑がからんだ複雑な展開を見せ、最後まで楽しめた。 とはいえ、ちょっと救いがない終わりに見えて、★5までは届かず。すごく面白かったんですけどね。
0投稿日: 2017.02.19
powered by ブクログじわじわと恐ろしい。 私は子供はいないけど、やはり結婚して旦那との会話で同じようなことを感じることはあった。 誰にでもあることなのが、実感わきすぎてつらい。
0投稿日: 2017.02.18
powered by ブクログ2016/09/08読了。 子育て真っ最中の母親の心理描写がリアル。同意はしたくないけど、その不安定な心の歪みはよくわかる。子育て楽しいんだけどね。ボタンのかけ違いなのかな。悲しい。 読書感想文5枚は余裕で書ける一冊。さすがの角田さんでした。
0投稿日: 2017.02.10
powered by ブクログ裁判員制度の裁判員に選ばれた主人公が、被告の女性を通して自分のことを見つめなおす、といったような話です。 淡々とした日常、2歳の反抗期が始まった子供との毎日が裁判所にいくようになって少しづつ変わっていくのか、変わったのは主人公の心情か…。 全体的に重い感じなのですが、だんだん、被告についての話だったか、主人公の主婦のことだったかわからなくなるような感じもあって、たとえば子供が居なくても、夫婦間の関係でなくても、同じような状況になって同じような心理状態になることがあるだろうと共感できて、あっという間に読んでしまいました。 おもしろい、というより、興味深い1冊でした。
2投稿日: 2017.02.03
powered by ブクログ読み始めてから終わるまで時間がかなりかかった。 私も育児経験あり、専業主婦経験ありなので読んでいくのにすごく疲れた。 子供が乳児のころはまずはおっぱいの出から始まり、はいはい、たっち、発語にトイトレ、とにかく他人の子供や平均という数字が気になり、他人の言葉にいちいち敏感になったっけ、、、。 けど、里沙子の思考にはいまいち共感できずイライラしっぱなし。里沙子の夫にもイライラ。 登場人物全員に全く共感できなかった。 読後はとにかく疲労感でいっぱい。 けれど読んでよかったと何故か思う。
0投稿日: 2017.01.30
powered by ブクログ見方をひとつ変えただけでごく普通のことがねじくれて異様に思える わかる気がする。裁判員には絶対になりたくない。
0投稿日: 2017.01.29
powered by ブクログ図書館に予約していたが、やっと順番が来た。 ずいぶんと長いこと待った作品で、 一言で感想を述べるなら、子育ての苦しみを描いた作品だった。 内容紹介にもあるように、 刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、 子どもを殺した母親・水穂をめぐる証言にふれるうち、 いつしか彼女の境遇に自らを重ねていくようになる。 妊娠を機に仕事を辞め、 妊娠・育児に関して、義母の干渉を受けていることなど、 同じ幼児をもつ母として、 里沙子と水穂は共通点が多かったのだ。 水穂が犯した罪の審議を聴いているうちに 里沙子は自分が本当にわが子を愛しているのかどうか 切実に考え始めたのだ。 義母に子供をあずけて、 10日間の間、補充裁判員として法廷にに出向いた里沙子。 その10日間は、 専業主婦となっていた里沙子にとって 人生観が変わるようなことばかりだった。 被告人水穂がなぜわが子を殺すようなことになったのか。 また、なぜ里沙子もときどき、 我を忘れて子供に辛い思いをさせてしまうのか。 淡々とした作者の文章で 複雑な母親の心理状況が詳細に描き出されていた。 子育ての経験者なら、「うんうん」と頷けるようなことなのだが、 母親はあまり神経質に考えない方がいいのではないかと思う。 里沙子がよその子と比べて発育が遅いのではといわれ、 落ち込む原因となったとあるが、 人の子供と自分の子供の発育を比べて一喜一憂するなど ずいぶんと子供っぽいなあと思った。 私がのんびり構えすぎているのかもしれないが、 「私はわたし。私の子育てはこうだ」と 自信を持って堂々としていれば 悩んだり苦しんだりすることもないと思う。 これは、「ノイローゼ」とは無縁に過ごせた幸運な私だから 言えるのかもしれないが・・・。 この作品の渦中の家族構成や家族関係は 一見まともなようで、随分とどろどろとしている。 子育て中の母親としての本音がやっと後半見えてきて、 子育ての悩みや苦しみなどが浮き彫りにされてくる。 これが今の世の中の虐待や育児ノイローゼの正体なのか。 作品のラストは少し明るい見通しになっていたから、 現実社会でも、 このような悲劇が少なくなることを願っている。
0投稿日: 2017.01.27
powered by ブクログ2017.1.読了。 子育てってこんなに大変なのか…不安になる。 何故か経験したことがないのに里沙子、水穂の気持ちが理解できる。自分でコントロールしきれないイライラとか。 途中読むのが辛くなるくらい苦しかったけど 角田光代さんって本当に女性の気持ちを表現するのが上手。
0投稿日: 2017.01.19
powered by ブクログ読み終わったらぐったりした。 心情的にはわかる所が少し、わからない所がたくさん。 裁判員は絶対にやりたくない。
0投稿日: 2017.01.16
powered by ブクログ主人公とは立場も境遇も全く異なるのに、彼女の気持ちの変化が痛いほどわかる気がした。どんどん苦しくなってきたけど、それでも読み進めずにはいられない。様々なテーマが盛り込まれ、それぞれずっしりとした重さを持っていた。とても面白かった。
1投稿日: 2017.01.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読むのが疲れる話だった。精神的に疲弊する。 裁判の話というより、里沙子の思考にあまり共感できなかったからなんだけど、確かにめまぐるしく感情が行き交うってことはあるけれど、振れ幅がありすぎてだるくなった。
0投稿日: 2017.01.07
powered by ブクログ子どもを虐待死させた母親の裁判員裁判で、自分の家庭、子育てを重ねている。 読んでいて、自分勝手の考えで、他人の気持ちを推し量ろうとしないんじゃないかと思えてならなかった。 姑の子育ての援助は邪魔で、迷惑なのだろうか。
0投稿日: 2017.01.06
powered by ブクログ2016.12.29 夫婦、親子、その親、自分の親 その狭い世界で生きて子育てしながら、裁判なんていう普通では 関わらない状態に置かれる。 これは、もうストレスの真っ只中に置かれるも同然でしょ‼️ 昔、子育てしてた頃も、やはり義母とのことでイライラしてて、子どもにあたったこともあり、その子どもを今、頼っているという事実 あんな母親だったのに、子どもってありがたいと思う。いろんなこと親子で乗り越えてきたから今がある。 そして、夫婦 うちの不仲の原因もやはり夫の私に対する見下した態度と言葉 所詮、気の小さな人間が自分を守るために人を傷つけていく。それはそのまま自分へもどってくることは、その時にはわからないものだ。 わかった時にはもう手遅れなことが多い。 修復のほうが時間がかかるということが、その時点ではわからない。 人の気持ちをいちいち深く探らないほうが、楽に生きていけるんだと思う。 ただし、人の道に外れないよう常識はとても大切であることは絶対
