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人工知能は人間を超えるか
人工知能は人間を超えるか
松尾豊/KADOKAWA
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総合評価

326件)
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    人工知能について、過大に捉えることなく、できること・できないことを客観的にまとめられた1冊。 また、人工知能のレベル感(Siriやpepper、自動運転など)が端的にまとめられていたのも、分かりやすさに拍車がかかっていた。 ぜひ、今後10~20年社会で働く人にとって、読んでほしい書籍。 人工知能(Artificial Intelligence:AI) 決められた処理を決められてように行うことしかできず、「学習」と呼ばれる技術も、決められた範囲内で適切な値を見つけ出すだけだ。例外に弱く、汎用性や柔軟性がない。ただし、「掃除をする」とか「将棋をする」といった、すごく限定的な領域では、人間を上回ることもある。 【検索エンジン】 「機械学習」をし、ユーザーにあったページを提供したり、迷惑メールと思しきものを自動的に分類していく。 【星新一】 作家・星新一のSSを人工知能に作成させようというプロジェクト「きまぐれ人工知能プロジェクト作家ですのよ」は、星新一が残した1000本ほどの短編のデータをもとに、人工知能に文章を書かせようというものだ。コンピュータは天才的なひらめきで流れるように文章を生み出すことは苦手だが、有望な組み合わせを大量につくり、トライ&エラーで結果のレベルを上げていく作業は得意中の得意だ。 【ルンバ/Siri】 自動で部屋の計上を読み取り、留守中に賢くお掃除してくれる。 iPhoneに搭載されたSiriという音声対話システムを使ったことがある人は多いかもしれないが、これも人工知能の一例である。 【ロボットによる代替】 英国の仕事のうち35%が、今後20年間でロボットに置き換えられる可能性がある。 今後10~20年ほどで、IT化の影響により、米国の702の職業のうち、約半分が失われる可能性があると述べている。米国の総雇用のなんと47%が、職を失うリスクの高いカテゴリに該当する。 【映画「her」】 2014年に公開された映画「her/世界でひとつの彼女」は、人工知能に恋する男性が主人公だ。リアルな女性ではなく、人格をもった人工知能のOSに心惹かれてしまうのだ。印象的なのは、コンピュータの「彼女」が浮気をする場面。なんと、彼女は同時に8000人以上と会話し、600人以上と恋愛関係にあると告白する。。 映画「2001年宇宙の旅」はHAL9000という人工知能が意思を持ち、それを察知して機能を停止させようとした乗務員を殺害していく。 【シンギュラリティ】 人工知能が十分に賢くなって、自分自身よりも賢い人工知能をつくれるようになった瞬間に、無限に知能の高い存在が出現するというものである。 【基本テーゼ:人工知能は「できないわけがない」】 もともとの問いはとても単純で、人間の知能は、コンピュータで実現できるのではないか?だ。なぜなら、人間の脳は電気回路と同じだからだ。 人間の思考をプログラムで実現できるという考え方は、たしかに、何か神聖なものを冒している気にさせる。人間という尊いものが、ただの計算で置き換え可能だというのは、にわかに信じがたい。 人間を特別視したい気持ちも分かるが、脳の機能や、その計算のアルゴリズムの対応を1つひとつ冷静に考えていけば、「人間の知能は、原理的にはすべてコンピュータで実現できるはずだ」というのが、科学的には妥当な予想である。 【将棋における人工知能】 1997年、IBMが開発した「ディープブルー」が、当時のチェス世界チャンピオンを敗った。 2012年、「ボンクラーズ」により、永世棋聖が敗れた。 あるタスクを実行するのに「関係ある知識だけを取り出してそれを使う」という、人間ならごく当たり前にやっている作業はかなり難しい。 例えば、メールを返す時に、「親しい友達向けなのか、取引先の人向けなのか」、「メールではなく電話や手紙のがいいのではないか」「本当に返す必要があるのか」など。 【学習するとは分けること】 そもそも学習するとは何か。どうなれば学習したといえるのか。学習の根幹をなすのは「分ける」という処理である。ある事象について判断する、それが何かを認識する。うまく「分ける」ことができれば、のものごとを理解することもできるし、判断して行動することもできる。「分ける」作業は、すなわち「イエスかノーで答える問題」である。 今まで人工知能が実現しなかったのは、「世界からどの特徴に注目して情報を取り出すべきか」に関して、人間の手を借りなければならなかったからだ。コンピュータが与えられたデータから注目すべき特徴を見つけ、その特徴の程度を表す「特微量」を得ることができれば、機会学習における「特微量設計」の問題はクリアできる。 しかし、少し理解が難しいが、そうして得られた特微量を使って、最後に分類するとき、つまり「その特微量を有するのは猫だ」とか正解ラベルを与えるときには、「教師あり学習」になる。しかし、それでも効率はかなり上がる。 ディープラーニングの登場は、少なくとも画像や音声という分野において、「データをもとに何を特微表現すべきか」をコンピュータが自動的に獲得することができるという可能性を示している。 あるいは特微量の獲得は創造性そのものである。個人の内部で日常的に起こっているので、特に創造的であるとは思わないかもしれないが、あることに「気づく」のは創造的な行為である。 一方で社会の誰も考えていない、実現していないような創造性は、いわば「社会の中に依然考えた人がいるかどうか」という相対的なものである。(中略)環境とのインタラクションが起きるようになれば、試行錯誤による創造性ということは自然に起こるはずだ。 ①画像認識→レントゲンから診断 ②マルチモーダルな抽象化→視覚、聴覚、触覚などを組み合わせて「猫」を認識 ③行動とプランニング→周囲の観察から自分の行動結果を観察するようになる。「●●するために~~をしよう」の試行錯誤で行動計画の精度が増す。自動運転技術に応用 ④行動に基づく抽象化→③のデータが増えると、行動に特微量を見出し行動が変わる。介護などで「強く手を握ると、相手は痛がる」ことなどを理解 ⑤言語との紐づけ→④までで取り入れた概念に、言葉(記号表記)を当てることで、会話が成立 ⑥更なる知識習得→実体験のないものを知識として取得できるようになる。教育分野にも参入できる 【人間の仕事として重要なもの】 ①非常に大局的でサンプル数の少ない、難しい判断を伴う業務 ②人間に接するインターフェースは人間の方がいい、という理由で残る仕事

