
総合評価
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powered by ブクログ香港返還前後を描いた2年間の記録。帯にあったその言葉に惹かれて手に取った本作。 2年のあいだ度々香港へ旅行した記録ではなく、実際に住んで、香港に暮らす人々と会話した内容がわかりやすくまとめやれていて読みやすい。 驚愕したのは茶餐廳で一目惚れ(?)した男の子が暮らす街に引っ越して、その男の子と親しくなるという行動力。令和の日本ならストーカーとか言われそう。土地柄なのか、時代なのか。 大陸出身の方の身の上話や、カナダパスポートを取れたから勝ち組というわけでもない話、めまぐるしく変わる香港に暮らす人々の順応性は興味深い。 「いつ奢ってくれるの?」と香港人が言うのは親しいから、麻雀は社会でのよくできたコミュニケーションツールである、など、香港人ならではの感覚も面白かった。 今度香港に行くときには、著者が暮らした深水埗に絶対行こうと思った。
1投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
別れ、再会、疎遠、遭遇、衝突、すれちがい、離散 ‐返還前夜の香港‐あの時あの場所でしか起きえなかった交流の必然と偶然が描かれている。 生活を前に進めるには持っているものを切り捨てなければいけない、いくつものそういう描写に気持ちが辛くなった。 「多様性」の理解を一歩進めるきっかけにもなった。 多様性とは、肌の色、宗教、年収などではなく、バックグラウンド。いつ香港に来たか、どんな手段で香港に来たか、なぜまだ香港に居続けるのか、そういった全ての背景が一人ひとりを形作る。背負っているものを明かすことあるし、隠しておくこともある。これらの集合体が香港の多様性だと知った。 作中に何回か出てきた「尊厳」という言葉が気に入った。 (本物の資本主義国である)香港において尊厳を保つため、時に少し高い買い物をする。相手の尊厳を守るため、モノを直接手渡す。資本主義は尊厳を過敏に反応させる。尊厳を気にすることなく過ごせる国は「いい国」であり無防備だ。
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ97年中国返還前後の香港で、著者の体感した「香港とは」と香港の移り変わりがとても率直に書かれていて面白い。 著者の半端ない逞しさと香港への好奇心がなせる良書だと思う。 30年近く経ち、もうこの本にある香港を見つけることのほうが難しいのかもしれないけど、もし香港を訪れることがあれば、もう一つのガイドブックとして、この本を持って行くことだろう。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ中国に行く前に中国の風を感じたくて読み始めた。 文章が上手い、綺麗な文章とかいう意味でなく、文章の密度が濃く、感情や状況を言語化するのが上手い。この著者の存在は、米原万里さんの読書日記で取り上げていて知ったが、米原さんの中国版という感じ。 香港人の食に対する考え方(不味い冷凍肉は食わないがo157の危険のある新鮮鶏肉を食べる)とか博打の考え方がよかった。 著者の他の本読んでみたい。 2025.5.21
1投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログドンピシャのタイトル、Rolling Hong Kong gathers no moss。1996.8.19に始まり、97.7.1の中国返還を挟み、98.10.9に終わる感動的な香港ルポルタージュ。 変わりゆく香港、変わり続ける香港。ページのそちこちから喧騒、熱気と暑気、匂いが立ちのぼる。いまを生きる(したたかでパワフルな)香港の人々に圧倒されまくる。 知己のまんじゅう職人に会いにゆくところから始まるのが印象的。ラストの8ページでは、帰国後西荻のアパートで香港を想う。600ページのルポを読んだあと、では、なんだか心が震え、胸が熱くなる。 大宅壮一ノンフクション賞を受賞していたのに、手にとることがなかった。そしていま出会った。相見恨晩。遅くなったが、出会えてよかった。
0投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログ2024年11月30日、このブクログで「オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと」のレビューにてこの本と似てるようなことが書かれてた。
0投稿日: 2024.11.30
