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ユダの窓
ユダの窓
カーター・ディクスン、高沢治/東京創元社
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総合評価

26件)
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    序盤は読み進めるにつれて不可能性が増していく。 しかし後半はそれがどんどん崩れていく。 そしてトリック及び犯人の意外性。 最高に面白かった。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリ好きの端くれとしてディスクン・カーぐらいは読んどくかぁ、と思い手に取ったら…めっちゃ面白いじゃんコレ! 法廷弁護士であるヘンリ・メリヴェール卿の(特徴的な)キャラクター、開始数十ページには「解決編」に入っているところ、そして意外な密室トリック…。 世代としては『逆転裁判シリーズ』に近い構成だと感じたけど、まぁ元ネタがこっちなんだろうね。 つか『ユダの窓』は単に加害者が知っている穴ぐらいの認識だったけど、ヒューム翁を裏切った犯人が作り出した穴というダブルミーニングだったのだな。このネーミングセンスすごい良い。 古典と思い侮っていたけど、いや普通に面白かったなぁ。カーの作品は他にも読んでみていいかもしれない。ミステリ好きにはオススメです。

    0
    投稿日: 2024.08.18
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    密室といえばカーター・ディスクン。 その中でも評価の高い一冊。 密室殺人の被告を弁護する法廷もの。証言や証拠から謎を解き明かしていく。 ネタバレになるのでなにがとは言わないが、個人的には小説で読むより映像化された方が面白いんじゃないかと思った。 解決編はなるほどと思わせられる。 熱狂的なファンも多いカーター・ディスクンだが、個人的に本作品のハマり具合はまあまあ。

    0
    投稿日: 2024.07.04
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    法廷もののミステリは初だが、他にも読んでみよう!と思わせられる名作。 証言等から一つずつ真実が明らかになっていく過程は、幾分ゆったりとしていながらも非常に爽快。探偵役であるH・M卿のキャラクターは好みが別れやすい気もするが、自分にはぴったりだった。 ただし物語の時代上、現代日本ではあまり見かけない、サイフォンやエール錠等のアイテムにより、情景が少々思い浮かびづらい点がやや難点かも。

    0
    投稿日: 2024.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    綿密に作られた法廷劇。 タイトルがすべてを表していて、とても秀逸。 HM卿が出てくる作品をもっと読みたくなりました。

    1
    投稿日: 2024.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んだあぁ 読んだことを褒めたい イギリス人の皮肉なユーモアが理解できるから日本で見る笑いの感覚と近いのかな とにかく法廷で事実を整理していくっていうミステリーは初めて読んだ

    0
    投稿日: 2024.04.29
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    初めて、メリヴェール卿の話を読んだ。 (語尾「〜じゃ」の訳し方は少し気になったものの)「このシチュエーションがひっくり返るの?」と思っていたが、ひとつずつ論を重ねていき、ひとつずつひっくり返って行く法廷ミステリー、存分に楽しめた。 ケータイもパソコンもない時代のミステリーの方が好きかなぁ。

    0
    投稿日: 2023.10.29
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    本格ミステリ感は薄かったけど、逆転裁判みたいにスリリングですごくおもしろかった。 法廷ものやカー作品をもっと漁ってみようかなという気持ちになった。

    1
    投稿日: 2022.03.31
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    プロローグの事件時の被疑者視点以外は殆どが法廷でのお話。トリック(有名ですが私は結び付かなかった)を楽しむより法廷ミステリとしてとても楽しめました。プロローグで引っ掛かる点があったこともありグイッと掴まれて、あとはH・M卿の弁護に圧倒されながらぐいぐいと読み進めていきました。見えているものが見えている通りでなかったり、少し遠回りすることで優しさを感じたり、人間関係の浮き彫りになっていくところも素晴らしかったです。また巻末の瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久4氏のミステリ談義が本当に楽しそうで素敵でした。

    1
    投稿日: 2019.06.14
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    【オールタイムベスト級の傑作】というオビほどかどうかはともかく、ユダの窓がアレだったかはわからなかった!犯人も登場人物は少ないものの誰もがそうなようでそうでないようで。 カーのストーリートテラーぶりが冴え、たまに鼻につくファースぶりも抑えられた愉しめる一冊。 巻末座談会も興味深いが、ワク内の鏡氏コメントにある「カーはもうほとんど読まれなくなっている」ってホント?ホントなら残念。カーはばかばかしいのが沢山あるけど、面白いよ!