    1
    投稿日: 2015.07.17
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    著者は国内トップクラスの研究者で、人工知能学会の編集長も務められた方。学会誌を研究者だけでなく多くの人に興味を持ってほしいと尽力された方とのことです。 そういった経緯の方だけあって、興味を抱きやすい導入部、わかりやすい説明、もう少し詳しい内容を記した書籍への誘導など、「人工知能とはなんぞや?」な素人にこそおすすめしたい本です。私自身がその素人ですが、とてもわかり易かったです。 15年以上前にとある漫画がきっかけで人工知能に興味を持っていた時期があり、ロボットや心に関する新書を何冊か読んだ程度の知識でこの本を手に取りましたが、当時得た知識がページを捲るごとに塗り替えられていくのに興奮しました。技術の進歩のスピード感と、最先端の技術が日々の生活に密接に関わって実現していることに驚かされます。 また、終章のあたりではこの国の現状、そして将来の展望についても語られていて、著者の方が抱かれている危機感――この本を執筆された動機――にも触れられます。 このあたりは門外漢の素人には考えるのが重いテーマに感じられましたが、10年くらい経った後に読み返したらまた違った感想を抱くのかもしれません。 人工知能の現在・過去・未来について今の視点から語られた本です。今のうちに広く読まれて欲しい。