powered by ブクログ星野博美(1966年~)氏は、国際基督教大学教養学部卒、会社勤務を経て、写真家・橋口譲二氏のアシスタントとなり、1994年に独立しフリーの写真家・作家となる。本書『転がる香港に苔は生えない』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したほか、読売文学賞随筆・紀行賞、大佛次郎賞等の受賞実績あり。 本書は、大学在学中に一年間、香港中文大学への留学経験のある著者が、1997年7月1日の香港の中国への返還を挟んで、1996年8月から1998年10月まで約2年間香港に住み、そこに暮らす人々を描いたノンフィクションである。2000年出版、2006年文庫化。 私はノンフィクション物を好んで読み、しばしば新古書店で過去の各種ノンフィクション賞受賞作品を物色するのだが、本書もそうして入手した一冊である。 私はこれまで香港を二度訪れたことがあり、その1回目は、中国への返還から十年以上経った2010年で、当時は、返還時の中国側の約束である「50年に亘る一国二制度による高度な自治」が維持されていたはずである。その後、2014年には、次期香港特別行政区行政長官選挙に関する中国政府の決定に端を発した「雨傘運動」が、更に、2019~20年には、逃亡犯条例改正案をきっかけにした民主化デモが起こったが、私はその間、香港に関するTVや新聞の報道を、高い関心を持って見ていたし、それらに関係する『香港デモ戦記』(小川善照著)などの本も読んできた。しかし、現在の香港の状況を見ると、50年間約束されていたはずの自治は、事実上剥奪されてしまったと言え、世界の関心は、既に香港から台湾に移ってしまっている。 他方、本書の舞台は、上記の通り1997年の中国返還前後の香港である。当時、典型的な香港の街中のアパートに住み、毎日街の食堂に通い、多数の普通の香港人と付き合う著者が見た香港は、大半が他の土地から流れてきた人々の集まった、混沌とし、常に摩擦を生じさせながらも、未曽有の活力を持ち、多様性を受け入れる場所だった。その香港を、著者は「好むと好まざるにかかわらず、まるで崖から転げ落ちる石のように、彼らは転がり続けてきた。」と書いている。対して、我々日本人を、「千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで変わらない安定を望む人々」とも書いている。 本書は、本当の香港(人)を知るために、類書の少ない優れた一冊であることは疑う余地はないだろう。しかし、それから20余年が過ぎた現在、その香港(人)とは、今はなき過去のものなのか、それとも、今も変わらず存在し続けているものなのかはわからない。 後者であって欲しいと願うばかりだが、それを知るためにも、著者による続編的作品が読んでみたいものである。 (2024年11月了)
4投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ中国返還前後2年間の香港を体験した記録。 香港人の友達とすれちがい、喧嘩、古いアパートは問題だらけ、移民の友人、近所のカフェの美少年。。 本当の香港、この国の生命力がわかる。 次に香港に行く時は今までと違う香港が見える気する。
0投稿日: 2024.10.14
powered by ブクログ1997年の中国返還前後の香港に暮らした記録。 2024年の今、ちょっと旅行したくらいでは分からない、地に足のついた香港の姿を知る。特に、中国本土からの移民など地べたの話がとても興味深い。 筆者の青さも含めて、五つ星。
0投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログ長らく積ん読になっていたのは600頁超という量におののいていたのと、1997年と四半世紀近くも前の返還前後のことをいまさら読むのもどうかなと思っていたから。ところが、読み始めると面白くて、どんどん読み進めていけた。四半世紀前の普通の(中の下くらい?)の生活感が何となく味わえる感じがする。騒がしくてバイタリティがあり、大陸人の生きにくさがあり、香港人の生きにくさがあり、隣の人の生活や人生を見聞きしているような近さを感じながら読んだ。 そして、返還前後の香港の空気感を確認できたのもよかった。中国に返還されることによる楽観論も悲観論も右往左往していたあの頃。25年くらいがたって、いまの香港のことを思えば悲観論が勝ってしまったような気がする。ただ、それでもきょうも香港は生きて転がり続けているはず。 この本に出てきた著者の友人・知人の人たち、いまはどうしているんだろう。特に子俊とか肖連といった若い人たちのその後を知りたい。
