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だれがコマドリを殺したのか?
だれがコマドリを殺したのか?
イーデン・フィルポッツ、武藤崇恵/東京創元社
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総合評価

23件)
4.1
4
9
3
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    熱烈な恋でラブ・サスペンスのようにストーリーが始まり、破滅に向かって進みます。“コマドリ”ことダイアナの死を暗示するタイトルは馴染み深い(萩尾望都先生、魔夜峰央先生のコミックの愛読者には特に?)ものですが、ラストにはアクション・シーンの果ての驚愕の結末が!  「ただ愛のために犯した罪」と「あの人」は言います。違う。愛を憎悪に裏返し、殺人に至らしめたのは、やり切れないけれど、欲望だったのです。愛していたのは、自分自身だけ!

    17
    投稿日: 2025.10.05
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    前半部のゆったりとした空気は後半に至り打ち砕かれる。普通に見えていたはずの景色がくるりとひっくり返る様はなかなかに面白く、なるほどそういう事なのかと舌を巻いた。推理小説を読む楽しさとはこういうものだ。ありきたりな日常や、何かの事件、その裏にある真相が炙り出されて眼前に思いもよらない形で提示される。この作家を追ってみたくなった。

    0
    投稿日: 2025.04.08
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    原作は1924年、なんと100年前に書かれたもので新訳刊行された古典ミステリー。ミステリーとして秀逸だし、情景もありありと浮かぶような描写。世界に入り込むことができたし、面白かった。いっとき盛り上がった恋も永くは続かなかったり、ウソをつかれて激怒したり、今も昔も同じようなことで人は悩んだり苦しんだり喧嘩したりするものだなあ。

    0
    投稿日: 2024.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    解説を読むまで古典のミステリーとは思わなかった。 医師のノートンはダイアナに一目惚れをする。それまでは伯父の元、順風満帆とも思える人生を歩んでいたノートンであったが、その恋に身を投じることにより、数奇な運命に導かれることとなる。 最初はノートンとダイアナの恋愛パート。結婚する際にノートンがダイアナについた嘘「伯父の財産を相続できるだろう」というところから歯車が狂っていく。 中盤はその嘘をめぐってノートンとダイアナの夫婦生活がうまく回らなくなることが描かれる。 そして、ダイアナの謎の死。と、それの謎を解く名探偵が登場する本格的なミステリーに。最後の名探偵の推理までトリックが見破れなかったのが悔しかった。 死体の摺り替えトリックには完全に騙された。ノートンが殺したとしても疑念がないくらいの心理描写があったように読めた。また、押さえきれなかったダイアナのノートンへの復讐心は死とともに完成するものだとも読めてしまい作者のミスリードにしてやられた感じがして、とても面白かった。

    3
    投稿日: 2023.02.19
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    人生を謳歌する女性と盲目的な恋に落ちた医師。彼女と結婚するために手放したものが、やがて自分自身を苦しめていく物語です。 前半は恋愛、中盤は夫婦関係、後半はミステリと、変わっていく見処それぞれに読み応えがあります。展開と真相はある程度予測がつく分、登場人物たちの絡み合った心理や、どうやって真相に辿り着くか、どう証明するかを楽しむ余裕がありました。ちょっとした会話の中に興味を惹かれる表現や当時の観念が出てくるのも面白く、特にスポーツに関する医師の私見がなかなか印象的です。後に起こることを思えば、ある種の皮肉を含んでいるような。 愛情と憎悪は表裏一体。我が身を振り返り、意図的な誤魔化しをするのはうしろめたさがあるからだと自覚したいと思います。

    1
    投稿日: 2022.04.26
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    「赤毛のレドメイン家」「闇からの声」と読んで、「誰がコマドリを殺したのか」にたどり着きました。イーデン・フィルポッツのミステリースタイルはここでも濃厚に出ています。緻密な心理描写を中心に展開しながら、いつの間にか作者の術中に嵌まるような体験です。ヴァンダインが賞賛したのも納得。名作。