    2
    投稿日: 2015.07.15
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    2014 映画 her 世界で一つの彼女 2015 エニグマと天才数学者の秘密 アラン・チューリング レイ・カーツワイル 2045 技術的特異点 シンギュラリティ 中嶋秀之 人工知能 人工的につくられた、知能をもつ実体。あるいはそれをつくろうとすることによって知能自体を研究する分野である かつて人工知能と呼ばれていたが、実用化され、ひとつの分野を構成すると、人工知能と呼ばれなくなる。これはAI効果と呼ばれる興味深い現象だ。多くの人は、その原理がわかってしまうと、これは知能ではないとおもうのである 知識獲得のボトルネック 人工知能の難問題 フレーム問題 シンボルグラウンディング問題 従来の言語学で研究されてきた文法に関する知識や、文の伝えようとする意味をきちんと把握して訳すのではなく、対訳コーパスという日本語と英語が両方記載された大量のテキストデータを使って、「英語でこういう単語の場合は、日本語のこの単語に訳される確率が高い」 「英語でこういうフレーズの場合は日本語のこういうフレーズに訳される場合が多い」と単純にあてはめていく 学習するとは分けること 教師あり学習、教師なし学習 手書き文字認識 機械学習における難問 特徴量設計 feature engineering 人間は特徴量をつかむことに長けている。何か同じ対象を見ていると、自然にそこに内在する特徴に気づき、より簡単に理解することができる 機械学習では、何を特徴量とするかは人間が決めないといけなかった。人間がうまく特徴量を設計すれば機械学習はうまく動き、そうでなければうまく動かない 2012年 画像認識コンペで初参加のカナダのトロント大学が開発したsupervisionが圧倒的な勝利 ディープラーニング データをもとに、コンピュータが自ら特徴量を作り出す。人間が特徴量を設計するのではなく、コンピュータが自ら高次の特徴量を獲得し、それをもとに画像を分類できるようになる。ディープラーニングによって、これまで人間が介在しなければならなかった領域に、ついに人工知能が一歩踏み込んだのだ ディープラーニング 人工知能研究における50年来のブレークするー シンギュラリティ 人工知能が自分の脳力を超える人工知能を自ら作り出す 人工知能が人間を征服する心配をする必要はない。それが私の現時点での結論である 手続き化しやすい職業 なくなる確率高い 対人コミュニケーションが必要な職業は当面は機械で置き換えるのがむずかしいだろう 異常検知というタスクは、高次の特徴量を生成できる特徴表現学習の得意とするところであり、なにかおかしいところを検知できる人工知能の能力が急速に上がってくる 人間の仕事として重要なもの 2つ  非常に大局的でサンプル数の少ない、難しい判断を伴う業務 経営者は事業の責任者の様な仕事  人間に接するインターフェイスは人間のほうがよいといいという理由で残る仕事 セラピスト、レストランの店員、営業

    0
    投稿日: 2015.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    IBMの人工知能ワトソンが、みずほ銀行や三井住友銀行においてPoC(Proof of Concept、新しいコンセプトを実証すること)を実施し、実用化に耐えられることを証明した。コールセンター業務に投入され、オペレータ業務の効率化と品質向上に貢献するとして話題になっている。 ワトソン自体は、質問の意味を理解して答えているわけではなく、質問に含まれるキーワードと関連しそうな答えを高速に引っ張り出しているだけらしい。人間と違って、「意味を理解」して答えているわけではない。ワトソンの性能がどれだけ上がったように見えても、「意味を理解」するということまでは至っていない。「知識」を入れることで能力向上を図ってきたのだ。 「知識」を入れれば人工知能は賢くなるが、どこまで「知識」を書いても書き切れないという問題にぶつかった。いままで人工知能が実現しなかったのはこうだ。「世界からどの特徴に注目して情報を取り出すべきか」に関して、人間の手を借りなければならなかったからだ。コンピュータが与えられたデータから注目すべき特徴を自ら見つけ、その特徴の程度を表す「特徴量」を得ることができればよいのだ。「特徴量」をコンピュータ自身で獲得できるか、が最大の難関だった。 人間が行っていた特徴量の抽出をディープラーニングという手法でコンピュータ自身ができるようになった。コンピュータが記号を記号として見ていたところ、概念を獲得し、記号を記号と概念がセットになったものとして扱うことができるようになったわけである。このブレイクスルーにより、画像だけではなく、動画や音声や圧力といった人間の五感に相当する様々な入力データから、マルチモーダル(複数の感覚のデータを組み合わせた)な特徴表現と概念の獲得が進み、人工知能は飛躍的に研究スピードが加速することが期待されている。 人工知能が人類を滅ぼすのではないか、という点についても触れられている。自らを維持し、複製できるような生命体でないと、保存欲求や複製要求は生まれず、制服したいという欲求も発生しないと説いている。また、「自己再生産」という仕組みに到達するまでは、現実味がないと説いている。他の本でも勉強してみたい興味深い話である。 人工知能についての理解が進む基本書であった。

