
総合評価
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powered by ブクログアオハル系ライトミステリーで、ちゃちゃっと読める だろうと、あなどっていた。 そもそも、このジャンルは得意ではないのだが。 生い立ちの複雑さゆえ、周囲に高い垣根を張り 巡らせている鉄面皮の大学生、雪弥と、 いつもべしょべしょ泣いている女子高生、香乃、 二人の、いわゆる青春、恋の物語。 香乃は、人の放つ香りで、その人の心模様を感じ取る 異能の持ち主で、人と違うことから深く傷ついて いる。 雪弥も、香乃も、どちらも心に傷を持つ身で、 それだけだと辛気臭いところなのだが、 二人の周りにいる人物らが、実に生き生きと輝き、 魅せられてしまう。 おばあちゃんの三春、今は亡きおじいちゃんの銀二、 高橋くんなどなど、主人公二人はともかく、 彼らの物語を深く深く読みたいという気に。 特に、香乃の親友、チヨちゃんの魅力ったら…。 もう、登場して秒で大好きになった。 これから、どんな人物が出てくるのか、 それが、楽しみだ。
0投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ特殊なの機能?能力?を持ち合わせている設定だなぁ、これが後々何かの力を発揮して物語が展開されて行くのかなあ。。。 こういう能力に合わせた物語の展開になるのか?などなど、雑念が入りまくりの読書時間を過ごした。 奥手な2人にヤキモキしつつも、読み終えた時には、次の2巻を読むのが楽しみになっている自分に気づく。
15投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ鎌倉を舞台に『香り』にまつわるお話。 人の心を香りで感じ取る不思議な力を持つ高校女子と、探偵のような細心な注意深さと頭脳を持つ大学男子が、『香り』で解き明かす、ほっこりと温かなミステリー作品です。彼女はとても可愛らしくて、彼はカッコいい。ティーンじゃなくてもキュンキュンしました。
2投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログこの和風で穏やかな感じいいなぁ。雪弥さんも香乃ちゃんもそれぞれ心に傷を抱えていて。そんな2人だから分かり合えることも多いんだろうなって。 雪弥さんは香りで人の感情がわからないはずなのに、香乃ちゃんの感情はよく読み解いていて、こちらまで幸せになる。香乃ちゃんの考えはよく理解できるし、雪弥さんがかっこよすぎる.....。他の人には冷たいところがまたいい。感情移入しながら読んだ。 この世界観素敵だなぁ。
0投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログ本屋大賞も獲られて、最近気になる作者さん。 フォローしている方のレビューに惹かれて、10年前に書かれたシリーズ物に行ってみる。 人の心の動きを香りとして感じとることができる香乃(高2)は、祖母が営む香り専門店「花月香房」で暮らしている。ゆるりと営業する日常の中、そこで起きる謎というかトラブルめいた出来事にアルバイトの雪弥(大学生)と一緒に対処していくといった設定。 店を訪れた老婦人の“消えた手紙”のゆくえ、訳あり家族の相続にまつわる過去の記憶、大学のゼミ室でなくなったメガネのありか…。 匂い袋、香木、練り香水など店で扱う香りに、香乃が感じる人の動きの香りを絡ませて進む話は、まずまずうまく出来ていてサクサクと読める。鎌倉を舞台にして少しレトロでゆるくて可愛らしい雰囲気もいい感じ。 他人と違うという香乃自身の悩み、それを理由とする香乃と家族の関係、幼い頃から続く香乃と雪弥の関係なども縷々語られるが、こちらは今後の展開の種まきもあるのだろうがちょっと面倒くさかったかも。 最近シリーズ物に行っては2,3冊読んで後が続かずが増えているが、これはどうかな。取り敢えず、次へは行ってみる。
71投稿日: 2025.06.13
powered by ブクログ人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ主人公の高校2年生の香乃と彼女のよき理解者、大学生の雪弥さんが活躍(?)するちょっぴり切なくほっこりするあったか香りミステリー!シリーズ第一弾……続きが気になる
13投稿日: 2025.04.16
powered by ブクログ負けずにお取り寄せさー というわけで阿部暁子さんです 尊い! 王道ですよ、王道! これを王道と言わずして何を王道と言うのか 奥手男女ですよ! 奥手男女の恋物語ですよ! やっぱり若い子は奥手でなければいけませんよ それが人の道ってものですよ ダメです、出会ってすぐにラインIDとか交換しちゃ 許しませんよ! 19歳の男子大学生と17歳の女子高生、出会ったのは9歳のときで、その時から互いに大切な存在だけど、別に付き合ってはいなくて、でも大好きで…って奥手過ぎるわ!( ゚д゚ )クワッ!!(急に) なんだ?あれか?そんなにキュンキュンさせたいのか?キュンキュン狙いか? だとしたら大成功だわ!(だとしてないからね) よし、次
55投稿日: 2025.03.02
