
総合評価
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powered by ブクログ当時の軍の体制 対応の遅さや認識の甘さ、失敗から学ばず手柄だけ強調するのは現代の日本企業にも共通する悩みでは 今の現場を見ず、上に阿て自分にとって都合のいい情報だけを盲信し、精神論だけで乗り切ろうとしていたのは、ある企業とも共通点を感じた これが軍の上層部 作戦を立案する部隊であったために、大勢の人がなくなった
0投稿日: 2026.01.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょっとメモ:著者が陸軍入営前、著者の父君と部下の話で「やはり山本(五十六)が癌か」って会話があって度肝を抜かれるほど意外だった。なんでも戦前既に航続力の短い陸軍機と長い海軍機を統合して適材適所で運用する空軍を作る計画が進行中だったのだあと一歩のところで山本が潰したのだという。 ちょっとメモ2:本書後半、筆者もまめ知識として話しているもの。軍や警察で手を顔の横に持ってくる敬礼の由来。フルアーマーの甲冑を身に着けた騎士が城(ブルク)へ戻ったとき国王や領主に報告するときバイザーを上げるときの仕草がもとになったという。それを上げないと顔がわからないゆえ。
0投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログ今の企業経営に通ずる、失敗の反省が描かれており、非常に参考になった。 米軍が分析している日本軍の5つの敗因は、自分たちの事業の失敗にもそのまま当てはまり、驚いた。
0投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログ陸大を卒業後に大本営参謀の情報部門になったがそもそもその手の教育が全く無く仕事しながら学習していく有様だったが成長して比島で山下大将の元では的確に情報判断していくなどした人物の大戦時から自衛隊時代の話。 情報戦に戦中戦後も力点を置かないのに嘆く感じ。 戦前戦中の対米情報収集が低過ぎて少ない人数だけ。しかも陸式だけで他との協調もなく。 戦中も自分の見たいものだけ、こうあってほしいという願望だけで情報を軽視し無数の血河を出しても敗戦まで追いやった教訓を活かせ。 常に多角的に情報を精査出来る国の統合機関の必要性を説いてたな
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ貴重な証言ではあるとは思うが、あくまでも著者の個人的・主観的な体験・経験に基づく叙述なので、その辺を割り引いて読む必要はあるとは思える。
0投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログ読書中、学びがあり過ぎた 自分のビジネス・業務に鑑みて発想が溢れ出まくる 付箋やメモが追いつかない 自分のキャリアに合わせて 定期的に読み返したい
0投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログ情報があふれる時代に生きる私たちは果たして本当に情報を活用できているのだろうか。かつて日本は「情報なき国家の悲劇」を味わった。大本営参謀だった堀栄三は自らの経験をもとに戦局を誤った背景には情報の軽視があったと指摘する。 彼が重視したのは敵の行動から実態を読み取る「状況判断」だった。しかし当時の日本軍は根拠なき精神論に頼り冷静な分析を怠った。その結果戦局は悪化し敗戦へと向かう。 情報が多いだけでは意味がない。大切なのは正しい情報を選び活用する力だ。 現代もまた情報戦の時代である。膨大な情報に振り回されず本質を見極める目を養うことが求められている。 戦争は銃や兵だけで行われるものではない。本書が照らすのは戦場の背後で交錯した情報と判断の現実である。 著者は大本営参謀として収集された情報がいかに歪められ都合よく取捨選択されていったかを淡々と記す。そこに英雄譚はない。あるのは組織の空気と責任の希薄さだ。 誤った前提の上で積み上げられる作戦は、やがて修正不能になる。情報は揃っていても読む力と聞く姿勢が失われていた。 この記録は過去の告白にとどまらない。情報過多の現代にあって、何を信じ、何を疑うか。判断の重さを静かに突きつける一冊である。
0投稿日: 2025.02.01
powered by ブクログ得るところの多い本だった。 「情報は手取り足取り教えてもらうものではなく、自ら学び取るもの」という筆者の考え方は厳しい。情報の収集と分析、レポートを業務としている自分としても、改めて痛感せざるを得ない。情報軽視が組織を滅ぼすという主張もその通りだろう。現状認識すら出来ずに散った歴史上の人物も多い。 情報が難しい仕事であるのは確かで、だからこそ重視され、優秀な人物を当てなければならない。向き不向きもあるだろうし、楽に答えを得られないことへの忍耐も必要だろう。 本としては、随所で筆者が「制限のある中で自分はよくやった」と言うのではなく、「十分な仕事ができなくて悲しい」と言うのが印象的だった。自責思考で、もっとできることは無いかと追求する意思を感じる。 自衛隊時代の話も面白い。信用を代償に情報を得るという考え方は、海外駐在をする人には参考になるのではないか。
0投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログ戦争中に情報参謀として、未経験からやり抜いた堀氏による戦記。情報をどう収集し、そこから本質をどう見抜くか、自分の仕事の向き合い方にも関わる一冊だった。
0投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ著者の堀栄三は太平洋戦争時に大本営陸軍部参謀として情報業務に携わった経歴を持つ人物で、本書は著者の実体験をもとに、情報との関わり方が書かれている。この本を読むと、情報収集のプロでさえも、必ずしも正常な判断を下せるわけではないこと、また時には職人芸のように肌感覚で正しい情報を得るという、非常に神経をすり減らす仕事だと理解できる。 本書で気になった箇所をいくつか取り上げると、まず土肥原賢二の人物像である。著者が陸軍大学校入試で悩んだ際に、著者の父親である堀丈夫が土肥原の私邸を訪問するよう勧めて、実際に私邸を訪ねた。そのとき、土肥原は特におごり高ぶることなく対等な関係で、著者に戦術のあり方を説いた。その教えはシンプルではあるが普遍的な思想を持っており、著者のその後の人生に影響を与えたことをふまえると、土肥原が指導者として十分に役割を果たしたことが今回わかった。そのためこの本を読む前と後で土肥原賢二に対する認識が変わった。 また、著者の陸軍大学校受験で、教官から問われた問題(いま上ってきた階段の段数を答える問題)が興味深かった。これはつい最近読んだスパイ小説『ジョーカー・ゲーム』で全く問題(こちらはスパイ養成機関の選抜試験であるが)であり、単なる知識の詰め込みでは対処できない、何気ない一瞬の場面を正確に伝える問題が本当に出題されたことがわかった。 冒頭で既に述べたが、情報を扱う仕事とは職人の仕事と共通点がある。著者は本書で主張するが、情報の仕事にマニュアルのようなものは存在せず、また直接誰かから仕事のノウハウを教えてもらえるわけではない。上司からのちょっとした言葉をヒントに、自分から主体的に学んで次第に経験を積まなければならない。これはたしかに弟子が師匠の背中を追いかけて、たくさんの技巧を習得していく様子と似ている。このことから、代替されにくい仕事とは、合理的に割り切れない、わずかなところに気づける嗅覚、勘を持っていることがわかるだろう。
1投稿日: 2023.04.24
powered by ブクログ太平洋戦争で情報参謀として様々な予測を的中させてきた堀さんの本 情報と言う観点から日本軍と米軍の違い、どういう風に情報が取り扱われていたのかがわかる これは現代の企業においても同様のことが言えると思うとても示唆に飛んでいる本
0投稿日: 2023.02.28
powered by ブクログ終盤にある、日本敗戦を導いた日本軍の情報の貧弱さを分析した米軍の報告書が、本書の本質を物語っている。 情報軽視、情報共有の欠落、根拠のない精神論…これらの敗戦の教訓は、今でも様々な場面で参考になると思う。