    1
    投稿日: 2015.07.06
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    1次:推論と探索 2次:知識学習 手は人間の一部など知識を教え込む 3次:機械学習 インプット(画像)とカテゴライズ(ヨット)をいっぱい与えてあげて次に新たなインプットが来たときに判断させられるようにする 4次:ディープラーニング カテゴライズを自動で見つけさせる。(コンピューターが特徴量を取り出し自動的に人間の顔や猫の顔といった概念を導く)

    0
    投稿日: 2015.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昨今の第三次AIブームの流れの中、必読本として読みました。 勉強になったし、歯ごたえがあった。 松尾先生は平易にわからせるようにする表現がうまい、と思った。  よりシンプルに全体像をつかむのなら「東大准教授に教わる『人工知能って、そんなことまでできるんですか?』」のほうがわかりやすいかも。  仕事でディープラーニングとか関連するからみあり、勉強しておかねば、と、一応工学系大学院のマスターで、さらに計算機系を使った研究までやってきた研究者魂、で前のめりで読みましたが・・・正直歯ごたえがありました。 ディープラーニングの仕組みを記載しているところ、よく見る概念モデルの絵、も、見ました、P161の隠れ層を上に引っ張り出し、の、しくみでの説明もすごいと思いました。 二度目は精読もしましたが、自分の言葉で語れるようになるには、やはり修行がいりそうだ。   三層からより踏み込む際に、計算機パワーが必要でした、は、わかるんですが、ノイズをいれる、ちょっと違った過去を使う、ドロップアウト、といったところは、うーん難し。 一部分の特徴量を使えなくすることが、適切な特徴表現を見つけることに有効に働く、とのこと。 一応言葉の意味はわかるんですが…。 教師あり学習、教師なし学習、ディープラーニングは教師なし学習を教師あり学習的アプローチでやっている → 「データをもとに何を特徴表現すべきか」をコンピュータが自動的に獲得することができる可能性 ⇒ コンピュータが『特徴量』を取り出し、自動的に「人間の顔」や「ネコの顔」といった『概念』を獲得する。 うーーん、難しかったけど、たぶん今後5年10年、戻ってきて、あぁそういうことだったのか、と読み返すかも。 勉強になりました。 お勧めです。

    1
    投稿日: 2015.07.02
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    元々人工知能というテーマは好きでしたが、Prologが流行ったときも、エキスパート・システムが流行ったときも、わくわくしながら関係の科学書を読んだものでしたが、その後なかなか進展がないなと思っていました。 が、最近、将棋の電王戦でコンピュータがプロに勝ったり、Googleが自動運転自動車の走行実験をしたりというニュースを耳にするようになり、人工知能研究も結構進んだのかなとまたちょっと興味が出たので、本屋でみかけたこの本を読んでみました。 結果は大当たり。これまでの人工知能研究の歴史と現在の状況、最近、人工知能研究で大きなブレイクスルーがあり、それが今後の見通しをかなり明るいものにしてくれていること、人工知能と「生命」との違い、人工知能が発達した後、仕事や社会にどのような影響がありそうか、などなど、知りたかった話題がほぼもれなく、しかもきわめてわかりやすく書かれていて、大いに知的好奇心を満足させてくれました。 結論としては、まだ現時点では人工知能の実用化レベルはまだまだだけれど、現在ものすごい開発競争が起きているところで、そう遠くない将来にいろいろな方面での実用化の可能性があり、それが社会に大きなインパクトを与える可能性があること、でも人工知能の「反乱」はありそうにないこと、人間の仕事は最後まで残りそうなことなどが納得できて、ちょっと安心できました。 これからの人工知能研究の進展を、大いに期待したいと希望が持てました。

    1
    投稿日: 2015.06.19
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    人工知能はどういう進化を遂げてきて実際どこまでいっているのか。 現時点でのできることできないことが技術と共に語られており興味深い。

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    投稿日: 2015.06.16
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    20150609読了 人工知能の過去・現在・未来をディープラーニングを中心にして綴った本。筆者の人工知能に対する思い入れが感じられる 。 これを読めばディープラーニングについて理解できるはず。 著者曰く、「主成分分析を非線形にし、多段にしただけ」「つまり、データの中から特徴量や概念を見つけ、そのかたまりを使って、さらに大きなかたまりを見つけるだけ」とのこと。 研究をしていた時に何となく感じていた、着眼点の発見が人工知能で実現出来そうな気がした。 他に気になったのは、 知識の移転 マルチモーダル オントロジー