powered by ブクログ人の心を香りで感じとる。主人公の香乃が可愛い^ ^その香乃を優しく見守る雪弥もカッコいい!祖母の三春さんもサバサバ系の元気ハツラツ! 第一話 亡き夫の残した大切な手紙を無くしてしまい心ここに在らずの糸子さん。 旦那さんに贈られた大切な思い出の品とともに… 素敵な恋文です。 アサトくんの「おばあちゃん物忘れ激しすぎ」の一言も、痴呆の始まりじゃないよ^ ^激しい物忘れだよというニュアンスがあって面白い。 大切な手紙見つかってよかったね♪ 第ニ話 お金持ちの蔵並さんの遺言より 「所有していた香木を三春さんに譲る」 三春さんの代わりに香木を受け取りに行くことになった香乃と雪弥。 紛失してしまった高価な香木 伽羅 誰が?長男直希から漂う香りが気になる香乃。真実は? 亡き故人の想い真実を守る番犬エカテリーナか、なるほど!嫡出子でない響乙。嫌な思い出を相続放棄という意志と共に忘れようとする。伽羅に秘められた父親である啓太郎さんの想い受け止めて欲しい。 第三話 香乃は大好きな雪弥さんの事を何も知らない。そこに現れたのが雪弥さんの元カノ十和子さん!彼女もまた良い人〜^ ^雪弥さんが大切に想っている人は香乃ちゃんなのに…その事に気付かない所がまた可愛い^ ^。 第四話 香乃の妹香凛登場!気が強く、初対面のアサトにもくってかかる(笑)。友人真奈のために、二度と後悔したくない!助けを求める真奈の香り。 危機一髪でした〜。やっぱり雪弥さん頼りになります。 安心して読みおえることができました^ ^。
25投稿日: 2025.02.13
powered by ブクログ大好きな鎌倉を舞台とした本を探して たどり着いた一冊です。 とても読みやすく あっという間に入り込めたと思ったら 物語の中の匂いまでも感じる事が出来た 鎌倉の街並みを思い浮かべながら 楽しく読み終えました。 続編も早く読みたいです
3投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ「あの日からの恋文」 手紙という言葉に。 大切だからこそ大事にしていたとはいえ、偶然気になって手にしなければ一生忘れたままだったかもしれないな。 「白い犬は想いの番人」 盗人は愛人の子で。 突然やってきた義理の兄弟を受け入れるのは簡単ではなく、裏切られていたという想いが攻撃的になったのかも。 「恋しい人」 敵対が心剥き出し。 付き合っていても見たことない表情をしている姿や、何よりも優先するバイトなんて嫌でも憎いと思うだろうな。 「香り高き友情は」 バイトをしている。 居場所を失い独りになってしまった経験を持っているからこそ、嫌だという事が出来なくなってしまったのだろ。
1投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログ内容(ブックデータベースより) ●ほっこりあったか香りミステリー 人の心の動きを香りとして感じとる――ふしぎな力を持つ香乃は、祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。 鎌倉を舞台に、あの日の匂いと想いもよみがえるーー 令和6年7月25日~28日
1投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログ人の感情を香りで感じ取ることができる高校生女子と、探偵のような細心の注意力を持つ大学生男子が、地域の人々との交流を通じ、さまざまな課題や事件を解決するもの(コナンくんのように死者は出ない)。鎌倉が舞台になっていて、知っている地名も多く、楽しめる。内容はごく簡単で、キュンキュンするラブストーリーもあって、まあ、これはこれで。
1投稿日: 2024.08.17
powered by ブクログ初めて出会う作家さんでした。ティーンズ向けのお話しかと思いましたが、十分楽しめました。人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ高校生の主人公と大学生の雪弥、鎌倉を舞台に2人が活躍するほっこり温かいミステリーです。続編も読みます。
9投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ一巻だけでも十分面白いけど、この本は一巻読んだからには五巻まで読んで欲しい。読み進める程どんどん面白くなっていく作品です。出会えて良かった、、!
3投稿日: 2023.08.29
powered by ブクログ鎌倉の香房の雰囲気が良い 主人公の特殊能力がチート能力感ちょいあるかなほっこり系とほどほどのミステリー 雪弥さん、過保護すぎてヤンデレぽい。 両思いじゃんってヤキモキ。もう付き合え〜
1投稿日: 2023.08.20
powered by ブクログあなたが考えている事、思っている事が、『香り』として現れる…と聞いたらどう思うでしょうか? 視覚、聴覚、触覚、味覚、そして嗅覚、動物が持つ五つの感覚機能のことを私たちは”五感”という言葉で言い表します。そんな”五感”は私たちが日々の生活を送る中でその場面場面に応じて発揮されてもいきます。 その一方で、ある感覚を使っているにも関わらず全く違く感覚が刺激されるという瞬間があります。このブクログの場に集う私たちは読書という、文字だけの情報を目で追う行為の中にそれを体感する時があると思います。私は2019年12月に、恩田陸さん「蜜蜂と遠雷」を読んでいる時、文字を読んでいるのに頭の中に音楽が流れ始めたという経験をし、これが読書&レビューの日々が始まるきっかけとなりました。そんな私は同様に例えば伊吹有喜さん「オムライス日和」を読む中に味覚が刺激されるという経験もしています。なかなかに読書というものが持つ可能性には驚きます。 