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九尾の猫〔新訳版〕
九尾の猫〔新訳版〕
エラリイ・クイーン、越前敏弥/早川書房
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総合評価

29件)
3.7
5
11
8
3
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『十日間の不思議』事件でダメージを受けたエラリイが復活するまでが割りと早い。あまりウジウジされても困るので良かった。事件解決後に再び心にダメージを受けたエラリイに与えられたセグリマン博士の言葉が良い。事件の展開は面白い。被害者たちの共通点が明かされるあたりから盛り上がってくるな~。他のクイーンの作品も新しく読みたいな。

    0
    投稿日: 2025.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作「十日間の不思議」 (https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4150701547) でエラリー・クイーンは、素人探偵としての問題に直面する。「今後は探偵の仕事は受けない」とまで揺るがされたエラリー・クイーンは、再度事件に向かい合うのか。 そんなエラリー・クイーンが戻ってきたNYを揺るがす大事件が勃発する。マスコミによって「猫」と名付けられた連続絞殺魔が跋扈しているのだ。 ニューヨーク市警は、リチャード・クイーン警視を捜査責任者に任命した。どうやら息子のエラリー・クイーンの手助けを頼みとしているらしい。 父からも捜査協力を頼まれたエラリー・クイーンは、これ以上の被害を食い止められるならと、ついに協力することにした。 これはNYの街がよく書かれている!そして連続絞殺魔被害を煽るマスコミ、不安から野良猫を殺したり暴動起こす市民、それを抑えようとするけども責任も逃れたい警察や政治上層部もよく書かれている! 警察やNY議会が市民に説明会を行うんですが、その途中でパニックが起きてそこから大暴動に勃発するんですよ。この描写の迫力。そしてコロナの時の、説明やら外出控えようね発信とかの頃を思い出しましたよ。 エラリー・クイーンのジレンマも「綺麗に解決してお悩みスッキリ消えました☆」ではないところがまた良かったなあ。 この気持ちを持ってこれからも捜査に関わっていくんだろう。

    40
    投稿日: 2025.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    出だしから既に5人も亡くなっていてその後もどんどん殺されていき、題の通り9人殺されるのだろうかと面白かったのだが、真相が微妙だった。 この人が怪しいと見せかけてからの、実はこの人と最も親しい存在のこの人!というやり方は良かったが、これだけ長編な割には、もっと犯人の考え方や生い立ちなどをがっつりと説明して欲しかった。

    18
    投稿日: 2025.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長すぎた感が拭えない。序盤から博士は犯人ではないんだろうな、とすぐに分かる。真犯人は誰?と探して、いざこの人です!と言われても、よく知らない人だしうーーんとならざるを得ない。 題名が『九尾の猫』なのも良くない。確かにまとまっていてクールだけれど、何人殺されるのか分かってしまい、緊張感が薄れた。原作通り『Cat of Many Tails』のままで良かったのではないか。

    0
    投稿日: 2025.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ニューヨークで発生した連続絞殺事件。被害者に共通点はなく、捜査は難航する。そんな中、市長直々に特別捜査官の任務を拝命するエラリー。一人また一人と犠牲者が出る中、分かったことはターゲットの年齢がどんどん若くなっているということだけ。 遅々として進まない捜査に業を煮やした市民は自警団を結成、混乱状態に陥ったニューヨークはさながらゴッサムシティ。 エラリーはついに、犠牲者たちがみな同じ産婦人科医カザリスによって取り上げられていたことを突き止める。カザリスは、犠牲者の近親者として警察に接近していた人物でもあった。逮捕されたカザリスは全てを自供するが、実は一つ目の事件の際にはアリバイがあった。カザリスは妻を庇っていたのだった。カザリス夫妻は二度、子どもを分娩室で亡くした過去があり、そのときの産婦人科医はカザリス自身だった。夫人は子どもを失ったショックから、「なぜ夫は他人の子どもは取り上げることができるのに、自分たちの子どもはできなかったのか」という思いに囚われるようになり、カザリスが取り上げた子どもたちを順に殺害していくようになったのだった。 クイーン作品は限られた範囲内に容疑者候補がいて、論理的な推理と消去法を駆使して犯人を突き止めるのが基本スタイル。なので、このような劇場型無差別連続殺人は珍しい。ある大御所作家の名作を想起した読者も多いはず。実際に、この作中でもその法則について言及されている。 犠牲者の女性はなぜみな独身なのかという点が、カルテと電話帳を照らし合わせてターゲットを探す際、結婚すると姓が変わり見つけられなくなるから、というクイーンらしい論理的な推理には脱帽。 犠牲者やその近親者は無辜の市民で、それだけに事件に巻き込まれ悲しみに暮れる様子に胸が痛む。登場人物を単なる推理の駒以上に描くエラリー・クイーンの技量がなせる業。 犠牲者の近親者であるセレストとジミーも魅力的なキャラではあるものの、自分から申し出ておいて自分勝手なことを言うジミーは正直あまり好きになれなかった。

