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ピラミッド
ピラミッド
ヘニング・マンケル、柳沢由実子/東京創元社
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総合評価

20件)
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    ここに来て刑事クルト・ヴァランダーの若かりし頃を描いた中短編集 20代、30代、40代のヴァランダーが躍動します もうシリーズも終わりなのに! もっとヴァランダーが好きになってしまったではないか! 別れが辛くなるじゃないか! とにかく欠点が多い それがヴァランダー 特に惚れっぽい上に未練たらしいところが素晴らしいw めちゃくそ短気なので友達にはしたくないが、好きにならずにいられない 娘のリンダが大好き過ぎるのに表に出さないように努めるところが、かわいい 普段事件のことばっかり考えているのでほぼ不眠症だが、娘が泊まりに来た時だけ熟睡できる なんか分かる 父親とは喧嘩ばかりだが、なんかあるとすぐ会いに行く 人間味が溢れまくっている それにしても今は給湯器から決まった分量だけ出るのでお湯張りに失敗がなく便利な世の中になったものだ わいが小さい頃は水道から出して水が張ったところで止めなければいけないのでよく溢れさせていたものよ ほんとに便利 いや、そんなことはない この間も栓を抜いたままお湯張りをしてしまいめちゃくそ怒られたんだっけ って違う!今そういう話をしてたんじゃなかった ヴァランダーだ! 人間味の話だ!お風呂の話じゃない 最終中編で表題作『ピラミッド』はシリーズ最初の『殺人者の顔』直前の話で、大好きなリードベリも出てくる リードベリはヴァランダーの師匠的存在の刑事で、シリーズ始まってすぐに亡くなってしまうのよね 大好きな登場人物でかっこ渋い姿が見れて嬉しかった よし、お風呂入ろう

    60
    投稿日: 2025.01.25
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    ヴァランダーシリーズはヴァランダーが42歳の時から始まっていて、それ以前のヴァランダーを知りたい、という読者の要望に応えて5編の短編を描いた。 警察に勤め始めたばかりの22歳のヴァランダー、モナに恋してるホットな若者。時を経て40歳、モナに去られ、警察内ではベテランになっている時までの5編。これがめっぽうおもしろい。本では「笑う男」しか読んでないのだが、めげるなヴァランダー、活字の間から応援してるぜ、というような親近感を感じた。家族~妻と父に振り回されるヴァランダー。最後の「ピラミッド」では念願のエジプト旅行に行った父親が、ピラミッドに登ったと警察につかまってしまう。そして事件。事件も殺された者、殺した者、それぞれの人生を訥々と描き出し、ああ、こういう人生ってあったんだと感慨にふける。そしてそれを追う警察人たち。こちらも各人各様血が通っていて人間臭い。 ヴァランダーは妻のモナがやっぱり好きなんだなあ。しかし最初の恋人時代から不協和音が響いてくる。そして画家の父。スウェーデンの風景と鳥の絵を描き続ける。この父もユニークだ。がやはりモナと同じくどこか二人は感情がずれてしまうが、父子だけに切れることはない。 「ナイフの一突き」1969.6.3から始まる。22歳になったばかりで、マルメ署で警官になりたての巡査だがいつか刑事になりたいと思っている。モナとは去年出会って、結婚したいと思っているが、緊急出動がありたびたびデートをすっぽかされるモナは機嫌が悪い。ヴァランダーは1947年生まれのようだ。 アパートの隣人の男が死んでいるのを発見したヴァランダー。巡査なのだが、隣人の死ということで刑事のヘムベリに目をかけられ捜査をすることに。解剖すると男の胃袋からダイヤの原石が出てきた。殺される寸前にのみこんだらしい。 「裂け目」1975年にクリスマスイブの日。マルメ署で刑事になっている。28歳か。モナともう結婚していて娘のリンダが生まれている。モナが小さい町で娘を育てたいと希望し、イースタに引っ越している。マルメ署での最後のクリスマスの日、イースタへの帰途入った食料品店で店主が殺されていた。そこには犯人とおぼしき若い男がいてヴァランダーはスキを突かれ縛られてしまう。犯人は南アフリカからの難民だった。 「海辺の男」1987.4.26の話。ヴァランダー40歳。イースタの近くの小さな町からタクシーに乗った男が、イースタに着くと死んでいた・・毒殺らしい。 モナと娘のリンダはカナリア諸島で2週間の休暇中。リンダは高校をやめてしまっていた。モナとの関係にはひびが入ってしまっている。 「写真家の死」1988年4月 ヴァランダー41歳。町の肖像写真家が店で殺されていた。関係者に聞いても皆いい人だったという。男は現像部屋で新聞写真から政治家の顔を抜き出し醜く歪めるのが趣味だった。なんとその中にヴァランダーの顔もあった・・ 調べるうち意外な過去が・・ ヴァランダーは1970年の末にモナと結婚したが、届を出すだけでいいと思うヴァランダーに対し、モナの希望で海辺で結婚写真をその男に撮ってもらったのだ。娘のリンダの写真も何枚かあるはず。モナは娘と一緒にマルメに去って別居中。 「ピラミッド」1989.12.11 ヴァランダー42歳。 イースタ近郊の海岸で小型飛行機が墜落炎上、2名の男の焼死体。パイロットは1966年、南ローデシアからタバコの密輸をしていて低空飛行の技術がある。今回はある地点で荷物を落とすのが任務。終わったらドイツのキール郊外にある自分の所有する滑走路に着陸し、ハンブルクの自宅に帰るのだ、と始まる。墜落機からこの謎にたどり着くまでのヴァランダーたちの推理経過。そこに父のピラミッド騒動がからまるが、その三角の形と、事件の3つの現場からヴァランダーは解決のヒントを得る。 ヴァランダーの父が念願のピラミッド見学に行きピラミッドに登ってしまい捕まり、ヴァランダーは保釈金を用意し父を引き取りに。おりしも車を買い替える予定で銀行から金を借りたばかり。娘リンダは自立の道を探せそうな気配で、祖父の出発をヴァランダーとともに見送っている。リンダと祖父は気が合うようだ。 1999発表 2018.4.20初版 図書館