0投稿日: 2016.12.29
powered by ブクログ厚み以上の重みを感じた。三日目あたりから動悸が止まらなかった。読み進めるのが怖くなるほどに…。作中のような夫婦関係は普通にあるのだろうか?少数派だろうが、確かに存在するのだろうな。そう考えると私は良縁に恵まれたと、改めて思う。旦那に「きみ」なんて呼ばれた時点で私はぶちギレる。生後5ヶ月の息子を育てる母として、共感出来るところもなくはない。これからもっと大変になるだろうと覚悟もしているが、それでもここまで大きな悩みもなく楽しく育児が出来ているのは、周りの支えがあってこそだ。今、読めてよかった。
0投稿日: 2016.12.25
powered by ブクログ裁判員裁判の様子、我が子を虐待死させた親の気持ちに、自分を重ねた、補欠裁判員の里沙子の心理がだんだんと自分に重なっていくかのようだった。被告の生い立ち、証言者から見る被告の人となりを聞いていくうちに、里沙子は自分に共通する部分があるのではと思うこと、周りの裁判員との関わりから見える裁判に対する思い、夫や自分の親、義両親から自分はどう映るのか、現状を受け入れられず、見栄を張る自分、このような事件が身近に起こりゆるかも知れないこと、家族の接し方など既婚未婚、子有り子なし関係なく共通する部分があると感じた。
0投稿日: 2016.12.23
powered by ブクログ読んでいて重くて息苦しくなるような内容だった。 自分に向けられた無意識の悪意は自分にしかわからない…にしても、子育ての負の部分だけが強調されているような気もした。
0投稿日: 2016.12.18
powered by ブクログ刑事事件の補充裁判員になった若い母親が、自身の家族構成や心情と同じような境遇にいるその事件の被告人を対比し、自身の心情や被告人の心情を慮る作品。 主人公の心理描写や被告人との立場や心情の対比が多い。裁判員裁判という重い責務を担いながら、被告人と同じような立場にある主人公がどのように自分の現状を受け止めていくかという心情描写を細密に表現している。それぞれの人物の行動を深読みする主人公の心情にはあまり共感はできなかった。
0投稿日: 2016.12.13
powered by ブクログ3歳になる文香の育児をしている里沙子はある事件の裁判員になる。 と言っても彼女は「補充」。 それでも彼女はこの事件から逃げられずにいる。 その事件とは、凜と名付けた娘を母親である水穂が虐待ののち浴槽で溺死させたというものだった。 これをよんでいて、この母親たちは私だと思った。 決して同じ境遇ではない。 類似点がたくさんあったというわけでもない。 ただ、これは間違いなく私だと思ったのだ。 きっとこの気持ちはわからない人には決して理解できないし、それどころか理解しようともしないだろう。 子供を無条件に愛するのが母親、いつでもどんな時でも、あなたが決めたことなんだから責任を果たせ、そうでなければ子供を持つ資格などない。 そんな風に母親とはかくあるべきと強く信じ、それを実行でき、他人にまでそれを強要するある種の人々にとっては。 76ページにこうある。 「良き親であろう、善き人であろうと思いつつ、余裕がなくなるとすぐにカットして、その怒りをコントロールできなくなる」 そうか、この言葉に私は私自身を投影して見たのだ。 誰にも言えない悲しみや苦しみや孤独感をここに感じて。 他の裁判員は水穂をヒステリックで、ブランド好きで、自己中心的な女性だと見ていた。 しかし里沙子は彼女の気持ちを全く違う視点から見ていた。 周囲からは悪意に見えない方法でおとしめられ、それでも必死で我が子を愛そうとしていた「普通」の母親を。 いくら追い詰められていても、どんなに苦しくても、我が子を手にかけることが許されるはずもない。 しかしそんな判断すらつかなくなってしまうほどに追い詰められている母親たちは、いや、私は、水穂と同様に薄氷の上に立っている。
0投稿日: 2016.12.13
powered by ブクログ結婚は夢であり、理想であったはずだ。ウェディングドレスを着て、みんなに祝福されて、この上ない幸せだった。その幸せが少し薄れたとしても、残りの人生を安らぎと幸せの中で生きていけると、どの花嫁も信じていたはずだ。それが、ふたを開けたらこんな魔物が住んでいようとは。 結婚して数年がたった幼い子どもがいる夫婦の妻側から見た葛藤や苦悩が余すことなく盛り込まれているように感じた。 主人公と同じように幼い子どもを育てる真っ只中の自分にとっては課題図書のように思えて、一度目は感情移入して先を急ぐように読み、二度目は丁寧に、真剣に、深く理解しようとじっくり読んだ。 義母と夫の連帯感、義家族から見れば嫁は単なる家政婦で人権はほとんど無視されていることとか、実母との関係性で自分は母のために子どもを産んだのだろうか、本当に子どもが欲しくて妊娠出産したのか分からなくなってしまったこと、家庭内のモラルハラスメントとして、客観的には喧嘩には見えないのだけれど、当人同士はそれぞれにわかる言葉で傷つけあっていること、など、自分自身、妊娠出産を経験したここ約2年間の日々を振り返り、いろいろなことを思い出していた。 苦悩のただなかにいるときには、こんなつらい想いをするのは私だけだという気持ちになるが、この本を読んでいると「そんなことはどこにでもある、よくあることなのよ」ともう一人のママ友に励まされている気持ちになる。 本作品の大きなテーマの一つであるモラルハラスメントについては、どのような背景でプロセスでそれが起こるか、よく理解できた。この夫婦はどちらも自分に自信がなく自分が確立できていないように見える。夫は妻を貶めることで自分を何とか保ち、そうでなければ崩れてしまいそうな自分を妻に支えてもらっている。成熟した人間は、誰に何と言われようとびくともせず、自分が揺らぐことはない。揺らいでしまう主人公が、揺らいでいない被告人の友人女性を見たときの何とも言えない複雑な感情、読めば読むほど感じ入ることが多い作品だ。
0投稿日: 2016.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
8か月の娘を自宅の浴槽に落として溺死させてしまった被告の補欠裁判員に選ばれてしまった主人公里沙子。自らも三才になろうとする娘を持ち、迷いながら子育て中。裁判が進む中で里沙子はどんどん被告に我が身を投影していき、自らの夫や姑、実家の母親との関係を顧み自分で自分を裁いていく。その描写が上手過ぎて読んでいて息が詰まる。しかし里沙子はその過程で夫も実家の母も相手をおとしめ、傷つけ、そうすることで、自分の腕から出て行かないようにする愛し方しか知らないのだと気づく。そしてその後の里沙子は描かれてはいない。読後はとても苦しい。
1投稿日: 2016.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
