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若い読者のための短編小説案内
若い読者のための短編小説案内
村上春樹/文藝春秋
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総合評価

76件)
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    村上春樹が紹介する短編小説とその読み方。 取り上げているのは ・吉行淳之介 『水の畔り』 ・小島信夫 『馬』 ・安岡章太郎 『ガラスの靴』 ・庄野潤三 『静物』 ・丸谷才一 『樹影譚』 ・長谷川四郎 『阿久正の話』 の6本です。 戦後に現れた第三の新人と呼ばれた作家群で、これまで読んだことない作家さんばかりでした。 本屋にいってパラパラと開いて選ぶだけだと、どうしても好きな作家の作品ばかり読んでしまいます。 読む前から解説まで聞いてしまうなんてネタバレだとは思いましたが、自分だけではきっとであうことはない作家と出会う貴重な機会でした。 さっそく今度のセールで買って読んでみよう。

    0
    投稿日: 2025.12.02
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    春樹くんが、日本の作家の好きな小説について、なぜどんなふうに好きなのかを語っているのはとても珍しく、それだけで嬉しい。 しかもただの感想ではなく、アメリカでの講義がベースになっている本なので、きちんとした分析も学べる。 初めて聞く作家もいたけど、日本近現代文学史についても理解が深まった。 大変楽しく有用な本。

    0
    投稿日: 2025.11.24
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    私のような、物語内での「?」を考察できないようなことを、解き明かしてくれる本でした。時々、本の中にちんぷんかんな発言や、行動があったりするんですが、私の場合、「よう分からんかったが、面白かったからいいか。」で、終わるんですが、この本読んで、少し、考えるようにしようかなと思いました。村上さん、案内ありがとうございました。

    2
    投稿日: 2024.09.30
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    1行から始まって、それでいけると思う。 あとはなぜに答えていく。 新聞と似ている P18 うまく書こうではなくて、場所をつくって、自由にアイディアや情景を動き回せてあげる

    1
    投稿日: 2024.09.13
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    読書の楽しみ方を教えてくれた至高の一冊 村上春樹の読書・価値観も垣間見できます。 ここで紹介された短編もほぼ全て 神保町で発掘しました。

    0
    投稿日: 2024.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本書は、著者が1991年〜1993年にかけてアメリカのプリンストン大学にて週に1コマ大学院の授業を受け持つことになり、小説家として、教えるのではなく“第三の新人“の作品を学生たちと読み込んでディスカッションしよう〜という形で、テキストとして取り上げた作品からいくつかを改めて読み直したものである。(その後、ボストン近郊のタフツ大学でもクラスを半年持つなど) 冒頭の『僕にとっての短編小説』にて、短編小説は長編小説の始動モーターとしての役目を果たすとし、“その女から電話がかかってきたとき、僕は台所に立ってスパゲティーをゆでているところだった“から構想が始まった「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は「ねじまき鳥クロニクル」に、「螢」から「ノルウェイの森」に、「街と、その不確かな壁(加筆されて近年になり刊行された。この頃は150枚程度の下書きだった)」から「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に〜と、短編から長編に繋がった作品を紹介している。 著者の読書遍歴。主に海外小説を原語で読むが、海外生活を始めてから嫌でも自身が日本人であることを思い知らされ、日本に来る度に日本文学を買い漁る。自然主義的な小説や私小説は苦手で、例えば太宰治、三島由紀夫などは駄目だった。 逆に心惹かれたのは、第三の新人と呼ばれる、安岡章太郎、小島信夫、吉行淳之介、庄野潤三、遠藤周作など。他は、長谷川四郎、丸谷才一、吉田健一など。 その後、計6作品を読書案内。 言語化が上手いなという共感できるところもありながら、いまいち理解し切れない部分もあった。 それぞれの該当図書を先に読んだ方が勿論楽しめそうだが、知らなくてもなんとなく話についていける。(あらすじを説明されるものとあまりされないものがある) 私的には小島信夫「馬」が奇抜で面白かった。 馬が人の言葉を喋るとなれば、色んな解釈ができそうだ。しかし、著者(村上春樹)の解釈のように、馬は主人公の投影であるというのは最も腑に落ちる。

    18
    投稿日: 2024.04.24
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    昔、ファミコンのゲームを持ってなくても攻略本を読むだけで楽しめたように、村上春樹の書評は、その作品を読んでなくても書評のみで独立して楽しんでしまえます。誠実に、真摯に作品と対峙する彼の態度には好感が持てますし、精緻かつ豊かなアプローチで小説を解きほぐすさまには大いに感銘を受けました。小説が好きな人におすすめです。小島信夫と庄野潤三は、名前すら知りませんでした。『馬』も『静物』も読んでみようと思います。

    1
    投稿日: 2023.10.28
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    村上春樹が、第三の新人と呼ばれる作家たちの短編小説についての解説する本。読んでみると、すべての作家、作品が魅力的に思えてくるから不思議。

    1
    投稿日: 2023.01.08
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    はるきんの小説の読み方が垣間見れる1冊。こんな読み方があるのか、、!と授業を聞いているような感覚で読めて、なんだか新鮮な読書体験だった。

    1
    投稿日: 2022.11.19
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    文体は(村上春樹特有の)比喩が多くてあまり好きではないが、それはさておき内容はそれなりに面白い。「作家の内なる『狂気』が作家自身を駆り立てた結果、ある種の破綻の顕われとしてできあがるもの」という小説の本質に関する見解は、かなり定まったものであるらしい(阿部公彦氏の著作にも同様の記述があったことを憶えている)。庄野潤三「静物」および丸谷才一「樹影譚」は読んでみたいと思った。

    1
    投稿日: 2022.11.01
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    小説と、書き手の分析が面白くて、へー、こういう見方面白いな、個人の思想や思考の、小説への反映のされ方とか、なるほどな、と、たくさん感じました。 が、惜しむらくは、分析の題材となった小説が、ぽいっと!簡単に手に入りにくいことでした、、、 これらの小説を読んでもう一度読むと、何度も読むたびに気付かされることがありそうです。

    1
    投稿日: 2022.06.13
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    小説とは自己と外部(社会?)との関わり方、摩擦、軋轢が基部にあって、それをどう受け入れるか、解決するか、もしくはどう逃れるか、ということと深く関わっていて、基本的にある種の狂気が含まれている。 さすがに村上春樹の読み、人物・事象が何を象徴するかといったことを掴む力は高い。 よく観察し、何度も繰り返し、疑問点を挙げる。この三点が重要。

    0
    投稿日: 2022.04.12
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    この本、タイトルだけ読むと村上春樹が好きな短編をおもしろおかしく紹介してくれる本に思える。 いや実際にそうなのである。しかし、本書は他の作家の作品の評論を通して、村上春樹的小説あるいは小説家の在り方を示した作品と言える。その意味では「職業としての小説家」に近いものはあるだろう。 自己について語るとき自己自身について語るよりむしろ、他者について深く深く掘り下げていき、他者に対しての自分のスタンスを示すことがかえって自分自身についての解像度をあげる。 だからこそ、村上春樹自身が紡ぐ長編と同じくらいエッセイや本書のような非小説も同じくらい好きなのだ。 もちろん吉行淳之介や丸谷才一の作品は是非とも読んでその都会的なタッチ(あるいは不器用さ)を感じてみたくなったが。 「なにも喜怒哀楽をいちいち描く必要はないんです。そんなもの全部すっぽかしたっていい。ただしそれは伝わってこなくてはならない。」  この部分に首がとれるほど頷いてしまった自分がいる。別に創作に限らない。本当に大切なことは明示的にではなく暗喩としてメタファーとして現れる。