0投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ行動に際して情報分析よりも精神論が幅を利かせて大敗したのが、太平洋戦争。果たして、戦後の日本人は正確な情報を収集し、解析し客観的事実から来る戦略へと落とし込めているのか? 戦後、大本営発表とはありもしない希望的戦果のことと揶揄された組織の中で、できるだけ現実を見ようとした参謀の覚書です。 終戦間もない昭和21年4月に米軍が発表した調査書で日本軍の敗因について分析されている。 曰く、彼我の国力判断ミス、ベースとなる制空権喪失、指導権争いという不毛な陸海軍の意思疎通の問題、先ず作戦ありきでその裏付けとなる情報軽視、勇ましいだけの精神論の暴走。 作戦や戦略は様々な情報分析からの論理的帰結であるべきなのに、日本軍の会議では、開戦反対派を「弱腰」「卑怯者」と罵倒し、劣勢でも神の国なので神風が吹くと本気で論じていました。このような指導者たちを担いでいた不幸を二度と繰り返してはなりません。
0投稿日: 2022.10.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太平洋戦争での日本の大敗について、情報参謀が自分の経験を踏まえて書いたという、なかなか珍しい本。 日本の情報感度の低さと、それによってできた勝ち筋のない戦略で、何百万人という兵士が死んでいったと考えると、どうしようもなく不憫に感じた。日本がどのように負けて、負けるべくして負けたというのがよくわかる。
0投稿日: 2022.04.26
powered by ブクログ太平洋戦争時、大本営の情報参謀としてアメリカ軍の戦略分析を行った筆者の体験記。当時の日本軍の情報の分析の幼稚さに唖然とする。真っ当な国力・兵力分析もなしにあの戦争に突入し、敗色濃厚となってからも精神論だけで玉砕戦法をとっていたとは。 この情報軽視の兆候は今の国や企業にも当てはまるところがあるのではないかと思うと背筋が寒くなる。
1投稿日: 2021.11.04読み応えがあり、一気読みしました
敵を知り己を知れば百戦殆うからずではなく、敵を見ず己を見ず、見たくなければ潰す。夢想ではね。最終章の、キューバ危機はニコンFM2で撮影のくだりは(^^;)
0投稿日: 2021.10.10
powered by ブクログ相当面白い。自明と思っていた考え方を揺さぶられる。 本書は、二次大戦中、日本陸軍の大本営で情報部に勤務し、戦後自衛隊の情報室長も務めた著者による、日本の弱い情報戦略に関する歴史ノンフィクションといえる。話の中心は、情報戦略の観点でなぜ日本が米国に敗戦したかの歴史的分析であるが、それだけではなく、情報を収集し審査する考え方、情報の活用法とその具体例、また歴史的分析に紐付く具体的な戦中のエピソードなど、単なる学問的な本とは一線を画す面白い話が読める。国防にせよ企業の知的財産権にせよ、自分の思う以上に情報をめぐる激しい戦いが行われている可能性が高い、と危機感を持たされる本であった。自分が著者と同じ立場にいたとしたら、どう情報を集め考えるか、一緒になって考えることもできる。また、戦争物を読まない人にとっては、どこかで聞いたこともあるかもしれないいろんな日本軍人のエピソードも聞けて、少しずつ顔が見えてくるのも面白い。
2投稿日: 2021.09.11
powered by ブクログ太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて「マッカーサー参謀」の異名をとり、戦後は自衛隊情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を告発する。
0投稿日: 2021.05.07
powered by ブクログ名著中の名著。先人のや遺言として何度も噛み締めたい。 クラウゼビィッツの制高点を飛行機という文明の技術で作ろうと米国は考えたとのこと。高いとは、どういうことか?物理的、精神的など意味を拡張できる。サイバー空間での高いとは?自分からは見えて、相手から見えない状態を作り出す。 エビデンス、数字に基づく作戦立案の重要性。 明確な戦略を描く。敵国に勝つ、一番になるだけでなく、その先の状態を明確に設定する。 戦略の失敗は、戦術や戦闘では取り返せない。 補給の重要性、システムとして、完全な最前線を構築する。 相手の立場に立って、作戦立案する。 技術や物量に、精神や人員の消耗で対抗しようとするのは、今も昔も変わらない。 最新の技術革新に対して、臆病なのも変わらない。 日本では、アメリカの側から見た書籍が多くないが、参考に読んでみたいと思う。日本では戦前、戦中の知識の断絶がある。さらには、中国に対峙する昨今、経済戦争や先端技術戦争はすでに始まっている。日本を盾にアメリカが戦おうとする冷徹な視点は、民間でも認識しておく必要があるだろう。
0投稿日: 2021.05.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大本営参謀及び自衛官として情報任務に従事した著者が、エピソードを交え、情報を軽視し続けた日本の問題点、情報収集・分析の心構えを説く。 二線・三線の交差を求める(他の情報と関連があるか検証する)、数字的実証と現場の重要性(期待や感情による影響を可及的に排除する。そのために、作戦と情報を分離する。)、断片的で細かな情報を丹念に収集・整理・分析することの重要性(このような努力から「砂金」が見つかることがある。)といった示唆は民間においても役立つものと思われる。 また、著者が駐在防衛官としてドイツに赴任する際の大島浩元武官からのアドバイス(信用を得る、相手の名前を覚え名前で呼ぶ、背筋を伸ばし堂々とする、パーティーでの挨拶と入念な準備)は外国企業と接する上でも妥当すると感じた。
0投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ日本軍の情報参謀では有名な人。 こういうタイプの情報参謀があまり居なかったのです。 特務機関はたくさんあってそれなりに活躍はしていたのですが、公開情報を分析したり予測したりするインテリジェンスオフィサーのような方です。
0投稿日: 2020.11.29
powered by ブクログ旧日本軍は最大の組織 戦略 戦術 戦場 経営方針 職場や営業の活動 マーケット 戦場の考察はマーケティングリサーチ 日本軍の暗号の非能率ぶり
0投稿日: 2020.11.21
powered by ブクログ堀栄三は「正確な情報の収集とその分析という過程を軽視する大本営にあって、情報分析によって米軍の侵攻パターンを的確に予測したため、『マッカーサー参謀』とあだ名された」(Wikipedia)。上念司〈じょうねん・つかさ〉が毎年8月15日に繰り返し読む書籍と知って興味を抱いた。 https://sessendo.blogspot.com/2020/08/blog-post_29.html
0投稿日: 2020.08.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大東亜戦争に関する書籍は数多あるが、本書は『情報』の切り口から先般の戦争を記している。 当時の大本営が敵国の戦略・戦術をはじめとする情報をどれほど軽視していたたが、当時を回想する形で記されているのでよく分かった。 その中でも特に印象的だったフレーズは、一つの情報(徴候)に対して、複数の視点から丁寧に分析をしないと致命的な誤りをするということだ。 現代でも、トランプ政権が誕生した際は多くの米メディアはクリントンを持ち上げ、トランプを非難していた。 米メディアのフィルターを通して、日本メディアもトランプ劣勢という論調であったが、結果は違った。 これは米選挙戦に対して、メディアの視点からでは捉えない米国民の民意があった、と考える必要がある。 こういった事象からも著者の堀氏の考え方を引用できるはずだ。 当たり前のことではあるが、本書を読んでからニュースを分析すると、そのメディアがどのような思考を持って論じているかを日々考える必要があるのを改めて感じる。 SNSを含めて情報が氾濫しているが、自分の頭で考えることが今以上に大事な時代はないのかもしれない。
1投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログ米軍が見た日本軍五つの敗因 ①国力判断の誤り ②制空権の喪失 ③組織の不統一 ④作戦第一、情報軽視 ⑤精神主義の膨張 戦略が誤れば、いかに戦術を駆使しても勝利なし