里沙子が裁判の補充裁判員に選ばれた。2歳11カ月の娘、文香を夫の実家に預けて裁判にいく日々。裁判は子育てに悩み娘を殺した容疑で逮捕された母親である水穂を裁く物だった。徐々に水穂にシンクロしていく里沙子の心。狂いだす家族の歯車。「母」という「諸刃の刃」の恐怖。今までの平凡な生活に見えた日々は薄氷の上に成り立っていたのだ。その薄氷の下にあったパンドラの箱を開けてしまった里沙子。里沙子の乱れる息遣いや、にじむ脂汗を感じさせる描写の連続だ。パンドラの箱は閉まらない。10日の裁判で一変した世界を里沙子は生きてゆく。
1投稿日: 2016.12.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
補欠裁判員になった若い子育て主婦の戸惑いを描く物語。 主人公が被告の境遇と自分の境遇を重ね合わせ、自分の行動が被告の行動とシンクロしているように感じるところは怖かったです。 しかし、ラストに向けて呪縛から解放されていきそうな幹事が救いでした。 子育て中、子育て経験のある女性には、どこか重なる部分もあるかもしれない思い小説だと思います。 男親である自分でも、子育て中の妻に対してどこまで配慮できていたか、後戻りできない分、深く考えてしまいました。 子育てする母親に対しての応援というか同調というか、不安を解消するのでもなく、もどかしい気持ちを代弁しているように思いました。 一方、裁判員の物語としては、初めての読書体験で、重責に圧迫される感じがひしひしと伝わり、それが本当かどうかはわかりませんが、もし候補に挙がっても辞退したくなってしまいました。
0投稿日: 2016.12.03
powered by ブクログ裁判員制度に興味があったので、図書館で予約してました。 主人公である2歳の子供をもつ母親が、女の子を虐待死させた母親の事件の裁判員に選出される。 裁判員として公判を続けているうちに、自分の子育てや自分と夫との関係などが事件とオーバーラップして、次第に追い詰められゆく専業主婦のお話です。 著者の筆力のせいなのだけど(上手っていう意味ね)読後、というか読中から不快。 裁判員制度には興味があったけれど、そもそも扱うテーマが私の苦手分野でした。 今2歳の女の子の母親である私の妹なら共感するのか、などと考えながら読みましたが、被害者意識の強すぎる主人公に私は共感も同情も出来ず、ただただ苦痛でした。 たしかにね、一見うまくいっているようにみえる夫婦でも、そうではない関係があるというのは理解できます。 でもそれだって、本人が逃れられないと思い込んでいるだけで・・・と思ってしまうのは弱者に寄り添った考え方じゃないんですよね。 この小説で登場する主人公の周りの人間達も、常識や正義や善意を前面に出すことで他人をおもんばかることが出来ず、主人公を追い詰めています。 そういう人たちのことも不快に思いながら読みましたが、ふと、どちらかというと私も追い詰める側の人間かも、と思って嫌な気持ちになりました。 以前北海道で、しつけのために山中に子供を残した父親に批判が殺到した事件を思い出しました。 あの時は私、父親に同情してたんだけど・・・いつもそういう目線でいられるとは言い切れない自分がいます。 社会に出て毎日働き、本もたくさん読んでいるのに、結局自分の経験や立場からしかモノを見られない私って・・・冷たいかも。
1投稿日: 2016.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
怖かった。そこにいるのが自分と重なる主人公に、私自身が重なるほどに。 我が子が生まれ、かわいいのに、うまく行かず逃げ出したことや、義母のアドバイスを疎ましく感じたこと、夫と義母の間にある絆にいらつき暴言を吐いた夜など、ありとあらゆるぐちゃぐちゃしてしんどかった頃を思い出した。
0投稿日: 2016.11.25
powered by ブクログとてもリアルでした。確かに、無意識の悪意ってあると思うし、自分が言いたいことを代弁してもらえた感じがしました。特に母と娘の描写に関してリアルだなと思いました。
0投稿日: 2016.11.09
powered by ブクログ揺らぎの無い自信を持って育児をしてる母親なんているのだろうか? 育児書を読み、あれ?うちの子遅いかも?とか、あっ!早い!となんだか安心したり… この話は、我が子を死なせてしまった事件の裁判員裁判で選ばれた主婦が、自分の姿とダブらせて重ねて、悩み苦悩していく。 無意識の悪意が、一番たち悪いと思う。
0投稿日: 2016.11.03
powered by ブクログため息をつき、眉間に縦皺を刻み うっすらと息苦しささえ感じながらこの本を読んだ。 いやいや期の娘を育てる主人公の思いや、 彼女が姑や夫から投げつけられた言葉の数々が 忘れていたはずの過去の記憶を鮮明に浮かび上がらせてきて辛いのだ。 だけど先を読むことを止めることなんかできない。 私が漠然と感じ、感じていながらも言葉にできなかった感情を 作者の角田さんは、見事なロジックで紐解いてくれたのだ。 あぁ・・・そうだったのか、 だから私は幸福な時間を過ごしていたはずなのに あんなにも悲しくて、あんなにも孤独だったのかと 20年以上歳月を経て差し出された答えに 泣きたいような、でも懐かしくて愛おしいような気持になった。 この瞬間も、朝も夜も泣き止まない赤ちゃんに疲れ 子育てに悩んで孤軍奮闘している全てのお母さんたち どうかどうか、がんばって。
2投稿日: 2016.10.29
powered by ブクログ読んでいて面白いわけでもこの話が好きなわけでもないけど、角田光代さんの文章力には圧倒される。主人公の里沙子本人でさえよくわかっていないもやもやした気持ちが、まるで私自身が里沙子なのかのようにありありと感じられた。里沙子や水穂に感情移入しすぎてどっと疲れた。深呼吸、深呼吸。
0投稿日: 2016.10.28
powered by ブクログ現代に生きる女性の闇を描いたらピカイチの角田光代さん。 本書では、子育ての実態がとてもリアルに、一つ一つ丁寧に描かれている。幼児虐待など、幼い子供が被害に会う事件が連日報道されるなか、小さい子供を育てるのはこんなにもたいへんな苦しみがあるのか、と子供を育てたことがない私には考えさせられた。
0投稿日: 2016.10.27
powered by ブクログ乳児の虐待死、育児、夫婦の関係、母と娘の関係、嫁姑の関係、など色々と考えさせられる作品だった。読みながら自分の経験を思い出したりしてしまうので、なかなか読み進められなかった。 育児の悩みの部分など、角田さん実は育児経験あるのでは!?と思ってしまうくらいあるあるが出てきて驚いた。 とてもリアルで丁寧に描かれている作品だけど、重過ぎてまた読みたいとは思えないかな…。読んでいて思わずゾッとする作品は久しぶりだった。
0投稿日: 2016.10.23嫌な感じだけどひきこまれます
味の濃い脂っこいチャーハンを食べた後のような心地です。角田作品を読んだ人特に男性に、この年回りの女性が皆こんな風に思って生きてると思われたら嫌だなと思います。私は乳児だった頃とてもおとなしく、必要以上に泣かなかったそうで、母は近所の人から「赤ちゃんいなくなったのかと思った。病気なの?」と言われたそうです。母は子育て時期に小児科の医療関係者や近所の人、親類などから無神経な言葉を山ほど受けたといいます。今ではずいぶん配慮するようにはなったでしょうが、態度や表情で傷つける人々は絶えないし疑心暗鬼も世の常です。