さて、そんな”五感”の中から嗅覚というものに着目した作品がここにあります。この世のあらゆる存在が発している『香り』に何かを感じてしまうという『体質』を持った一人の女性が主人公となるこの作品。そんな女性がその『体質』を使ってさまざまな事ごとを解決していく様を見るこの作品。そしてそれは、そんな物語に『香り』というものが秘める何かを読者のあなたが感じる物語です。 『お線香をいただきたいのだけど』と『その人が店に入ってきた時から、その人がかなしんでいることはわかっていた』というのは、鎌倉にある『「花月香房」の店主の孫で』高校二年になる主人公の咲楽香乃(さくら かの)。『どのような香りがお好みですか?』、『ああ、煙が少ないのがいいわ』と対応する中で『その人のかなしみ』は、『冷たい冬の雨のような、静かに胸を刺す香りだ』と思う香乃。そんなところに『ただいま戻りました。ー ああ、いらっしゃいませ』と『来月大学二年生に進級予定』でアルバイトをしている岸田雪弥(きしだ ゆきや)が帰ってきました。『若旦那さまと若奥さまみたいだこと』と二人が並んだ姿を見てその人、老婦人は微笑みます。そして、『お線香の包み』を受け取ると『ありがとう』と店を後にする老婦人…。そんな時『出ていったはずのその人の香りが、店の前を行ったり来たり』するのに気づいた香乃は『どうなさいました?』と声をかけます。『本当にごめんなさい』と言う老婦人は『自分の家がどこだったかわからなくなってしまった』と説明します。しかし、持ち物に住所を記したものがない老婦人。『警察に届け出るのが一番いい』と進言する雪弥に対し、落ち着くまで少し待つよう提案する香乃は、『気持ちを落ち着けるにはどうしたら』と思案した結果、店でやっている『聞香(もんこう)体験』を勧めます。『聞香炉』の準備をして、『香木』を載せる香乃。そして、老婦人が『静かに目を閉じた時、痛いほどはりつめていた彼女の香りが、ふうわりとやわらぐの』を感じた香乃。そんなところに『ただいま〜』と帰ってきたのは祖母の三春。そんな三春が『糸子ちゃん、来てくれたの!』と語ると『え、三春ちゃん?』と返す老婦人。そして、お孫さんが迎えに来て糸子さんは帰っていきました。そんな夕刻、『もしかして、何か感じたんですか』と訊く雪弥に『… かなしんでいたんです。とても』と返す香乃。そんな香乃は『小学二年生の時に、わたしは問題を起こした』という過去を振り返ります。クラスで発生した財布盗難事件に、『わたしは犯人がわかっていた』という香乃は『恐れと興奮がないまぜになった強烈な香り』をある女の子に感じ『みんなの前でその女の子を告発』します。大騒ぎになった教室、そして、その子の荷物から財布が発見され、その女の子は『不登校になり、翌年に転校していった』という展開。小さな頃から『かなしんでいる人からはかなしい香り、怒っている人からは攻撃的な香り…』がすることを口に出して『両親を怒らせ』てきたという香乃。そんな香乃の言うことが真実だったと知った両親は香乃を『忌避するようにな』り、『鎌倉の祖父母のもとで暮らす』ようになります。『この体質によって何を知ったとしても、それを使って何かをすることはルール違反』だと認識して今を生きる香乃。そして、翌日、糸子の孫が店を再び訪れ、亡くなった祖父が遺した手紙を糸子が失くして元気がないと話します。そんな話を聞いた香乃は…と続く最初の短編〈あの日からの恋文〉。主人公・香乃の人となりを鮮やかに描写しながら『香り』を元に身近な謎を解決していく香乃の物語が描かれた好編でした。 “人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃…鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも…よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー”と内容紹介にうたわれるこの作品。阿部暁子さんの代表作の一つでもあり、このレビュー作成時点で5作目までシリーズ化されてもいます。私が読んできた小説でたびたび目にしてきた、げみさんによる表紙のイラストがこの作品世界を鮮やかに表現してもいるこの作品。そんな作品の魅力を書名そのままに『鎌倉』と『香房』という二つの視点から見てみたいと思います。 まずは、『鎌倉』です。この作品は書名そのままに『鎌倉』が舞台となって展開していきます。物語の舞台となる都市はさまざまです。空想の街もあれば現実世界に実在する街もあります。そんな中で敢えて現実世界に実在する街を舞台にする場合には、その街に対して読者が抱くある種の共通イメージを作者が敢えて利用する側面があるのだと思います。その代表格が”京都”だと思います。”京都”という街には独特なイメージが存在し、”京都”を舞台にした作品を読みたい…と探した結果、その作品に行き着いたという結果論での読書をされている方も多いようです。そんな中でこの作品が取り上げる『鎌倉』も”東の京都”と呼ばれるなど、その街が持つ独特なイメージに魅せられる人が多い街だと思います。私が読んできた小説の中にも小川糸さん「ツバキ文具店」、「キラキラ共和国」、そして青山美智子さん「鎌倉うずまき案内所」が思い浮かびます。私も『鎌倉』を訪れたことがありますが、この作品はそんな街の雰囲気感を上手く作品内に利用した好作だと思います。そんな『鎌倉』を阿部さんはこんな風に描きます。 ・『午後二時に稲村ヶ崎駅で待ち合わせだった』という場面 → 『わたしと雪弥さんはお昼をすませたあとに鎌倉駅でおち合い、江ノ電に乗りこんだ』。 