    0
    投稿日: 2015.06.09
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    日本トップクラスの人口知能学者である著者が、「ディープラーニング」という新たな手法の登場によって俄かに注目を浴びている人口知能研究の最前線を、これまでの紆余曲折の歴史とともに解説した一冊。 ディープラーニングとは、これまで人間が設計していた「特徴量」(画像などを分類する際に、対象の「特徴」を表すための変数)を、コンピュータ自らが「機械学習」を通じて獲得することで、例えば人間が「猫」の特徴を定義しなくても、Youtubeのデータをランダムに大量に読み込むだけで、コンピュータは猫を識別できるようになり、このことが人口知能研究に大きなイノベーションをもたらす可能性があるという。 著者はまた、ディープラーニングが行う「抽象化による知識の転移」と、生物の脳の進化や企業がビッグデータを活用して行う戦略的行動との類似性を指摘しつつ、人口知能に対して過剰な期待感や警戒心を抱くのではなく、人口知能の利用用途と、人間がすべきことを冷静に考え、議論すべきと説く。「機械に支配される未来」といった哲学論争とは別次元の地に足のついた論調で、知的好奇心をくすぐられる良書。

    0
    投稿日: 2015.06.08
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    現在人工知能の第3のブームが来ているそうだ。 前2回のブームが続かなかった理由に、目的関数や分岐条件を人間が設定しなければならないという手法的限界があったが、ディープラーニングによりそれ自体をコンピュータ自身で発見、設定できるようになった。 例えば、多量の画像データを解析することで、「猫」の外見についての本質的概念をコンピュータ自身が見出すことができる。その概念を「猫」と呼べと定義付けることでコンピュータが猫の外見についての概念を獲得することになる。(以前は数多くのかくかくしかじかの条件を満たしたものは猫と分類しろ、と人間が指定した条件による分類処理を実行していただけで、コンピュータが「猫」という概念を持っていたわけではなかった) これは人工知能の発展段階としてはまさに画期的なものであり、これにより人間の知的作業で人工知能に置き換えられないものはほぼなくなった、らしい。 これとビッグデータを組み合わせることで、人間の嗜好についてのデータ、というか解答を商品、分野横断的に導出することができるようになるため、そのようなビッグデータと分析手段を有する企業の寡占性は高まる。 本邦はビッグデータや一般的なIT開発については完敗だが、人工知能研究は世界でも先頭グループにいるため、やり方によっては寡占する側に加われる可能性も残っているということだが、残された時間は余りないような気もする。 ディープラーニングも元を糺せば主要因分析だそうで、コンピュータ将棋も迷路解きが大元であるように、人工知能も基本的には単純な約束事から始まっているのは興味深い。 本書はその仕組み、過去~近未来まで俯瞰的に人工知能について理解できると同時に、現在の人工知能の発展段階を踏まえて、自身や社会の在り様まで問題意識を投げかける良書である。

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    投稿日: 2015.06.01
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    各大学や研究機関がエラー率26%を凌いでいて年に1%ずつエラー率を下げていくのがやっとな中、トロント大学がぶっちぎりのエラー率15%を叩き出した。その手法でもある50年ぶりに訪れたブレークスルー「ディープラーニング」の領域を開拓された人工知能が今何かと話題になっている。 同時に、2045年に訪れると言われている技術的特異点「シンギュラリティ」の領域になると、人間の範疇を超えてコンピュータが巨大な存在になり誰も止められなくなる。そんなSFの世界でワクワクするロマン、恐怖とは裏腹に人工知能の第一人者である著者の松尾准教授はシンギュラリティについては懐疑的であった。 タイトルからすれば、シンギュラリティの世界は来るのか?来ないのか?とも読み取れるものだが、サクッと「このままだと来ない」というのが松尾准教授の答え。 その後は今まで何度か訪れた人工知能の注目とその背景について、また、中盤はかなり細かく人工知能のさまざまなアルゴリズムについて説明されている。素人でもギリギリわかるレベルに噛み砕かれての説明なので、なんとなくわかったw そして、「ディープラーニング」のアルゴリズム概要説明。 人間のニューラルネットワークを擬似的に真似て作られたアルゴリズムに将来のさらなる期待が伺える。 手法は入力層と出力層の間にある隠れ層を、次のレイヤーの出力層になるように引っ張り上げて、何段もの隠れ層を繰り返し重ねディープにする。というものだが、それで何故に画像認識制度が高くなるのかとかまでは、理解することができなかった。 シンギュラリティのようなネガティブSFワードで話題な人工知能だが、OS音声認識ソフトに恋をしてしまう「her/世界でひとつの彼女」の映画の世界のようにポジティブなロマン?を抱いて未来を待つことにしよう。 わくわく。