    1
    投稿日: 2019.05.06
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    事実が2転3転する法廷劇。魅力的なキャラクター。そして『密室』への挑戦。 読者を驚かしてやろうというような、作者の悪戯心が見えるような楽しい作品。 加えるなら、巻末の座談会が豪華すぎて素晴らしかった。

    1
    投稿日: 2019.03.20
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    【ミステリーの古典名作を今さら読む】 いや、これ、好みです。 カーの怪奇趣味な味付けは全くない(「密室」という謎はありますが)、法廷でのやり取りを主とした異色作な訳ですが、なかなか面白く読みました。 カーは以前は翻訳の悪いものが多かったようで、私も若かりし頃に数冊読んで「どうも読みにくい」と感じ、ほとんど面白さが分からなかったのですが、その後「新訳」が多く出て読みやすくなっていますので、「今さらながら」読んでみようと思う次第です。

    1
    投稿日: 2018.03.27
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    言わずと知れた有名作。でも読み始めてすぐに事件が起こって、あとは法廷シーンばかり。ってので派手な演出のミステリが好きな私としては、ちょっと退屈かなあ、なんて思ったのですが。いやいやこれがものすごく読まされました。さすが。 単に密室の謎を解くだけにあらず(正直、この密室トリック「だけ」ではそれほど驚愕もしないんだよね)。すべての事象の検証から導き出されると真実の数々。まさかそんな齟齬があっただなんて! 次々出てくる新たな証言と証拠に頭はぐるぐる、それでも不思議と謎は少しずつ解きほぐされてきて、なるほどこれこそ本格ミステリの楽しみだよなあ。

    1
    投稿日: 2017.08.16
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    結婚予定の女性の父親に呼ばれて訪問したところ、薬物で眠らされ、目が覚めるとその父親が密室状態で殺されていたために、殺人の疑いをかけられたアンズウェル。ヘンリ・メリヴェール卿が被告側の弁護人となって、疑いを晴らし、無罪を勝ち取っていく話。 密室殺人の大家カーの作品の中でも有名な密室トリックが使われている作品として評価が高いが、オカルト趣味は見られないし、ほぼ全編にわたって法廷を舞台に弁論が繰り広げられるという、作者としては異色の作品。 ヘンリ・メリヴェール卿が「ユダの窓」と呼んだ、意表を突く密室トリックは確かに秀逸。ただし、このトリックは個人的嗜好からは外れているので、それほどの面白味は感じられなかった。それよりも、"行き違い"を巧く利用して出来上がった、事件発生時の不可解な状況が面白いと感じた。また、その"行き違い"に気づいたり、スーツケースの置かれていた場所に違和感を感じたり、スタンプ台が見つからなかった理由を推定するなどによって、組み立てられたヘンリ・メリヴェール卿の推理には感心した。しかしながら、被害者の父親がやろうとしたことは不自然であり、無理を感じる。 なお、本作品の密室トリックは、講談社BLUE BACKS「推理小説を科学する」で図入りで詳しく説明されている。

    1
    投稿日: 2017.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めてのカー。H・Mのキャラがとても愛らしく、頼もしい。密室に慣れていないので差し鍵、エール鍵、両開きのシャッター、といったもののイメージが難しかった。最初は圧倒的不利だが、証拠や証人が簡単に見つかり、相手方もあまり手強くないためか、ハラハラドキドキというより逆転劇を楽しんで観戦する感じ。 ユダの窓の正体には、なるほどそこか!と思いつつ、そんなにうまくいくだろうか・・・という気も。さすがに羽が残っていたのは逆に運が良すぎるのではないかとも思うが、まあ小説だし十分楽しめたので文句はない。

    1
    投稿日: 2017.02.18
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    婚約者の父親に会いに行った男が 出されたグラスに口を付けると 途端に気を失った。 気がつくと目の前には父親の死体。 完全な密室で起きた事件。 法廷ものはあまり好きじゃない。 動きが少なく、 ほぼ法廷の中でのやりとりだけで 話が進んでいくのはどうもつまらない。 この作品も序盤はひたすら耐えた。 そして、中盤、H・Mが 本領を発揮し始めた頃、 興奮でページを捲る手が 止まらなかった。 英国紳士の常識を覆すH・Mの キャラクターが実に愛らしい。 トリックはいかにも古典的な 香りのするシンプルなものだったが、 だからこそ現代ミステリに慣れた 私には斬新で驚きの仕掛けだった。 次々に予想外の展開、 予想外の人物の登場で 飽きる間も無く読み終えた。 これはシリーズ全てを 読まないといけないと確信する 素晴らしい作品だった。

    1
    投稿日: 2017.02.15
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    法廷・密室ミステリの傑作として名高い本作、 中学の時にハヤカワで読んで以来の再読ですが、実は初読時はさほど感激もせず、むしろその後著者の作品と疎遠になるきっかけとなってしまった作品でした。 で、久々に再読してみたのですが…う〜ん…やはりあまりのめり込むことは出来ませんでした… いや、ミステリとしてはよくできてるなと、やっぱり御三家は違うな〜などと感じます。 では、個人的に問題だったのかというと、それはお話の語り手が事件と何の関係もない第三者であることが大きな要因であるように思います。 そのため、単純な感情移入による読書では、どうしても物語にのめり込むことが出来ませんでした。 もし視点人物が、被告人、あるいはそれに近しい人物であれば、もっと印象が変わったように思います。それこそ、幻の女ばりのサスペンスが出たかもしれません。 ですが、これが著者のミスかと問われれば…それは違うのではないでしょうか。 むしろ、あえて感情を押し殺した作風にし、事件が解決される過程に読者を集中させるという、作者の意図を感じます。 そして今回は、私個人としてそれにイマイチ乗ることが出来なかったな〜、というのが実情でしょう。 ですから、月並みですが、合う人は合うし、合わない人は合わない作品、というのが私の個人的な感想となります。