    6
    投稿日: 2022.02.17
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    ねじまき鳥と火曜日の女たち→ねじ巻き鳥クロニクル 長編小説:3年がかり、最大の目的、3年がかり、書き直し不可、壮大な達成感 短編小説:数日、思考実験、気楽、純粋に楽しみとして、失敗可能、修正可能 蛍→ノルウェイの森 街と、その不確かな壁→世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 第二次世界大戦後の文壇 第三の新人 アメリカの大学(プリンストン・タフツ)で学生とディスカッション授業 以下作品は実際に授業で使用した題材。 吉行淳之介 水の畔り 小島信夫 馬 安岡章太郎 ガラスの靴 庄野潤三 静物 丸谷才一 樹影譚 長谷川四郎 阿久正の話

    0
    投稿日: 2021.10.26
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    「第三の新人」グループの小説は、とんと触れたことが無かったので、すごく興味が湧いた。 何遍か読んでみたい。 それから、またこの本を読み直して、自分なりの感想、発見を見比べることもしてみると、より一層本を味わうことができるのではないでしょうか 一点引くとすると、図がめっちゃ分かりにくい_:(´ཀ`」 ∠):_ 凡人の自分の理解が追いついてないだけか?

    0
    投稿日: 2021.06.07
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    若い人向け、また作家の視点でおすすめ短編小説を紹介し、その考察が書かれている。アカデミックな要素があまりなく、文学の初心者でもスラスラと読め、この本を読むだけで、紹介された本の良さを語れるほどよくまとまっている。 何よりも村上春樹の視点が非常に面白い。この本を読んでいなければ、恐らく気づけなかった点がたくさんあるだろうし、なるほどと思う鋭い推察がたくさんあった。 特に小島信夫の『馬』は話の内容がシュールすぎて早速買った。サマリーだけでも難しそうだが、それに加え独特の視点からストーリーの魅力を伝えるスキルもプロフェッショナルで感心した。

    0
    投稿日: 2021.02.21
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    プリンストン大学の授業をベースに収録 わたし、読み方を間違えました。 以前、村上春樹の別の本でお勧めされていた本(極北)が非常に面白かったので、おすすめの本を読んでみたいなー、おすすめが載ってるのかな?と読み始めました。 読了して、 後書きに「授業(討論)の前に、何度も何度も覚えるくらい読んでほしいと生徒にお願いして。。。」というくだりと、どこで読めるかなどの手引きが載ってまして、 先に本を読んでから、これ読むとなるほどなるほどっていうパターンかーい!そっちかーい!ってなりました。いやすでに読みながら本の途中で気づいていたのですが、やはり。。 なので多分、目次に出てくる本を読んでから、こちらチャレンジするのが無難です。 じゃないと何が何やらすっからかんで、かつ、大学の授業だけあって結構語りが深いので、理解するのに時間がかかりました。わたしは。 ということで、そちらの本を読んでから、また再読し、星をつけたいと思います。 唯一残念なのが、なかなか手に入りにくい、図書館なのどでしか読めない短編が混じってるということでしょうか。。

    0
    投稿日: 2021.02.15
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    最近精神分析じみてきているのですが「そーいえばこの本、egoとか何だかがキーワードだった気がする…」と思って読み返してみたけれど、まさにでしたし、昔は「なんかよく分からないな」と思っていた自我(ego)と自己(self)の解説図、まさに「分かる!」という感じで驚いた。本を読むことの喜びのひとつは、「なんかよく分からないし、正直あまり興味ないな…」と思っていた部分が驚くほど自分にとってクリティカルな存在になって立ち現れてくる瞬間だということを思い出す。もちろん専門的な内容ではないので、精神分析じみたから分かるようになったというわけではなく、私の興味がそこに移動したため分かるようになった、という話なのだけれど。しかしいつも思うのだけれど、タイトルが内容と合っていないというか全く「短編小説案内」ではなく、確実に文芸批評の類いに入るのだと思うのだけれど、おそらく批評家たちに色々言われないようにタイトルから限りなくその匂いを消したのだろうな…と推察してしまう(それでも言われたようだけれど)

    0
    投稿日: 2021.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    20年以上前に書かれた作品だが、登場する「第3の新人」と言われる作家たちの作品紹介でもあり、その作品の普遍性とともに文学案内としても普遍的なものと感じた。 小説家が他の小説家の創作過程を考え、紹介するということで村上春樹自身の創作に向かう姿勢を知ることもできる。 小説を創作しない文芸評論家や学者とは一歩違った視点で、それぞれの作品を説明している。ここに紹介される作家や作品を知る、またこれをきっかけにその本を読んでみることも面白いだろうが、村上春樹自身の小説創作への姿勢を知ることのできる作品だと思った。

    0
    投稿日: 2020.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こりゃおもろい。凄いぞ村上さん、って、思いました。 村上さんが、短編小説を読んで、その感想を書いている、っていう感じの、評論というか、エッセイというか、そんなかんじの本なのですが。 村上さんの、その読んだ短編に対する愛情が、ハンパない。そして、分析も、ハンパない。そこまで分析するか!?ってくらい、分析している。そして、多分、その分析は、愛しているからこそ、できるんだろうなあ~、って思うと。好きな本を、じっくり読む、って、良いことだなあ、って、思うんですよねえ。凄いぞ村上春樹。凄いぞそこまで読み込むなんて。 ちなみにこの文章、というか、村上さんが、これらの短編をきっちりキッチリ読み込んだのは、アメリカの大学で講義を持ったから、みたいな理由も、あったみたいです。こんだけきっちり読み込んで、向こうの国の学生さんたちと、色々とディスカッションしたりした、みたいですね。それってもう、めっちゃんこオモロい授業だったんでは?受講できた学生さんたちが、羨ましすぎますね。「とある作品を読み込むことは、これほどまでに面白いのか~」ということを、痛感しまくれたんでは、ないでしょうかね? で、この本の中での、とある短編に対する村上さんの「この短編は、こういうことだと思う気がするんですよね」って解釈は、もしかしたら、作者本人に聞いたら「全然ちゃいます。そんな思いは、全く無かったです」って、言うかもしれませんよね? でも、「全然ちゃう」かったとしても。村上さんが、「こう思った」ことは、それはそれで、絶対的に素晴らしい事だと思うんですよね。だって村上さん、これらの短編が、好きなんだし。好きなものがある。それに対して、アレコレ考える。で、その考えたことは、見当違いかもしれない。だが。自分が「好きだ」と思ったものに対して、「何故好きなんだろう?こうだからかな?ああだからかな?不思議だなあ。こんなに好きだなんて」って、色々思うことって、最高やないですか。そんな事を、思いましたね。 あと、文庫本バージョンの序文として「僕にとっての短編小説」という文章が載っています。まあ、「村上春樹は、『短編小説』というものを、どのような存在と考えているのか?」を述べたもの。まあ、タイトルそのまんまな文章なんですが、これがまた、ベラボーに面白い。 「俺は実際の所は長編小説がいっちゃん大事なの」って言っておきながらの、それはそれとしての、短編小説への愛を、ちゃんと語ってるところとかホンマ好き。素敵。 あと、「失敗してこその短編小説。上手くいくときもあれば、イマイチな出来のときもある。でも、だからこそ失敗を怖れるな。前向きの失敗は次につながる」とか、抜群に励まされるやんか。村上さんが、こういうこと言ってくれると、嬉しくなっちゃいますよね。村上さんとイチロー氏は、やっぱ、似てると思うんだよなあ。 自分にとっては、読み終えて、「まあやっぱ、村上春樹さん、俺、すっげえ好きだなあ~」という思いを、新たにした一冊ですね。これほどに、自分以外の人の文章を、しっかりと愛して分析することができる人は、やっぱ、素敵です。 で、ちなみに自分は、この本で村上さんが紹介された作品は、一冊も読んだことがありません。すまん、、、すまん、のだが、自分が全く読んだことのない短編の感想を、村上さんが喋ってるだけ、ってくらいの本なのに、それでもこの本は面白い、というのは、やっぱでえれえ凄い事だと、逆説的に思う次第ですよね、うんうん。