    9
    投稿日: 2023.03.28
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    ヴァランダーシリーズの、本流が始まる前の若き日のヴァランダーと家族の在り様、それにもちろん事件を描いた番外編。短編中編長編の5作からなっていて、20代から40代のヴァランダーの、若い時から全く変わっていない頑固で無鉄砲なところと、先輩から捜査の基本や人に話を聞く際のポイントなどを地道に素直に学んでいく様子などが丁寧に書かれていて大変興味深く読了。シリーズ第1作ですでに病に侵されその後故人となってからもヴァランダーの中に手本とすべき規範として存在していたリードベリが、病の兆候はありつつも現役で捜査活動に参加しヴァランダーと協力し合いよき理解者となって伴走してくれる様は、ちょっと感動してしまいました。警察官としては敏腕なヴァランダーが家族や恋人と安定した関係を築けずに不器用に右往左往する人間くささがこのシリーズの味わい深さと思っているのですが、それと並んで、寒い日は気温によってどのセーターを着るか決めてあるとか、捜査現場に到着すると革靴ではなく車に積んであるゴム長靴に履き替えるとか、日々の暮らしの細々としたことが事件と捜査活動の合間にくどいくらいに挟み込まれているところも気に入っています。このシリーズも残すところ著者の没後に訳出された『苦悩する男』だけになってしまいました。早く読みたいものの、読んでしまうのがもったいないような気持ちです。

    3
    投稿日: 2022.05.30
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    刑事クルト・ヴァランダーの短編集です。 スウェーデンのミステリ。 さすがの味わい、若き日の姿を読むことができたのも嬉しい。 クルト・ヴァランダーがまだ22歳でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」から年代を追って話が進みます。 まだ若いが先輩の刑事に見込みがあると思われていて、ただし絶対に一人では行動しないように言われていたのに… この時恋人だったモナは、次の「裂け目」では妻に。 イースタ署に移ってからの「海辺の男」では、妻と娘は休暇旅行中で、クルトはその計画を知らされていなかった、と暗雲が立ち込め始めてます。 「写真家の死」も印象的な作品。町の写真家が殺され、ヴァランダー一家も折りに触れ写真を撮ってもらっていた男なのだが、意外な面を持っていた… 「ピラミッド」では、娘のリンダが19歳になっています。 クルトの父親は画家でいささか変わり者なのだが、念願のエジプト旅行中。ところが、エジプトで父が逮捕されたという報が入り‥ 捜査中の事件の謎も合わせ、長編のような読み応え。 有能だが不器用なところがあり、やる気や優しさが空回りしがちなクルト・ヴァランダーの人生。どうしようもない出来事もあり、切なくもちょっと滑稽だったり。 「殺人者の顔」で登場するまでのエピソードが語られ、予想以上に面白く読めました。 作者が惜しくも亡くなってしまったため、残りをゆっくりと読んでいます。未訳の作品もあるので、いずれはと楽しみに。