9投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログ著者が留学生以来10年ぶりに香港に住みつき返還前後の二年間の香港生活を洞察力、若さと行動力で見事に書き上げた、渾身の一冊。
0投稿日: 2024.01.04
powered by ブクログ返還前に香港に添乗員として何回か 訪れていたのであの時の躍動を舞台裏から知る事が出来た。ちなみに当時の社内では国内旅行は伊豆に始まり伊豆で終わると言われ、海外旅行は香港に始まり香港で終わると言われていた。深夜特急もそんな感じですよね。 自分の失敗もさらけ出して記述頂いて おり文章にとても信頼感が持てた。 いつかまた行ってみたいと思った。
0投稿日: 2023.05.19
powered by ブクログ香港返還前後に住んだ筆者のフィールドワークである。500ページを超える大著なので、文庫本も厚いと思われる。香港に行く前にこの本を読むと、観光でない香港が味わえるであろう。ガイドブックにもこの本をお勧めで掲載した方がいい。 フィールドワークでの推薦本やテキストでは紹介されていないのは大著であることと関係するのかもしれないが、沢木耕太郎の一瞬の夏も大著であるがフィールドワークとして詳細している。一瞬の夏というボクシングというスポーツを扱うよりも、この転がる香港の方がフィールドワークとして適していると思われる。
1投稿日: 2022.12.25
powered by ブクログこれまた、『地図のないところで眠りたい』で推薦されていた本。丸善の秋のブックフェアでも推薦されており、この度手にした本。 自分が好きなものへの距離の取り方、そしてその表現の仕方が絶妙である。 いくら香港のことが好きだからといって、人間だもの、時にイライラさせられることもあるし、もう嫌だと思わせられることもある。でもやっぱり好き、そんなもどかしい感じが全編に貫かれており、そのもぞもぞした感じを楽しみながら読み耽った。 本棚において、何度でも楽しみたい一冊だ。
3投稿日: 2021.11.02
powered by ブクログ最高でした 台湾の喧騒を思い出す、また行きたくなるけど、この本で思い出せそうな気がする 何度でも読み返したい
0投稿日: 2021.06.09
powered by ブクログあらゆる出来事や物に対する、星野さんの繊細で暖かく、時にハッとさせられる洞察力に感嘆。 星野さんがその目を通じて見たもの、感じたことが、丁寧に丁寧に書かれています。 正直、読んでいると香港の街はなんて生きづらく、香港人と接するのはとても苦労するな…なんて思うことはたくさん!笑 でもそれと同じくらい、魅力に溢れる場所であり、力みなぎる人々なんだと思わせてくれる。それはひとえに、星野さんの力でもあります。 面白かった!他の作品も読みたい!
1投稿日: 2021.06.05
powered by ブクログ勤める業界のOBが勧めていて手に取った。 4ページ目で、筆者が香港の返還を北極星に例える描写がロマンティックで、それなのに華美ではなくて、この本は絶対に面白い、素晴らしい本を手に取った、と確信した。 実際に、うんざりしつつもどうしようもなく香港に惹かれている筆者による香港の喧騒の描写が素晴らしかった。香港の様子がありありと思い浮かんだ。 この本に出てくるエリートや密航者、街の飲食店に勤める人々はいまどうしているだろうかと思わずにはいられない。いまどこで過ごし、いまの香港の現状をどんな風に受け止めているんだろう。
2投稿日: 2021.04.01
powered by ブクログ香港返還時期に立ち会った生き証人。生々しく生きる人々から学んだ香港の光と陰。著者は「日本はいい国だ」という言葉の意味は、自分たちが無防備でいられることだという。単一のほうが楽だから、楽な方向に向かおうとし、異物を排除しようとする。 「今我々に必要なのは誇りではなく、多様性だと私は思う」 今から16年以上前に著者が感じたことだ。そして現在、我々はその時から変わっているのであろうか。世界を震撼させ続けている疫病を理由に再び楽な単一を選ぼうとしているのではないだろうか。
1投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