    0
    投稿日: 2020.07.22
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    肝心の短編小説はなかなか読むことが出来ず、それら題材である短編読まずしてこのエッセイは意味がない。現在コロナで図書館開いていないので、今作は図書館に持ち込んで題材作と併読せねば。いったん保留。

    0
    投稿日: 2020.04.28
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    感想はこちらに書きました。 https://www.yoiyoru.org/entry/2019/08/11/000000

    1
    投稿日: 2019.12.03
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    村上春樹の文章の好みと、「僕はこのように考えながら小説を読んでいるよ」「こういう風に解釈したら面白いと思わないかい?」という小説の読み方が学べた 深く深く文章を読み込んでいこうと思えた そして取り上げた作品が難解で、村上春樹らしさ全開だった。

    0
    投稿日: 2019.10.28
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    作者がどういうように小説を読みとっているかの解説本 横文字使うところは多いものの相当にわかりやすい すくなくとも作者の小説を読むよりは 「僕らはその小説を書き上げ、「これは現実じゃありません。でも現実じゃないという事実によって、それはより現実的であり、より切実なのです」と言うことができます。そしてそのような工程を通して初めて、それを受け取る側も(つまり読者も)、自分の抱えている現実の証言をそのファンタジーに付託することができるわけです。言い換えれば幻想を共有することができるのです。それが要するに物語の力だと僕は思っています。」P101より

    0
    投稿日: 2019.01.12
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    村上春樹流短編の読み方。どうも短編が苦手で、それはもちろん、村上春樹の書くものにも当て嵌まる訳で。でもそれは、物語がマズイ訳ではなく、自分の読み方に問題があるせいだという自覚はあって、それを少しでも見直せれば、っていう願いを込めて手に取った本。結局、一番肝要を敢えて書かないとか、そういう非言語的表現手段をもう少し味わえるようにならないと、ってことでしょうか。この中でも触れられていたように、覚えるくらいまで読み込まないと、なかなか見えてこないのでしょうが。目指すべき山頂はまだまだ遠いです。

    0
    投稿日: 2018.04.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    恥ずかしならがら、この本が村上春樹氏の本で初めて読んだ本だ。短編小説が読みたいなと思っていた頃、電子書籍の検索でこれがヒットしたので、衝動的にワンクリック購入し、そのまま放置していた本だ。 特に村上春樹さんを読みたかったわけでもく、「いつもノーベル賞候補にノミネートされる村上さんが、案内してくれる短編小説ならきっと面白いに違いない」という発想で買ったものだ。 ・・・が、「案内」という意味が違ってた。ブックガイドではなかった。これは、それぞれの作品をどう解釈し、どう味わうか、といった村上春樹流「文学の読み方の案内」というような本だった。ノーベル賞受賞候補・村上春樹氏の文学講演を聞いているようでもあった。 この本では、次の6編を取り上げている。これらは、いずれも「第三の新人」と呼ばれた作家だそうだ。名前だけは聞いたことがあるという人が数人含まれているが、全員他の作品も含めて一冊も読んだことなし!(汗)。 吉行淳之介 『水の畔り』 小島信夫 『馬』 安岡章太郎 『ガラスの靴』 庄野潤三 『静物』 丸谷才一 『樹影譚』 長谷川四郎 『阿久正の話』 本書の巻末には、各人の紹介文も掲載されているが、いずれも徴兵されるなど、戦争に巻き込まれた経験をお持ちの方ばかり。世代が違うというのを苦し紛れの言い訳としたい。 村上氏は、この「第三の新人」と言われる作家の作品で、こういうことをやってみたかったと言っている。 こういうことというのは、作品をじっくり読みこんで、読みこんだ人達で、その解釈や感想を述べあうことにより、その作品の理解をより深めるというようなことだ。 本書では、この6編に入る前に、「僕にとっての短編小説」とか「まずはじめに」とかの章がある。であるのに、ここをすっ飛ばして、いきなり「吉行」の章から読み始めてしまったものだから、村上氏が吉行氏の作品にあれやこれやケチをつけたり、勝手に解釈していているのを見て、早計にも「先輩の作品にケチをつけるとは、いくら優れた作家でも、マナー違反じゃないの!」なんて感想をもったわけですが、ちゃんと最初から最後まで読んでみて、誤解が尊敬に変わりました。 文学を読むということはこういうことなのか? 小説をさらりと読んでオシマイという習慣の自分には、一つの作品をその著者の背景なども絡ませながら、「その作家がどうしてこういう表現をしたのか」ってなことを推理していく過程を読むのは、推理ゲームのようで非常に面白かった。過程も面白かったし、推理の結果がまた興味深い。 村上氏は本書の中で、「その作家のはいていた靴に自分の足を入れてみる」というようなことを言っている。また別のところでも、「僕は・・・太宰治も駄目、三島由紀夫も駄目でした。・・・サイズの合わない靴に足を突っ込んでいるような気持ちになってしまう・・・」というようなことを言っている。 先輩の作品にケチをつけているのではなく(ご自身も上記の作品は最もお気に入りの作品のセレクトだと言われている)、むしろ先輩の作品を教材として研究を尽くされているのだということがよくわかった。 この本を読んで、そろそろ本当の村上春樹氏の本を読んでみたいなと思ったし、ここで紹介されている中では、丸谷才一氏を読んでみたいなと思った。