1投稿日: 2016.10.20
powered by ブクログ角田作品で一番感情移入した。 読み進めるのがしんどかった。 してはいけないとわかっていても追いつめられてしまっているとしてしまう弱さは誰でもあるし、 感情移入したことで水穂、主人公だけでなく自分がそうしているところが容易に想像できて本当に怖かった。
0投稿日: 2016.10.17
powered by ブクログずっともやもやイライラしながらやっと読み終えられた 最初の部分は共感できるところもあって読み進められたけど、半ば前くらいから主人公に共感できなくなってきて読むのが苦痛に。 主人公がいろいろんなところでなんで言い返せないのか本当に理解できなくて。 でも子が生まれたばかりの頃の部分は本当に共感できた。まるでみられていたかのよう。 私ももしかしたら主人公のようなループにはまってしまう可能性があったのかもしれない。 周りの人たちに助けられたおかげなのかも。 そんなことを考えさせてくれた。
0投稿日: 2016.10.08
powered by ブクログ私の育児の時代はとうの昔なのに、里沙子も水穂もまるで自分のように感じられた。どんどん読み進めたいのに、苦しくて?さっさと進めない。 普段ほとんどその頃のことを思い出すこともないのに、なんで? 水穂のウソの育児日記のところなど、思わず泣きそうになった。里沙子も同じで、でも理由はうまく説明できないのだ。私も里沙子も。って、登場人物と自分が並んでいるではないか。 低次元の感想になるが、育児の経験がないであろう角田さんがなんでここまで書けるのか、もう作家というのはすごいとしか言いようがない。 感情移入を超えた感情移入というのか、なんというのか、あまりない体験だった。 育児の問題、虐待の問題、夫婦、嫁姑、親子の問題、そして裁判員裁判。一つ一つにそれぞれ考えさせられた。 夫婦の問題についても、ああいう関係というのはほんとにたくさんあると思う。肉体的暴力ではなく、精神的暴力というのか。それが暴力ということに気付かない場合が圧倒的に多いのではないか。気付けば離婚になるかもしれないが、気づかないまま、いや〜な感じのまま結婚生活を続けている妻はたくさんいると思う。 またもう一度読んでみたいと思える小説だった。
1投稿日: 2016.10.08
powered by ブクログ味の濃い脂っこいチャーハンを食べた後のような心地です。角田作品を読んだ人特に男性に、この年回りの女性が皆こんな風に思って生きてると思われたら嫌だなと思います。私は乳児だった頃とてもおとなしく、必要以上に泣かなかったそうで、母は近所の人から「赤ちゃんいなくなったのかと思った。病気なの?」と言われたそうです。母は子育て時期に小児科の医療関係者や近所の人、親類などから無神経な言葉を山ほど受けたといいます。今ではずいぶん配慮するようにはなったでしょうが、態度や表情で傷つける人々は絶えないし疑心暗鬼も世の常です。
0投稿日: 2016.10.03
powered by ブクログ最初から最後まで重く、気の晴れる部分のない作品だった。 主人公の主観的な感情が中心に描かれ、 実際のところ、この事件の事実はどうだったのかは わからないまま終わってしまい、 不完全燃焼。 真実はそれぞれの立場で変わり、 それをどう捉えるか、 受け止める人によっても様々だということなのかな。 裁判員制度に関わることの大変さが すごく伝わってきた。
2投稿日: 2016.10.02
powered by ブクログ主人公が被告人にシンクロしていくのと同じくらい、自分も主人公にシンクロしてしまい、産後の辛かったことを思い出して泣けたほどでした。夫と姑、子どもが生まれてからは子どもも含めたあの連帯感。自分にしか感じられない悪意。分かる人には分かる、分からない人にはきっと分からないざらざらした感じ。角田さんの描くこういう部分が、私にはいつもすごくリアルで、どの主人公にも共感してしまいます。この後がどうなるのか、気になるなあ。
0投稿日: 2016.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネタバレあり! 私自身、里沙子と同じ3歳の子供がいる専業主婦なのですが、似た部分が多くて序盤からぐいぐいと引き込まれてしまいました。 幼い子に対して苛立ちを覚え、大人気なく感情を露わにする。 愚図る子供を落ち着かせる為に少し離れて静観することや、先に行くふりをすることなんて、誰もが見たり、したりしたことがあるんじゃないのか。 途中、夫から虐待を疑われてどんどん自分の考えに自信が無くなる里沙子。 この部分が一番響きました。 そして、他の読者がどう思うのかとても知りたくなった部分でもありました。 読み手の立場によって、受け取り方が変わるだろうなぁという作品。 夫と義母の関係を、「連帯感」。 里沙子と実母の関係を、 「相手をおしとめ、傷つけ、自分の腕から出て行かないようにする、愛してるからそうするんだ」 という部分には、自身の母親もそういうタイプなので、本当に共感しました。 的確な表現力にすごい作家さんだなぁと驚きました。 最後まで水穂の人物像が分からなかった点は、結局他人には本当の自分など分からない事なんだろうと再認識。 あまりに自分と似ていて読み進めるのが苦しかった反面、続きが気になり読み出すと止まらなかったです。 読了後は気分が重かったのですが、誰もが一つ間違うと水穂と同じだろうと思うと、常に手元に置いておきたい一冊となりました。 色々と考えさせられたので、次は少し軽いものが読みたいです。
1投稿日: 2016.09.28
powered by ブクログ裁判員に選ばれた子育てママが子殺しの裁判に挑む際、封じ込めていた自身の様々な感情に向き合うはなし。 堂々めぐりが多い。
0投稿日: 2016.09.27
powered by ブクログはぁー…深い どっと疲れた… 最初は暗くて、自分の子育てや夫婦関係を思い出して共感出来すぎて辛くて途中でやめようかと思ったほど。 母親として1人の人間として沢山考え悩んで最後には主人公自信を持つことが出来た。 本当に夫婦関係てこう、子育てってこう。 中にはうまくいってる夫婦関係もあるのだろうけど、大抵はこう。 私はさっさと離婚したけど、思い出して辛くなった。 自分ばっかり子育てで大変な思いしてるって思ったの。男なんて口ばっかり。って。本の通りだったなぁ。 自分で子供育てる! 自立する! って決めて離婚してからはそれまでの自分が嘘のように生き生きした。 昔の自分を取り戻したと思った。 子供を第一に考え大切にしようって。 そこからは今までにないくらい頑張った。 資格とって就職に繋げて仕事も頑張って今に至る。 若い時の自分は甘ったれでどうしようもなかった。子供を産んで母になったことと離婚が自分を成長させた。 だから女性は結婚しても子供生まれても仕事はやめちゃいけない。男性と対等な立場にいなきゃ。死別や離婚した時のために自分で稼げる手段を持たなきゃ。つくづく思った。 その安心があるからこそ夫婦生活もうまくいくことってあるかもしれない。 はぁー 深い話だった。 主人公同様、私も感情移入した。 私も元旦那から虐待じゃないの?って目で見られたことある。 辛かったな。 そして、私が今感謝するのは自分の親と理解のある会社の人たち。 頼れる親や誰かがいるってことが1番大事なんだなって本当身にしみた。 それが出来ない人にとっては辛い日々なのかも。 思い返せばたった10年の間の話だったんだなって今だから思える。 小さい頃なんて3.4年。 でもその短い期間こそ大変な時なんだよね。 周りの理解がもっと進むことを切に願う。 ニュースを見るたび相談できる人いなかったのかなって辛くなる。