    1
    投稿日: 2021.06.06
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    2021年ゴールデンウィークに読んだ本。 作者名も知らなかったが、アガサクリスティを指導した方とは。世の中には知らないことが沢山ある。 名作なのに長らく入手困難だったのは何故?本なのだから刷り直せばいいのでは?と思ったが、評価は良くても売れなければ刷れないよな… 話の展開が早い。 ミステリーは読みなれていないので、結末は予想できなかった。

    0
    投稿日: 2021.05.06
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    Who killed Cock Robin?マザーグースの歌に合わせて人が殺されていく話と思って読み始めたら恋が生まれ消えていくまでの儚いラヴストーリーだった!「一瞬に燃え上がる恋もあれば生涯続く恋もある。その後何があろうとその記憶は消えるものではない」若き医師ノートンは海岸で出会った美貌の娘ダイアナに一目惚れした。彼女のあだ名はコックロビン。ノートンは手に入れかけていた成功を投げうち燃え上がる恋の炎に身を投じる。しかし2人の運命は目まぐるしく変わっていく。ミステリの形を取るが事件と謎解きは最後の100ページに集約されている。これは2人の宿命的な恋と破滅の物語であり文学者、劇作家であるフィルポッツは2人の、そして家族や友人達の心の内を丁寧に描く。そしてそれが事件の核心を解く鍵になっている。「恋愛期間の長さに関係なく、恋という得難い経験は人の性格に影響を及ぼす。その後の幸福感のために、あるいは苦悩のために」恋は苦しい。

    0
    投稿日: 2020.11.22
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    開業医のノートンと、神学博士の父から"コマドリ"と呼ばれるダイアナ。偶然出会った美男美女の二人はお互いに一目で恋に落ちる。ノートンに父親はなく、恩人である伯父は独身の大富豪だが、遺産相続の条件は偏屈な伯父が人間性に惚れこんでいる彼の秘書ネリーとノートンとの結婚だった。相続権喪失の可能性から、迷いながらもダイアナとの結婚に踏み切るノートン。詳しい事情を知らずにノートンが遺産を相続するものと期待して疑わないダイアナ。そんな認識の食い違いから、二人の結婚生活には次第に暗雲が垂れ込める。 1924年に刊行された本作はイギリスとフランスを舞台にしたミステリ作品です。主要登場人物は先述の五人に加え、ネリーの兄、ダイアナの姉、姉妹と親しいベンジャミン卿、看護師、医師、そしてノートンの友人である探偵の11人となっており、ミステリ作品の登場人物としては多くはないでしょう。そのうえ事件自体も物語の半ばを過ぎるまで発生しません。そのため間がもたず退屈するのかというと、けっしてそうではなく、多くはない登場人物たちの人物像と心理が巧みに描かれており、仮に事件がなく恋愛や家庭をテーマとしたドラマとして完結してもおそらく不満を感じないであろうと思わせられました。事件のトリックとしては、実質的な容疑者が少ないこともあって真相の予測はやさしいほうだと思いますが、展開に沿った無理のない形に落ち着いていると感じます。 総じて、ミステリでありながら人間を描くことを重視した作品として楽しむことができました。トリックの面では物足りない読者もおられるかもしれませんが、個人的には推理をあくまで一要素として扱う本作の方針にはむしろ好印象でした。ちなみに著者フィルポッツは、創作を始めたばかりのアガサ・クリスティに助言をしたこともあるそうです。

    8
    投稿日: 2020.10.12
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    いやー、途中怖くて読み進めるのが躊躇われた。。。語り口も描写も好きです。やっぱりイギリスの推理小説は好きだなあ。 後書きを読んだら、フィルポッツとはあのクリスティに書きかた教えてたって人がこの作家だったのですね。他の本も読みたいけど、書店には見かけないのが残念。