『稲村ヶ崎』、『江ノ電』ともうこれだけで頭の中にイメージが湧いてきます。しかもそれは極めて前向きです。 ・『稲村ヶ崎駅までの道を、雪弥さんと歩く』という場面 → 『歩道のすぐ向こうには海岸があり、夕陽に染め上げられた海が夢のように美しかった。遠くには江の島、そして富士山の影も見える』 → 『海岸にはカメラを構えた人や、親子づれ、寄り添って歩く人たちが、影絵のように立っていた』。 もうこれだけで絵になっています。認知度全国区と思われる『江の島』、そこに『富士山』が重なってしかも『夕陽に染め上げられた海』がそれらを演出します。『影絵』のような人々のイメージさえ浮かんでくる、これはお見事です。 ・雪弥と『若宮大路のほうへ歩き出した』という場面 → 『北へ進むと、やがて鶴岡八幡宮前の巨大な鳥居にたどり着く。宝石のような美しい新緑につつまれた境内はすでに観光客でいっぱい』 → 『朱塗りの舞殿、そして大石段の頂上におごそかにそびえる本宮へと、人々が長い石畳を進んでいく』 この先にある『金沢街道』を歩いて二十分前後のところに『花月香房』があるという設定のようですが、有名どころがいくらでもある『鎌倉』という街の懐の深さ。そして、そんな街を舞台にするからこそ、読者の頭の中には共通のイメージが思い浮かびます。架空の街を描く作品にはもちろん架空である分、読者の想像力が翔ける余地が残ります。例えば村山早紀さんの”風早の街”のような展開ももちろん楽しいです。でも、『鎌倉』のような街をわざわざ登場させる意味は確実にあると思います。その街に憧れ、物語を読んでさらにそんな街が好きになる好循環。『鎌倉』の街を舞台にしたこの作品を読んで改めてそう思いました。 次は、『香房』です。この作品では主人公の香乃の祖母が営む『花月香房』が一つの舞台となります。『香道は、ご存じですか?』と香乃が尋ねるその先にある世界。”華道”、”茶道”という”和”を感じさせる世界同様に『道』という漢字一文字で表される『香道』。残念ながら私はほぼ知識がない世界ですが、阿部さんはそんな初心者にも分かるように『香道』の世界を描かれていきます。『こんな道具を使います』と説明されるのは『香盤、火道具、香炉』といった道具の数々。『香道具は、小さいながらもどれも精緻で、完璧な結晶のように美しい』というそれらを用いて『香』の世界を説明する香乃はこんなことを口にします。 『香は「嗅ぐ」ではなく「聞く」というんです』 『香道』をご存知の方には当たり前のことなのかもしれませんが、私にはもうビックリな世界です。そして、 『香十徳(こうのじゅっとく)といって、お香には心身を清めたり、感覚を研ぎ澄ましたり、さまざまな効能があると言われているんです。しかもこの香十徳を伝えたのは、あの一休さんだと言われています』。 まさかの一休さんの登場。なるほど、歴史にも裏打ちされた『香道』の世界がそこにあるわけですね。 『お香を聞いたら、心が落ち着いてすっきりしますよ』 そんな風に『香』を勧める香乃。『お香を聞く』という表現が『遠く響く音色にじっと耳をかたむけるように、ささやきかけるような繊細な香気を、全身をかたむけて感じとる。その一心さから、香は「聞く」と表現されるようになった』、そんな説明含め、その先にも細かく紹介がなされていく『作法』を読んでなんだかすっかり物知りになった気分です。全く知らなかった未知の世界を知るきっかけともなるのが読書である。読書を始めてそのことにとても感じ入ってきた私ですが、この本を読んで改めてそのことを思いました。 そんなこの作品は『香り』というものに強く光を当てていきます。”五感”の一つでもある嗅覚、そこに着目する作品としては千早茜さん「透明な夜の香り」、小川洋子さん「凍りついた香り」などが思い浮かびます。いずれも嗅覚という小説世界ではあまり光が当たらない感覚に触れる分、そこに独特な光を放つ作品でもあります。そして、この作品では、主人公の香乃に特別な能力を持たせるところがポイントです。 『この世界では、土、水、木々や花、虫も、動物も、そして人間も、あらゆる存在がオーケストラの楽器のようにそれぞれ固有の香りを絶えず発している』。 そんな風に感じることのできる『体質』をもった存在、それが主人公の香乃です。一見、魔法のように感じもしますが『体質』とすることでファンタジー感が薄まるのも面白いところ。そんな物語では香乃が関わる人たちが発する『香り』にヒントを得て数々の謎を解決していく、それが基本ストーリーです。四つの短編が連作短編を構成するこの作品。 ・〈あの日からの恋文〉: 認知症を患う糸子が失くしたという夫からの手紙の行方を探す物語 ・〈白い犬は想いの番人〉: 旧家の遺産相続に関して、行方不明になった伽羅(きゃら)のありかを探す物語 ・〈恋しい人〉: 雪弥が失くしたという眼鏡の行方と、その真犯人を探す物語 ・〈香り高き友情は〉: 香乃の妹、香凛が登場し、彼女の友人に隠された背景を巡る物語 四つの短編では、主人公の香乃の他、アルバイトの雪弥、祖母の三春、物語によっては妹の香凛らが登場しながら、どこまでも『香り』にこだわる物語が描かれていきます。シリーズ化されていることが象徴する通り、そこには極めて読みやすい、それでいて『鎌倉』の街を舞台にした文字通り”ほっこり、あったか”な物語が描かれていきます。サクッと気軽に読めて後味も良いこの作品、なるほど人気も出るだろうなと、続編も読みたくなるそんな作品でした。 『だって、わたしのしてることって、のぞき見と同じだから』 『香り』からその人の心の内を見ることができる『体質』を持つ主人公の香乃。この作品では、そんな香乃が、さまざまに思い悩みながらも、そんな『体質』を前向きに使ってさまざまな事ごとを解決に導いていく姿が描かれていました。『鎌倉』の街の描写に行ってみたくなる気持ちを抑えられなくなるこの作品。『香り』というものが秘める力に驚きもするこの作品。 物語が形作る独特な世界観の物語世界の中に、スイスイと読み進めていける心地良い読書の時間を味わえた、兎にも角にもほっこりした作品でした。