    2
    投稿日: 2025.03.11
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    なんだか釈然としないまま終わるなと思ったら、そういうことかという結末だった。総合的にはもちろん面白かった。犯人像も動機も悪くなかった。が、伏線の要素が弱かった気がする。あまり手掛かりの無かった状態から、ある情報の発見で急展開を迎えるので、細かいことを言えばちょっと強引に感じなくもなかった(事件の性質上そうならざるを得ないが)。

    0
    投稿日: 2024.12.02
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    時々、こういう古典を読みたくなる。 エラリーとクイーン警視父子のやりとりが好きで読んでいるようなもの。 事件のトリックとか謎の解明の方法とか今読むとなんだかなという感じになってしまう。 個人的には、もっと安楽椅子探偵っぽいのが好きだ。なので、本作のように、事件がニューヨーク全体を恐怖に陥れる描写や、事件解決のために一般女性に危険な囮捜査をさせたり、最後は高名な学者に会いにウィーンまでいって精神医学的議論の上事件の真相を明らかにしていく流れは、読んでいて疲れる。 真相を知っても、勝手なエラリーのこじつけのようにも感じ、なるほど!とはならない。 でも、いいのだ。 あの二人の会話、醸し出す空気感を楽しめたのだから。

    25
    投稿日: 2024.08.05
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    エラリークイーン創作の秘密を読むために、本の中で言及される本書を読んだ。特別クイーンが好きってわけではないので作品自体の評価はうーんってかんじ。変にもったいぶらずに、もう少し周りと意見のすり合わせをすれば防げた事件もあったのではと思ってしまう。作家が自問自答しながら書いている印象を受けたので、創作の秘密を知るともっと評価が変わるのだろうか。

    0
    投稿日: 2024.03.18
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    第二次世界大戦後の航空移動の大変さと理不尽さが伺えた。ビザの発行が降りなかったり、チケットが簡単に購入できない、行き先を指定できない、一番驚いたのが、要人が搭乗したら強制的に降ろされて、空港で泊まらないといけない。考えてみたらまだ世界の政情が不安定で、飛行機飛ばしたら追撃される可能性も高かったのだろうと想像できる。

    0
    投稿日: 2023.11.29
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    原題 CAT OF MANY TAILS Ellery Queen 1949 このままで終わるのか、裁判か。お。 荘厳なエンディング。どうだ、こうか。 奇妙な違和感。 大勢の兄弟。常に妊娠していた母。 自分の子供は二人も死産。 誰が犯人なんじゃ。ああ。 こんなミステリー、小説、本を読むために読書してるんだ。もっと、楽しい読書をしなくちゃ。できるだけ(生きて読書できるだけ)楽しむぞ。素晴らしい、作品。 ぼっとしている時間はない。どんどん読み進めよう。楽しもう。

    0
    投稿日: 2023.11.16
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    面白かった!! 表現が詩的なところもあり、皮肉たっぷりのところもあり、読み物としても楽しい。悩めるエラリィを応援したくなる。 犯人は途中でそうかなぁと思ったけれど、分かっても最後まで一気読みさせる。

    1
    投稿日: 2023.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2作続けて苦い終わり方だ…と思ったら救済もあった 今作は人間ドラマ的な面とミステリのバランスがあんまり好きじゃないかも おもしろいから読めるんだけど

    0
    投稿日: 2023.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「災厄」「フォックス」「十日間」と続けて読んできたけども、なんで、こんなに、陰鬱な雰囲気なの……。読後感はあまりすっきりしたものではありませんでした。