    19
    投稿日: 2021.05.03
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    ヴァランダーシリーズ、エピソード0とでも言ってもいかな?! 若かりし頃のヴァランダーや、父親とのエピソード等、バラエティーにとんだ数々。 良作ではある!

    0
    投稿日: 2021.05.02
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    ヴァランダーが20代の新米警官時代から、40代の中年刑事まで、モナ(若い時はガールフレンド、その後結婚して別居)や父親との関係に悩みながら持ち前の勘と粘り強さで事件を解決する姿を描く。 いつもながら実直なヴァランダーとそれを取り巻く、こらまた実直な刑事たち。みんな何かに悩んでるのは一緒だな。そんな人生を含めて楽しめるのが、このシリーズ。やっぱり長編が読みたいな。3.8 フレーズを読んで思ったのは、the Wireのリアリティ。はつらつとしてるのはマクノルティくらい(それでも中年だけど)、女性刑事も見た目より実力。Boschもそれに近いかな。その点、シカゴPDはイケメン&美人でリアリティという点ではちょっとね。

    0
    投稿日: 2021.04.18
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    「1990年代のシリーズで描かれる時期の以前のクルト・ヴァランダー刑事」が5篇在り、それが集まった1冊が本書である。 事件が発生し、色々と迷いながら、各々の切っ掛けで突破口が開かれ、解決して独特な余韻…というクルト・ヴァランダー刑事のシリーズの面白さ、魅力が高密度で詰まった一冊で、主人公との「再会」を存分に愉しんだ…

    4
    投稿日: 2019.05.16
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    これまで長編ばかり読んできたが、これが初めての短編、中編をまとめたもの。どうかしらと思っていたのだが、期待と予想を大きく裏切る読み応えのある1冊だった。とにかく面白い。

    4
    投稿日: 2018.09.23
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    刑事ヴァランダーシリーズ番外編。 ヴァランダーがまだ新米巡査だったころからシリーズ第一作「殺人者の顔」直前までの中短編五編。 新米巡査なのに刑事の真似事をして、禁じられている単独行動の末に撃たれてるし、その後、念願の刑事になっても相変わらず単独行動を繰り返しては時に銃撃戦になったり揉み合いになったりで、ヴァランダーさんはずっとこんな感じだったんだなぁと改めて思う。 ただヴァランダーの単独行動はスタンドプレーというよりは、自分の推理が独りよがりのものなのかの確認だったり、部下や同僚たちを巻き込んではいけないと考えてのことなので、厭な感じはない。またやっちゃったか、という感じ。 モナとの関係は恋人時代から危うく、その後の離婚という結末が予想できる。それでもヴァランダーが後々まで未練を持つのはモナ。叶うことはないけど。ただ娘リンダとの関係は良好でホノボノする。 父親はヴァランダーそっくりで、感情が先走るタイプ。エジプトで起こした事件はファンキー過ぎてビックリする。度々ヴァランダーと喧嘩しているが、読者から見れば似た者親子。ただ時折仲良くもしてるので、ホッとする。 麻薬犯罪、移民の犯罪などの社会的問題もあれば、容易に他人が立ち入れない理解しがたい個人的な事件もあって、事件ものとしても面白かった。 そして最後、表題作のエピローグにシリーズ第一作『殺人者の顔』のプロローグとなるシーンが描かれている。『殺人者の顔』直前のヴァランダーはこんなに大変だったんだなぁと分かり、再び『殺人者の顔』を読み返したくなる。 訳者あとがきによると、シリーズ未訳作品はあと二作あるらしい。いつになるか分からないが楽しみに待ちたい。