0投稿日: 2020.05.22
powered by ブクログ「失敗の本質」に近い。 なにより大きく違うのは、著者が現場にいた情報参謀であること。現場からは過大な戦果が報告され、上は負けなさそうな理由を並べ立てる大日本帝国陸軍の中での孤軍奮闘ぶりがおもしろい。
0投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ太平洋戦争においてフィリピン防衛や大本営の情報参謀を務め、戦後は自衛隊の情報室長として情報戦の第一線で活躍した情報将校本人による回想録。日本軍の敗因分析については多くの本が出ていますが、情報将校本人の回顧録というのは史料としても価値が高いと思うのです。 続きはこちら↓ https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2020/04/blog-post_8.html Amazon↓ https://amzn.to/2UUQx0O
0投稿日: 2020.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今まで語られなかった情報という側面から太平洋戦争について語った本で、非常に面白かった。 日本の組織に所属している人は、上位の意思決定層の問題について共感する部分はあるかと思う。
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ素晴らしい本でした。「失敗の本質」の分析を直接当事者から聞いているような感じです。それにしても「情報軽視」というのは恐ろしい。多分今も変わらないんでしょう。
0投稿日: 2020.01.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2019年、41冊目です。 戦後、自衛隊の情報部門の責任者となった元日本軍大本営参謀の堀栄三氏の著作です。文章は、終始第三者が、堀本人について客観的に語る文章体になっている。 そのことが、情報に価値を置き戦略を立てて生きようとした人間の特性を現わしているかのようです。
0投稿日: 2019.09.29
powered by ブクログ同じ主人公が3人称で語られたり、1人称で語られたりして混乱する。内容は面白いのに、文才は感じられない。残念な感じ。 それにしても大本営中枢の思考・行動様式が我が社の経営陣と瓜二つで嫌になる。自社の能力を客観的に評価できない、競合社の情報収集を軽視する、営業と技術が上に行くほど仲が悪い、精神論が大好き、現場の意見を軽視する、などなど。人材を選抜するシステムに重大な欠陥があるとしか思えない。
0投稿日: 2019.08.03
powered by ブクログ田端信太郎氏も「失敗の本質」以上の名著と絶賛、読了後、確かにそう評するのも大いにうなずけました。これが1996年に第一刷が発行されたものでも、当時の日本軍だけでなく、今なお日本のあらゆる組織が抱えている本質をえぐり出しているからだと思いました。
1投稿日: 2019.01.03
powered by ブクログ太平洋戦争時に、情報参謀として活躍した堀栄三の回顧録。 これを読むと、旧陸軍も必ずしも精神論一辺倒ではなかったことがわかる。一方で、こういった人材を生かしきれなかったのは、旧軍だけでなく、現代日本にも通じるものがあるかも。
2投稿日: 2018.12.20
powered by ブクログ昭和19年夏のマリアナ失陥まで、日本軍は米軍の強襲上陸に対してなすすべもなく玉砕を繰り返していたが、9月のペリリュー島戦以降は持久戦で粘り強く戦うようになる。その転換の背景には、大本営情報部で米軍の作戦行動を分析し、現地軍にレポートを提供した堀中佐らの存在があった。彼はフィリピン戦では現地に派遣され、山下軍団の参謀として従軍することになる。 結局、陸軍はレイテで二ヶ月、ルソンでは組織的戦争だけで四ヶ月、沖縄では三ヶ月の持久戦を戦い、結果として米軍は九州上陸戦の時期を失い、台風シーズンが終わらないまま終戦を迎えることになる。 持久戦の結果戦争被害はむしろ甚大になったのだから、何が良かったのかはわからない。ただ言えることは、大本営作戦部が主観に偏った作戦を展開せず、インテリジェンスを取り入れていれば戦争は変わった可能性があるし、またサイパン陥落の時点で戦争継続を諦めていれば、あんなに膨大な戦争被害者を産むこともなかった。
0投稿日: 2018.12.15
powered by ブクログ情報の視点から太平洋戦争を振り返ることができる良書。何が日本を負けに導いたのか、太平洋の島々でなぜ玉砕せねばならなかったのか、情報の視点という新たな視点を得ることができた。
0投稿日: 2018.11.12
powered by ブクログ日本軍の情報参謀による回想記。本人筆というのは、その時代の人間の考え方がじかに伝わる。もちろん記憶がうそをつく部分もあろうが、それでも第三者の筆によるものとは違う生の感じがあるだろう。 本書は戦後40年を経ての出版だが、終戦直後のノートを元にしているらしく割りと細かい部分に記録は渡る。国力の差からいって勝てない戦争ではあったが、日本軍もやるところはやっていた。しかし、やはり官僚的な内向き組織であったとの批判はまぬかれない。また「戦場の霧」とでもいうべきところは、当然、情報畑の著者は強調している。 理念、戦略も結構だが、外に情報を求めるのは戦争でなくとも基本中の基本だ。
0投稿日: 2018.11.05
powered by ブクログ旧日本軍がどれほど情報を軽視していたか、体験に基づくリアルな記述で身につまされる思い。情報をどう活かすかは自分がどうしたいかという意思とセットであると思う。その意味で、旧日本軍は何を成したかったのかボヤけてみえる。
0投稿日: 2018.09.11
powered by ブクログ気合いと元気だけじゃどうにもならない。 真摯に冷静になって仕事に取り組みましょう・・・ということ。 そんなに難しいことは言っていない。 『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』 『爵禄百金を惜しんで、敵の情を知らざるは不仁の至なり、人の将にあらざるなり、主の佐にあらざるなり、勝の主にあらざるなり』 “自分たち友軍の戦力を冷静に把握していること、つまり己を知ることである。 ボロ になったものは ボロ と割り切ることである。この場合感情が入ると、独りで将棋を指す作戦課的思考になってしまう。” “敵情を知るには人材や金銭を惜しんではいけない、これを惜しむような人間は、将帥でもなく、幕僚でもなく、勝利の 主 になることは出来ないという意味で、情報を事前に収集するには、最優秀の人材とあり余る金を使え”
0投稿日: 2018.08.22
powered by ブクログ情報収集の大切さを学びたい人は、これが大切。 情報は知っているほうが強い。それは、どういうことなのか? それは歴史が証明しています。 歴史から学び、いま知るべき情報は何かを考えるために最適な一冊です。
0投稿日: 2018.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今では戦略というのはすっかり「ビジネス上の」という文脈で使われるようになったが、もともとは戦争(というか国家間の取り組み)で勝利を得るための考え方であり、僕はこちらのほうが戦略が好きでそういった内容に関係のありそうな本を見つけたらとりあえず手に取るようにしている。とはいえ、ハズレも多いのだが。 こういった類の本がハズレになる理由はだいたいは、 自分のことを大きく書きすぎる(俺はこうやった) 浅い考察が延々と並べられる(○○に勝つためのXX) 神の視点からの考察(あの時、こうやってれば買った) の3つで、いずれも当時の手触りがまったくなくなってしまっている。 一方でこの本はまったく反対で、自分が実際の仕事や体験から感じたこと、学んだこと、考えたことを中心に記述が進められていて、それでいた示唆に飛んだメッセージが多い。例えば、以下の部分。 戦後沢山の戦史家や軍事評論家と称する人々が、「日本は飛び石作戦でやられた」と書いているが、米軍の飛び石作戦は占領空域の推進であり、日本軍の飛行場守備は、米海軍艦隊の攻撃が主目的であって、空域の占領は念頭になかったことを記述しているものは少い。挙句の果てに、日本の作った沢山の飛行場は、まるで米軍のために作ってやったような形になってしまった。 太平洋戦争において、日本軍の戦線が押し下げられて個々の拠点が玉砕していった理由と、米軍の意図を極めてシンプルに記述している。 全体を通じては著者は声だかには言わないものの、現代日本の情報への感度、もっと言えば「外の世界のへの関心の低さ」に対してかなり悲観的なメッセージを発している。ただ、個人的には戦争期間中でさえ変えることができなかった国民性というのは、そう簡単には変わらないわけで、こういった特性というのは今後も変わらないという前提において、個人がどのようにsurviveするのかを考える方がいいのではないか・・と、そんなことを考えた。
