
ニンジャスレイヤー第3部-9 ネヴァーダイズ
ブラッドレー・ボンド、フィリップ・N・モーゼズ、本兌有、杉ライカ、わらいなく/KADOKAWA
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総合評価
(1件)5.0
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『ニンジャスレイヤー』第3部第9巻にして第3部完結巻。第1巻から21巻にも渡った、“ニンジャスレイヤー トリロジー”の最終巻でもあり、感慨深い。 ニンジャスレイヤーはアガメムノンと共に月面へと飛び立ち、ザイバツ・シャドーギルドはカスミガセキ・ジグラットへ侵攻、ソウカイヤとサヴァイヴァー・ドージョーはまさかの一時共同戦線を張り、そしてついにネオサイタマ市民たちが管理社会へ反旗を翻す。 多くの登場人物たちが再登場を果たし、シリーズの総決算にふさわしい巻。 どの陣営の闘いも熱いけれど、特にユンコ・スズキの闘いぶりが印象深い。自らのあり方を見据え、アイデンティティの揺らぎをこそ力に変える台詞は熱かった。 人間社会の不条理や人間存在の根源的な弱さによって打ちのめされた人々が、それでも這い進もうとする姿は、シリーズ全体を通して、物語の底や側面や(場合によっては)表面にまで見ることができるものだった。 ユンコの吐いた気炎は、ユンコをはじめとしたモータルだけでなく、ニンジャたちをも含めた、ディストピアに生きる全ての人々の生き様へと鳴らされた福音めいた響きを持って聴こえてくる。
0投稿日: 2021.07.24