    8
    投稿日: 2018.07.19
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    ヴァランダー警部シリーズ。 シリーズ化された主人公の過去が描かれた作品集。 読者から熱望されたと書かれていたが、 そこまでファンでない自分でも、面白く読めた。 忙しいのに父親を救いにエジプトに行く破目になった、 「ピラミッド」が一番面白かったかな。 手芸店の老姉妹の意外な裏の姿が驚きだったし。 モナが作品により、恋人、妻、元妻となっていくのが、 少し辛かった。

    4
    投稿日: 2018.07.07
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    ヴァランダーの20代から、第一作『殺人者の顔』前日譚までを集めた中短編集。 刑事を目指していた巡査時代から、イースタ警察署の刑事捜査を担うベテラン刑事までの長期間の年代を追っている。私生活でも、夫婦関係や父親との微妙な確執など、その変化が順を追って垣間見える構成はまさにヴァランダー・ファンのための一冊と言えるだろう。 話によって頁数が大きく異なるので、ストーリーの厚みに多少の差はあるが、短編であってもシリーズらしさは出ていると思う。社会的背景を色濃く出したやるせなさも印象に残るが、やはり警察ミステリとしてのプロセスが秀逸。特に巡査時代である前半が面白く、優秀だが風変わりな刑事の元で、戒められながも評価されていくヴァランダーの成長は読み応えあり。 ミステリとしての謎解きは弱いけれども、情けない部分も含めてやっぱりヴァランダーに魅力を感じてしまうのだと再認識した一冊でした。未訳作品がまだかなりあるそうなので、それを読むまでは元気でいよう(笑

    4
    投稿日: 2018.06.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シリーズ開始までの出来事の短編集。 久しぶりに初期のメンバー集合で懐かしかった。 ドタバタぶりもいつも通り。 シリーズ1作目を読んだときは何とドタバタすることかと思ったが、今はこれが心地いい。 あと2作未訳があるとのこと。 作者が亡くなってそれ以上望めないのが残念であるが、早く読みたい。

    3
    投稿日: 2018.06.18
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    6月11日読了。図書館。ヴァランダーシリーズ。ナイフの一突き、裂け目、海辺の男、写真家の死、ピラミッド

    0
    投稿日: 2018.06.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シリーズ初の短編集。20代、30代のヴァランダーを読めるのが嬉しい。短編でありながら一編一編が重厚で長編と変わらず面白い。地道な捜査、先の見えない捜査。その過程は地味ではあるけれど惹きつけて離さない魅力、力がある。若いヴァランダーの恋、結婚、離婚。父との関係。シリーズではお馴染みの人物たち。それらの知らなかったことが見えてきて興味深い。若い頃からヴァランダーは変わっていないのも嬉しい。不器用で怒りっぽい。シリーズもあと2作で終わってしまう。個人的にはシリーズもので1番好きなシリーズ。今作も大満足。

    7
    投稿日: 2018.06.06
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    安定の面白さ。仲間たちの姿も懐かしい。 マルメからコペンハーゲンへ行く定期船に乗りたいなぁ。 ヴァランダー・シリーズ、未訳があと2作あるということで、早く読みたいような、読んだらほんとに終わっちゃうのでとっておきたいような…