    2
    投稿日: 2018.04.07
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    「若い読者のための短編小説案内」村上春樹さん、文春文庫。1997年の本、ということですから、なんともう20年前になるんですね。 小説家の村上春樹さんが、短編小説をいくつか取り上げて、それについてまあ、論じる、意見感想を述べるという趣向の本です。 村上さんがアメリカなどあちこちで「大学で小説を(創作を)教える」みたいなこともされていたそうで、そういうのと絡めて作られた本のようです。 村上春樹さん、というと、まず何より1980年代以降では好悪に関わらずもっとも巨大な日本語小説家です。 そして、多くの見方によっては既に、世界でも有数の小説家に位置づけられちゃっています。 村上さんの仕事は、いくつかに分けられます。たしかこの本でご本人が述べているように、まずは長編小説。 「羊をめぐる冒険」「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」「ねじき鳥クロニクル」「1Q84」「騎士団長殺し」 全て、まあ一つの基準として「文庫になるときに、1冊には収まらない分量」ですね。 次いで、中編というか、「文庫になるときに2冊にならない量」 「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「国境の南、太陽の西」「スプートニクの恋人」「アフターダーク」「色彩のない多崎つくると…」などです。 それから短編、短編集。「中国行きのスロウ・ボート」「蛍・納屋を焼く・その他の短編」などから「女のいない男たち」まで、いっぱいあります。 と、ここまではいわゆる「物語小説」とか「フィクション小説」と言われるものなんですが、村上さん自身がどこかで認めているのですが、「それ以外の本の方が好きだ、という読者もいる」というのも真実です。 つまり、「エッセイ、ノンフィクション、旅行記、雑文、そして翻訳」ですね。 村上春樹さんと言うのは、とにかく「文章を書く、本を作る」のが好きな人なんだと思います。タレント的活動はほぼいっさいしないし、一方で実はモノスゴい大量の本を作っているからです。 このジャンルの本も実にいっぱいあります。 オウム真理教の信者や、地下鉄サリン事件の被害者にインタビューした「アンダーグラウンド」「約束された場所で」から、絵本のようなショートショート、週刊誌連載雑談エッセイ、旅行記、そして文芸論や対談本まで...。 どれも実はそれなりに素敵なんです。その裏には、「文体が全てである」みたいなことをたまに公言している村上さんの持ち味があるんだと思います。 その系譜に、この本も入ります。 (ちなみに翻訳も素敵です。僕は個人的には、「村上春樹さんが翻訳したレイモンド・チャンドラーの作品群」というのが、村上春樹さんの全仕事の中でいちばん好きで愛おしいです...。まあ、厳密には全仕事を読んではいないんですけれど) # この本で取り上げているのは、以下の短編小説です。 吉行淳之介「水の畔り」 小島信夫「馬」 安岡章太郎「ガラスの靴」 庄野潤三「静物」 丸谷才一「樹影譚」 長谷川四郎「阿久正の話」 まあ、どれも渋いです。 それが1997年であれ、2017年であれ、「若い読者」にとっては、「あ、読んだことある」という短編は一つもないのでは。 まあだから、この本を読むために、探して読む。というレベルの知名度の小説たちです。 僕も正直に言うと、この村上さんの本をいつか楽しみたいな、と思い、上記のリストを何かで手に入れて、数年かけてちょっとずつ探して読んでいきました。 ちなみに、そうやって、「若い読者のための短編小説案内」を読む前に6作読んだ素直な感想で言うと、「どれも面白かった」。いや、さすが村上さん。 それから、この「若い読者のための短編小説案内」という本を読んだ感想としては、「あ、意外と真面目な本だった」という感じです。 やはり、大学の授業の延長、という感じがあり、かなり真面目。ですが、やっぱりそこは、「作り手であることから逃げずに評論する」という村上さんの意思があって、オモシロイ。 例えば、奥田民生さんが「ビートルズのあの曲の、あのギターの感じが大好きなんだよね」というおしゃべりをしていたとして、もしあなたが奥田民生ファンだったとすると、凡百のビートルズ解説本よりも、オモシロイですよね?まあ、そういうレベルのことです。 # 基本、村上さんはハッキリ言っていて、「どれも大好きな短編。悪口言いたくないから」なんです。 それなのに、「このあたりは、この短編の弱点」「ここが雑」とかも、つい言っちゃう。同時に「いや、基本大好きなんですよ」と言い訳するのがちょっとかわいい。そしてそれをちゃんと本に残しているあたりは、好みが分かれるけれど、僕はそういう脂身を含めたこの本が好感持てます。 それから、どの文章も、「この短編が表そうとしているテーマとか感情は何か?」みたいなありきたりな探り方も含みながらも、当然のようにそういう事に止まらず。 でもだからといって感覚的すぎるところに浮遊することもなくて、要は「どのあたりが、この短編の魅力っていうか、イカすところかなあ」という視点論点が常にある。 そして、前提として「そういうことに正解なんかないから、小説家でもある僕は、読者としてそう感じた、っていう一つの見方でしかないです」という姿勢は徹底しています。 それから「なるほどなあ」と思ったのは、この本は、「6つの短編を読んでいなくても、愉しめる本になっている」ということです。このあたりは具体的に親切に緻密に作られていることに感心します。 つまり、どの短編についても村上さんがザックリと、「こういうお話」というあらすじを語ってくれる。これがどれも、適切な分量で、ほどがいい。つまり「そこまで言ったら読んでない人が読みたくなくなってしまう」ということは書いてない。そして、「若い読者のための短編小説案内」を読んだ人が、それら短編を読みたくなるように書いています。 いつも思うのですが、こういう具体的な日本語使用技術というか、そういうのがとにかく村上春樹さんは舌を巻くほど上手い。驚愕の超絶レベルで、現存する作家では比肩する存在は全く居ないと思います。物故者の中でも、僕の読んだ経験範囲では、司馬遼太郎さん、谷崎潤一郎さん、夏目漱石さん。そんなところではないでしょうか。 そんな色んな前提やら言い訳やらを包み込みながらも、こういう本を作るというあたりに、結局は本を読むということと、読んだ本について誰かと何かを話すということを、何と言うか理屈抜きで支持せざるを得ない部分が村上春樹さんの中にあるんだろうなあ、と思うとそれはそれでキュートだなあと感じます。まあ基本、村上春樹さんの仕事は好きなので。贔屓です。 # ちなみに6作の短編、それぞれに僕も愉しみました。 どれも衝撃だったり唸らされたり、確かに人生で読んでおいて損が無い小説でした。 中でも、「阿久正の話」は、なんだか棍棒で頭を殴られたような、凶暴でストレートな打撃を受けてしまいました。すごい。 なんだけど、これ、今ではほとんど図書館に行って全集とかから探らないと読めないんですよね。 早く青空文庫がカバーしてほしい...というか、「若い読者のための短編小説案内~元ネタ篇~」として本にしたら、普通に売れるのでは...。

    0
    投稿日: 2017.10.01
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    第三の新人って面白くなさそう... 遠藤周作しか読んだことない...と思っていたけれど、これを読んで興味が出てきた。 特に小島信夫の『馬』。 暇ができたら開拓したい分野!

    1
    投稿日: 2017.07.14
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    小説の解釈の一つとしても、小説家の小説に対する意思表明の一つとしても誠に興味深く読ませてもらいました。 その意見には賛否両論あるんだろうけれども、(読んだことも無い作家もいたこともあったこともあるか?)是非取り上げられた小説あるいは他の小説を読んでみたいと思わせる内容ではあるんじゃないかな。 こういう本は村上春樹がどうだこうだとか言うのではなく、素直に取り上げられた小説の魅力を感じ取れば良いんではないですかねぇ。

    0
    投稿日: 2016.03.21
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     第三の新人の作品を題材に、村上春樹氏が米国の大学で講義をした時の話をまとめたもの。  特徴的なのは著者の立場に立ったらこう思っているはずだという観点からの、文章のプロとしての見方。当たっているかどうかというよりも、その文章への愛や本気さがその説得力を増している理由だ。特に、樹影譚については秀逸。3つのパートに分けた上で、変遷とその意味について深く考察がなされている。この文章を書いたのは、どんな作者の心理状況や理由があるのかに焦点が当たっており、てにをはをどうこうするのではなく、どこにテンションを持ってくるか。解説で敢えて強調しているところなんて、村上春樹の小説を読んでいるような気がするくらいだ。  文章を書くという行為を大切に、丁寧に練り込むこと。小説家は面白く、大変な仕事だなと改めて感じさせてくれる。読み手も、丁寧に読み込んでいかなくては、そんな気持ちにさせてくれる一冊。

    0
    投稿日: 2016.01.16
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    「我々は…平凡ならざる新鮮な「非日常」を掘り起こしていくことができるんじゃないかと」…クリエイターの仕事はそれぞれの分野で「非日常」を創りだすこと。退屈なリアリズムや手垢のついた日常に、我々はもう飽々している。