香港返還の瞬間に立ち会うため、返還の前後2年間現地で過ごした筆者による記録。 政治的、経済的に不安定な中でもたくましく生きる香港の市井の人々の人生が、筆者との交流を通して瑞々しく時に生々しく描かれている。 現在の、この不安定な日々の中、勇気をもらえた作品。長編が苦手だが、読みやすい文章&電子書籍だったおかげで、どんどん読めた。 「すべてのものは変わってゆく。永遠に変わらないものなど何一つない。予期しない変化を嘆いたところでどうしようもない。ただその中で自分が生き残ることだけを考えて前に進む。」
1投稿日: 2020.04.12
powered by ブクログ著者の留学時代の友人は香港返還前にカナダへ移住し、念願のパスポートを取得したが、香港の大学で学んだことは全然活かせず、単純労働しか得られず。失意のまま香港に帰国したら、香港に残った元同級生たちは出世していてる。そのイラつきを出身大学のプールや図書館で過ごすことて晴らす。なんか よく分かる感情。昔の自分は輝いていた。あまりの時代の変化のスピードに、たまたま動けなかった人が結局得をするみたいな事はよくある。株や土地も売れないまま、持ってたら何十年かたったら瀑上がりしたり、投資したいと思いながら出来ずいたら、バブルが弾けて現金持ってた人が得する…ほんとに運とタイミングだと思う。大陸出身と香港に前から住んでいる人との格差。結婚できないまま故郷に仕送りをし、小さな部屋でずーと暮らす人々。そこに、人民解放軍が、かつての境界線を越えてきた…
0投稿日: 2020.04.11
powered by ブクログこれ、本当にいい本でした。星野さんの目線がすごく素敵なんだなあ。フラットなんだけど時に感情的で、突き放しているようなんだけれど急に個人的になる、そのバランスがとても独特な文章で、わたしも香港にいるかのような、わたしも彼らと友人になれたかのような、そんな気持ちになる。行ったこともない異国の地の匂いや温度に触れるようで、たしかな文章の力を感じる。 それにしてもーーこんなに人がいるのに、誰にも出会えないという感覚は、東京にいてもありますよね。そんな中、ひとつひとつ細い糸をたぐり寄せて、少しずつ他者と出会っていく星野さんの営みそれ自体がわたしにとっては大いなる希望だ。人と関わるということ、都市に生きるということ、東京に生きるということ、日本に生きるということ、香港を読むことで、逆説的に浮かび上がってくる構造が面白くて、本当にすごい本なんだなあ、と。
0投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログ1997年にイギリスから中国へ返還された香港で、返還前後の約2年間を現地で生活したノンフィクション作家、星野博美氏の著書。最初の1年は就学ビザのため語学学校へ通い、2年目からは1か月間の観光ビザを取得するために入出国を繰り返すという、実に気合いの入った生活ぶりである。 ちょうど歴史的転換点を迎えた香港の様子を描いているのだが、政治的な話はほとんど登場しない。一緒に語学学校へ通うシスターや、大学時代に留学していた中文大学のエリート同級生、借りたアパートの近所の人々とのエピソードを通じて、街の喧騒や匂いが存分に伝わる内容となっている。 大陸との関係や移民問題、密輸や密入国者が多い事、不自由な住宅事情などなど、もちろん彼女の目線で見る香港が香港のすべてとは思わない。ただ約20年前の作品である事を差し引いても、あまりにアジアの隣国に無知な自分にとっては充分に興味深く、そして刺激的な作品だった。
1投稿日: 2018.08.24
powered by ブクログこの本はジャーナリズムではなく、香港での生活記というほうがあっています。著者は当時、まだ思春期を抜けきれない、ちょっと浅はかで感傷的で怒りっぽいところのあるアラサー女性。彼女のいくぶん偏った世界観による独りよがりな生活記がだらだらと続き、いい大人の読者ならば最初の数十ページでさすがに「もういいかな」という気になると思います。それでも最後まで読まされたのは、文の上手さと、だんだん心配になってくるんですね。この人これからどこまで成長するんだろうとか、逆に、どこまでとんがって生きていくんだろうとか、結末が気になってきてしまうのです。その意味では読ませる力はあるんだろうと思います。 一方、香港の人の(20年前の)価値観や生活感は、肌感覚で伝わってきました。日本人とは180度違うと言っていいくらいなので、すごく面白かったです。
0投稿日: 2017.09.04
powered by ブクログ昔から香港という土地に不思議と興味をひかれていて、香港に関わる書籍を読もうと思ってまず手に取ったのがこの本。 読んで本当に良かった。 リアルな香港が作者目線で瑞瑞しく書かれていて、香港という場所がどういうところか、よくわかった。 香港へ旅行することになったときに読み返したけど、旅行でも役に立つことが多くあったし、本当、読んで良かった本。