    2
    投稿日: 2018.05.30
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    「ピラミッド」 北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ刑事、クルト・ヴァランダー。ガラスの鍵賞受賞の第一長編『殺人者の顔』以前の、若き日のヴァランダーを描いた短編集。 クルト・ヴァランダーが初めて登場したのは「殺人者の顔」で本作は9作目。前作「ファイアーウォール」で打ち留めになる所を「殺人者の顔で描かれた1990年より前のヴァランダー刑事(のち警部)を見たい」との読者の声に答えた形で発表されたのが本作「ピラミッド」である。本作では、新米巡査時代からシリーズが始まる直前42歳までのヴァランダーの活躍を描いた5編の短編(とはいっても表題は原書で237ページもあるらしく、それは短編じゃないでしょ!)であり、これで読者は大満足間違いなし。 最初の短編「ナイフの一突き」は、ヴァランダー22歳。バリバリのナイーブで正義感がバリバリに強い警察官である。若者がアメリカを非難し、ベトナム支援を叫ぶデモに参加していた時代に、デモを規制する側に立つヴァランダー。自分は警官である前に一人の若いアメリカ人であり、そこに葛藤が生まれます。2番目の「裂け目」は、ヴァランダー28歳。マルメ警察の刑事課に勤務。上司に認められ、有能な警察官に育っている。ヴァランダーが目指す警察官の姿がよく描かれています。 「海辺の男」では、事件の遺族と法制度を執行する人間をテーマにしたものです。法制度そのものではなく執行する人間に向けられる要求という、倫理的には遺族側に肩入れしたい気持ちがあるものの、執行する側も人間であるということから一概に全て肩入れできない。法制度を改善していくことで、遺族が生まれること、執行する側の負荷が生じることを防ぐ。やはりそれが最善ではないだろうか。 「写真家の死」では、町の写真家が殺され、その犯人を追うヴァランダー。写真家が作成していたアルバム、希薄な人間関係等、様々な要素が絡み合って複雑な物語になってます。民主主義に関する切り込みもあり、深い。 そして表題の「ピラミッド」は、ヴァランダーの父親が、今まで以上に重要な役割で登場します。この父親、ヴァランダーシリーズではもう一人の主人公と言っていいほど強烈なキャラクターで、ヴァランダーとは対極の位置にいる存在です。そんな父親を疎みながらも、どこかで安らぎを感じることもあるヴァランダー。彼と父親の関係性が変わるのか?が注目な短編です。 どれも若きヴァランダーを知る上で読み応えあるもの。ヴァランダーシリーズファンにはお勧め。

    2
    投稿日: 2018.05.29
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    刑事ヴァランダーの番外編。まだ捜査官になっていない20代から、シリーズ第一弾直前の40代までの短編集。シリーズのファンだからこそ楽しめる一冊。最後の中編「ピラミッド」は相変わらずの父親の破天荒ぶりに、リードベリと同様、思わず笑ってしまうエピソード。ヴァランダーシリーズ、あと2冊しかないのか〜。首を長くして翻訳を待ちたいけど、やっぱり寂しいなあ。

    1
    投稿日: 2018.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ヴァランダー刑事にまた会えた!しかも若いころの。 本屋さんで目にしたときあまりの感激にちょっとショック状態に。(予備知識なしですみません) ヘニング・マンケルの著書、妙に心惹かれ次々と読了してきて『流砂』はもう生の声が聞こえるのではないかと思うほど慈しんだ一冊。2015年秋の訃報には心底がっかりしていたので嬉しい涙の出るような再会でした。 中編「ピラミッド」の終盤があ~そこに続くのね!とのビックリもあり再読再々読もできるんだと改めて感動しています。

    3
    投稿日: 2018.05.07
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    ヘニング・マンケル『ピラミッド』創元推理文庫。 クルト・ヴァランダー・シリーズの中短編集。若き日のクルト・ヴァランダー刑事の活躍を描く。『ナイフの一突き』『裂け目』『海辺の男』『写真家の死』『ピラミッド』の5作を収録。 スウェーデンのハリー・ボッシュと言うべきこのシリーズについてはもはや何ら文句の付けようが無い。面白いの一言。 シリーズも残り2作。我が郷土の産んだ翻訳者の柳沢由美子さんには頑張ってもらいたい。

    3
    投稿日: 2018.05.06
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    北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ名物刑事、クルト・ヴァランダー。そんな彼が初めて登場したのは『殺人者の顔』だが、本書はヴァランダーがまだ二十代でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」「裂け目」から、イースタ署に移ったばかりの頃に遭遇した事件「海辺の男」「写真家の死」を経て、『殺人者の顔』直前のエピソード「ピラミッド」に至る5つの短編を収録。若き日のヴァランダーの成長を描いた贅沢な短編集。 シリーズ第九作は短編集とのことだったが、かなりの読み応えがあった。例えがよくないが、日本のノベルズ一冊分の内容が中編一つに含まれているといった感じ。若いころからヴァランダーは十分にヴァランダーだった。 さあ、シリーズはあと二作。柳沢さんが翻訳している「刑事マルティン・ベック」の改訳版は五作目までで中断と「消えた消防車」の「あとがき」にあった。売れないからなのか。ヴァランダーのシリーズはそんなことはないと思うが、こちらも最後まで出版してほしい。

    0
    投稿日: 2018.05.05