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離れ折紙
離れ折紙
黒川博行/文藝春秋
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総合評価

8件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シリーズ物とは知らずに購入。 美術品や骨董品を扱った短編集で、多少なりとも美術を齧った身としては、浮世絵の版や刀などのモチーフだけで結構ワクワクしたし楽しめた。 シリーズの外伝的な話なので登場人物の関係性や人間性を知らず、そこをきちんと把握していればもう少し没入できたかも。 ひとつひとつの話の完成度には満足はするけれど、どの話も結局は「狐と狸の化かし合い」で欲望のまま金儲けで美術品に手を出すと痛い目見るよね、との感想しか出てこず。 通して一冊全部が騙し合いなので、もう少し変化のある色々な話が読みたかったなぁと思った。

    1
    投稿日: 2021.10.08
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    古美術、骨董品を巡り、欲望渦巻く者たちの騙し合いの世界。そう言うとダークなイメージになりがちだが、テンポの良い関西弁が飛び交い、短編ならではのスピード感ある展開が一瞬の爽快感をもたらす。 関西のの洛鷹美術館の学芸員が何かと絡む連作短編集となっている。ガラス工芸品、刀剣、浮世絵、絵画、焼き物等作品毎に取り上げられる美術品の薀蓄、制作工程(贋作づくり)の描写も興味深い。 タイトルの離れ折紙という言葉、知らないとなんとも意味深な感じだが、これも作品の中でちゃんと説明されている。

    3
    投稿日: 2021.03.20
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    内容(「BOOK」データベースより) フリーのキュレーターの澤井は、大物建築家の未亡人に請われて、美術品の鑑定に出向いた。そこで見つけた硝子のレリーフは幻の逸品だったが、割れていた。澤井は一計を案じ、まんまとレリーフを手に入れるが…(「唐獅子硝子」)。古美術業界を舞台に、人間の尽きることない欲望をあぶり出す傑作美術ミステリ。

    1
    投稿日: 2018.10.22
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    2020.05.読了 黒川作品にハズレなし。 元気がない時に読んでもいつのまにか笑っちゃってる自分がいる。 黒川先生いつもありがとう

    0
    投稿日: 2017.03.12
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    「目利きほど騙されやすいんですわ」 タイトルの「折紙」とは刀剣の鑑定書のこと。 古美術業界を舞台に、人間の尽きることない欲望をあぶり出す連作短編ミステリ。 ガラス創りの陶器、刀剣、浮世絵、絵画等、京都の洛鷹美術館で非常勤のキュレーターをしている澤井を中心に、「狐と狸の化かし合い」が繰り広げられる。 面白かった。 後味は総じて良くないが、人間の悲哀・人生がうかがわれる。 それにしてもあっさりと多額のお金が動くことに驚いた。 古美術の知識があればもっと面白いと思う。 黒川博行って、こんな小説も書くのかと思ったら、京都市立芸術大学卒業、高校の美術教師もされてたんだ。

    0
    投稿日: 2016.12.12
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    目利きほど騙されやすいんですわ-。関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、人間の尽きることない欲望をあぶり出す美術ミステリ短編集。表題作はじめ「唐獅子硝子」「雨後の筍」など、全6編を収録。 黒川博行の詐欺モノだけに期待して読み始めたけれど、美術品のウンチクに全くついて行けなかった。そういえば黒川博行は大学の芸術科出だったっけ、と思い出した。 (D)

    0
    投稿日: 2016.11.14
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    古美術・・・とか聞いただけで古ダヌキがうようよいそうなんだけど・・・ホントなのかも?! 動くお金の単位がすごい。何百万は当たり前。美術館の学芸員も登場するので、そういうところが作品を買うときのやりとりも描かれている。偽物をつかまされることって実際、どうなんだろう・・・と想像ばかりふくらんでドキドキ。 「不二万丈」の話が怖すぎる。自分は損はしていないのに、なぜか暗たんたる気持ちになるという、何とも言えない組立て。 欲をかいたせいで大損する分かりやすい話もあるし、いやはやー。のめりこんでいるからこそ、危ない橋を渡る(結果、落ちる)ことって、人間、あるんだろうな・・・と思わされた。

    0
    投稿日: 2016.02.19
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    黒川博行による、美術界の化かし合いを描いた短編集。 ストーリーは派手でなく、予想通りの展開を見せるのだが、キッチリ必要充分の動きと、オチがある。話がとても端整。 そんなシンプルな小説の中で、素人には分からない美術作品や美術商かけひきが次々登場することで小さなインパクトが生まれ、何話でも読みたくなる。 妙手による小品。 4

    0
    投稿日: 2015.11.24