0投稿日: 2017.06.17
powered by ブクログタイトルは日本の国歌「君が代」の歌詞のもじりから。 返還前後の香港で暮らした30代前半の日本人女性の、瑞々しいレポート。こんな文章書けたらいいのになぁと思う。 何が良いかって、彼女自身がしっかりと媒介になっている点がブレずに徹底している。人と人との生々しいコミュニケーションの軌跡、街の喧噪やごみの臭いがこちらに届きそうな描写、身を切るような筆者自身の自省を含め、すべてがストンと腑に落ちるように読めるのは、彼女の等身大レンズを通した街や人が丁寧に描かれているからだと思う。それも、留学を機に築かれた10年ものの関係を温め、そして新たな人々の出会いを追いながら、丹念に人の姿を追っていくやり方で。 根底には、時に憤ったりしながらも失われない、人々への温かい目線。おかげで今まで漠然と捉えていた香港と本土の違いも、いま香港が向き合う課題の背景も、今後は具体的な形を伴って目の前に立ち現れて来るように感じられる。
0投稿日: 2017.05.05
powered by ブクログ香港返還が、現地ではどのように感じられていたのか。 物事は、どちら側から見るかで変わってしまうのだと、当然の事を思う。
0投稿日: 2016.04.30
powered by ブクログ香港の返還には興味はあったが、旅行者としての視点を持っていなかった。 だから、返還がお祭り騒ぎのようであり、しかも香港の在住の人に対して、言い尽くされた「返還をどう思う?」という疑問でしかなかった。 それが、10年来の友人たちの今を通して、生活や考え方の変化、さらに広東語で近隣の顔見知りに本音を聞くことで、表層でなく、個々の人間に魅力を感じるほどまでに、迫ってくるものがある。 そこに生活する人のバックグランド、毎日の生活、人つながりで支えあう人々、土地、金、パスポートへの欲。そもそも移民の流入先として成り立っていた香港の、その大陸からの流入時期によって、オールドカマーが、ニューカマーを下に見る構図。 英語>広東語>北京語 という構図は、今はどうなのだろうか? どんな解説書を読むより、当時の香港という街が理解できたように思う。
0投稿日: 2015.12.19
powered by ブクログこの本について、私が何を言おうとも「しょーがない」 圧倒的に、負けていると思う。対面相手として認められないだろう。 ただ今の自分の敗北を感じた。
0投稿日: 2015.08.03
powered by ブクログ返還前の香港には行ったことがある。返還後の香港は行ったことがない。そんな私の感想としては、600ページは長かった、です。読み終わってしばらくたっているせいか、つまらないわけではないのですが、取り立ててコメントするものも思い出せない。 ただ、この本を書くのに手間暇がとてもかかっていることはわかる。 払ってもいい金額:1,000円 著者の考え方のルーツがわかるような気もするが、そこにはあまり興味がなかったので、謝謝!チャイニーズのほうが好みかな。
0投稿日: 2015.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルの意味は終盤になってようやく分かる。そして、そこへの収斂のさせ方が実に見事。「謝々チャイニーズ!」が仮説を立てる旅だとしたら、こちらは検証の旅といった様相。現地に身を置いたからこそ見えてくる香港の本質と、返還前後の貴重なルポ。いま読んでも全く古臭さを感じない。
0投稿日: 2015.05.09
powered by ブクログ沢木耕太郎より面白い。香港を旅行したくなった。 なお、米原万里の書評から本作と著者に興味を持ったのだけれど、ぼくみたいな人、結構いるみたいだね。
0投稿日: 2015.03.15
powered by ブクログもちろんお会いしたことは無いけど大学の先輩だそうで。これ読んだことが香港に来るきっかけの一つになったのは間違いない。
0投稿日: 2015.01.05