0投稿日: 2017.12.27
powered by ブクログ大本営参謀といえば随筆家半藤一利氏が「絶対悪」と評した辻政信氏や戦後政財界の重鎮として活躍した瀬島龍三氏といった高い能力ながら曲者揃いの印象が強い。しかし堀栄三氏は表舞台に登場する「大本営参謀」とは異なる。あくまで自身は「情報分析」が生業であり、実直に参謀の役目を果たそうとする姿が印象的だ。自己の至らなさを棚に上げるでもなく、他方で日本のインテリジェンスに対する理解不足を剔抉する。その分析力の正確性から「マッカーサー参謀」とあだ名され、真の情報分析のプロとは何かを感じさせられる。 堀氏自身望んでというより結果的に表舞台に駆り出され恰好だが、秋山真之のようにまだまだ隠れた日本史の英雄はいるのだなと思った。
0投稿日: 2017.10.17
powered by ブクログ大本営の情報参謀による、日本軍が先の大戦中に情報面で何をやっていたのかを中心に、敗戦までの絶望的な流れやその後の自衛隊入隊後のエピソード(ドイツの大使館付武官としてのくだりは圧巻!)が描かれています。 太平洋戦争中のエピソードは、後から振り返る本だからこそ余計に、そりゃ負けるわ的な面がクローズアップされている感。 序盤は少々退屈に感じたところもありましたが、中盤の山下方面軍の情報参謀になるあたりからは一気読みでした。 専門的教育も受けていない(日本陸軍の参謀教育には情報の収集・分析はそもそも含まれていないとか)著者が、体制が整っている訳でもないフィリピンで、無茶な命令を出す大本営作戦部にも振り回されながら、それでも米軍がいつ・どこに来るのかを予想し当てていく様や、大本営に帰任してからも米軍の本土上陸地点・時期・兵力を推定していく様は非常に興味深く読めました。 しかし、結局情報だけで戦争に勝てることはなく、戦略的な失敗や物量の圧倒的な差、能率の悪さ、精神論等々、無理ゲー感満載のまま終戦を迎えてしまう訳です。 こういう仕事のプロジェクト、今でもあるよなぁ。。 特に現場の戦果報告を鵜呑みにして確認もしない空気を作ってしまい、誤った情報を元に次の作戦が立てられてしまうあたりは、読んでいてゾッとしました。 著者は本著の終盤で、「米ソの情報部はとうに宇宙へ引っ越してしまった」と言っていたけれど、今はもはやサイバー空間が戦場になっている状況。 本著で書かれていたような、過去に諜報や航空といったトレンドの変化と本質的に向き合わず、中途半端な環境や戦術での対応にとどまってしまったのと同じことが、今起きていないことを祈るばかりです。 学ぶべきことが体系化されている訳ではないのですが、日本人がやってしまいがちな失敗例が詰まっているような感があり、非常に参考になりました。
6投稿日: 2017.09.13
powered by ブクログ名著です。 情報を戦時中上手く活かせなかったという話は幾つかありますが、その中でも特に台湾沖航空戦の話は有名です。組織全体がバイアスにかかっていく中、正しく情報を読み取ろうと意見しますが結局握りつぶされました。情報を上手く扱えない悲劇を感じます。 戦後の話だったと思うが諜報活動は決して派手でなく、新聞を念入りに読み、コンテクストを読み取るのが仕事であると明確に書かれていて目からウロコです。
0投稿日: 2017.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
台湾沖航空戦、誤った戦果を鵜呑みにしてそのままレイテ決戦に導いてしまった。 ⚫いかなる場合も、結果(戦果)を定性、定量的に測定できるようにしなければならない。結果を測れない場合は誤解へと導く ⚫プロの感というものは、複数の情報の交差点のなかに生まれるものである。情報の中には現場へといかない限り分からないものがある。
0投稿日: 2017.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「たまに当たるから弾丸(たま)」と言った中隊長が無防備すぎる。やっぱり現実はこうなんだと絶望する。たった一回当たっただけで命が終わることもあるのに。 読んでいるうちに、勝つための思考・負けるのは不服という気持ちが出てくる。平和を愛していてもこんな思考が出てくるのだ、戦争とは罪深く残酷なものだ。 武器や物資の補充も、情報もないのに後退を許されないのはあまりに非情で、そうやって亡くなっていった第一線の人々の事を思うと本当に悲しくなる。 団体の中で自分だけは違う捉え方をしたといった方向の表現が多いので、後半なんとなく読むのが億劫になった。堀氏の父親の言葉に同意してしまう自分がいる。
0投稿日: 2017.06.22
powered by ブクログアマゾンセールで電子版購入。情報が軽視されていた日本陸軍において、米軍の作戦を次々と的中させ、マッカーサー参謀と呼ばれた堀栄三氏の情報戦記。なぜ敵を知ることが大事なのか、我々が陥りやすい罠は何なのか、身につまされる事柄の連続であった。様々な教訓が溢れている。
0投稿日: 2017.06.21
powered by ブクログなるほど、これは名著中の名著。文章もこなれていて読みやすく、それでいて日本の組織が陥りがちな情報軽視を初めとした諸々の陥穽が、著者の旧日本軍そして戦後の自衛隊、駐在武官としての生々しい体験談として描かれている。 大井篤氏の著書『海上護衛戦』とともに戦史から学ぶ日本組織論として…今更言うまでもないが…必読書といって間違いない。
0投稿日: 2017.04.15
powered by ブクログ本書は太平洋戦争時、情報参謀であった著者が、情報という観点から我が国が敗北を喫っするに至った要因を分析した本である。 実体験を元にした分析は非常に生々しく、文中に頻出する著者の悔恨の念は戦後70年を経てもなお胸を打つ。 日本軍の敗因は国力判断の誤り、制空権の喪失、組織の不統一、作戦第一・情報軽視、精神主義の誇張の5つだ。 対中対ソを重視するあまり対米情報収集を怠り、いざ開戦となれば制空権を奪われて戦場での情報収集が出来ない。最前線の兵士の犠牲を元に得た情報も軍部内で組織的に運用する仕組みが無く活用出来ていない。それどころか精神主義に染まった軍では情報を軽視し、その活動を阻害することになってしまっていた。 恐ろしいのはこれは過去のことではなく、今の日本社会でも感じ取れることだ。本書を参考に「情報こそ最高の戦力」という言葉を胸に刻もうと思う。
0投稿日: 2017.02.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太平洋戦争で大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させ、戦後は自衛隊情報室長を務めた著者の作品。日本が敗戦した理由が、情報分析を怠ったことからきたことが経験を元に記されており、それは現代の日本の課題であることも分かる。 堀氏が参謀に就任前に恩師から学んだことは「情報は枝葉末節にとらわれないで、ほんしつを見ることだ。文字や形の奥のほうには本当の哲理のようなものがある。表層の文字や形を覚えないで、その奥にある深層の本質を見ることだ。世の中には似たようなものがあるが、みんなどこかが違うのだ。形だけ見ていると、これがみんな同じに見えてしまう。それだけ覚えていれば、ものを考える力ができる」。 これは現代の情報収集・解析にも言えることだと思う。深層の奥にあるものを見極める意志を持ち続ける必要がある。
0投稿日: 2017.02.03
powered by ブクログ先輩に薦められて読んだけど、面白かった。 情報の重要さを改めて認識するとともに、その難しさを痛感。