155投稿日: 2023.05.10
powered by ブクログ香りを主とした小説。鎌倉、和というのがいい。 また主人公の力?はやはり異質なものと捉えられ世の中生きにくそうだなと思うけど、私は憧れを持ってしまう。
6投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログ人の心の動きを香りとして感じ取る力を持つ香乃、という設定だけど、それなくても十分楽しい。成立するような。雪弥さんとの関係がどうなっていくのかが楽しみです。
4投稿日: 2022.02.01
powered by ブクログ『dele』と似たジャンルだったけど、こっちの方が少女コミック感がある(コバルトだしね)のと、映像化が難しそう、というのが違い?いや、恋愛絡みのメインストーリーがあるってのが違いか。cozy misteryあまり読まないけど楽しめました。
2投稿日: 2021.04.07
powered by ブクログ鎌倉に店を構える「花月香房」は、香りを商う専門店。 祖母が店主、孫娘の香乃と大学生の雪弥さんがバイトに入って店をまわしている。 香乃は鼻がよく、人の感情まで香りでわかってしまう。 香りの日常ミステリー。 一番目の老婦人の恋文の記憶のお話が好きです。 もっとお香が活躍するお話を読んでみたいです。 お香の香りを体験したく思いました。お小遣いの範囲でですけども。
1投稿日: 2020.09.21
powered by ブクログ高校生の香乃ちゃんの恋とちょっとしたミステリーと人情味あふれるあたたかくて可愛いお話でした。続編も読んでみたいです。
2投稿日: 2020.08.27
powered by ブクログ・香りについてとからんでくる様々ななぞをたくさんの人に助けられたりしながら少しづつ解決していくのがとても面白く、解決した時には読んでいる人もとてもうれしくなる一冊です。
0投稿日: 2019.01.12なんか残念
わが家は祇園の拝み屋さんっていうラノベがあるんだけれど、シュチュエーションがそっくり。どっちが先かとかじゃなくて、ラノベでライトミステリーで主人公に特殊な能力があってとなると同じようになるのかなー。恋愛絡みの進み方もイライラ。主人公の性格にもイライラ。ミステリーだと思って読んだらダメ。ご都合主義の少女漫画の様だったんで、最後まで読む気がなくなりました。
0投稿日: 2018.11.15
powered by ブクログお香、香りにまつわるミステリーというところに惹かれて読んでみましたー。雪弥さんが素敵。ヒロイン香乃ちゃんとの関係も気になります。続刊があるのでぜひ読みたい☺️
1投稿日: 2018.11.07
powered by ブクログ華やかな描写の本ってすき。お香が興味深かったし、金木犀の香りの練り香水とかときめいた。柚子も良いな。
1投稿日: 2018.10.19
powered by ブクログ鎌倉校外学習に行く中2のために、「ビブリア古書堂の事件手帖」に続く読みやすい鎌倉が舞台の小説を探して辿り着く。 主人公香乃には、人の心の内を香りで感じとる特殊能力があり、その為に家族ともうまくいかず、鎌倉でお香を取り扱う店を取り仕切る祖母と暮らす。 そこでアルバイトをする大学生雪弥に密かに思いを寄せるのだが、特殊能力のため、何かと事件に巻き込まれて、その雪弥と共に奔走する。 読みやすく、鎌倉エリアのこともそこそこ出てくる。もどかしい感じが少女マンガのようで、男子には向かないかもしれない。2017
1投稿日: 2018.08.12
powered by ブクログ人の心を香りで感じ取ってしまう主人公。 それ故に、1人祖母のいる香房で暮らしている。 そしてそこには、ものすごく古風なお兄さんが1人。 連続短編になっていて、最初の登場人物は 迷ってきたおばあちゃん。 年をとっても、こういう関係になりたいものです。 というか、こんな事されたら、ときめきそうな…w 2話目のお兄さんは…誠実そうです。 3兄弟、真ん中が典型的な金食い虫、という感じですが 他がきれいに育っていれば大丈夫? 決めつけていたからこそ、の気まずい関係。 言えなかった謝罪。 きちっと見てなかったから、という 自分の不甲斐なさもばれてしまった現実。 犬、賢いというより凄いです。 素晴らしい! 3話目は、アルバイトお兄さんの昔の彼女登場。 好きなのに何故? と思ったら、明かされる 付き合っていた当初の事。 これは駄目です。 そりゃ別れたくもなります。 敵情視察もしたくなります。 気持ちは分かりましたし、動機も分かりました。 が、とっさとはいえ…。 いい勉強になったと思いましょう? そして最後4話目。 てっきり主人公一人っ子だと思ったら、な妹登場。 まったく性格が違いますが、これはこれで。 後悔した事は、もう取り返しがつきません。 後は、もう二度と同じ事をしないようにする努力。 中身は大変でしたでしょうが、青春、な感じでした。 という後日に、あれは…早い。 いや、アルバイト兄と主人公が遅すぎる??