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    投稿日: 2015.12.06
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    本書を読むことでまた読書の世界が広がった。この中で6つの短編が紹介されている。すべて昭和の作品だ。私にとって、ここに登場する6人の作家の内、3人はまったく名前すら聞いたことのない作家であった。それぞれの本を村上春樹的に読み解いていくのであるが、細部にこだわった読み方に興味が持てた。なかなかそんな風に、1つの作品を何度も繰り返し時間をかけて読むなどというとはないのだけれど。図書館に行って、それぞれの作品を探した。探せばあるものだ。かなり大きな全集の中にそれらの作品を見つけることができた。見つかっていないもの、興味がなくて探さなかったものもあるけど。小島信夫著「馬」・・・わけの分からない作品だ。でも、安部公房が好きだった私としては、結構おもしろく読むことができた。庄野潤三著「静物」・・・こちらは話の展開がゆっくりなのだけど、どこがどこにつながっているのかよく分からなかった。1つ1つのエピソードには興味が持てたけど。安岡章太郎著「ガラスの靴」・・・お話としては一番おもしろかった。続きがちょっと読んでみたいと思える作品だった。小説だからそれぞれの具体的な内容については書かないけど、興味があれば図書館で探してみて下さい。時間があれば何度も繰り返し読んでみると、もっとおもしろみが出てくるのかも知れません。本書は著者がアメリカの大学で大学院生相手に日本文学についてのセミナーを行うのをきっかけとして出来上がったのだそうです。

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    投稿日: 2015.06.18
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    「若い読者」ではないが、勇気を振り絞って読んでみた。小説にも、ずいぶんと様々な書き方があるのだということがよくわかった。また、小説家の人生を知るのは本当に面白い。

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    投稿日: 2014.12.24
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    【本の内容】 戦後日本の代表的な作家六人の短編小説を、村上春樹さんがまったく新しい視点から読み解く画期的な試みです。 「吉行淳之介の不器用さの魅力」「安岡章太郎の作為について」「丸谷才一と変身術」…。 自らの創作の秘訣も明かしながら論じる刺激いっぱいの読書案内。 [ 目次 ] 吉行淳之介「水の畔り」 小島信夫「馬」 安岡章太郎「ガラスの靴」 庄野潤三「静物」 丸谷才一「樹影譚」 長谷川四郎「阿久正の話」 [ POP ] 村上春樹が小説の読み方についてレクチャーというだけで読みたい、それだけの価値あり。 彼がこの本を書いたきっかけ、小説家としての意見が書かれている「僕にとっての短編小説」と「まずはじめに」。 まずここで、エッセイや対談では知ることのできない彼の創作への思いや考え方が分かりやすく書かれていて、すっと惹きつけられる。 そして、真摯に戦後日本の作家6名の短編を解説が始まる。 ホッとしたのは、こんな有名な作家であっても、読書は誰と違っていてもいい、とその分析を進めていること。 読み上手ではないので、この自由さが嬉しい。そして、6名の作家の「自我」にこだわって分析を進めていること。 自我、そして生き方についても語られているのだ。 「評論も、自分を通してしか書けない創作だ」とは私の好きな作家の言葉だけど、まさに6作の読書案内を通して、「村上春樹」が強く表現されている。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2014.08.27
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    吉行淳之介 『水の畔り』  男と女の子 (集英社文庫)  絶版  吉行淳之介全集 第1巻(新潮社) 絶版 小島信夫 『馬』  アメリカン・スクール(新潮文庫) 安岡章太郎 『ガラスの靴』  質屋の女房 (新潮文庫) 庄野潤三 『静物』  プールサイド小景・静物 (新潮文庫) 丸谷才一 『樹影譚』  樹影譚 (文春文庫) 長谷川四郎 『阿久正の話』  阿久正の話 (講談社文芸文庫) 絶版

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    投稿日: 2014.06.12
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    ここで紹介された作家の小説を読みたくなりました。それだけでも、本書の目的は十分に果たしたと言えるでしょう。

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    投稿日: 2014.02.23
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    第三の新人と呼ばれる作家たち・・・恥ずかしながら、ほとんど読んだことがなかった。 代表作といわれるものが一作、読んだことがあるかどうか。 『翻訳夜話』を楽しく読んだので、この本も読んでみようという気になったのだが・・・なかなか馴染みのない作家の、しかも初めて聞くような作品ばかりで、びっくりした。 もう少し、本文の引用があるとうれしかったけれど・・・ 読んでいくと、どこか、村上ワールドに重なるような何かをもった作品たちなんだな、と思わされた。 特に、達者とされる作家(吉行淳之介や丸谷才一)の中に、ぎこちないなにか、ごつごつしたなにかを感じ取る、こだわりのようなものを感じた。 巻末についている、編集者による読書案内も、丁寧に作られていて、好感が持てた。

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    投稿日: 2014.01.31
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    村上春樹作品をここ数年集中的に読んできたが、初めて面白くないと感じた。原因は明らかだ。「実作者の経験から言うと」という台詞が多すぎて鼻につく、ということ。目立たない小品の、しかも村上自身が言っているように、あまり成功作とも言えないような作品を俎上に載せて、あれこれと論じるのはどうも感心しないし、その創作者の視点自体に危うさが感じられる。文学作品が生まれる過程というのは一様ではなく、一般化することなど到底できないだろう。個人の経験が分析の目を却って曇らせることもある。 とは言っても、やはり面白いところもあった。取り上げた作品を読んでみたい気にさせたのだから。

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    投稿日: 2013.09.30
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    大学の講義内容だけあって、たいへん良く練り込まれています。 すごい深い読み方をするんですねー。 興味深かったです。 13.03.18

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    投稿日: 2013.09.18
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    村上さんらしい口調で、小説の分析がされている。 自分が書く側に回ることがあったら、とても役立つ本のような気がする。 また、幾つか読んでみたい、と思わされた本があった。 7(村上春樹は)自分自身を、基本的に長編小説作家であるとみなしています。 220・・・本の読み方というのは、人の生き方と同じである。・・・

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    投稿日: 2013.05.11
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    日本文学って退屈で冗長で眠くなってくるけど、この人の解説と並走すれば面白く感じられる。新しい読書の入口として、価値ある一冊です。

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    投稿日: 2013.03.03
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    恥ずかしながら、ここで紹介されている作品をひとつも読んだことがなかったうえ、「第三の新人」という言葉すら知らなかった私ですが、とても興味深く読むことができました。 全部の短編小説をぜひ読んでみたいと思わせる著者の言葉はすごいなあと素直に感心してしまいました。こんなに面白がって、かつ繊細に小説を読むことができるってすごいな、と。 せっかく活字を読むことがすきなのだから、いろいろな分野に挑戦してみたいなと思いました。いつかこれらの短編もきっと。

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    投稿日: 2012.12.27
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    村上春樹がこんな本を出してたなんて今までどうして気がつかなかったのか、もっと早く読んでりゃ良かったってくらい大変ためになりました。

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    投稿日: 2012.12.04
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    本人は文芸評論家ではないと断っているが、下手な文芸評論より、よほど鋭い分析を行っている。村上春樹の守備範囲の広さに驚く。小説、エッセイ、対談、紀行文、音楽論に加えて、本書である。日本の戦後の短編小説を題材に図式化して読み解くことに成功していると思う。

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    投稿日: 2012.10.26
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    私は昔から親の影響で、あまり海外の文学らしい文学に触れたことがない。また、ちょっとかじって読んでみても、なにか違うような気がするなあ、といった根本的な自分にはまらない、みたいな印象を受けてしまって、結構敬遠していた節があります。その代わりといってはなんですが、日本の文学に重点を置いて読んできたつもりだった。特に戦後派の純文学作家たちが私の主な読書体系だった。三島由紀夫とか、大岡昇平とか堀辰雄、さらには遠藤周作、福永武彦、加賀乙彦とか。 でもこの本を読んで、ああわたしは何も読んではいなかったと思った。ほんとうに、こんな風に本を読む人がいるならば、わたしの読書はもはや読書といえるような代物ではないと。それはもちろん村上春樹はプロの文筆家で、わたしの3倍くらい長く生きてて、文章に対してかけた時間もわたしの1000倍くらいあるでしょう。それにしたって、文学にこんな風な無限の可能性があるのなら、わたしのやってきたことは読書ではないし、わたしは本に向かいあったことなんてないし、その文章を紡いだ作者に対して失礼極まりないなにかをしてしまったような、そんな気さえします。 可能性を示唆された、というかここまで読み込めるんだよ、という一種の例示としては、抜群の破壊力をもった本であった。今わたしは現在進行形で北杜夫の短編集を読んでいるので、そこから少しでも還元していくことができたら、いいなあ、 と同時に、どこかの大学でここまで文学をやってくれる先生、いないですか??