0投稿日: 2016.11.30
powered by ブクログ太平洋戦争の末期に敗色濃厚の日本軍の中で、まっカーサの次の上陸地点はどこか?それはいつか?を正確に的中させてきた堀参謀の本。 台湾沖航空戦での戦果確認を一人おこなったこと、フィリピンの最終局面での山下大将との逸話が印象的。 「われわれは比島でやろうと考えていたことを何一つやらせてもらえなかった。そうして、とうとう竹槍になってしまった。戦略はいったん失敗すると戦術で取り戻すことは至難というか不可能だ。」(232) その上で、クラウゼヴィッツを引用し「戦略的勝利をつかむために一番大事なことは制高点の確保。かつては山、いまは制空権」。 地理的制高点から技術的制高点へ。 現代社会における制高点とはなにか?をかんがえさせられる逸話。
0投稿日: 2016.03.26
powered by ブクログ[目隠し剣術の災]さっぱりの素人ながら、太平洋戦争中に大本営の情報参謀として情報戦のまっただ中に放り込まれた著者は、そこで日本の情報力の無さと対峙する。その際の個人的経験を回顧しながら、情報とは何か、そして学ぶべき教訓について思いを馳せた作品です。著者は、戦後には自衛隊統幕情報室長となった堀栄三。 様々な観点から批判されてきた日本の情報力の無さを、内側から鋭くえぐった作品として高く評価できるのではないでしょうか。実際に堀氏が目にしてきた構造的欠陥を反目教師として、改めて情報の重要さとその扱い方の要諦に目を見開かされた思いがします。著者も本書冒頭で記しているように、国家を企業に置き換えても得るところの多い一冊だと感じましたので、幅広い方にオススメです。 大本営の情報参謀という位置から眺めた太平洋戦争の一端を読者が共有できるというのも本書の魅力の1つ。情報の扱いを誤ることにより、いかなる破綻と犠牲が生じることになるのかを間近で見る思いがし、何とも痛ましい限りでした。また、情報という観点からの組織の在り方にも筆が進んでいますので、一種の組織論としても非常に勉強するところが大きい作品でした。 〜情報は常に作戦に先行しなければならない。〜 著者の無念さがひしひしと伝わってきました☆5つ
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログこの手の本は著者が佐々淳行的である場合もあり、完全に信じるのも…だが、大本営にてばんばん情報を取りまくった参謀による主義。一般的参謀は絶望的なものの、1人の天才がいて登用されれば意外と戦えたのかなあと思うが、そういう個人によらざるを得ないから負けたともあり、なんとも… ただ、まだ隠してるのかな、という感じもある(紙幅によるものもあろうけど)。
0投稿日: 2015.12.01
powered by ブクログ「敵機撃墜」の確認を日本はなんとなく行い、米軍は専用機で行っていたという制度の差。個人的な株投資でも損失が膨らみすぎると恐ろしくて直視できなくなりますが、当時の日本もそうだったのか?客観的にものごとを見ることの重要さを学びました。
0投稿日: 2015.11.12
powered by ブクログ元大本営陸軍部情報参謀という立場から太平洋戦争を見つめた類を見ない本。 太平洋戦争について何冊か読んだが、この本がダントツにリアルで分かりやすかった。 また、情報というものがいかに重要かということも併せて認識することができた。 予想を超える収穫をいただいたので、星5。 以上
0投稿日: 2015.10.16
powered by ブクログ先の大戦で日本の敗戦が決定的になったのは軍の暗号がダダ漏れだったのが一つの理由だとよく目にするが、本書はその情報が当時軍の中でどのような扱いを受けていたかを著者の「体験記」調に記されたものである。 戦記といえば「アーロン収容所」を思い出すが、本書も実際はノンフィクション小説のような体系をとっているため正直途中までは長々と体験が綴られているので飛ばし読みした。 実際知りたかった情報については本書最後半部分にある。 本書後半での著者が故郷へ帰ってからの農作業の日々や、父親との会話内容が印象的。職業軍人であった父の言葉には威厳というものが文字からも溢れている。 簡単に言うととにかく日本は非合理的で、アメリカの合理主義に完全に敗北したといっていい。 これは現在の日本の社会にも蔓延していることといえるし、本書で得た教訓を現代社会を生きる上で十分に参考にしていきたいと思う。 P327からの米軍による日本の敗戦原因の分析はぜひ一読する必要がある。ここまで詳細に、核心を得た敗戦原因の分析を敵方にされている、これが意味することは開戦前から日本の敗戦は確定していたと言っていいと思う。 情報というものがまず戦いの基本となり、これをどう扱うかで勝敗が決するといってもいい。そしてその情報戦は日々変化している、ということ。 327頁からの内容がほとんど全てなので、この戦争内容をそのまま企業や、学習などの戦いに置き換えるとためになると思った。
0投稿日: 2015.10.06
powered by ブクログ・太平洋戦争で陸軍参謀であった著者が、実体験をもとに情報について綴った本。 ・webのない時代に、かつ、戦争という状況下での「情報」に関する考察は、より本質的な内容に思えました。 ・米軍の数字的思考と日本の精神主義という構図は、良い意味でも悪い意味でも、現代に引き継がれている気がする。 ・情報重視の志向があれば、数字的国力差から、そもそも戦争にならなかったのかも。
0投稿日: 2015.04.30
powered by ブクログ☆4(付箋26枚/P348→割合7.47%) ・将軍(土肥原中将)は和服にくつろいで、物静かな柔らかい口調で、「親父さんから聞いたよ、再審を受けるんだそうだね、そこで戦術はどう勉強するかということだな…?」と開口一番、ずばり堀の心中を見抜いて言った。そして、 「戦術は難しいものではない。野球の監督だって、碁打ちだって、八百屋の商売だってみんな戦術をやっているのだ。ただ兵隊の戦術は軍隊という駒を使って、戦場という盤の上でやる将棋だ。だから、いまこの場面で相手に勝つには、何をするのが一番大事かを考えるのが戦術だ。要するに駒と盤が違うだけで世の中の誰もがやっていることだ」 堀はまったく毒気を抜かれてしまった。もっと高邁な戦理が聞けると思っていたのに、実に平凡な話であった。 「そのためには枝葉末節にとらわれないで、本質を見ることだ。文字や形の奥の方には本当の哲理のようなものがある、表層の文字や形で覚えないで、その奥にある深層の本質を見ることだ。世の中には似たようなものがあるが、みんなどこかが違うのだ。形だけを見ていると、これがみんな同じに見えてしまう。それだけ覚えていたら大丈夫、ものを考える力ができる」 ・とかく自分に有利に進展しているときには、自分のレンズで相手を見て我田引水の結論を導き出すことが多い。そのために作戦と情報とは厳に仕事が区別されているのだが、作戦は往々将棋指しのように、一人で考えて一人で駒を動かそうとする(これが大きな失敗だと気づいたときには、何百万の兵隊を戦死させ、日本を亡ぼしてしまっていた)。 ・在ソ連の駐在武官や大使が、容易にクレムリンに出入りして、スターリンやモロトフや軍の首脳と和気藹々と話をすることは、ドイツと違って至難中の至難であったから、止むを得ず権力の中枢の考えている意中がソ連国内のどこかに、何かの形で兆候として出ていないかを、虎視眈々克明に探して分析していくことになる。 ・「百二十年昔のクラウゼヴィッツの時代でさえも、戦場で制高点を占領することが、戦勝の要諦だと戦争論で述べている。戦争は昔から高いところの取り合いであった。高所から見下ろす優越感と安心感、低地にいて見下ろされる者の無力感と不安感、飛行機もないあの時代にクラウゼヴィッツはそう書いた。その時代の高所は山であった。 …制空権を維持して相手に奪われないようにするためには、後から後から新しい飛行機を作って、新しい操縦手を作って送り出してこなくてはならない。日本が高度7千メートルの飛行機を持っていたら、米国は高度8千メートルまで行ける飛行機を作る。9千メートルになったら1万メートル、1万メートルになったら1万2千メートルと、日本軍の上昇能力の上へ、上へと作ってくる。日本軍の零戦、一式戦ともに最初は米軍より優秀であったが、そのあとが続かない。 要するに制空権を維持させるには、後方の国力が物をいう。