0投稿日: 2016.09.24
powered by ブクログ子供を2人育てた私に取って、育児は育自であり、楽しかった。 ラストが知りたくて、一気に読んだが、重苦しさだけが残った。
0投稿日: 2016.09.11
powered by ブクログしばらく小説から離れていましたが、長編を読みたくなり選んだのがこちら。 ずっしりとした内容でしたが、あっという間に読み切ってしまいました。 幼児虐待の裁判で、補充裁判員に選ばれた主人公。 被告人と同じ小さな子供のいる母親として、事件と自分の「これまで」を重ね合わせていくというストーリーです。 主人公の子育ての様子を読んでいると、分かりすぎて怖かった。 こういう気持ちになったことある、というお母さんは多いんじゃないかな? そして、ほとんど話さないながらも圧倒的な存在感の被告人。 検察側と弁護側の意見の対立、裁判員たちの意見…。 引き込まれて読みました。 主人公家族が今後どうなっていくのかを想像しながらのラストでした。 しばらく小説モードにスイッチが入ったので、次も長編を読もうと思います。
0投稿日: 2016.09.10
powered by ブクログ大好きな角田さんの作品。 ストーリーは、主人公の理沙子は子どもを持つ主婦。そんな彼女が裁判員制度の補充裁判員になることに。しかも、事件は幼児虐待。彼女は、無意識に被告人と自分を重ねてみているのだった。 同じ子どもを持つ女性として共感できる部分もあるけれども、理沙子も被告人の女性も、神経質すぎるかな? という気はした。もちろん、精神的なDVについてもよく理解しているが、もうちょっと夫や義母たちとうまくできないのかな? と思った。ということで、どちらの女性にも深く共感できず、評価は低くなってしまった。 それにしても、理沙子の娘の文香は扱いにくそうな子どもだと思った。自分の子があんなだったら……今ほどかわいがれないかもしれない。けれども、理沙子も冷たい母親のような感じもする。母親がそんなだから、娘もああなっちゃうのかな? と思ったりもする。 本筋とはずれるけど、妻の育児ノイローゼを元彼に相談する夫って最悪。
0投稿日: 2016.09.06
powered by ブクログ主人公の山咲里沙子は、吉祥寺に住み、2歳の娘をもつ専業ママ。ある日、裁判員裁判の補充裁判員に選ばれる。娘を浦和の義母に預け、2週間の公判に参加する。事件は、世田谷の分譲住宅に住む妻が8ヶ月の娘を浴槽で溺死させたというもの。里沙子は、被告人である水穂の境遇、心情に自分と重なるところを感じていく。公判が進むにつれ、自信を失い、家族とギクシャクするように思う里沙子。今まで感じなかった夫な悪意、見えなかった愛し方に気づいていく...。
0投稿日: 2016.09.04
powered by ブクログわが子を虐待死させてしまった母親=安藤水穂の裁判で、補欠裁判員に選ばれた里沙子。 現実の世界では毎日のように悲惨な虐待事件が報道される。信じられない。母親なのに。でも、それは本当に信じられないことなのか?もしかしたら、この母親は「私」だったかもしれない。立場が違えば見える景色も違う。分かっていても、読者である私はいつの間にか里沙子の立場で水穂を見てしまう。普段の生活の中のちょっとした違和感やすれ違う心。その辺の細かいエピソードが本当にリアルで 生々しい。不安だけれど、怖いのはあなただけじゃない。そこに救いがあると思いたい。
0投稿日: 2016.08.28
powered by ブクログ角田さんは、やっぱり女の人を書かせたらすごいです。普通の家庭がホラーにもなる感じがとても良かったです。
0投稿日: 2016.08.25
powered by ブクログ同じような専業主婦として娘を二人育てたので里沙子の気持ちや状態がよく分かる。 「後半同じことの繰り返し」「閉塞感」が読んでいて辛かった、というレビューを見かけましたが、そう読者に感じさせられたならそれは角田さんの思惑通りだったんじゃないかな? あの堂々巡りな繰り返し感とか閉塞感こそが子育てしていた時のあの時そっくり。 里沙子が外へ出ればその感じる閉塞感は薄らぐと思うけど・・・ もしこの話に20年後くらいの続編があるならば 文香ちゃんが大きく育ってお父さんの顔色を伺うようになってその父親の呪縛から解き放たれるには主人公である母親が文香ちゃんの味方になって一緒に旦那に必死に自分の気持ちを伝えようとする事がくるのかな、とか そんなふうに味方になったのに娘に疎ましく思われちゃうけどそれが親離れなんだからちょっと寂しいな、とか いや、あーちゃんはここまでイヤイヤ言える子だから里沙子とはまた違って、むしろ旦那と一緒になって主人公を下に見るような態度とってきたりして陽一郎とあーちゃんのステレオ状態で苦労するのかな、とか 旦那の親の死とか介護とか老いに直面して 里沙子自身が亡くなった後、旦那は娘にどういう扱われ方をするんだろう、娘にどう負担になるんだろう、とか。 家から出て働いたりして閉塞間はなくなっても 結局悩みはたぶん死ぬ直前まで続くのかな とか色々考えさせられる本でした。
2投稿日: 2016.08.24
powered by ブクログ生後八ヶ月の赤ちゃんをお風呂におとして殺害した母親、水穂の裁判に裁判員として関わることになった里沙子。 裁判が進むにつれ、水穂と自分を重ね合わせ、自分の子供の文香が同じ頃どうだったか、そして裁判が始まってからの夫の態度に疑念を抱くようになる。 里沙子は妊娠とともに会社を辞めて専業主婦でほぼ家にいるか児童館へ子供をつれていくかという生活をしている。 本人いわくしばらくは考えることを放棄していた。 裁判に関わるようになって、里沙子は水穂のこともふくめて自分自身についても考えるようになる。 自分が母親として正しい振る舞いをしているか 妻として嫁として娘として…。 疑心暗鬼になってしまう里沙子だけど、裁判員裁判が始まったものの、やっぱり裁判は身近なものではないし、突然そんな中に巻き込まれたら混乱するのも仕方ないのかなと思う。 水穂が本当はどんな人物か結局わからずじまいだったけど、そんなものかもしれない。 最後、里沙子はいろんなものを吹っ切れたような気がしてよかったなと思う。
0投稿日: 2016.08.11
powered by ブクログ乳幼児虐待死事件の裁判に補充裁判員として選ばれた里沙子は、被告人水穂と自分を重ね合わせて見るようになり、封印していた想いが次々と浮かび上がってくるようになる。作中の母親の追い詰められていく心理状態がとても怖くて何度も胸が苦しくなった。出産・子育ての経験のない私でもそうなのだから、経験された方は胸に突き刺さってくるものがあるのでは?ことに、イヤイヤ期を迎えた娘の描写が本当にイラっときて、お母さんって大変なんだなあと素直に思う。ここに出てくる人は特殊な人ではなく、ごく普通に周りにいそうな人なのが余計に怖い。とにかく、角田さんの文章に圧倒された。