powered by ブクログ返還期の香港にまさに入り、感じたことを赤裸々につづる筆者。変わり続ける香港がもしかすると止まるかもしれない返還。これまでの香港に「慣れる」ために、様々な人の話をきき勉強していく筆者。なれるためには今まで生きてきた自分の魂を変化させていくことだ。香港人に戸惑い、傷つき、慰められ、笑顔にさせられ、結局自分のルーツである日本人であることを「誇り」とし、閉じこもった世界で持つ誇りに意味はなく、広い意味で国際交流しての「誇り・矜持」ならば大切であることに気づく。 僕(このレビューを書いている私)は香港中国返還の10年後、香港で半年間暮らした。悲壮感などなく、10年祭として大賑わいだった。観光で来る大陸人(中国人)たちは、相変わらず、ホテルを荒らしまわり、人民袋ぱんぱんに荷物を詰め込み、ブランド品を手当たり次第に買っていた。そんな大陸人を香港人は、同じ国だけど別の生物のように、少し引いた目で見ていた気がする。 毎日変わり続ける香港。毎日を生きるために積極的な香港。ゲップをしまくる香港。香港で生まれたことを誇りに思う香港。カナダやオーストラリアに留学する香港。 人は香港をハブ空港として世界を左から右に、狭い香港にそびえ立つ摩天楼を上から下に、縦横無尽に動いていく。 イギリスの植民地であったことも利用してさらに進もうとする、一部の経済的自由をもった特殊なその力は、根無し草の集合体が、限られた土地で生きるために選んだ手段なのかも知れない。そして、同じくイギリスに統治されたインドとはまた違う活力を持つ。 筆者は一度負けた(自分で期限を決めて離れることができず、次期とタイミングで離れた)と思った香港で卒業試験を自分で設け、ピリオドを一度打つ。この本は筆者の香港に恋をしていた話だ。なぜなら僕も同じ思いをしたから。いやなところも、わからないところもあったけど、そして自分は絶対に香港にずっと住むことはできないことがわかっても、好きといえる気持ち。プラトニックな関係は、心に引っかき傷をつくっていつまでも思い返す初恋のような感じで熟熟と膿んでいく。その膿は失ってしまった恋の大きさに比例するが、いつか大きな宝となる。 また、香港に行きたくなった。
3投稿日: 2012.12.06
powered by ブクログ香港に住んでいても、広東語がわからない私には香港の人と話をすることができない。すれ違う人たちがどんなバックグラウンドを持っているのか、どんなことを考えるのか。それを理解する多少のヒントになったかもしれない。とても面白く夢中で読んだ。
0投稿日: 2012.09.21
powered by ブクログ文章の歯切れがよく、テンポ良く構成されていて、あっという間に読んでしまった。 様々な背景の人が集まり、人も政治も経済も流れが速い香港。そんな香港が大好きなのに、安定を望む日本人である自分は、香港人にはなれないと著者。 日本は「千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」安定を求める気質であることに対して、香港は「転がり続ける」と表現されている。 このタイトルの付け方に膝を打ってしまう。 星野博美さんの本は、早く続きを読みたい!と急かされるように読んでしまうなー
0投稿日: 2012.08.15
powered by ブクログ苔のむすのを徹底的に否定し、転がり続ける香港をリアルに綴ったドキュメンタリー。 香港入門にこれほど最適な本はないだろう。
0投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログもっと早くに読みたかったな。 長いですが、香港に何かしら感じるものがある人にはキュンと来るかと。 また香港〜Lowuの国境を超えたくなりました。
0投稿日: 2012.01.10
powered by ブクログ自分自身香港に住み始めて約1年、著者の香港への愛情や不満に頷きながら、これまで私が交わったことのない人々とのたくさんエピソードに引き込まれながら、あっという間に読んでしまった気がする。(実際はかなり時間をかけて読んだけれど・・・)
0投稿日: 2011.12.09
powered by ブクログ香港がイギリスから中国に返還されたのは1997年7月。大学時代、交換留学で香港に1年滞在した著者は、返還日には必ず香港にいよう、と決意していた。返還前のバブルやお祭り騒ぎ、そして返還後の経済危機やインフルエンザ騒動など、驚くほど浮き沈みの激しい香港で2年過ごした著者。故郷の妻子に仕送りを続ける密航者、カナダから戻ってきたエリート、カフェで働く美少年など、さまざまな人々に出会い、香港をより深く考えるようになる。 香港のたくましさ、したたかさは短期間旅するだけでも感じることができるけれど、この本を読むと、それだけでは知ることのできない、切実な毎日を生きる香港の息づかいが実感できる。返還されて14年経って香港がどう姿を変えたか、今の姿と比べながら読むのも面白い。
0投稿日: 2011.11.30
powered by ブクログ香港に行ったことがある人なら、面白いだろうが、 とにかく長い。 1998年香港返還の年に読めば また 違った緊迫感があったろうに。 大宅壮一ノンフィクション文学賞受賞作は、分量が 多いので、読むのに 一苦労するものも多いですね。
