日本のインターネットのリアルな歴史がうかがえる本。私史と書く通り、あまりにもディープな記述が続くが、黎明期の雰囲気をよく伝えている。関係した人たちへの感謝の意を示す意図があるのか、多くの個人に丁寧に言及されている。自分の知っている人の名前も出てきて、ああご活躍されていたんだなと思った。 少し驚くのは、略歴によると、高橋さんが哲学科の出身で若いときは技術系の仕事をしていたわけではなく、インターネットに関する研究を開始したとされているのが、1987年のことで計算すると46歳くらいのことだということだ。何事も始めるに遅いということはないということなのかもしれない。2012年インターネットの発展に寄与したとして、殿堂入り。素敵な話だ。