1投稿日: 2018.06.25
powered by ブクログ■心を読み解く、あの日の香りミステリー 人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校2年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!? ゆったりとした時の流れる鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。
1投稿日: 2018.05.18
powered by ブクログ鎌倉の香坊の孫娘、香乃。高2なのに中学生と見られるほど小柄。だが人の心を嗅ぎとる能力があり、そのために悩んでいた。バイトの雪弥と二人で色々な問題に巻き込まれていく。気弱だけど頑固な主人公。少女漫画みたいなお話です。
4投稿日: 2018.04.14
powered by ブクログ「香り」で謎解き、というのが面白い。 鎌倉を舞台に、香りに鋭敏な少女が身近な謎に関わっていくシリーズ、1作目です。 高校生の咲楽香乃は、香り専門店『花月香房』の店主の孫で、土日は店にも出ています。 香乃には、香りで人の感情を感じとる不思議な能力があるのですが、そのためにいろいろあって親元を離れ、祖母と暮らしていました。 大学生の雪弥は、土日はバイトに来ている大学生。 二人は子供の頃からの付き合いで、香乃の想いは伝えられないまま、静かに時を育んでいます。 店に来た人のために尽力していると、特殊な能力を生かすことが出来る場合もあります。 感情がわかるだけで、すべてが見えるわけではないのですが。 そんな香乃をいつもサポートしてくれるのが雪弥。 とても優しく完璧に見える雪弥さんですが、他所ではおそらく違う‥? 事件に巻き込まれるうちに少しずつ、いろいろな面が明らかに。 それもこれも、じわじわとこそばゆ~く進む可愛らしい恋のひとつの段階でしょうか(笑) 内気でおっとりして見える香乃ですが、意外に強い発言をして周りを驚かせることも。 それは内心、葛藤があって当たり前ですかね。 鎌倉の風物がしっとりしていて、いい雰囲気です。 登場する大人たちも個性があって、全体はほんわかしたトーンのこの世界の厚みになっています。 ちょっとお茶目だったり、口が悪かったり、意地っ張りだったり、人間臭くいきいきと描かれているので、面白く読めました☆
16投稿日: 2018.03.19
powered by ブクログ香りに興味があり、鎌倉が舞台なので手に取った。 表紙で分かるが、やはり若い人向けのストーリーだった。でも内容やキャラクターは好きなので、続編も読んでみようと思う。 10
1投稿日: 2018.02.09
powered by ブクログ鎌倉が舞台の本、好きだわー。 シリーズものなので、最初は星3.5くらいで。 後半にかけて4.5になるといいなー。
1投稿日: 2018.01.17
powered by ブクログすごくおもしろかった!鎌倉が舞台ということで読み始めたんだけど、鎌倉のおだやかな風景だったり人だったりが丁寧に描かれていて、読んでいてとてもほのぼのしたしあったかい気持ちになりました。 オレンジ文庫を最近読んでるけど、読みやすいし少女漫画的要素もあって終始きゅんとしながら読みました。 雪弥さんが本当に本当にかっこいいしとてもタイプです…続きも早く読みたい!
1投稿日: 2017.11.20
powered by ブクログ鎌倉が舞台ということで読んでみた。 最近流行りの短編ミステリーはあまり好みではないけれど、鎌倉の情景が素敵に描写されてて、サクサク読めた。 ただ、対象年齢が中高生向けなのか、登場人物の会話のやり取りやなんだか寒くて私にはノリが合わなかった…。 雪弥さんの大学は横国がモデルなのかな? 題材が興味深いだけに残念…。
1投稿日: 2017.08.13
powered by ブクログ両親も妹もいるのに、何故に祖母と暮らしているのか。 雪弥さんがアルバイトをするようになったきっかけは・・・ そういう背景を感じながら、香りにまつわる 優しいミステリーと静かに育まれる恋に 色んな感情の揺れを感じます。 静かに時を重ねるように育っていく恋って いいわぁ~
7投稿日: 2017.08.13おままごとのようなカップルとお香の世界
香乃は高校2年生、祖母と鎌倉の香房に住んでいる。香りで人の気持ちが分かってしまうので、事件に巻き込まれたりするのだけれども、幼なじみの大学生の雪弥さんと一緒に解決していく。 ほっこりとした雰囲気のおままごとのような2人とお香の世界でゆったりとした気分に浸れます。
0投稿日: 2017.06.12
powered by ブクログ人の感情の変化を香りで感じ取る力を持つ主人公、香乃。そんな彼女の祖母が経営する、香り専門店『花月香房』が舞台のお話。キャラが皆魅力的。1話目と2話目はほっこりする話だが3話目からは一転。個人的には1話目、2話目の雰囲気が好き。香乃と雪弥さんのこれからが気になる。
1投稿日: 2017.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
香りに敏感で感情の香りすら感じてしまう少女の様子にとても切なくなりました。 反面、彼女のやさしさに心温まりました。
1投稿日: 2017.04.15
powered by ブクログ面白かったー。続けて読みます。鎌倉の話いいですね。行きたくなります。香乃さんと雪弥さんこの先楽しみです。
1投稿日: 2017.01.30
powered by ブクログ阿部暁子さんの作品は初めて読みます。 オレンジ文庫って、基本ティーン向け?コバルトの流れ?良く知らないけど、まぁいいや。 っていうかね。 香道、鎌倉、眼鏡クール男子と仄かな恋心。 こういう、キラキラ甘酸っぱいの、大好き! おばあちゃんの三春さんのキャラもいいなぁ。こんなおばあちゃんになりたい……
1投稿日: 2017.01.26
powered by ブクログ中学生くらいの年代向けのライトノベル。 鎌倉にある、香道屋さんの孫娘を中心に、その周辺の人間模様を描いた作品。 最近多い、同じ店で働く者同士の淡い恋愛が展開されて行く模様。 男性は大学生か、社会人なりたてで、女性は高校生という組み合わせが最近非常に多いが、この作品もそう。 どれも同じに見えて来てしまうが、これから恋をして行く中学生から見たら憧れの恋愛シチュエーションなのかもしれない。 その年代向けです。