0投稿日: 2011.04.18
powered by ブクログ香港に住んでるんだから、読まなきゃとずっと思ってたこの本を3年目にしてやっと読んでみた。600ページもあるのも手を付けなかった原因なんだけど、読んでみたらあっという間に読めた。100ページ読むのはあっという間で、読みやすかった。本の分厚さが作者の香港・中国への愛情を感じる。 読んでみて、それまで考えたことのなかった、移民の人たちの苦労がわかったり、苔が生えない香港の転がりようもよく分かった。単一民族で苔がむすまでの日本とは正反対なんだと。 勤勉で競争力があって、マネーゲーム好きな背景がわかる。 あと、マイ・コーヒーに行ってみたい。 喧騒な町中に着陸する昔の空港も気になった。
0投稿日: 2010.09.07
powered by ブクログ香港返還時の香港滞在記。 この作者の作品の中では一番面白いと思う。 妙に感傷的であったり、若さゆえ(?)の尖った部分があったりするが、 あーそういうの分かる分かると逆に共感できる部分も。 中国好きだったら読んで損はない一冊。
0投稿日: 2010.05.05
powered by ブクログ香港返還を跨いだ滞在記。 女性特有のというのかどうかわからないけども感傷的すぎる感じはあるのでところどころ何だこの臭さは…と思いながら読んだ。ただ、ひとつの街に夢中になって先走る感情を抑えきれない感じなら経験があるのでまあまあ共感できる。 大陸人と香港人ではお互いに違う人種と考えているようだけどどっちも同じぐらい猛々しいと思う。図々しさがなければ大陸でも香港でも生きていけない。「賭博をしない男にいい男はいない」という言葉の説得力は後にも先にもこの読書でだけ自分に響くのだと思う。 さまざまな背景を持つ人間が状況の変化に対応しながら常にどう立ち振る舞えば生き延びられるかを考え、いつまでも気が休むことはない。カオスの街で誰もが終わりのないサバイバルゲームをやっている。流れに身を任せる生き方でなんとかなる街ではない。終章で著者は苔の生すまで巌となる日本は安全であり苔のつく暇もなく転がり続ける香港は安全ではないと書く。600頁を超えるいくつものエピソードはそれぞれ気ままに書かれたようでもここでタイトルと係ってすべてきっちり収まってしまうあたりなかなか秀逸。それにして現地で就労するわけでもなくこんなにたくさんの人としっかり繋がってしまえる著者はすごい。
2投稿日: 2010.01.28
powered by ブクログ香港返還前後2年間、香港の街に暮らし、そこに生きる人々を真正面から捉えた。 第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 読み応えありました。面白かった・
0投稿日: 2009.06.30
powered by ブクログ香港?香港! 始めて香港にいったのが確か99年で、すでに返還されたあとだった。 次にいったのは02年、変わったようには見えなかった。 そのとき僕と彼女の距離は15センチ、とか書きたかったけど、返還前と後では香港は決定的に変化していて叶わなかった。
0投稿日: 2009.04.24
powered by ブクログ中国返還前夜の香港での体験記。 タイトルはうまいと思う。日本人は「転石苔を生ぜず」というと、悪い意味にとらえがちだが、香港の人は常に高い所を目指して突き進む。終の棲家を求めるのか。それとも絶えず発展を求めるのか、という違いだ。 感傷的になりすぎている所もあるが、主張は一貫しているし香港の人々の生活が直接的に描かれていて良い。
0投稿日: 2008.12.06
powered by ブクログ『謝謝チャイニーズ』が面白かったので、思わず購入。返還前の香港のことが書かれている。1997年に香港が返還されたことは知っていたけれど、街の人がどんな風かなんてことはもちろん知らなかったし、香港気質なんてことももちろんわからなかった。異文化に触れられたというか、所変われば人の考え方は違ってその背景には事情があるということがよくわかっって面白かった。
0投稿日: 2008.08.31
powered by ブクログそのタイトルをみて、なんだかとてもドキドキしてしまい手にした一冊。 中国返還頃の香港にひとり赴いた星野さん。 学校に通い生活をして、香港という街の複雑さと、人の強さを記しています。 結構な頁数だったように思うけど、引き込まれました。 同年代で、写真家である星野さんですが、文章も好きです。 「銭湯の女神」もお奨めです!