    0
    投稿日: 2022.12.17
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    ニューヨークで次々に起こる連続殺人事件、すでに5件起きていて、手がかりも目撃者もいない。 死体に巻き付くタッサーシルクの紐のみが共通していた。犯人は老いた精神科医とされたが、担当者は今一つ納得いかず、ついには妻が犯人と行き着く。 後半は展開がまどろっこしい。読み進んでいくのにワクワク感がなかった。

    0
    投稿日: 2022.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    共通点の無い連続殺人事件の被害者たちの深まる謎の数々。姉が殺されたことにより財産分与が多くなる二人の人物の事件への関わりでまたもや深まる謎。 エラリー・クイーンの推理力と洞察力により微かな手がかりを見つけるが、おとり捜査による失敗。 真犯人と思われる人間を拘束した後のエラリー・クイーンの懊悩… 古典とも言われるこの一冊だけれど、何故だか犯人の異常性に現代も納得させられる一面もあり、長編なのにページを捲る手が止まらなかった。

    4
    投稿日: 2022.08.24
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    エラリークイーンの国名シリーズを読み終えたので、他の作品もと読んでみた。連続殺人。混乱する市民。犯人を特定するにあたった推理。ミステリーファンにはたまらない作品だった。

    1
    投稿日: 2022.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『十日間の不思議』で辛い挫折を味わったエラリイが、NYに帰ってきて、父クイーン警視や市長たちに請われて連続絞殺魔と戦う。 ライツヴィルという田舎でのじっとりした人間関係の中の殺人と、ニューヨークという世界屈指の大都会で、被害者同士の繋がりさえ見えてこない連続殺人。 一人で推理し戦ったライツヴィルと、警察組織がバックにつき、警視やヴェリーや、途中からは被害者遺族まで加わって捜査にあたるニューヨーク。 いろんなことが対照的でとても面白かった。 ミッシングリンクものは、たくさん死ぬ割にその繋がりを探すというところでどうしても足踏みしがちで、読んでいて途中だれてしまった。 被害者の数もちょっと多すぎるような…でもだからこそ面白い真相でもあり…。 最後の事件のあとは息もつかせぬ面白さで、やっぱり論理的な解決、伏線が綺麗に回収されていく爽快さは素晴らしかった。 エラリイの挫折と癒しについては、うーん、どうなのかなぁ、という気持ちも少し。 このあとは何に繋がるのかな

    2
    投稿日: 2021.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    レーンシリーズより面白かったと思う。 カザリス逮捕の時点で7割ほどの進捗だったのでこの後どんな展開かと思ったら、セレストとジミーの結婚、動機の追求、そして真犯人解明と最後の最後まで楽しめた。 ただ、犯人が女性だったが、細い紐で抵抗されず男を殺せるものだろうか?そう考えてカザリス夫人を犯人候補から退けていたので、やや疑問が残った。

    2
    投稿日: 2021.09.07
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    ライツヴィルシリーズの「十日間~」の次にエラリーが取り組んだ事件。いやあどこをとってもお見事。 ライツヴィルでの苦い挫折の経験を経て、探偵の真似事を辞めると宣言したエラリー。彼を再び事件の現場へと引き戻したのは、ニューヨークでの無差別連続殺人事件だった。 郊外の都市で起こったライツヴィルの事件とは異なり、大都会NYでの事件の描写、特に市民が自警団を編成してパニックから暴動へと至る流れが、ここ2年のコロナでのパニックを見ていると頷ける所が多くて面白い。そしてさらに、探偵の背負う「業」について、精神科医と語り合うところ、シビれました…。

    4
    投稿日: 2021.06.01
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    ニューヨークを舞台に連続絞殺事件が起こる。手がかりもなく、目撃者も容疑者もまったくいない。“猫”と呼ばれる犯人が残したものは死体とその首に巻きつけたタッサーシルクの紐だけだった。前の事件で自信を無くしたエラリーは、関わり合いになりたくないと思うが、周囲の勧めもあって調査に乗り出す。 エラリーの落ち込み具合がひどく、事件解明も遅々として進まずもどかしい。 次に誰が殺されるのか、被害者の共通点がわからずパニックを引き起こすような連続殺人事件。そして殺害動機。昔の作品なのに、古さを全然感じない。