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    投稿日: 2012.10.18
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    その本を読まずして、解説だけ読むようなものだ。紹介されている作家は知っていても、その作品を読んでいなければ、ピンとこない内容だ。簡単に小説の内容は紹介されているが、内容は高度でなかなか理解しづらい。機会があれば、原作にあたってみたい。

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    投稿日: 2012.10.13
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    取り上げていた小説をひとつも読んでいないので何も言えないのだが、短編小説ひとつにもこれほど深く読み込む技術があると知って驚いた。自分は小説は本当の意味で読めていないのだと自覚する。

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    投稿日: 2012.09.17
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    なんて言えばいいのかわからない感情や考えを 伝わるように伝える文章が凄いなぁ。 読んでいる間は 違和感なくしっくりくる ところに落ちていって 分かった気分なんだけど その気分を誰かに伝えようと 自分の言葉に置き換えると 途端に道を見失うような印象

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    投稿日: 2012.07.05
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    第三の新人と呼ばれる世代の作家の短編小説を解説している本です。 読んでみてびっくりしたのだが、僕は驚く程この世代の人たちの本を読んでいない。 そのうち、触手をのばしてみようと思う。 それにしても、短編小説一つにこれだけ、真摯に向かい合い、深く詠み解けるのはすごい。 きっと自分の中にきっちりとした主題があるからなんだろう。

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    投稿日: 2012.03.01
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    随分昔に一回読んだのだけど、ちょっと読みたくなりました。内容も良いけど、時々、村上春樹の文体を体感したくなるので、読んでみた感じ。 紹介されている本を読みたくなるのだけど、この本で読んでる印象の方が面白く感じるような気がする。

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    投稿日: 2012.01.25
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    村上春樹氏のアメリカの大学での講義を元にした短編小説紹介の本。 「第3の新人」と呼ばれる作家たちの紹介。 ほぼ聞いたことない名前の作家たちばかりで、作品を読んだこともなかったが、 この紹介文を読んで何となくその作家の小説に対する考えた方などがわかったような気になった。 作品に関することについてはやはり実際に読んでみないと何ともわからない部分もあったが。 そうした詳細な分析ができるということが素晴らしいと思う。 ぜひここで紹介されている著作を読んでみようと思う。

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    投稿日: 2011.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    興味深かったのは長谷川四郎についての章。作品分析というよりは、ある人物定型として長谷川四郎像が描き出されているのが面白い。『ねじまき鳥』や『海辺のカフカ』にも通じるような。 この世代の作家たちの作品を読んだことのない人には格好の入り口になる。個人的には「樹影譚」面白かったです。

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    投稿日: 2011.10.17
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    なかなか面白い。村上春樹にとっての短編小説、長編小説の位置付け、役割も書いてあるし。小説を書いてみたいけどどっから手をつけたら...って悩んでいる人にもオススメ(まあ僕なんですが...)。