0投稿日: 2008.02.16
powered by ブクログ返還時の香港や香港人の描写に頷ける点も多く面白いが、そのいちいちが不必要に感傷的すぎる。香港人よりも香港を求めすぎて、結局は筆者のノスタルジーの押し付けの点が否めない。
0投稿日: 2007.12.19
powered by ブクログわぁ。すごい。こういう人が書いた本を読んでいきたいと思った。知らなかった香港ワールドが私の中に降ってきた。
0投稿日: 2007.04.30
powered by ブクログ1997年の香港返還という、沸きあがったような混乱する香港の九龍の古アパートに住み、さまざまな人と出会う。これほど読み終えたときの満足感をえられるノンフィクションは、少ないだろう。
0投稿日: 2007.01.08
powered by ブクログ香港の中国返還という日にその場に立ち会いたいと、一年前から香港で暮らし始めた女性のルポ。広東語を習い、中文大学時代の高学歴の同級生から密航者、新移民たちまで香港で暮らす様々な人たちの物語。非常に真摯に人と対峙する姿勢に好感が持てます。旅行者として香港芸能迷として私は香港が好きだけれど、ここまで力いっぱい向き合うことはできない。何より登場する人々が生身の存在として描かれるところがいい。この値段で久々に読み応えのある本に出会った。著者の住んでいた頃から姿を変えてしまったとしても、また香港に行ってみたくなる一冊。
0投稿日: 2006.10.31
powered by ブクログ『深夜特急』以後の紀行文をふたつあげるとしたら、ひとつは小林紀晴の『ASIAN JAPANESE』。 そしてもうひとつが、この『転がる香港に苔は生えない』。 書店にはあまり並んでいなかったが、このほど文庫化され物理的にも経済的にも入手しやすくなった。文藝春秋えらい! 香港が中国に返還される1997年7月、その前後の約2年の間、著者は香港で暮らした。だから正確には紀行とは呼べないのかもしれない。 その頃、日本のメディアは香港のことを大きく取り上げたが、近頃はさっぱりだ。 でも、この作品は、1997年が遠くなっても、変わらない魅力を持っている。 著者の視線は、取材者としてではなく、部外者だが香港という街に一緒に暮らす側にある。 友人として香港の人々と接する。だから、ただの旅行者には、聞くことのできない、感じることのできない話や想いを結果的に集めることになる。 香港は大陸からの移民が多く集まっている。中国返還をひかえ、人々の不安は増している。政治や国といったものは信用ならない。 頼れるものは血縁、友人、自分。そしてお金。 働く。儲ける。 だまっていたら赤の他人は誰も何もしてはくれない。 だから生きていく姿勢、必死さが日本人と決定的に違う。じっと静かに苔など生やしていられない。 そんな厳しいがエネルギッシュな街に暮らす人々。 想いを寄せるカフェの青年。大陸に妻を残し働き続ける男たち。インテリ層の大学時代の友人も仕事や金銭面で成功したり、うまくいかなかったり。 そして1997年7月1日がやってくる…。 返還前後の香港の日々を見事にとらえた大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
0投稿日: 2006.10.17