軍の主兵は航空なり、というのは国力の裏付けが必要になってくる。それなくして戦争は勝てないのだ」 ・わが第四航空軍も随分米軍の船団攻撃に出たが、その護衛船の発射する防空弾幕は筆舌に尽くし難い。空が真っ黒になる面の幕だ。一機といえどもこの幕の中へ突入することは出来ない。しかもレーダーで見ているらしく、こちらが接近すると、一機一機なんか目標にしないで、その前に弾の幕を立てるんだ。一体何万、何十万発の弾丸を使うのか、戦場で見たもの以外にはわからない。それを海軍航空隊が潜っていって、ブーゲンビル島沖航空戦で戦艦四、航空母艦八隻を轟撃沈している。よくもこんな戦果が挙げられたものだ。 ・第一線の軍としては訓練以外に方法がないのだ。中央から送ってくるものは、激励と訓示と戦陣訓と勅諭だが、第一線の欲しいものは、弾丸だ、飛行機だ、操縦手だ、燃料だ、食料だ。中央には中央としてやることがある。第一線の参謀と中央の参謀とは、やることも考えることも違わなくてはならない。 ・大本営作戦課は、その後も一貫してそうであったが、任務は与えるが、対米戦闘に必要な陣地用の資材や糧食や弾丸を十分に与えることはなかった。それにもう一つ、一番大事なものを与えることを失念していた。“時”である。絶対国防圏が決定されてから、第四十三師団を守備につかせるまでに、八ヶ月かかっている。防禦が攻撃に優るのは、地形の利用、資材の準備と時間である。そのどれもが、「ゼロ」であった。 ・しかしここで、戦法の研究を通して見てきた太平洋やニューギニヤの戦闘で、最後に述べなくてはならないことは、中川連隊やその他の諸々の戦場での勇戦奮闘と殉国の精神とを称える一方、しょせん戦略の失敗を戦術や戦闘でひっくり返すことは出来なかったということである。 ・堀は、ピストでの報告を終って出てきた海軍パイロットたちを、片っ端から呼び止めて聞いた。 「どうして撃沈だとわかったか?」 「どうしてアリゾナだとわかったか?」 「アリゾナはどんな艦形をしているか?」 「暗い夜の海の上だ、どうして自分の爆弾でやったと確信して言えるか?」 「雲量は?」 「友軍機や僚機はどうした?」 矢継ぎ早やに繰り出す堀の質問に、パイロットたちの答えは徐々に怪しくなってくる。 ・あちらこちらで米軍がばら撒く紙幣は、単なるゲリラの軍資金ではなく、かなりの偽札が故意に混入されているらしく、ルソンは急速に極端なインフレになっていった。そのために、日本守備隊の現地調達が、朝2ドルといったものが昼には4ドルに、次の日は5ドルと跳ね上がる始末で、明らかな米軍の市場攪乱を狙う計画的謀略であった。 ・米軍の飛行機は飛び立つと必ず電信を打つ、その電信には発信者の呼び出し符号と宛先があるから、それを丹念に集めていると、どこからどこへ、どんな機種が、何機、ということまで判明する。 ・それまでの堀は、頭の中で目の前の現象を追い回して、思索の堂々めぐりをしていた。―特殊性と普遍性を区別すること。哲理とはただそれだけ、枝葉と根幹とを見極めることであった。 ・太平洋の島では、米艦隊が島を取り巻いて四方八方から日本軍を袋叩きにしたが、レイテでは島の中央にある山脈に阻まれ、全島を艦砲で袋叩きにはできなかった。今度のルソン島は、艦隊で取り巻いても島が大きいので、島の内部まで艦砲で制圧することが出来ない。 ・大将は「もう車は走り出した」という態度でゆったりとしていた。車とは三大拠点による戦略持久のことである。山から転がした大石の方向は変えられない。戦略とはそのようなもので、転がすときに斜面と方向を決めなければならない。 ・米軍に関する話の中で、堀が大将に特に強調したのは、まず彼我の戦力の比較であった。日本の一個師団と米軍の一個師団では、火力(鉄量=弾丸の量)の差で、日本の師団が完全であっても、当時われわれが計算していたところでは一対三ぐらいの違いがある。 …「それでは米軍には弱点がないではないか?」 「いや、あります。米軍は山がきらいです」 ・「日本は漢字をやめて、ローマ字か片仮名を採用しない限り、将来戦争はできない」と言ったのである。考えてみたら、あんなことを喋っていまさらどうなることでもなかったのに…と思うが。しかし日本軍の暗号の非効率さは、どんな角度から見ても第一線戦力の減殺であって増強にはなっていなかった。 …方面軍で100名、軍が50名、師団が30名、連隊が10名と仮定しても、満州から中国大陸を経て太平洋に展開した日本軍の中で、暗号に従事した人員は、恐らく5、6万名、ざっと4、5個師団分に相当したのではなかろうか。 ・予備知識の程度でも、また原爆の「ゲ」の字のかけらでも、われわれの知識の片隅にあったら、また米国国内の諜報網が健在していたら、通信諜報のコールサインだけでなく、一部でもよいからB-29、なかんずくV600番部隊の暗号の解読が出来ていたら、あるいはスウェーデンを経て入手したM-209暗号機での解読が、もう一ヶ月早く完成していたら、あの不明機の正体は必ず判明していたであろうに。V400番、V500番、V700番とあって、V600番が最初からテニアンで欠番であったことは、米軍ではB-29戦略爆撃部隊がマリアナに進出した昭和19年8月頃から、すでに原爆投下部隊を使用する計画があったと推量されたからである。 ・よほどのことがない限り、今までの世界戦史では、上陸しようとする攻者が、守備する側の防者に勝っているのは、防者に、「どこへ攻者が来るか分からない」という迷いと弱みがあるからである。 ・情報に表れた徴候の中から、残った数個のダイヤモンドの真偽の区別に迷いに迷った末、最後は原則の哲理に戻って考えたことは前に記述したが、米軍の将校たちには、こうした思考過程が遂に理解されなかった。挙句の果てには、上旬末は6、7、8、9、10の5日である。お前の記憶を呼び起こして、それぞれの日をパーセントで示せ、ということになった。堀は米軍の上陸した9日を70%にして、あとの30パーセントを残った日に適当に、実にインチキに割り当てて示すと、「わかった、OK!」と言われて釈放された。 米軍将校の考え方は、戦術的な思考よりも、数字的な実証に傾いていると感じたのはこのときである。また反面から言うと、この数字的思考が、記述の鉄量計算のように日本軍には欠けていた。それが日本軍の思考を常に精神主義の方へ走らせた原因でもあった。 ・在京外国武官は全部首をひねるだけで返事がない。こんなとき必ずといっていいほど、連中は貝になる。たった一国の武官だけが、「(戦争は)やれないんじゃないか」と、堀に囁いた。この情勢で一番、鵜の目鷹の目になって耳を澄ましているのは、米ソの谷間にあって、大国の動向に敏感な小国であった。彼の言葉の裏に、本国の参謀本部の匂いのようなものを、堀は嗅ぎとった。 ・「情報の究極は権力の中枢から出てくる。ソ連のような国では権力の中枢に近づけないから、中枢の外周で兆候を見て廻ることになる」 ・「堀大佐、軍人や警察官がこう敬礼するのはなぜか、知っていますか?…騎士がブルグに帰ってくる。王様の前に進み出る。あの冑のままでは顔を覆っているから誰だかわからないでしょう。そこで騎士は顔の前の鎧戸のような部分を、こうやってずり上げるんです。それが起源よ」 ・北部方面隊の考えは理解出来ます。だからといってわれわれ中央部までが遊撃戦を研究するのはどうでしょうか?遊撃戦は戦力がないから仕方なしにやる戦法です。第一線部隊は、きめられた兵員ときめられた兵器で戦うのですから、北部軍としては遊撃戦以外に方法がないというのであれば、中央部の幕僚は、第一線部隊が遊撃戦などでなく、正々堂々の戦いの出来るように様々な工夫をしてやるべきではないか、中央と第一線との違いはここにあります。 ・太平洋戦争では、米国は英、仏、ソ、支を支えた5ヶ国分の国力を維持して戦ったのだ。こんな簡単なことが、日本の大本営にどうして判らなかったのだろうか?およそ戦争に限らず、どんな闘争でも相手の力を無視して勝てるはずがない。 ・情報部は毎年一回、年度情勢判断というかなり分厚いものを作って、参謀総長や各部に配布していたが、堀の在任中、作戦課と作戦室で同席して、個々の作戦について敵情判断を述べ、作戦に関して所用の議論を戦わしたことはただの一回もなかった。 そう告白したら、大本営の作戦と情報の本当の関係を知らない一般の人々は、さぞかしびっくりするであろうが、残念ながら事実である。作戦課の作戦室に出入りを許される者は、大本営参謀の中でも一握りに限られていた。 ・日本は敗戦の教訓から、情報には手をつけないで、ようやく一つだけ自衛隊に陸海の航空を統合して空軍を創った。これで世界列強並みの新軍体制が出来たと思っている間に、時代は追いつきようもないほど変わっていってしまった。 もし第三次世界大戦が勃発したら、米ソはその第一撃をどの目標に向けるであろうか?もはや、日本が実施した真珠湾攻撃のような第一撃とは、誰も考えないであろう。昭和32年10月のスプートニックの打上げ以来32年、米ソの情報部はとうに宇宙へ引っ越してしまったのである。