0投稿日: 2016.08.02
powered by ブクログ子育ての経験の有無、性別、年齢によって受け取り方が全然違うかもしれないと思いながら読んでいた。 作者は子育ての経験がない方(多分?)だと思うので、細かな的確な描写はすごいと思った。 でも、なんというか、同じことの繰り返しでちょっと歯がゆいというかイライラしてしまった。 「私変な事いいました?」 角田さんの作品に出てくる女性はどこか似ていて、暗いというか気にし過ぎるというか、常に相手の顔色を窺っているようなイメージ。 陽一郎をすっきり晴れた青空と喩えているが、里沙子はどんより曇り空だな、と思った。 それにしても、子育ての一番大変な時期に裁判員に選ばれるなんて。 預かってくれる実家でもなければ無理だろうな。 読み終えた感想は一言「疲れました」。
0投稿日: 2016.08.01
powered by ブクログ子育てしたことがある人は、もしかしたら自分も…というふうに思うところがあるかもしれない。 乳幼児殺害事件の母親と自分を重ねていく里沙子。虐待なのか、殺意があったのか。この人はいったいどんな人だったのか。 裁判員制度が少しわかった。けど、事件によっては結構精神的にキツイものなのね。 特にこの小説のように自分と重なる部分があると客観視しにくくなりしんどそう。 里沙子が自分と照らし合わせて、どんどん精神的に追い詰められていく。こういう心理描写は角田さん、いつもうまい。読んでる方も一緒に追い込まれてしんどくなる。 全部は重ならないけど、子育てでしんどいこととか寝不足で精神が普通を保てないとか、わかるもの。 子育ては人によって差が出るから、安易に「誰でも経験することなのよー、乗り越えてきたのよー」なんてアホなアドバイスは通用しない。この言葉は上から目線になる。 母親の性格、子供の資質、周囲のフォロー、時代。差があるのだから。 巧妙なモラハラは理解しにくいと思う。1つ1つは何となく大したことじゃない。だけど、積み重なると、ひどい傷になっている。洗脳みたい。 曲解、決めつけ、見下しで相手を追い込む人。巧妙であれば相手の言葉によって自分がおかしいのかと思う心理。 愚痴を言い合い、笑いあえる人がいないと、子育ては耐えられないんじゃないかな。
0投稿日: 2016.07.28
powered by ブクログ角田さんの書く作品にはいつももう1人の私がそこにいる。怖いぐらい、書かれていることが自分の身に程度の差こそあれ、おきていたりする。 里沙子の気持ち、痛いほどよく分かる。母親との関係、痛いほどよく分かる。 産後、なぜここまで自信がなくなるのか、不思議なほどまわりにいる人に敏感になった。私も辛かった。弱音もはけなかった。嫌がられると思って、誰にも相談もできなかった。自分以外の人が悩みもなくものすごく楽しそうに見えた。簡単にみんながしてることなんでできないんだろうと自分を責めた。頑張ってるのに、もう母乳なんて諦めたらって母親に言われた。産んだからってすぐに立派な母親になんかなれないのに、当たり前のように立派な母親を求められる。もちろん、子どもには手を挙げてはないけど。 いつの間にか子どもは大きくなった。文香みたいに愚図ることがなかった息子たち。息子たちに私はいつも助けられていた。回りからのプレッシャーを息子たちがはねのけてくれていたように思う。私が上手く育てたんじゃない。 母娘のこと、育児のこと、その悩みは分からない人には絶対に分からない。でも角田さんとは話が合いそうな気がする。な
1投稿日: 2016.07.27
powered by ブクログ理沙子程ではないが自分も子供が小さい時には参る事が沢山あった。被害妄想、思い通りにはいかない子供、孤独感。夫の何気ない一言が自分にはたまらなく苦しくて、その苦しみの欠片すら理解できない夫。この本、苦しかったー
0投稿日: 2016.07.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない――。 虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていくのだった。 社会を震撼させた乳幼児虐待事件と〈家族〉であることの光と闇に迫る心理サスペンス。 感情移入度100パーセントの社会派エンターテインメント! 私は、果たして、文香を愛しているんだろうか。もちろん愛していると思っている。いなくなったらと考えただけで胸がふさがる思いがする。(略)それでも、文香を自分より大切なものと思えるだろうか。かわいい、かけがえのない子どもと思えるだろうか。(本文より) 内容(「BOOK」データベースより) 刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇にみずからを重ねていくのだった―。社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と“家族”であることの心と闇に迫る心理サスhttp://booklog.jp/users/g2alt#ペンス。
0投稿日: 2016.07.20
powered by ブクログ主人公の里沙子さんは、専業主婦です。育児をしています。まだ幼稚園に上がる前の子供。いつもいっしょです。 「預かってくれる義父母がいるんだから恵まれている」 「児童館に行って友達つくれば」 「子供はかわいいんだから、幸せじゃないか」 「毎日仕事せずに、楽じゃないか」 というような言葉たちが、世間にありますね。 義父母に預けるだけで、いくつも電車とバスを乗り換えて、歩いていかなくてはならない。 その道のりが、反抗期の三歳児を連れている親にとって、どれだけストレスになるか。 ママ友って言っても、そんなに気楽な関係ではない。 子供がかわいい?もちろん総論かわいいけど、生活の中で、かわいいばかりな訳がないのだ。 仕事をしていないということは、仕事仲間もいない。 家事育児という仕事は、仕事仲間とおしゃべりもできなければ、喜びを分かち合う同僚も、愚痴を共有する仲間もいない。そもそも、うまくいった時に誰も評価もしてくれない。 そして、駅までバスに乗っていかなくてはならない住宅街。 いやいや期の三歳児を連れて、気軽にお茶1つ、できるわけでもないのだ。 # そういう、具体な生活の細部が分からないと、総論として「専業主婦は呑気で良いね」で終わってしまう。 バスや電車の中で、子供がぐずったときのストレス。 義母から持たされた重たい食べ物を持って、子供を引いてバスに乗って、夜道を歩く。 ひとりきりで、喫茶店でお茶をするだけでも、久しぶりでほっとする。 ママ友との会話も、お互いに踏み込まない、互いの子どもの優劣の刺激の無い範疇の会話しかできない。 そして、ネットから情報が入る。一方で、意外と人と話す機会がない。あの人と友達になれるかな。互いの家庭について話したいな、と思っても、子供がいる身。時間が取れない。 そして、働いている女性、結婚しても働いている女性、を観たときの、気持ち。働いている人の独特の、なんというか、自信があふれているかんじ。 