
総合評価
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この話はちょっと未来?フィクション?いや…
表現規制について、今よりちょっと明確なレッドカードがある世界で、若手漫画家が抗い苦悩するお話です。 面白ければ何やってもいい、なんていうようなことは思わないけど、創作物を愛する一人として表現者の苦悩には畏敬の念を抱いております。 ほんの些細な規制であっても、発行の責任を負う出版元はそれを意識し、明確なラインはなくても安全であろうを想定し作家にそれを促す。 全部が全部そうではないと思いますが、そういった「傾向」が産まれるのは必然で、この”流れ”自体に作家さんたちは危機感を感じています。 倫理感や正論に根差す問題であればあるほど、民主主義はほんとうの正しさとは違う方向を向くこともある側面があります。 曖昧なものをYES/NOで両断すると、感じている肌感覚と違う結果が出たりするのはよくあること。どちらが真実なのか。 エンタメなんて、なくなってもだれも死なない。所詮娯楽なのかもしれないけれど、少なくとも自分の人生の彩りはひどく色褪せるに違いない。 2015年の話題作です。
5投稿日: 2016.02.10
powered by ブクログ2015年6月に実写映画が公開された『予告犯』の原作者が、「表現の自由」にフィクションで挑んだ作品。この物語の舞台は、2020年のオリンピックを目前に控え、表現の自由が急激に規制されていく近未来の日本。その中で主人公である漫画家や編集者が表現規制に板挟みにあいながら抗うことで、表現の本質、規制の本質を読者に問う意欲作です。(山内康裕)
0投稿日: 2016.02.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょっとグロいホラーかと思ったら、内容は「表現の自由と規制」という真面目なストーリー。 それぞれ違う考え方と感じ方があるから解決しにくい問題だと思うけど、とどのつまりはそういう事なんだよなぁと納得。 マンガの中のマンガ「DARK WALKER」と現実がスイッチするタイミングやバランスがよくて読みながらドキドキした! 読めてよかったー!
0投稿日: 2016.01.19
powered by ブクログ漫画が好きで漫画を読んでいる人間なら何かしら考えずにはいられない作品である。理性と娯楽の擦り合わせは難しい。
0投稿日: 2015.10.23
powered by ブクログ今ならまだ描ける。そんな作者や編集者の声が聞こえてきそうだ。 (BOOKデータより) 2020年、東京の街ではオリンピックを目前に控え、“浄化作戦"と称した異常な排斥運動が行われ、猥褻なもの、いかがわしいものを排除するべきだという風潮に傾き始めていた。そんな状況下で、漫画家・日比野幹雄はホラー作品「DARK・WALKER」を発表しようとしていた。表現規制の壁に阻まれながらも連載を獲得するが、作品の行方は──!? “表現の自由"を巡る業界震撼の衝撃作!! 日比野の書こうとしたのは、わりとありふれたゾンビもどきのマンガ(現代日本が舞台)なのだが、人喰いの場面などが元政府官僚により目の敵にされて、新連載一回目に回収処分になってしまう。 「その日まで僕は情報を遮断された環境にいたせいで、世の中の恐ろしい変化にまるで気付けないでいた。あるいは気づかないふりをしていただけなのかもしれない。その兆候はいたる所に現れていたのに。ともかく僕が気付いた時にはもう、世界は既に変わり果てていたんだ‥‥」(17p) マンガ「DARK・WALKER」の主人公の独白が、作者の最も描きたいものであることは明らかだ。ゾンビ病の蔓延を「表現の自由の規制」に替えたならばよくわかる。作者に、政治の詳しい動向や分析を描く気持ちはおそらくない。しかし漠然とした不安がある。その気持ちをそのままマンガにするのも、表現者としての仕事だろう。 表現の自由を守るために心を砕く編集者や、一度弾圧を受けて作画職人に変貌した有名漫画家など、業界の中の裏話も描いている。 これはあと5年後の世界。自民党改憲草案が実現したら、近い将来現実になる世界でもある。いや、2006年教育基本法が改悪されて、今年から道徳が正式科目になった。改憲されなくても、下手をすればこんな条例が通ってしまう可能性はある。と私は思う。 下巻でどう決着をつけるか、愉しみ。夏に発行だそうです。発行「自粛」になる前に上巻だけでも手に入れておいた方がいいのかな(^_^;)。 2015年4月23日読了
1投稿日: 2015.05.02
powered by ブクログ東京オリンピックまで200日、という設定なので、とてもリアルな印象。また、何か事件があるたびにゲームやコミックを引き合いにしてくるマスコミも見ているので、空想の世界とは思えません。本当に起こりそうな気すらしました。どうお話が進んで行くのか楽しみです。有害図書、不健全図書の紹介に自作を出され、筒井氏の気概を感じました。
0投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ筒井哲也の新シリーズ。 表現の自由をマンガを焦点として、行き過ぎた規制にどうしたらいいのかを考えていく作品。規制とうものは何かしら理由があって生まれるが、行き過ぎたものは善意の押し売りにしか見えなくなってくる。 ネタがネタだけにどこまで掘り下げて書いていけるのか。
0投稿日: 2015.04.21