    2
    投稿日: 2020.10.29
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    エラリィクイーンの作品群でも人気の作品なんでワクワクしながら読んだら……肩透かしだなぁ。 悲劇シリーズよりさらに、なんちゅーか、肩透かし感。 どんでん返しは悪くないけど(残りのページ数的にこれで終わるわけないとは思った)そのあとが後味悪い……いやまぁ、本人たちにはそれが一番なんだろうけどさ。 で、エラリィがまた暗いんだよ……ぐちぐちぐちぐち。クイーン警視に頼りながら偉そうで……うーん、好きになれない。 災厄の町も読もうかと思ったけど、もういいかな。

    0
    投稿日: 2020.06.21
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    (電子書籍)とても面白かった。私にとってこれが初エラリイ・クイーンなので、これを読んで良かったと思った。 正体不明の殺人鬼『猫』によって不安にさせられ混乱する市民はまさに現在のコロナショックと重なり、それもとても興味深かった。 これが初めてなので詳細はわからないのだが、これより前に挫折を経験したらしいエラリイ。シリーズの途中でそんな一面を出されると、次より前が気になるというもの。それが少し悔しいが読むと思う。

    0
    投稿日: 2020.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「九尾の猫」読了。エラリー・クイーンお初。で、最後かと思う。探偵と周囲の人物に個性がない。妙に詳しく語る部分と語らない部分の配分がオカシイ。粗筋だけ箇条書きにすると推理としては悪くないのだろうが、上記から読み物としてつまらない。プロットはイイが作家としての力量に劣ると読んだ。残念。 プロットやトリック、着眼点が良くても、登場人物に魅力がなかったり、書きたいところだけ書いて、書きたくない(思いつかなかった?)ところは飛ばす、という風にすると、そんな作風と思われて、折角のラストがイマイチになっちゃうんだなぁと。物書く人間として覚えておこう。 --- 「九尾の猫」読了。エラリー・クイーンお初。500ページ弱。二人の従兄弟が探偵と同じ名義で共著している。同作者の別の探偵ドルリー・レーン(元俳優、聴覚障害「Xの悲劇」等)と混同していた。エラリー・クイーンは父親が警視で作家。きちんと覚え直したい。ついでにドルリー・レーン物も読みたい。 141頁までの4つの謎は推察できた(というか、私は冒頭から5つめの謎があると思ってるが)。でも、一人(5つめの謎が当たっていれば二人)しか怪しくないし、そも動機が全く謎だ。うーん。 上のこの私の謎解きはある意味正しかったのだが、また大はずれでもあった。謎解き失敗で悔しくないのは提示された材料がね、で「しょうがないか」と思ったから。そも、なぜ「猫」なのか?が明かされない一番の謎だ。後から付け足しみたいに猫が補足されるけど、弱い。夜行性動物なら何でも良さそう。 269頁。それはズルくないか?確かに怪しいと思った人物だし、4つの謎が解けるっちゃ解けるが。うーん。。。でも、そうか。4つの謎が一度に解ける方法としてはこれしかないか。(5つめの謎は私の考えすぎだった) 謎解きはいいとして、探偵と周囲の人物に個性がないなぁ。後半ある一家の詳細を突然語り始める意図も分からない。単なるページ稼ぎ?犯人が捕まってからも冗長。と思ったら、動機としては納得がいくが、犯行可能か?と言う事に対して多いに疑問。 粗筋だけ箇条書きにすると推理としては悪くないが、読み物としてつまらない。 うーん、うーんと「九尾の猫」パラ見、読み返し。当時はサイコパス、シリアルキラーの発想は新しかったんだろうしなぁ。それにしたってなぁ。冗長で寸足らず。ワイン一杯分熟考予定。誰か読んだ人と語り合いたいよ。ダンナは絶対読んでくれんもんな。 うん。やっぱ、長々と述べてる割に動機(もしくは異常性)が弱い。犯人が理不尽に時々超人。用意周到なようで稚拙と犯人像が一貫しない。犯行に無理がある場面アリ。推理劇や人間劇も盛り上がったり盛り下がったり浮き沈みを繰りかえす。バランスが悪いなぁと思う。この判断に悔いなし。