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    投稿日: 2011.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この本の中で長谷川四郎さんを取り上げていたので、それを読みたかった。 大好きな村上さんが長谷川四郎さんを好きというのは嬉しく思ったけれど、どんな風に書かれているのか、私とはまるで違う感想だったらどうしようか、と、ちょっとヒヤヒヤドキドキもした。もちろん、村上さんがどんな作家が好きなのかも知りたかった。 小島信夫も安岡章太郎も庄野潤三も丸谷才一も、よく知っている名前だけど読んだことはない。 安岡章太郎、小島信夫、吉行淳之介、庄野潤三、遠藤周作、が「第三の新人」というカテゴリーでくくられていることも知らなかった。私は画家についても作家についてもあまり知識がない。いつの時代の人かというのもよくわかっていなかったりもする。バックグラウンドをしっかり押さえてから作品を見たほうがいいのは分かるが、どうにも興味を持てず、ただ作品だけを見てしまう。 安岡章太郎と丸谷才一はあまりに有名だから読んだことがなく、小島信夫と庄野潤三は本棚に並んだ本の背表紙にその名前が在るというイメージでよく知っているつもりになっている。どんな作風なのかは全く知らなかった。 他にあと二人、吉行淳之介と長谷川四郎が取り上げられている。 読み始める前は、私の専らの興味は長谷川四郎にあったのだけれど、読み始めるとすっかり村上ワールドに惹き込まれてしまった。これ自体がひとつの作品としてよく出来ていると思う。読んだことのなかった人たちを読んでみたくなった。 どんな本を読むか、どんな本を読めばいいか、というのはなかなか難しい。文芸雑誌をよく読む人ならそんなことはないだろうが、読まない私なんかは、自分にとっての新しい作家の発掘というのは本当に困ってしまう。 ただ、読んでいて連鎖的に次、次、となる場合もある。たとえば、村上春樹が好きでレイモンド・カーヴァーを読み、カーヴァーの作品の中にブコウスキーが出てきたり、ボルヘスなんかは他の様々な作品の中に名前が挙がるし、『昔日の客』のような本の中にはそれこそたくさんの作家の名前が出てくる。 きちんと作家について調べる人であれば(それくらいはやってしかるべきなのであろうが、、、)年代や作家同士の繋がりからどんどんと広がっていく。 好きな作家が好きだという作家は手に取りやすい。 この本はさらに作家のひとつの作品を取り上げて、その作品について考察しているので、数ある作品の中からどう読むかというのも示唆してくれていていいと思う。 たとえば、安岡章太郎では処女作の『ガラスの靴』を取り上げているが、そのあと『悪い仲間』『陰気な愉しみ』と続き、『海辺の光景』でここにあるひとつの流れが終結する、というように。 村上さんは書き手として作品を読む。どうしてこういう書き方をしたのかとか作者の意図とかそういう目線で読む。だからこの本を読んでいて私は、本というのはこう読むものなのかと少し恥ずかしくなった。自分はまるでちゃんと読めていないじゃないか、ダメだなぁ 、と思った。 私の場合、本を読むのも絵を鑑賞するのも、割と感覚で捉えて済ませてしまう。あまり深く読み解かない。ただ、美しいなぁとか好きだなぁとかで終わってしまう。それも頭でというより心で感じるというのがほとんどである。だからうまく言葉ではそれを伝えることができない。 でも、まぁ、そうはいっても、文学部卒だし実家で国語の先生をしていたし国語科の教員免許も持っているということもあってか、ある程度はその作品のメッセージは自然と読める。それでも、この本の中で村上さんが展開するようなものには程遠く及ばない。それにやっぱり、私の感覚とはちょっと違うなぁと気付かされる。国語科の教師としての部分もあることにはあるけれど、絵を描く部分の方が強いのだと思う。 私が好きな作品というのは、私の中にある " 描く部分 " が、びりびりする作品だ。 その感覚は暗闇でしゅるしゅると伸びて来た細い線と線が触れてバチバチッと鮮烈な火花があがるような感じに似ている。 絵を見るように本を読んでいるのかもしれない。文章や言葉は溶けて、イメージとして私の中に入ってくる。 私は絵を見るように本を読むタイプなので、村上さんの見解を読んでいると感心してしまう。 ----- --- -- -- -- -- -- --- ----- ----- --- -- -- -- -- -- --- ----- ----- --- -- -- -- -- -- --- ----- ----- --- -- -- -- -- -- --- ----- 村上さんの長谷川四郎についての見解について、少し触れておきたいと思う。 この本の中で私が読んだことがあるのは吉行淳之介と長谷川四郎しかいないので他の作品については分からないのだけれど、長谷川四郎さんはつい最近読んだばかりなので村上さんが言うのと私の感じたことの対比がしやすかったので書いておこうと思う。 村上さんは私が読んだ短篇集『鶴』と『シベリヤ物語』を大陸ものとしてひとくくりにし、それ以降(戦後)に書かれた『阿久正の話』を取り上げて、両者の違いから長谷川四郎について解いていく方法をとっている。 だいたいは村上さんの言っていることに賛同するし、共感もするし、納得もする。文体についての賛辞表現はさすが村上さん!とも思う。 長谷川四郎が非日常でしか輝くことのできない長谷川四郎だからこそ大陸ものは素晴しく、それ以降にやってきた日常という世界にはどうしても馴染めなかったという見解は、大陸ものしか読んでいなくても、なるほどそうに違いないだろうと思える。 村上さんは本当にじっくりと深く本を読んでいるのだなぁとつくづく思う。 しかし、村上さんは、大陸ものには狂気のような溢れ出すような感情がないと言っている。文章はとてつもなく素晴しいのだが、切羽詰まった感情が感じられないのが残念だ、と。 私は一度しか読んでいないが第一印象としてそんな風には感じなかった。 淡々とした文章からはひしひしと感情が伝わってきた。 感情がないから感情が伝わる、というと分かりにくかもしれないけれど、「ない」ところに「ある」のだと私は感じる。 作者の感情は確かに感じない。登場人物の感情もないかも知れない。 けれど、私は、作品に感情はあると感じた。しかも、とても強く。 こう言うと烏滸がましいけれど、私は自分が「ない」ところに「ある」ように表現したいと思って絵を描いているからとりわけそのように感じるのかも知れない。 たとえば同じ愛情を表現するにしても楽しいことや幸せなことの中に愛情を描かない。哀しいことや不幸の中にそれを描く。生と死においても、死があるから生が際立ち意味を持つ。そして私は生は描かない。死の影を描く。孤独を描く。 ひっそりと動きのない絵ばかり描いているからといって、そこに感情がないわけじゃない。「ない」ところに私の表現したい感情が「ある」わけなのである。だから私自身は無感情で無表情な絵を描いているつもりは毛頭ない。内から溢れて溢れてどうしようもない感情の波を掬いとっているのに(狂気にような切迫した感情を掬いとっているのに)、描くとそれは落ち着き払った静かな顔になっている。 そんな静かな絵から激しい感情を汲み取って欲しいというのは無理な話なのだろう。でも、いくつもそんな絵が並べば、ずっとそんな絵を描き続けていれば、何かしらは伝わるんじゃないかと私は信じている。 しかし、多くの人が共通して持っている長谷川四郎に対する見方や、長谷川四郎自身の性格やバックグラウンドを知ると、私の当初の感想は幻のような気がしてくる。読んだときは確かにそう感じたのだけれど、今ではそれはすごく不確かで曖昧になってきてしまった。 好奇心旺盛でスパイだったかも知れないと噂が立つような長谷川四郎。非日常におさまってしまえる長谷川四郎。そういう四郎さんのイメージが私の中にしっかりと入って来てしまった。そうなると、私は不器用だからもう最初の時点には戻れない。そっちの四郎さんが勝ってしまって、そっちの四郎さんに引っ張られて読んでしまいそうな気がする。まっさらな状態で読んだときのように読もうと思ってもたぶん出来ない。 でも、というかだからこそ、また今度、もう一度、読んでみなくてはいけないと思っている。

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    投稿日: 2011.08.08
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    村上春樹さんが、アメリカの大学で教鞭をとっていたころの講義の内容を元にして作られた、短編案内集です。取り上げられる短編はほんとうに、文学のマニアックなところなのだと思われます、まるで知らない人たちです。きっと、文学部在籍とか志望とか卒業とかそういう人が読むと良い本なのだと思います。

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    投稿日: 2011.07.04
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    「僕にとっての短編小説―文庫本のための序文」 共感できるところが随所に。ぼく自身、自分と会話をするために、自分を癒すために書くことがある。いや、ほとんどはそのために書いているのかも。 自分の中の自分との対話。 「あーでもない」 「こーでもない」 ほんの些細なことから書き始めて、自分でもビックリするような結末になったりして。ま、ぼくの場合は身辺雑記程度だけれど。 あとは長谷川四郎「阿久正の話」 日常で日常を生きているつもりなんだけれど、日常を生きている人の目にはに非日常としか映らない。 悲しくもあるが、たしかに自分の中にそんなズレを感じることがある。 雑踏の中で違和感を経験したり。

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    投稿日: 2011.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    村上春樹が講義をした内容だけど、先生というより、一読者目線に近いかも。しかも自身も小説を書いてる一読者。わたしたちに近い目線。 「樹影譚」という話が気になった。あと馬の話も。

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    投稿日: 2011.06.09
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     村上春樹が「第三の新人」グループを中心にした戦後日本文学の流れを、短編小説中心に解読する内容。わたしはこれほど深く掘り下げて小説を読むことはしない、どちらかというと感覚的に好き嫌いで片付けてしまいがちだ。とくにわたしの読み方が人と違っているとは思わない。今後、何度も読み返すほど心を振るわせる小説に出会いたいものだ。

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    投稿日: 2011.01.12
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    難解な概念を簡単でわかりやすい言葉に置き換える技術では、村上春樹は日本でもトップクラスだと思います。 いわゆる「第三の新人」と呼ばれた一群とその周辺の作家たちの複雑怪奇な観念的小説を、村上流に解釈していく。 ここに掲載されている作家だけでなく、小説全体の読み方の視点が広がる一冊。 村上春樹の小説に対する底知れぬ愛が感じられてとてもよい。

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    投稿日: 2011.01.08
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    Brooklyn parlor で発見。 小説を読むときにここまで読み込んでいたら、年間数冊で済むかもしれません^^;

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    投稿日: 2010.06.15
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    短編ってなんだかお洒落だしー、とっつきやすいしー、好きだわーって感じだったけど、これ読んでちょっと意識変わった。村上春樹が適当に「第三の新人」世代の短編の名手を選び、あれこれ分析している内容。クールな方向に「逃げる」吉行淳之介、カフカの「変身」とは真逆に自我を不鮮明にすることで自己防衛する小島信夫、エゴをひた隠しにすることによって世界をなるべく平静に保とうとする安岡章太郎、余分な説明を一切排除することによって自我の存在を不明瞭にした庄野潤三、などなど。ほとんどの作家が「逃げ」という意味合いのキーワードによって括られている。確かに本気で内面吐露しようとしたら、短編じゃおさまりきらないよな。とりあえず村上春樹はそういった自我の葛藤などをさらりとかわす短編が好きなんだろうなってことは感じました。紹介されている作品全て未読なのでなんとも言えないのが残念なところ。 僕はいわゆる自然主義的な小説、あるいは私小説はほぼ駄目でした。