夫が浮気したら。離婚を言い渡されたら。不景気の世の中、どうすればいいのか。 ################# 角田光代さん「坂の途中の家」。 かなり、重く苦しく、でも面白い本でした。 「すごいなあ、傑作だなあ」、という感想と、「でもちょっと不満がある!」という、両方の感想があります。 主人公は、どうやら吉祥寺からバスで10分とか20分とか?の住宅街に住んでいるよう。 「いやいや期」の娘。三歳。 基本は優しいし、殴ったりは当然しないけど、なんとなく上から目線の夫。会社員。 同居ではないけれど、夫とよく連絡をとっている、義理の母。 この主人公が、「裁判員」に選ばれてしまう。 そして、手がける裁判は、 「専業主婦の女性・水穂さん、が、育児に疲れ、1歳弱の娘を、風呂場で溺死させた事件」。 物語は、この裁判が始まってから終わるまで、という時間の中で進みます。 裁判が進む中で。 一見、「たかがそんなことくらいで、いたいけな娘を風呂場で殺してしまうなんて」 という事件にしか見えません。 被告の水穂さんは、夫から暴力を振るわれたわけでもなく、極貧だったわけでもない。 ところが。「娘を殺してしまった」ということは、許されないことだったとしても。 「自分は仕事をして稼いでいるのだから」という無言の上から圧力の夫。 仕事とその付き合いを優先して、心理的に育児に協力してくれない夫。 うまくいかないことを伝えると、全て「君が悪いのでは」という論法にすり替えられてしまう関係。 浮気はしていないにしても、黙って元彼女の女友達と連絡していた夫。それも自分のことを相談されていた。 そして、「アドバイス」「協力」という言葉のもとで、自分のことを下に見てくる、夫の両親。 ゼロ歳児の育児。初めての子供。完全母乳のプレッシャー。エトセトラエトセトラ... そして、「そんなのは当たり前」「みんなやっていること」「すぐにそんな時期は終わる」「母親なら当然できるはず」... 「娘を殺した」という結果はともあれ、過程としての苦しさを、裁判員である里沙子さんは痛いほど感じてしまう。 一方で自分も。 三歳児の育児と家事に追われる日々。 帰りの遅い夫。 反抗期の娘。 たまにしか会えない父親には媚を売り、父親も娘を甘やかす。 疲れていらいらしているときも、夫は「君おかしいんじゃないの」という感じ。 ちょっと自宅でビールを飲むと、「アル中扱い」を軽口でされる。 日々、細かく、カミソリで切られるように傷ついていく。 反抗期の娘に手を焼き、ちょっとしたことで、 「君それ虐待じゃないの?」みたいな軽口と不信の目で夫に見られる。 そして、裁判員をやっている間、娘は浦和の義父母に預けるしかない。 表向きは友好的だが、常に結局は息子の味方、息子の心配しかしない、義父母。 そして、夫は自分に黙って、「妻が疲れてるみたいだから助けてやって」など勝手に連絡しているのだ。 実の両親とは仲が悪い。というより、ほぼ、仲が無い。 岐阜の両親は、昭和の田舎町の精神風景から全く抜け出せていないのだ。 仕事をやめなければ良かった、と後悔することもある。 だが、一方で「仕事と家事育児は両立できなかっただろう」「あたしには無理だったろう」という思いもある。と、言われるから。 …と、まあ。 そういうカタチで小説は進んでいきます。 裁判の進行と、里沙子の心象風景。 そしてこの小説は、犯罪ミステリーではありません。真犯人、どんでん返し、などはないんです。 どこかで、里沙子さんは、被告のことと自分のことを考えているうちに。 気づくわけです。 自分の周りは今、何故だか、誰も暖かく自分を応援してくれていない。 と、言うと、無論語弊があります。 みんな、「そんなことないよ」なんです。 協力してくれる。 殴ったり怒鳴ったりはしない。 なんだけど。 日常のやり取りの中で、 カンナで削られるように、微妙に自分を低く押し付けてくる。 なにもできないだろう?常識がないのじゃない?普通はそうなのかなあ? それは違うんじゃない?おかしいんじゃない?普通はそうじゃないでしょ?… いつの間にか、それに支配されている自分がいた。 気がついたら、缶ビール一本飲むだけで、夫や娘に見られまいと緊張している自分がいた。 ここのところが、この小説の、いちばん凄いトコロで、素晴らしいところです。 つまり、 「家族なんだから、義父母なんだから、友達なんだから、あなたに悪意があるわけないじゃない?良かれと思ってるのよ?」 という言葉がある訳です。 「だって、あなたに悪意を持って、傷つけても、何の特もないじゃない?」 ということなんです。 そのとおりだなあ、と。 一見そう見えますが。 そこに縛られて、そこに囚われて。 「あたしの方が気にしすぎなのか」「あたしの方が悪いんだな」という、スパイラル…。 そうでもない、と。 # 人は、周囲のひとを、自分より下、劣っているもの、と位置づけることで、自分を正当化する。 あるいは、自分のやり方、自分の価値観に、同意を求める。強要する。従わせる。 そのためには、相手を傷つけることなんて、実は全く、かまわない。 相手を愛してる、とかと、全く矛盾しないんですね。同居できます。 だって、「自分が従わせることが出来ているから、相手を愛することができる」という愛し方しか出来ないことが、いっぱいあるんですね。 気づいていないだけで。 特に、相手が自分と違う生き方や環境にあるときに、なおさらそうなる。 つまりそこに、自分を肯定して、自分を優位に置くためだけに、 夫婦でも親子でも、平気で悪意を持てる。 「悪意を持ってる」と言葉として意識することは、ゼッタイに無いのだけど。 でも、確実に「悪意を持っている」としか言いようのない態度、言い方をするのは、そういうことでしかないんですね。 # ということなんです。 考えてみれば、実は当たり前のことなんですけどね。 殺人事件の、被害者と加害者の関係でいちばん多いのは、「家族」ですから。 そして、愛しているからこそ、憎んだ末なんでしょうから。 もしくは、「愛しているはず」「ということは、相手も自分を愛しているはず」「自分は愛される権利を持っているはず」「なのに、自分の望むように愛してくれない」「自分は被害者だ。悪いのは相手だ」 というロジックの末、でしょうから。 この、 「近しい間柄に、普通に悪意が潜在することがある」 という炙り出しが、この小説のモノスゴく、面白いところですね。ぞくぞくします。 そして、主人公の生活感、細部、ストレス... 主人公の心理を、きめの細かい布で丹念に濾していくような、筆力。 さすがですね。 # その代り... で、そういうことに主人公が気づきます。 だからまあ、やはり、夫や義母の望むままに、家にばかり居ても、あかんなあ、と思います。 お友達と会ったり、これから働いたりしようかな、と思います。 というあたりで、フツっと終わるんです。。。 ちょっとまあ...フィクションの小説な訳ですから。ノンフィクションの新書などではないわけですから。 もうちょっと、小説ならではの、救いと言うか、爽快感というか...欲しいじゃないですか... 確かに、面白い。視点が強烈です。 また、ココまでの事態にならなくても、知らず知らずに自分が、被害者もしくは加害者になっているのでは、という警戒の一助ともなります。すばらしいです。 でもねえ... これ、読み手によっては、却って心理的に追い込まれちゃったりするんじゃなかろうか。 見方によっては、ワイドショー的に「かわいそうな専業主婦さん」を悲劇ドラマチックに書いてるだけって受け取られるのでは...。 もうちょっと、リアリズムからずれてでも、フィクションらしい気持ち良さが... ハッピーエンドに持って行く力技、一粒のユーモア...そんなものが個人的には欲しかったです...。 もし、万が一、主人公と類似の立場にいる人が読んだ時に。 自分の状況の見方について、目からウロコ的な感動があるかも知れません。 そこからもう一歩、なにかに向かって勇気が出せる、応援歌の要素が欲しかったなあ...って。 まあ、完全に、その辺、好みなんですけどね。