1投稿日: 2014.10.11
powered by ブクログ戦前の軍部の雰囲気がどういうものかがあらためて良く分かる。面白い、それ以上に悔しく、読んでるだけで歯がゆい思いが湧いてくる。 そんな中、著者が参謀としてついた山下奉文など、当時の計り知れない苦悩の中でどう行動したのか…、こうした人物がいたことに誇りに思えた。 情報なき国家の悲劇はしかし現在も続いているような気がしてならない。
0投稿日: 2014.09.19
powered by ブクログ情報に対する意識が第2次世界対戦における日本の運命を大きく左右したことを痛感できる一冊。 堀が大本営参謀としてフィリピンに向かった後、山下方面軍の情報参謀に命じられて、苦しみながらも米軍の動向を的中させていく部分は、物語として大変面白い部分であり、一気に読みきることができた。 また、山下大将の人間の大きさには、惹かれるものがある。
1投稿日: 2014.04.21
powered by ブクログ大本営陸軍部第二部(情報担当)やフィリピンの第十四方面軍(山下奉文大将)で情報参謀として勤務し、米軍戦法の研究結果を「敵軍戦法早わかり」に纏め、米軍の上陸地点・上陸日を次々と言い当てたことから「マッカーサーの参謀」の異名を取った堀栄三氏の回想録。 以前から「読んでみたい」と思っていて、昨年11月に購入していたのだけれども、今年の3月末に漸く読み始めて、本日読了。題名や内容の堅さに反して、平易で論理的な文章のため、引き込まれて読みました。 本書は現代日本にも通じる示唆に富んでいますが、私の印象に残ったポイントは以下の通りです。 (1) 米国と日本における「情報」に対するスタンスの違いと、その違いがもたらした悲劇。日露戦争当時の日本と同じ国なのか、と思ってしまうほどの違いがあります。 (2) 「情報なき国家」の新米参謀であった堀氏が、米軍の上陸地点・上陸日を次々に言い当てられた理由。情報入手の手段は、機密情報の盗読や暗号解読だけではないということ。 (3) ニューギニア島やレイテ島で大損害を出した陸軍が、ルソン島・硫黄島・沖縄本島では善戦(米軍の本土上陸を遅らせることができた)できた理由。米軍の不得手を如何に見抜いたか。 いずれまた再読したいと思います。
0投稿日: 2014.04.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大東亜戦争当時、陸軍参謀として情報を扱うポジションにいた筆者の戦記。 それまでの中国大陸での勝利や「大和魂」などの精神論に傾向しすぎて「情報」を大本営が軽視して諜報・防諜へのリソースを割かなかったことが大日本帝国の敗因のひとつであることは周知の事実だが、それを当時現場で体感した方の記であるので、とてもリアル。 本中では戦時の話であるが、現在においても企業のありかたや知的労働をするものにとって必須である「本質の見分け方」、企業内セクショナリズムなどが身の回りにある人にとってはとてもうなずける内容。だからどのようにすれば良いのかや、どのようにすれば日本は戦勝国になっていたかなど大上段なことは書かれていないが、得られる気づきは多い。 あと文章が平易な訳ではないのになぜか読みやすい。
0投稿日: 2014.01.19
powered by ブクログ元陸軍参謀が自ら経験した二次大戦の情報戦を振り返ったもの。読み進める程にあまりに幼稚な戦略、対処に慚愧の念が絶えない。補給、という戦地における最重要事項の捉え方が「ローテーション」だったアメリカと、「消耗補給」だった日本。今の企業戦略もこれと変わらないところが多い。
0投稿日: 2013.05.31
powered by ブクログ2/7 戦略の失敗を戦術や戦闘で覆すことはできない。 制限された中でアメリカの戦略を予想できたのはすごい。
0投稿日: 2013.02.07
powered by ブクログ■副題が「情報なき国家の悲劇」とある通り、敵情を知らないまま戦争に突入した軍部について、元大本営参謀の観点で客観的に述べている。 ■戦時中の山下奉文大将との話や戦後のキューバ危機の時の話など、生々しい話は興味深い。特に山下将軍の様子は、リーダーのあり方を示している。 ■広島に向かったB29の話も生々しい。 ■一番最後には「兎の耳」の話があり、筆者はこれが一番言いたいことなのだろう。それでも、今の日本政府も日本企業もこの教訓を活かしているとは言い難いと感じる。 ■情報に関して土地勘のある人にとって、この本は示唆に富んだものである。
0投稿日: 2012.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
陸軍と海軍も仲悪かったとは。完全な縦割り。 そして、アメリカとの対戦戦略が開戦後2年たってようやくできるとは、情けない。今も変わってないのかな。
0投稿日: 2012.12.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
米軍の行動を正確に予測することから、日本軍だけじゃなく戦後米軍からも〃マッカーサーの参謀〃と呼ばれ、山下奉文(マレーの虎)の部下だった著者。 自分のことを「堀は」と客観的に書いているのが印象的でした。 読んでいて、山岡荘八の〃小説 太平洋戦争〃を読んだときと同様の怒りが込み上げてきました。 現地からの報告は第一線のリアルな現状、血を流して得た情報。それを軽視するだけではなく、ときには無視した大本営って・・・。 戦争は長年に渡っての周到な敵の情報が不可欠で、それをもとに作戦を入念に立てても実際は、イレギュラーなことが起きる。なのに大本営は、囲碁や将棋に例えて、ふんぞり返って「なんとかしろ」と言うだけ。 ・・・どれだけ流さなくてもいい血が流れたのだろう。 この本読むまで知らなかった。 大本営の中に、別格参謀と一般参謀があったこと。
0投稿日: 2012.12.11
powered by ブクログこの本を読んだきっかけは、 「情報を扱う者は、一読すべき」 というレビューを読んだからでした。 情報の破片同士をどうつないで全体像を想像するのか、 情報は都合の良い順番にはやってこない、など、 学ぶことの多い本でした。
0投稿日: 2012.04.07
powered by ブクログなぜ彼のような人材を活かせなかったか。 なぜ彼のような人材を多く育成できなかったか。 巨大組織の中でいかに最善を尽くすか。 情報というものはいかに扱いが難しいか。 ビジネスマン向け組織論のバイブル、などという宣伝文句が付けられると思うが、単純に読み物としてひたすら面白い。
0投稿日: 2012.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「要は太平洋という海を眺めて、小学生のように青い水面と白い波だけを見ていたのが日本の戦略立案者。あの空を取らなければ、この海は取れないと空を見上げていたのが米国の戦略立案者だった。」 という言葉によく表れている。
0投稿日: 2011.11.03
powered by ブクログ扱う情報は、内容・質・量すべてにおいて大きく異なるが、情報に向かい合う態度(特に3現主義に通じる情報分析の大切さ)には学ぶべき点(共通点)が多いにあると感じた。 戦場における情報の取り扱いの間違いが、どんな結果をもたらしたか、その時現場にいた者にしか語れない迫力で伝わってくる。
0投稿日: 2011.10.02
powered by ブクログ研究対象は太平洋戦争における陸海軍だけれども、現代の企業組織に当てはめて自省に繋げる事が出来る本。インテリジェンスは、しばしば既定路線から反する事も多いはずで、アメリカのCIAのように他の実務とは独立した組織が必要な場合も多々ある。勿論そういった別組織を維持出来るだけの予算がある理想的なケースだけではなく、実務者がインテリジェンス収集にも務めなければならないケースも多いが、いずれにしても過去の失敗から学ぶものは大きく、経営レベルに読んでもらいたい本でもある。