    0
    投稿日: 2019.01.14
  • だれかはすぐにわかります

    ビッグタイトル。何度も翻訳されている、大変著名な作品です。 しかし、実際に読んでみると、題名を見て予想されるのとは、かなり違った作品でした。 (1)誰が殺した?の謎を解く作品ではない コマドリとは、女性のあだ名です。姉がミソサザイで、妹がコマドリ。 主人公のノートンを陥れるためにコマドリを殺した「犯人」は、特に秘密ではありません。犯行に至る動機が復讐であることも、明記されています。そこに謎はないのです。 ついでに、マザーグースの有名な歌(漫画『パタリロ!』における『ポーの一族』のパロディ、「クックロビン音頭」でお馴染みですね)に添って、順に事件が起こるわけでもありません。 物語の約3分の2が過ぎた、第12章「反撃大作戦」以降から、ようやく、探偵ニコル・ハートが活躍する、ミステリーとしての本体が始まります。とはいえ、決定的なポイントでは親切なガイドがあり、初心者がぼんやり読んでいても、何が起きているのかは大体わかります。 したがって、謎解きを楽しむ作品ではないのです。 (2)コマドリは恐ろしい人物 コマドリことダイアナは、かわいい小鳥の名で呼ばれていますが、恐ろしく気の強い女性です。このダイアナが、美男で知的で優しく真面目な好青年であっても、断固として目的を達成する意志を欠くノートンと恋に落ち、悲劇が起こります。ノートンの恋敵ベンジャミン卿も、格好良いスポーツマンですが、やはり意志力の面では頼りない人柄です。彼らはダイアナのプライドの高さを見誤り、文字どおり「劇的」な事態を招いてしまうのです。 高いスペックを活かす意志力がないノートンと、期待を裏切られて怒りに燃えるダイアナ、彼らの心の動きが丁寧に描かれている様子が本作の読みどころです。途中で真相がわかったら、もう一度前を読み返して、ダイアナの凄さ、恐ろしさをぜひ堪能してください。男女の仲を引き裂いたのが、最終的には「信頼」の問題であったというのが、哀しいところです。「自分の愛のほうが深いと思っていたんでしょう?」と相手を責めてしまう救いのなさ。ここを許すことができなかったら、幸せにはなれませんよね。 (3)ネリーさんの不思議 ミソサザイこと姉のマイラ以外にも、本作にはもう1人、重要な女性がいます。ノートンを愛し、支えるネリーです。 実は、私は一読目にはこの人物を、主人公にとってあまりに「都合の良い女性」と判断し、軽く見ていましたが、これは不見識でした。 改めてネリーの視点からすべてを見直すと、この人も決しておとぎ話の理想のヒロインではなく、それなりのリアリティを備えたキャラクターだとわかってきました。とはいえ、まだわからないところはあります。とても奥深い、不思議な人物ではないかと思います。 ノートンとダイアナの激しい恋物語を堪能した後は、ぜひ聡明なネリーの静かな愛のお話も楽しんでみてください。 (4)解説もぜひ! 作者フィルポッツは、「ダートムアといったらフィルポッツ」と称された、田園小説の大家だとか。巻末の解説に詳しいですので、ぜひこちらもご確認を。

    0
    投稿日: 2017.06.06
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    新装版ありがとう創元推理文庫さん…。フィルポッツは読むの時間かかるので買って手元に置けるの嬉しい。やっぱりひたすら密な描写で人間ドラマが延々展開する。なかなかミステリらしい事件が起きない。登場人物が全員何かしらちょっと難がある…と思うけどこのテンプレ性の無さが海外のキャラ作りっぽいんだなと最近思った。 あれこれ言いつつ読み終わった後「また読む!」ってなるくらいには面白かったし満足感ある。

    0
    投稿日: 2016.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あのヴァン・ダインが、英国ミステリーBEST11に選んだことで注目され、約50年間にわたって絶版のままだった入手困難本、ハリントン・ヘキスト(フィルポッツの別名)「誰が駒鳥を殺したか?」復刊されてたのね。この作品は、コマドリに共感できるかどうかで評価が分かれるんじゃないかな。ちなみに自分はまったく共感できなかった。それにこの結末はちょっとね、という人も多いでしょうね。恋愛サスペンスという趣であるが、トリックも奇抜で、本格ミステリーとしても十分楽しめた。それにしても新訳は古臭さがなく読みやすかった!