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    投稿日: 2010.05.29
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    村上春樹が、とてつもなくマニアックに他者の小説を読んでいるのだと分かる一冊です。「自己」と「自我」のバランスという視点でいくつかの短編小説を分析していますが、おそらくこれは、彼が小説を書くときの根っこなのではないでしょうか。

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    投稿日: 2010.03.25
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    2010年3月9日読了。村上春樹がかつて大学で講義したという、短編小説に対する彼なりの楽しみ方のガイド。対象は戦後派、当時「第三の新人」と呼ばれた人々。吉行淳之介、安岡章太郎、丸谷才一といったあたり名前はもちろん知っているのだが私は読んだことのない人々ばかり・・・。短編小説にはもちろん持って生まれた文才や後天的に身につけた作家のスキル、個性、家族構成や戦中体験などのさまざまなものが現れるものだが、作家が完全にコントロールし切れない「あふれでてしまったもの」、ごつごつとして読み手に違和感を残すものにかえって魅力を感じる、という著者の主張にはうなづけるところもある。この人の読み方が全てではない(かつ、この人自身全ての小説をこうやって読んでいるわけではないようで)が、小説の読み方は深いものだなーと改めて思わされるしだい。世界は広い。

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    投稿日: 2010.03.09
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    10.3.15~挫折 「フィガロの読書案内202冊」より。推薦者…大竹明子 2/17 pick up!

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    投稿日: 2010.03.01
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    青木さんにもらった。 「会社に来るまでに読み終わって、もう二度と読まないであろうカテゴリ」に属するらしいが、、 これ結構面白いけどなぁ。たしかに読み返したりはしないかもしれないが。 まぁ、とりあえず青木さんの笑顔が可愛かったのでよしとしよう。

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    投稿日: 2010.02.28
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    村上春樹氏が、日本文学を文学的に分析・解析・解釈するのは、とても珍しいこと。大学の講堂で日本文学の授業を受けている生徒のような気持ちになった。

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    投稿日: 2010.02.21
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     村上春樹がアメリカの大学でもっていた講座をもとに、六人の作家の短編小説を読み解いたもの。  今まで読んだ評論とか、解読とは、一味も二味も違う。でも、普通に読書してる感覚にはものすごく近いかもしれない。  これをきっかけに上げられた作家を読むようになるかというのは、ちょっとないかもしれないが(ちょっとアニマックな作家に、アニマックな作品だから)こういう読み方もありっていう肯定は、非常に大きいかもしれない。

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    投稿日: 2009.11.22
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    これは村上春樹が短編小説を紹介し、読み方をほんの少し補足してくれてる本。 出てくる作家は以下の通り…初めて読む人たちばっかりだった。 吉行淳之介 小島信夫 安岡章太郎 庄野潤三 丸谷才一 長谷川四郎 でもどれも面白く入り込むことが出来た。

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    投稿日: 2009.04.12
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    読んでいるうちに、うわーっとなって、自分も短編小説が書きたくなりました。 いくつもいくつも、「気付き」の種が仕込まれていて、ドキドキします。 創作を目指している人なら、読んで損はないと思う。

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    投稿日: 2008.12.07
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    タイトル通り、村上春樹が推薦する作家の著書を紹介する内容。 村上春樹の視点から吉行淳之介、小島信夫らの小説、小説の背景を紹介している部分も大変興味深いが、本の前半で書かれている村上自身の短編小説に対する考え方、取組方が非常に勉強になった。 『僕は自分自身を、基本的には長編小説作家であるとみなしています。僕は数年に一冊のペースで長編小説を書き(更に細かく分ければ、そこには長めの長編と、短めの長編の二種類があるわけですが、)ときどきまとめて短編小説を書き、小説を書いていないときはエッセイや雑文や旅行記のようなものを書き、その合間に英語の小説の翻訳をやっています。考えてみれば(あらためてそういう風に考えることはあまりないのですが)守備範囲は広いほうかもしれません。ジャンルによって文章の書き方も少しずつ変わってきますし、長編・短編・エッセイ・翻訳、どの仕事をするのもそれぞれに好きです。要するに早い話、どんなかたちでもいいから、文章を書くという作業に携わっていることが、僕は好きなのです。また、そのときどきの気持ちに応じて、いろんなスタイルで文章を書き分けられるというのはとても楽しいことだし、精神バランスの見地から見ても、有益なことだと思っています。それは身体のいろんな部分の筋肉をまんべんなく動かすのに似ています。』(P7-8) →村上春樹の文章のバランスはここから生まれているのだと感じた。 『「本当に素晴らしい、見事だ」と思える作品は、おおまかにいって(個人差はありますが)十にひとつ、五にひとつくらいのものかもしれません。』 『何から何まで傑作を書くことなんて、どんな人間にもできません。波があって、それが上がったり下がったりします。そして波が高くなったときに、そのタイミングをつかまえて、いちばん上まで行くこと、おそらくそれが短編小説を書くすぐれた作家に求められることです。(略)逆の言い方をすれば、作家は短編小説を書くときには失敗を恐れてはならないということです。たとえ失敗をしても、その結果作品の完成度がそれほど高くなくなったとしても、それが前向きの失敗であれば、その失敗はおそらく先につながっていきます。』 本を読むときに大切なこと 『ひとつは何度も何度もテキストを読むこと。細部まで暗記するくらいに読み込むこと。もうひとつはそのテキストを好きになろうと精いっぱい努力すること(つまり冷笑的にならないように努めること)』

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    投稿日: 2008.11.05
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    村上春樹による幾つかの短編小説のレビュー。この種の本にしては珍しく、さしたる興味もない読者にも原著に興味を持たせるだけの力はある。しかし、悲しいことに、実際に原著を読むと、この本よりも何倍も楽しめるのだろう。そのあたりがこの種の本のジレンマである。

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    投稿日: 2007.10.10
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    実際に紹介されている小説を読まないとこの本のよさはわからないかも。個人的には読書案内系の本は好きではないかも。

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    投稿日: 2006.03.14
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    以下で言及しています。http://blog.livedoor.jp/subekaraku/archives/7853213.html

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    投稿日: 2006.01.21
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    吉行淳之介や丸谷才一をはじめとする7つの短編小説を、長編作家である春樹が講義風に解説している点がおもしろい。読んだことのある作品については新たな見方ができるし、読んだことのない作品についても、読んだ後に解説を読めば、自分の視点に春樹の視点を重ねて、その相違を楽しむことが出来る。

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    投稿日: 2005.12.16
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    つい先ほど読み終えました。今後、戦後小説についての感想がやたら増えたら、それはきっとこの本のせいです。「自分の読書に対する姿勢が稚拙なんじゃないか」と少し心配になってしまう―「正しい読み方」なんて存在するはずがないのに―それ程感心してしまいました。『ノルウェイの森』がバカ売れした時期の状況を吐露している箇所も見受けられて、興味深いです。

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    投稿日: 2004.11.01
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    村上春樹による本の解説。数人の著者についてアメリカで講義した内容に基づき日本で座談会を行ったものを本に起こしたものらしい。 文学についての村上春樹の姿勢や、短編小説を書く上で各作品の著者がどう考えて書いたかがわかるような内容になっている。文章を書く人間にとってはよい教科書になるのではないかと思う。

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    投稿日: 2004.10.23