0投稿日: 2011.08.21
powered by ブクログ日本のインテリジェンス・オフィサーの手記。せっかく的確な情報を上げてもそれが情勢分析や作戦立案に徹底的に反映されなかったのは悲劇を通り越して喜劇的ですらあります。
0投稿日: 2011.05.16
powered by ブクログ本書は元陸軍情報参謀 堀栄三少佐によって経験から知りえた戦中の日本軍の情報(諜報活動、防諜活動、他)環境と戦後自衛隊勤務時代の経験等を綴ったものである。 情報分析に欠かせないのは、願望や憶測ではなく、データや数値にもとづいた「事実」の把握と事実に基づいた合理的推論から導き出される帰結、そこには感情や気持ちを斟酌して帰結を曲げる余地があってはならないのである。大本営発表がいかに出鱈目に満ちていたかは多くの人が知っているところであるが、本書ではその中の一部、海軍部発表の戦果について、なぜそのようないい加減な発表に至ったかを推測させる内容も載っている。 また、陸軍悪玉説、海軍善玉説に対する懐疑が発生するのに十分な情報(著者が元陸軍参謀出身という事も影響しているだろうが、節々に俗説通説との齟齬を感じる内容がある)も本書には混じっている(そう感じたのは私の勝手な判断であるが、最終的には各読者の判断に委ねるより無いところである。厳密な事実関係に関しては、視点が「証言」に軸を置いている書物だけではなく、「証明」「論証」を軸にした書物の力をはじめ、多方面の情報も必要であろう。) 現代の政治・社会問題の話題として「官僚の腐敗」「官僚の縦割り行政」等がしばしばメディアを賑わせるが、本書を読むと戦前戦中の時代から同じ病巣を抱えていたことをも伺わせる証言内容になっている。腐敗、縦割り行政等の舞台が「武官と文官の両方」から「文官のみ」の舞台となって現代に至っているといっても過言ではないかもしれない。これらの根本問題を熟慮して現代の諸問題に対する変革を起こさない限り第二第三の敗戦も起こりえるだろう。 本書は他に類書を見ない視点から戦中ー戦後の国家の情報環境の分析を行っており、現代にも通じる問題点を浮き彫りにしている点で多くの日本国民に読んで考えてもらいたい一冊である。
0投稿日: 2011.05.13
powered by ブクログ大本営の情報参謀の本は数年前に読んだことはしっかり覚えていたが、別の人と思い込んで購入。ダブりです。しかも、半分ぐらい読んで、まだ気付かずにいた。僕は齢50で耄碌したのか。 前回は石原莞爾や瀬島龍三などの本を読んだ後だったので、同じ大本営と言いつつ、作戦課から情報課がまともに扱われていないことが、印象が強かったが、今回は著者が一人で情報の収集する手段を得て、分析力を高めていく箇所に改めて驚き。しかし、残念ながら、著者が参謀になるのは、太平洋戦争終盤。 だけど、米軍との火力の違いも太平洋諸島の地理も理解していなかった大本営作戦課って一体何なんだ。沢山の島に展開したが、制空権はアメリカに抑えられているから、食料も弾薬も補給出来ず。兵隊は戦争せずとも、飢えと病気で死んでいった。戦争が良い訳じゃないが、戦争を遂行する能力が無いとしか思えない。日本には指導層に無用のプライドだけ与えて、バカを作るシステムが有るような気がする。
0投稿日: 2011.04.29
powered by ブクログムックを立ち読みし、初めて知り興味が沸く。 神保町の古本屋にふらりと戦記モノコーナーで発見し200円で購入(2011年12月3日(土)) 復帰されて最後は、大学教授をされていたので、自分がエライ!苦労した!というのはなく、平易、客観的、丁寧な表現は、脱帽。 内容は、当然、この国の情報活動(分析・調査)のあり方を真摯に書かれた名著。また、ビジネス(マーケティング)においても十分に使える内容。 この本が廃版になり、忘れられるた時はにこの国は、もう一度、同じ過ちをするだろう。
0投稿日: 2011.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【大本営参謀の情報戦記】 堀栄三さん 「情報なき国家の悲劇」 支那での勝利に酔いしれ、自らを誇大評価し、情報を軽視し 太平洋戦争へと舵を切った日本軍。 大陸での戦いと異なる、海洋での戦い方というものを 考えていなかった。 アメリカの圧倒的な国力(鉄力)と日本を研究した戦い方 の前に、太平洋各地に軍を展開していた日本軍は玉砕を 余儀なくされた。 戦争当時大本営の参謀を務め、戦後は自衛隊で情報を携わる 仕事を務めた堀栄三さんのドキュメント回顧録。 ☆ 第二次世界大戦の時代には軍の主兵は空に変わっていた。 しかし、日本はまだ空の大切さが分かっておらず「大艦巨砲主義」の 「軍の主兵は歩兵なり」という固執した観念にとらわれていた。 敵陣に肉弾で攻め込んだ奉天戦とは異なり、自動小銃を持つ アメリカには日本の戦法は通用しなかった。 制空権を確保し、空爆するアメリカ軍に日本軍は高射砲で対処するが 鉄量に劣る日本はアメリカのような面で覆い尽くす弾幕の カーテンは張れず一機一機を狙う点での戦いしかできなかった。 アッツ、フィリピン、レイテなど南洋にに展開する日本軍も制空権が 奪われていては物資の補給も増援もままならない。 空を奪われれば、すべては点(孤島)になってしまい線にならないのだ。 海路を行けば空爆される。精鋭部隊も移動できなければ 張子の虎と同じであった。 しかも、大本営の中には陸軍と海軍という実質2系統の 大本営があり、お互いに真相を打ち明けることがない 組織的な欠陥があった。 戦略的な失敗は戦術で取り戻すことは出来ず、いたずらに 兵を消耗するだけの結果に終わった。 全ては情報を軽視し、過去の勝利を参考にした作戦を基軸に 戦った結果が招いた敗戦だった。 当時、赤紙一枚で召集され、死を強要された人々。 家族のため、国を信じて身を奉じた人々。 こういう実情を知れば、死んでも死に切れないような気がします。
0投稿日: 2011.02.27
powered by ブクログある意味、必要に迫られて読んだものだったが、なかなかおもしろかった。 「情報」という観点から、なぜ戦争に負けたのかを明かした本。 著者は、大本営や第4方面軍(フィリピン)で情報将校として勤めた人物。当事者だから言える当時の状況など、興味深い。
0投稿日: 2011.02.13
powered by ブクログ色々と自分の原点になっている本。軍事と情報を考えるきっかけを与えてくれた本である。歴史モノとしては戦争の裏方を覗ける面白さがあると思う。
1投稿日: 2009.08.02
powered by ブクログ当事者が戦争を語るときには「当事者」というバイアスがかかるので、そのことを念頭に置きながら読まねばならないのだが、この人は見事なまでに抑制が効いており資料的価値は高い。散々語り尽くされた感のある帝国陸海軍の情報軽視であるが改めて浮き彫りにされていて読み応え有り。
0投稿日: 2008.06.03
powered by ブクログ第二次大戦のとき、あまりの情報のなさに圧倒的不利になった。情報(まともな情報、諜報機関)の大切さを気づかされる。
0投稿日: 2008.01.04
powered by ブクログ大戦末期にアメリカ軍の情報分析を担当した著者による回顧録。通信の傍受、アメリカ軍の進軍パターン、アメリカ国内の株価の変動等々から、アメリカ軍の上陸地点、時期といった行動を予測する。コールサインの数を解析して爆撃機の配置や爆撃を推測する。といった個々のエピソードはどれも非常に興味深い。ただ、こういった人力による分析しか行えなかった日本と、科学的な情報の解析を行ったアメリカを比べれば、日本の敗北は必然だった、と著者は指摘している。 しかし、戦後、自衛隊で陸将補まで努めた人が、ルーズベルト陰謀論を信奉していたり、自衛隊のシビリアンコントロールに反発しているのを読むのはなんとも反応に困る。
0投稿日: 2007.03.26
powered by ブクログあの時、日本は大陸の方しか見てなかったのか…。様々な事実に背筋が寒くなりますな。学校で習った事は何だったのだろか。情報操作って実に恐ろしい。 情報漏洩が問題となっている昨今、インシデント対策のあり方を考える本として、ビジネスマンにもオススメです。私はもっと著者の言葉を聞いてみたかったな。日本は惜しい方を亡くしました。(合掌)
0投稿日: 2007.01.21