    0
    投稿日: 2015.10.23
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    この古っぽい地文が新鮮。不吉な未来を暗示して読者の興味を引き立てる一方、アンフェアな面も併せ持つ神視点の地文は、最近では珍しい。 突っ込みどころ満載の御都合主義は否めないけど面白かった。 ミステリーを読み慣れている割に、真相に気付いたのは探偵が閃いた時。もっと単純な顛末だと思って読んでいたので、気付いた瞬間ゾッとした。 ダイアナの行動力と執念には感服するけれど、共感度は0。結局のところ、ダイアナはお金と贅沢な生活が欲しかっただけなのか。 ノートンのことだけではなく、ベンジャミンのことも一過性の情熱と衝動だけで愛した気になっていたのでは。ただ、そのうち彼に飽きてもお金があるから一緒に生きていけただろうけど。

    0
    投稿日: 2015.09.05
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    携帯やパソコン、もちろんスマホもDNA鑑定も存在していなかった1924年の作品だが古臭さを感じることはなく、終盤のカーレースまでぐいぐいと惹き付けられた。意表をつくトリックには驚かされたが、大執事という聖職にありながら娘たちの心がわからない厳格な父親、優秀で容姿端麗だが気の弱い研究者肌の開業医ノートン、美人で派手好み、いつも現状に満足できない気ままなお嬢さまダイアナなど一人ひとりの性格描写が実に練り上げられているせいか、あまり大きな違和感を感じることはなかった。ノートンのようなタイプの開業医には、経営を任せられる資産家の妻、有能で愛想の良い看護師が絶対に必要!と納得できる結末。どんなに科学技術が発展しても人間の考えることはあまり変わらないものなのかな。

    0
    投稿日: 2015.08.26
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    医者のノートンは、道で偶然出逢った美しい姉妹の一人、ダイアナに一目惚れし、恋の炎が燃え上がったまま結婚をするが…。もともと大執事のお嬢さんとして育てられたダイアナはノートンとの堅実な生活に耐えられず、さらに叔父さんの遺産が入ると嘘をつかれたと知り、ノートンを酷く憎むようになる。 そのうちダイアナの体調がすぐれなくなり、ノートンら医者の治療も虚しく死んでしまうのだが、そこにはダイアナの恐ろしいまでの執念と復讐が残されていた。 妻殺しの容疑をかけられたノートンだが、親友の私立探偵ニコルと再婚相手ネリーの兄、ノエルの活躍により、真相が明らかに。 ダイアナが死んだところで、続きが気になりすぎて最後の種明かしを読んでしまい、驚愕の真相を知った!ダイアナの復讐心、演技力はすごいです。結局はそれが行きすぎたせいで身を滅ぼすのですが…。登場人物たちも魅力的です。

    0
    投稿日: 2015.08.05
  • まず小説を読む楽しさがあり、そして最後に…

    読み始めてから、半ばあたりまで読み進んだあたりで、これホントに推理小説なの?と思ってしまった。 推理小説の常道として思い浮かぶのは、まず死体があり探偵が登場、関係者が尋問され、さらに謎が深まって…という流れだが、この小説では、探偵は冒頭に登場するもすぐにどこかへ行ってしまう。 その後に延々と続くのは、ある男女(男の方は探偵の友人)の燃えるような恋愛、結婚、失意、そしてその二人を取り巻く人たちの人間模様。よって、ここを楽しめるかどうかがこの作品を好きになれるかどうかの分かれ目になるんじゃないかと思う。僕は大変楽しめました! 後半(ここで初めて登場人物のひとりが死ぬ)に入ると少しミステリっぽくなってきて、読者も真相についてあれこれ思いを巡らせながら読み進むこととなる。ここで前半の丁寧な人物描写が生きてくるんですね。しかもやっと帰ってきた探偵が驚きの真相についてちらちらと仄めかすものだから、読む方はさらに物語の中へと引きこまれてゆく。最後は古典ミステリにもかかわらず展開がまるでアクション映画的。そのまま一気にに頂点に達した後、驚くべき真相が明らかになる。 物語を読む楽しさを満喫しました。ちょっと2時間ドラマみたいでもあった。2時間ドラマ、お好きですか?僕は結構好きです!

