
総合評価
(2件)| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 | ||
| 0 |
powered by ブクログ世に名前こそ広く知られたあのワンちゃん、このワンちゃんについて深掘り調査をするという試みはすごく面白いと思ったのだけど。読中感からちょっと微妙だったかな。 「渋谷のハチ公」と「上野の西郷さんの犬」は文句なし、鉄板のチョイスというのは納得。が、後半で取り上げている2頭がいずれも創作物からの選択というのはなんか腑に落ちない。なんならこの2頭は本文内容の密度からしても「創作の中の犬」ということで一括りで良かったような。 《おわりに》の中で、選んだ犬の基準について「知って嬉しい内容なのか」(p233)を重要視したとあるが、それは「読者が」なのか「わたしが」なのかわからないが、それこそそこに「エゴみたいなもの」(同)が介在しているのではなかろうか。知りたくないことがありそうだから調べない、ってそれでいいのか。 実在の犬なら南極探査に同行したタロ・ジロは加えるべきだし、執筆当時なら警察犬のきなこ号とかアイフルCMのくうちゃんとか、歴史枠なら聖徳太子の雪丸くんとか、ブルドックソースはなぜブルドックなのか、とか色々思いつきそうなもんだけどな。 創作由来だったら桃太郎の犬こそトップだと思うし、『フランダースの犬』とか『流れ星 銀』とか? ワンちゃんのチョイスについては置いといたとしても、調査内容・文章そのものも微妙。 本作は片野ゆか先生と愛犬〈ダルマ〉くんがコンビで取材に赴くという筋立てであるが、1頭目《忠犬ハチ公のひみつ》の初っ端のエピソードに「ダルマくんが秋田犬に首を噛み咥えられて怪我をした」話を持ってきてるんだけど、これ書かなくて良くないだろうか。ハチ公や秋田犬が凶暴であるイメージはないし、調べていくうちに「実はこんな一面も…」の事実があってからこのエピソードを繋げるならわかるが、いきなりぶっ込むには重い気が。実際、ハチ公が凶暴犬だと騒ぎになった話でそれは誤解だったと本書でも書いている訳だしさ。 つづく《西郷さんの犬のひみつ》は「薩摩犬」という耳馴染みのない犬種について紹介されておりそれは大変興味深かったのだが、肝心の西郷さんの犬のひみつには全く迫れていないような。「西郷さんが一番可愛がっていたのは〈ツン〉という犬であるが、上野の銅像の犬はツンではない」ことがわかったのなら、じゃあこの犬は誰なのかを調べて欲しいのだけど、そこから現代の薩摩犬についての記述に終始してしまう。いや、そもそも「どうしてツンという犬が銅像になったのかは、よくわからなかった。」(p96)という記述もあるので、片野先生自身も整理できていないのでは…? 《いぬのおまわりさんのひみつ》に至っては、最終的に世田谷の「わんわんパトロール隊」に参加したレポートに変化してしまっている。ちなみにこの「わんパト」活動は現在も続いている模様。 うーん、もうちょっと色々知りたかったワン! 1刷 2025.9.6
12投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログまったり場当たり的な取材と、現地で膨らませる作者の想像力の方に驚いた。昔のワンコ達だから、想像で書くしかないのは分かるけども、本当にそうだったのか、空想なのかが曖昧になることが度々あった。あと作者の飼い犬は、正直言うと描写しなくてもよかったような…
2投稿日: 2013.02.09