3投稿日: 2016.07.15
powered by ブクログ子育て、夫婦関係、男性に対する恐怖心とテーマが重い。しかし主人公夫婦も被告人夫婦も人間関係がクソすぎる。あと、主人公のガキが異様に腹立つ。稼ぎが少ないのに毎日飲んで帰るとか、飲んで遅くなる前に連絡なんかできないとか、旦那がクソすぎる。世の女性はこれに共感するのだろうか。潜在的に男に大して恐怖感を抱いている人たちは、これに共感するのだろうか。子育てする母は孤独で誰もがこんな思いをしているのだろうか。俺も無意識にか意識的にか、こんな振る舞いをしてるんじゃないだろうか。きっとしてる。ホラー小説だと思った。それにしても稼ぎの少なかった旦那が転職して即世田谷に戸建て買えるって、小説家の想像力は浮世離れしとるなあ。無理だろそれ。
0投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ子育て真っ最中の主婦が幼児虐待事件の補充裁判員になったことから自分の置かれた境遇を再確認していく物語 真実はここにあるのか 答えはここにあるのか わからない・・・・・・・ でも 考えさせられずにはいられない物語 身に覚えがある出来事もある この物語に表現されているような感情はなくとも このような行動をしていることもある・・・・・・ 相手がどのように考えているのか 感じているのかもはわからない けど 家族という他人が入る余地のない密室に隠された思い 家族が増えれば増えるほどしがらみが増えそれに縛られ、洗脳されていく 気づかず過ごしたあの頃 過去を、今を考え、話し合う機会をくれた本になりました 良い作品に出会いました
0投稿日: 2016.07.11
powered by ブクログモラルハラスメントの話として読みました。 乳幼児の育児に悩む母親であり、妻であり、娘であり、そして義理の娘である女性 ―― その何ら特別の存在ではない女性の視点を通して、モラハラ被害者の感情、想い、思考パターンに感情移入してしまう作品です。 内容紹介 刑事裁判の補充裁判員になった里沙子は、子どもを殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇にみずからを重ねていくのだった―。 社会を震撼させた乳幼児の虐待死事件と“家族”であることの心と闇に迫る心理サスペンス。
0投稿日: 2016.07.03
powered by ブクログ二歳の女の子の母で専業主婦である主人公が、裁判員制度で補充裁判員に選ばれる。担当する事案は、母親による乳幼児殺人事件。公判が進むなか、被告人と自分とを混同せずにはいられない主人公。幸せだと思っていた毎日もなんだか歪んで見えてきて…。 というような話。 事件が事件だけに、目を背けたくなるシーンも当然あり、また、あまり愉快でない類いの親子/夫妻/ママ友あるあるの嵐で、読んでいると少なからず心を乱されます。 でも、安っぽい感動でごまかしたり、あるいは破滅落ちみたいな、ドロドロのためのドロドロ小説ではないところはさすが角田光代。ままならない現実から目を背けずに、つぶされずに、でも謙虚に、でも我慢せずに、生きていこうとする主人公の姿が見えました。 さて、この小説は、自分の子供を殺してしまった、殺してしまうほど追い詰められていた、ある特異なケースを題材にしているが、それと自分は紙一重であったと感じる「ふつうの」主婦/母親のカタルシスがメインテーマである。被告人の女性を「もうひとりの私」と思った「ふつうの」主人公の戦いを通して、読者にも彼女たちをより近くに感じさせる、その装置として裁判員制度が見事にはまっている。(裁判員になったらこんなことをするのか、というふむふむ性ももちろんある。) で、そこから教訓のようなものを引き出すとしたら、密室はいかん、外に出よう!ということだろう。それはなにも子育て中の母親に限ったことではなく、子どもがいなくてもそうだし、職場や学校の人間関係で辛い目にあっている人も、ある程度までは同じことが言えるのかもしれない。 いやー、でもこういう夫婦ってけっこういるのかなー???なにその意味不明なストレス耐性!というのが率直な感想です。
1投稿日: 2016.07.01
powered by ブクログ裁判員制度で裁判員に選ばれた主人公里沙子が、被告人安藤瑞穂に自分を重ねていく。お子さんのいらっしゃらない角田さんに、どうしてここまで母の気持ちがリアルに書けるのだろうと驚く。角田さんが書きたかったのは、「人が使う言葉がいかに、もろくてあいまいかということ」だったそうだ。苦しくなるほど感情移入してしまい、いつもながらの筆力に圧倒されていたが、最後の方でちょっと里沙子は被害妄想なのでは??と感じて少々がっかりしていた。しかし、これも角田さんの狙いだったと知り、またもや脱帽。さすがです。
0投稿日: 2016.06.28
powered by ブクログかわいい赤ちゃんに恵まれ、嬉しいはずなのになぜか笑顔でいられない。感情の波が激しいわけでもない。短気というわけでもない。ただ余裕が無いだけ。ついカリカリする、苛々する。何でもかんでも悪くとってしまう。かすかな毒をもった言葉が、考えるより先に溢れてくる。それをそのまま解き放つと、いいことが何一つないことも分かっている。ごく普通のどこにでもあること。どこにでもある関係。見方が少し変わっただけで、ごく普通のことがねじくれて、異様になってしまう。育児疲れに気づいた夫が妻を心配し、自分の母親を呼ぶ。妻は虐待を見張らせるために母親をよこしたと受け取ってしまう。夫が土日、育児に協力するのさえ、母親失格だと言われたと曲解してしまう。ボタンを掛け違えたばかりに、みんな、声も届かないほど遠い人たちに思えて、助けを呼ぶ声がどうしても出せなかった。助けを呼びたいのに呼べない。身近にいるのに誰も気づかなかった。どこにでもある日常がちょっとしたことで崩れていく。この本の最も恐ろしいところ。
0投稿日: 2016.06.26
powered by ブクログ裁判員裁判に関わることによって,乳幼児虐待死の被告と自分の境界が曖昧になり,被告を弁護したいのか自分の弁解をしたいのか,日常生活が送れないほどになってきて,その中で顕になっていく自分と夫の関係が,息苦しいほど読み手に迫ってくる文章力はさすがだ. 一気に読んで面白いとも言えるが,全く共感できない物語だった.そして,この子供が薄気味悪かった.それは母親である里沙子がそう感じているということで,それも含めて怖い物語だ.
0投稿日: 2016.06.19