    0
    投稿日: 2016.05.01
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    夢中で読んだ。情報の出し方がうまく、ページを捲る手が止まらない。トリックは今となってはさほどでもないが、「ユダの窓」というキーワードは外連にあふれて魅力的。

    1
    投稿日: 2016.04.09
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    初読の時のビックリした感じ、再読では薄れてしまうのかと思ったが、どうしてどうして~新訳のせいか読みやすくカーの持ち味を生かした段割りのお陰で途中で本を離すわけにはいかなかった。 でも時間がかかってしまったのは丁寧に読み込んだから。(常々私にはこの丁寧さが足りないと思ってるが) これを機会にまたカーの世界に浸りたいと思ったけれど、解説にあるとおり当たり外れがあるので二の足を踏んでいる状態。いくつか読んだけどイマイチ分からないのもあったので。(当たり外れと言っても良かったんだ~)

    3
    投稿日: 2015.11.29
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    密室の中で、胸にアーチェリーの矢が刺さった死体と気を失っている青年。状況証拠も完璧でどう考えても有罪と思われる弁護をヘンリー・メリヴェール卿が引き受け、様々な解釈を積み重ねて密室トリックを暴き無罪を勝ち取る法廷劇が秀逸です。オールタイム・ベスト級の傑作というのも頷けます。 「ユダの窓」を用いた有名な密室トリックは、不可能状況は魅力的ですが成功率は低そうですし、犯人はどのようにして被害者の目の前から凶器を持ち出したかに対する解答はあまり納得出来ず、やや消化不良です。

    1
    投稿日: 2015.10.11
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    出だしから中ほどまでは淡々と語られ、それほど大きな振り幅はないのに、なぜか面白くて読まされてしまう。トリック云々よりも、構成の巧みさとキャラクター造型に舌を巻く。 座談会、解説も含めて、こういう作品は読み継がれるべきだと思う。

    1
    投稿日: 2015.10.09
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    カーの名作というので読んでみた。 密室トリックというのだが、やや強引な気が。 というか、密室モノというのはトリックが練ってあればあるほど醒める気もする。 たぶん、推理小説が好きな人向けの小説なんだろう。 たぶん。

    0
    投稿日: 2015.10.03
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    推理小説の傑作。これぞミステリー、これぞ謎解き。久々に最後まで興奮しながら読んだかも。とにかく展開が絶妙。

    1
    投稿日: 2015.09.19
  • 痛快な逆転劇が楽しめる傑作

     本格ミステリの巨匠・ジョン・ディクスン・カーの代表作の一つ(というか、カーター・ディクスン名義ではたぶん一番有名な作品)が創元推理文庫で登場です。裁判で殺人事件の被告を弁護することになった名探偵ヘンリ・メリヴェール卿ですが、状況は圧倒的不利。プロローグの描写で読者には被告が犯人ではないはずと分かっていますが、裁判が進むにつれ、ますます被告以外に犯行は不可能なように見えてきます。もちろんこのまま裁判に負けては話にならないので、後半逆転劇があるのですが、不利な状況をひっくり返していく手腕が素晴らしい。痛快な気分が味わえる傑作です。  ただ、密室トリックが有名な作品ですが、それにはあまり期待しないほうがいいかも。昔ハヤカワ・ミステリ文庫版で読んだとき、正直肩すかし感がありました。いや、素晴らしいトリックだという意見もあると思いますが。  あと、ハヤカワ・ミステリ文庫で新訳するという話があるので、そちらで揃えたいという人は待ったほうがいいかもしれません。

    1
    投稿日: 2015.09.06
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    オールタイム・ベスト級の傑作 1月4日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため、恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった――。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。 座談会:ジョン・ディクスン・カーの魅力=瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久、戸川安宣(司会)/解説:本座談会と『ユダの窓』について=戸川安宣

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    投稿日: 2015.08.26
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    法廷ミステリー。最初に犯人ではないような事を匂わせる事を書いていたし、密室殺人事件の容疑者だが、本当は誰が黒幕か?動機は?と考えながら読み進めた。法廷物だから後から証人がいろいろ登場し、混乱させられるが、最後はスッキリ。まあまあかな。

    1
    投稿日: 2015.08.11