1投稿日: 2016.12.20
powered by ブクログ日常の謎系ミステリとか毒舌美形男子とか色々と食傷気味の設定だったりなので、正直あまり期待はしていませんでしたが、なかなかどうして最近のこれ系の中ではかなり面白いと思います。雪弥さんの毒舌はとって付けた様な違和感が無く切れ味良かったですww。2話目の響己さんのキャラも興味深いので再登場希望します。
0投稿日: 2016.12.04
powered by ブクログ香りに対してわりに無頓着な私。 香りで人のまとっている感情がわかるって どんな感じだろう。 確かに自分の気持ちがしんどそう、と、思った。 とっても香りに敏感な高校生の香乃ちゃん。 一緒に暮らすおばあちゃん。 アルバイトの雪弥くん。 いい感じのお店で心動かすちょっとした謎解き。 気楽にサラリと読めて 優しい気持ちになった。 初読みの作家さんでした。ラノベもいいよねぇ。
0投稿日: 2016.11.05
powered by ブクログ香で人の心の動きを感じ取ることが出来る という設定が面白かった。 おばあちゃんの ところどころに現れる 茶目っ気な感じが なかなか良かったです。
0投稿日: 2016.10.29癖になる甘さ
こんな素敵な幼なじみが、なぜ私にはいなかったのだろう?心理描写やセリフ、この作家さんの文章が好きになりました。鎌倉という舞台も香という小道具も魅力的です。
1投稿日: 2016.10.29
powered by ブクログ感情が香りでわかるという能力はそれほど違和感ない。それで人助けができるならいいじゃないか。高校生と大学生の設定が合ってるような合ってないような…。高橋くんのおかげで和む。
3投稿日: 2016.10.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
花月香房で祖母と暮らす高校生 咲楽香乃は物心ついたころから人の感情を香りとして感じられる特殊な体質を持ち、これが原因で過去に幾度か問題を起こしてしまったことから人に深く関わることを避ける性格となってしまった少女。 その一方で大学生 雪弥はそんな香乃に救われた過去を持ち、それをきっかけに香房でバイトをすることになった。また雪弥に淡い恋心を持つ香乃だが、当の本人にはうまく伝えられず、日々やきもきしながら生活している。 これはそんな二人と周囲の人々が織り成す香りが鍵となるミステリー。 香房を訪ねてくるのはちょっとした悩みや問題を抱える人々でそれらに関わる香りが解決の糸口となる。 この作品は香について詳しく書かれており、香とはどういうものなのか少しは分かった。またそれぞれの登場人物の個性がしっかりしていて感情移入しながら読むことができた。特に三春おばあちゃんは性格が明るくお茶目なところがある一方でしっかりとした考えを持っているところが気に入った。個人的には香乃と雪弥の関係はどのように進展するのか気になるので次も早く読みたいと思う。
2投稿日: 2016.09.17
powered by ブクログライトミステリー。舞台が鎌倉でお香屋さんだけど、雰囲気はビブリアに似てるなあ~ もちろん主人公とかの設定は違うけど、同じ匂いがする。結構こう云うの好きなので、後のシリーズも読んでみよう。
0投稿日: 2016.07.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【あらすじ】 「香り」で謎解き。思い出は切なくて、やさしい…。人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!? 鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。 【感想】 自分が知っている場所が舞台になってるという理由で手に取った本だった。でも、それよりも何よりも内容にすごく惹き込まれ、一気読みした。すごくあたたかな人間関係を感じて、優しい気持ちになれた。
0投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログ”アオハライド””ストロボ・エッジ”の小説版を手がけてきた作家さん。 人の感情を香りとして感じることで、孤独を味わってきた香乃の良き理解者・大学生の雪弥さんとともに、香りに絡んだ様々な出来事と関わりながら、恋心を自覚していくというお話。 純粋にミステリーとして楽しみたいと考えると、二話目以降の乙女ノベルな方向に戸惑うかもしれませんが、痒いのが好きな方、ほんわかした恋愛を楽しみたいと思う方にはオススメな作品。 私は、孤独に寄り添うように内面を掘り下げる作者の文章が好きなので、満足。 http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4496.html
0投稿日: 2015.06.24
powered by ブクログ思っていた以上にとても良かった。 雪弥と香乃の関係性が微笑ましく可愛かった。 どの話もほんわかとしていて読みやすい。 人の喜怒哀楽が香りでわかるのなら、きっとこんな感じなんだろうなと思う。 「香」が軸になっている本作なので、もう少し「お香」についての薀蓄があればなお良かった。
0投稿日: 2015.06.23
powered by ブクログ香りの専門店「花月香房」。 店主の孫娘である香乃とアルバイト・雪弥を中心とした心温まるストーリー。 人の心の動きを香りで感じ取る特異な力を持つ香乃と雪弥のやり取りとか関係性がすごく好きです。あと雪弥とアサトの会話の応酬。ポンポンとやり取りしてるところが楽しかった。 話も温かくて、よかったなーと思えるものばかり。続き出て欲しいな
2投稿日: 2015.06.10
powered by ブクログ【収録作品】第1話 あの日からの恋文/第2話 白い犬は想いの番人/第3話 恋しいひと/第4話 香り高き友情は
2投稿日: 2015.05.28
powered by ブクログ彼と彼女の雰囲気が非常にいいです 内容は全部で4話の構成になっていますが どれもドロドロとした展開はなく、心暖まるお話ばかりでした。 続編希望です。
3投稿日: 2015.05.10
powered by ブクログほっこり、あったか香りミステリーと記載。 本当にそのまま。ほっこりしたけれど、それで終わった感じ。 香道については然程触れていなかったのが残念。