    5
    投稿日: 2015.06.12
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    恋愛ストーリーとも言える前半が面白かった。後半は真相を知りたいという欲求でぐんぐん読んでしまうが、解明してみれば、ええ?その動機でここまでやるぅ?そもそもあの嘘そんなに許せない?と私には納得いかないんであった。 お金と愛は天秤にかけるものじゃないんだよ、コマドリさん。

    0
    投稿日: 2015.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリの古典的名作ということで読んでみた。前半はミステリというより熱烈な恋に落ちた男女とその顛末を描く愛憎劇。しかし女性の方が不可解な死を遂げ、それが1年以上経ってから事件は動き出す。 登場人物達の心理描写がしっかりしていたので謎解き部分が物足りないきらいはあったけど、最後まで読み通すことができました。 ここからネタバレ↓ 憎しみと愛は表裏一体であるならば、ダイアナにとってやはりベンジャミン卿は本当に愛する人とはならなかったということ。それで巻き込まれて人生を台無しにされてしまったのだからある意味彼もかわいそうと言えなくもないか? ダイアナの意志と決断力、そして実行力はその美貌と相まって悪役でありながら強烈な魅力を放っている。ネリーも聡明で優しいし。それに対してこの小説に出てくる男性陣はちょっとかわいそうだったりイライラしてしまうようなキャラが多いかも。姉妹のお父様もあの結末を考えると可哀想だし

    0
    投稿日: 2015.05.09
  • 欠点もありますが、クラシック本格ミステリのファンなら一読の価値はあります。

     1924年にイギリスで出版され、創元推理文庫創刊当時に「誰が駒鳥を殺したか?」のタイトルで刊行されたものの新訳版です。なにせ昔の作品なので、現代の目から見れば本格ミステリとしては問題がありますし、イギリスの階級意識が背景にある登場人物の考え方に多くの日本人は今一つなじめないと思うので、「ミステリ史に残る名編」という紹介文は大げさだと思います。しかし、大胆な真相や強烈な犯人像は、クラシック本格ミステリのファンなら一読の価値はあるかと思います。

    1
    投稿日: 2015.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長らく入手困難だった作品が新訳で復刊。 『赤毛のレドメイン家』のような、古き良き探偵小説かと思いきや、こちらは探偵小説の枠組みを利用してはいるものの、趣のあるサスペンス小説。前半1/3の情熱的なロマンスが徐々にサスペンスに変貌する。 『赤毛のレドメイン家』に引き続き、ヒロインの造形が見事だった。トリック部分についてはカンの良い読者なら大体予想がつくのだが、主要な登場人物の造形が上手いので、ついついページをめくる手が止まらなくなってしまう。

    1
    投稿日: 2015.04.08
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    祝・復刊! 小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回は完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。 小学校時代に読んだ「だれがロビンを殺したか」が章タイトルの小説は、表題も内容も思い出せないが、どうやら『靴に棲む老婆』らしい。『エジプト十字架の謎』が面白かったので、他の話も読んでみようと思ったのだろうか。こちらも読んで確かめようと思っている。

    0
    投稿日: 2015.03.23
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    医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが数奇な物語の始まりとは知るよしもなく。 『赤毛のレドメイン家』と並び、著者の代表作と称されるも、長らく入手困難だった傑作が新訳でよみがえる! 解説=戸川安宣

    0
    投稿日: 2015.03.10