    0
    投稿日: 2020.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    作者の代名詞である理詰めのロジックで勝負する物語ではなく、事件の背景にある関係者の心理分析に力点が置かれており、真相の意外性もあるし、物語としての深みを感じさせる作品であった。 (以下、物語のあらすじに触れています。) <猫>と名付けられた犯人による連続殺人事件が5件続き、エラリイに出馬が要請され、捜査に当たるものの、さらに4件の殺人が続き、なすすべもなく、焦燥に駆られるエラリイ。一見、無差別連続殺人と思われた事件だが、エラリイの分析によって、その特徴が次第に明らかにされていき、物語の約半分ぐらいのところで、被害者間の意外なつながりがわかり、重要な容疑者が浮かび上がる。 無関係と思われた被害者がつながる条件や、女の被害者がすべて未婚だった理由はなかなか面白い。残りのページ数から判断して、このままで終わるわけがないと思い、根拠はなかったが、容疑者以外の別の犯人を想定してみた(結局はずれで、犯人は別の人物であったが)。 エラリイは、容疑者逮捕後も真相を見誤っており、ある事実を知ることで自分が間違っていたことに気づく。前提が崩れたことで、容疑者の取った行動や容疑者の過去の出来事を再検討し、心理分析を行うことで新たな動機を発見し、その動機と、犯行の実施可能性から真犯人を特定する。 精神病医との対話の中で語られる犯行の動機、その背景にある関係者の心理分析は読み応えのある内容であった。 また、エラリイが自分の探偵としての無力感に捉われるラストの場面も印象的であった。

    0
    投稿日: 2018.05.08
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    エラリーこんなにうじうじしてたか?!って思いつつ。 最後の結論を出すところが少しモタモタして感じられたけど、気になって一気に読んでしまった。 エラリーが自身を失った事件を読んでいないので、読みたくなった。

    0
    投稿日: 2017.10.27
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    久しぶりのクイーン。ちょっと違う感じがするのは彼のせいか、私が歳をとったせいか… 彼女にそれだけの事が本当に出来たのかという疑問が私には残っている。

    0
    投稿日: 2015.10.26
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    これも驚きのエラリークイーン。 シリアルキラーの先駆けらしい。 クイーンを順番に読んでみたくなった。 2人の作家って、やっぱり特殊だな。

    0
    投稿日: 2015.10.25
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    「猫」と呼ばれる絞殺魔が出現し次々に絹紐で殺人を犯す、という物語の骨組みや、犯人の動機を精神分析からアプローチしていくところはサイコ・スリラーの先駆と言えますし、「なぜ被害者の年齢が若くなっていくのか?」、「なぜ既婚女性は狙われないのか?」、「なぜ電話帳に記載されている人ばかり狙うのか?」という謎が結びつく真相は鮮やかで、ミッシング・リンクものとしても秀逸です。スランプの名探偵が復活するまでを描いたドラマ的な側面もあり、非常に高い水準で纏っている作品だと思います。 ただ、全体的に冗長気味なのと、容疑者が少ないためどんでん返しが分かり易いのが残念です。

    0
    投稿日: 2015.09.24
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    ニューヨークで起こった連続絞殺事件に挑む名探偵エラリイ・クイーンたちの活躍を描くミステリー。  エラリイ・クイーンといえば本格ミステリ、というイメージが強かったのでこうしたシリアルキラーものの作品は意外でした。展開もロジックというよりかは、警察の粘り強い捜査や囮捜査などが中心となります。ミステリ要素として強い印象に残ったのは、バラバラに見えた被害者のミッシング・リンクが明らかになるあたりでしょうか。  動機や精神分析的な推理が今の時代から考えると、ベタに思えてしまったのが少し残念…。今回の作品の肝となる部分なので、もう一歩何か欲しかったかなあ、と読み終えて少し思いました。  そしてこの作品で印象的なのは、エラリイの苦悩。数年前に『エジプト十字架の謎』を読んだときは、エラリイは完全無欠の名探偵といった印象なのですが、この作品ではそのエラリイの苦悩が強く描かれます。  そうしたエラリイの人間的な変化もまた一つの読みどころなのかと思います。

    0
    投稿日: 2015.09.09