0投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ鎌倉で香道工房が舞台だったので、興味を惹かれて手に取りました。 その人が発する香りで、その人の感情をわかってしまう女子高生と、工房を手伝う男子大学生のコンビで、謎や事件を解決していく。読んでいて、面白く、二人の今後もとても気になります。 二人が抱えるコンプレックスも、今後、上手く解決していくのかな。
3投稿日: 2015.04.24
powered by ブクログタイトルに惹かれて購入。お香とか着物とか、そういうのに弱い。 話としてはざっくりまとめると主人公の高校生・香乃と大学生・雪弥が事件や謎を解決していくというスタイル。ほっこりミステリー。そこにお香や香乃のちょっと変わった嗅覚等が絡んだり活躍したりする。そして、よくあるようにほんのり恋心。 お香、匂いという題材は面白かったんだけど、うーん…という感じ。キャラクターがアニメキャラみたいな感じで、最初慣れるのに時間がかかった。
0投稿日: 2015.03.26
powered by ブクログ人の感情が匂いでわかるという特殊能力持ちの女の子とその能力がきっかけで知り合った大学生。 香りのようにほんのり優しい雰囲気の文体。 二人の恋路が遅々としているのはヤキモキするのではなく、青春だなーと孫を見るような婆のような気持ち。 癒される
0投稿日: 2015.03.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
鎌倉にある香月香房店主の孫娘、香乃は人の感情を香りで感じることができる。アルバイト大学生雪弥は香乃にとってよき理解者。第一章、第二章はほのぼのミステリー、手掛かりを香乃の能力で集め、雪弥が謎を解く。第三章は二人の友人たち、雪弥の元カノが登場。この話ね〜、雪弥の行動がそれまでのイメージと合わない。なんで中途半端なことするかな?香乃にも元カノにも失礼。第四章はいきなりスリリングな展開。あんなことになったのに、それでおしまいでいいのかい?三と四に納得いかない部分があったので★マイナス1しました。全体的には面白く、お香の話もいい。鎌倉に行ってお香屋さんでお香を買いたくなる。主役二人の奥手な可愛い恋愛の進展をみたいし、登場人物たちのキャラも良いのでシリーズ化希望します。
0投稿日: 2015.03.21
powered by ブクログ人の気持ちを香りという形で知ってしまう女子高生・香乃と、眼鏡の男子大学生が関わってく人間模様。両片想いな関係性ににやにや。おもしろかったです。
1投稿日: 2015.03.17
powered by ブクログ偶然手にした作品でしたが、思ったよりもきちんと書かれていて楽しく読みました。ラストの感じも良かったです。
0投稿日: 2015.03.16
powered by ブクログ最近、鎌倉が流行っているのか?それとも私がたまたま鎌倉が舞台の作品を読んでいるのか?とにかく読むと鎌倉に行きたくなる(^o^)♪お香の店(花月香房)の話で最初に香道についても出てくるので、話に付いていけるかなぁ(--;)と思ったけれど、大丈夫だった(^^)人の気持ちが香りで解る特殊能力を持つ店主の孫・香乃と店のアルバイト・雪弥が謎を解いていく!でもミステリーというよりラブコメという感じだな(*^^*)
2投稿日: 2015.03.13
powered by ブクログ前二章は、お香の香と、ヒロインの香りに関する能力をうまく絡めたいい話。 おっとりしているけれど人の機微にものすごく敏くて繊細、すごく良く考えて動くヒロインに好感が持てます。 三章はなんか無理矢理恋愛路線に引っぱり、四話ではいきなり少女の社会問題を取り上げて彼女らしくない暴走をさせている、という、前半は星五つでいいけど後半二章で台無し。 「香房」と「香りを感じる」少女の話で前半分がまとまってただけに残念。
0投稿日: 2015.03.12
powered by ブクログ嬉しい時や、楽しい時や、誰かを好きだと思ってる時、人って、とてもいい香りがするの。神様がつくった花があったらこんなふうなのかなって、そう思うような香り。
0投稿日: 2015.03.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
集英社オレンジ文庫2冊目読了。 おそらくはもっと若い世代を対象とした恋愛小説がメインの文庫なのだと思いますが、1冊目に読んだ「下鴨アンティーク」と同じく、私が大好きな、日本の風土と暮らしの中からしか生まれ得ないものの美しさを知る人の知性と、そのかけがえのない美しさへの敬意がふくよかに薫る作品でした。 私が愛読しているタレーランやビブリアと似てしまうのはある意味当然で、口さがない方に言わせれば、類型的な作品群ということになるのかもしれません。 でも、そこに描かれているものたちへの作者の愛着も敬意も本物だと思います。自己表現のための手段や設定、モチーフなどにとどまらない、それぞれのこだわりが私を惹きつけます。 珈琲。古書。和服。お香。それぞれが背負う長い時間の重みや人間の営み、暮らし。その静かな美しさは、私のこれからの人生にも欠かせないことでしょう。 繊細な者同士の心の触れ合いのかたわらにある、これらのものたちの気配を感じさせてくれることが、これらの類型的手法で描かれたなどと揶揄される小説たちを私が手放さない理由です。私はそれぞれの作品の、それぞれの香りを、私の日々のいろいろな時、場所、状況で楽しんでいます。類型的だなんて微塵も思いません。 さて。 この作品では、香乃が生まれながらに背負った異能に苦悩しながらも逃れようとはせず、寄り添い制御しながら成長してゆこうとする姿勢に感銘を受けました。 いつの日か私も、自分の着衣に香をたきしめてから外出するという高雅な人になりたいですね。 これもまたシリーズとして続く楽しみを予感しています。もっと香道についても深めてもらえれば、なおうれしいです。
4投稿日: 2015.03.01
powered by ブクログ人の感情を香りで感じ取ることができる女の子が主人公の連作短編集。 辛い過去がありながらも、前を向こうと努力する主人公たちにじんわりする。 一番最初のおばあちゃんのお話が一番印象に残った。心に沁みました。 読んだ後、鎌倉を散策したくなる。そしてお香を焚きたくなる。
0投稿日: 2015.02.23