    0
    投稿日: 2015.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「AIの衝撃」とほぼ同じ内容。「AIの衝撃」よりも具体的、技術的な話が若干多いがその分読みにくい。 ・AIが発達しても、人間と同じような思考をすることにはならない。ディープラーニングのように自ら学ぶ機械にあっては、例えばネコの特徴として「ひげ」「目や耳の形」「肉球」といった、人間が考えるものとは全く別の特徴からネコという概念をつかまえるかもしれない ・人間の仕事は残るだろう。一つは非常に大局的でサンプルずうの少ない、難しい判断を伴う業務で経営など。また、人に接するインターフェースは人の方がよいので、レストランの店員などの仕事は人間の仕事として残るだろう。

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    投稿日: 2015.05.22
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    最近話題の人工知能。その歴史とこれからについて書かれた本。この本を読んで自分もちょっと人工知能を使ったプログラムを書いてみたいと思った。 大学の時の人工知能の先生もそうだったのだけど、人工知能の話はだいたい「ブームがあって冬の時代が~」から始まる印象。 ディープラーニングは果たしてどこまで進化できるのだろうか。数年後には手軽に手軽に使えるようになってたりするのかな。 なお、日本には人工知能の人材というのは多いらしい。この人材の数なら世界で戦えるとのこと。日本で人工知能というと、最近だとペッパーぐらいしか思い浮かばないけど、はたして今後抜きん出た技術がでてくるだろうか。

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    投稿日: 2015.05.22
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    仕事がらAIとかのこともそろそろ知っておかないとなーと思っていたら、出会った本でした。Googleの猫を認識した話などタイムリーなこともたくさん出て来るし、どっかのVCの説明を聞いているようでもあり、とても楽しく読めました。 そして何より、機会学習とディープラーニングの違いを理解できたことと。まだまだ人工知能はタチコマの世界には遠いこともよく分かって、今後にとても役立ちそう。そして、正直なところ、宗教や哲学の部分に立ち入るほどの専門性はないのでそこは先生方にお任せして、出来る範囲で目の前の成果をきちんと挙げて行きたいなと勇気を貰いました(2015.4月下旬読了)

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    投稿日: 2015.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    特にディープラーニングの部分を簡単に説明したところがわかりやすい。 層を増やせばうまくいくとみんなが思ってたがうまくいかなかった なので三層でパラメーターチューニングしてた。 でもなかなかうまくいかなかった。 それで、一層ごとにチューニング?した。 そのときにノイズを加えて、特徴量がすげーロバストになるようにした。 その際に計算量が膨大になるので最近になるまでできなかった。 でも今はできて、グーグルねこのシニフィエを発見。2012年。 わかりやすい。それと、僕の好きだったジェフ・ホーキンスの本が取り上げられてた。

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    投稿日: 2015.05.06
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    2015/05/05 購入。大学じゃ計算機科学が専攻だったけど、人工知能はいわゆるエキスパートシステムで第2次ブームになる前の頃の知識しかなくて、最近のディープラーニングの流行にすごく興味を持ってた。一般向けの本ではあるが、昔のブームの頃も簡単に紹介してくれていて、本当の初心者にはどうかなって思ったけど、私のような人間にはぴったりな本。

    1
    投稿日: 2015.05.05
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    人工知能の今と今後の展望についてわかりやすく書いてくれた良書。 ちょい前に人工知能学会誌がメイドのロボット画像を表紙にして話題になったが、その学会誌編集委員長が著者である。 とりあえず私としてはどこまで人工知能が進んでいるのかを知りたかったのだが現在のところまだ出来ていないという現状に、これからなんだという期待を込めた安心感を抱いた。 やはり人間の機能というのは物凄いもので、簡単な常識的知識すらまだコンピュータに取り込めていないこと、それでもアルゴリズムを工夫することで人間の持つような抽象的理解を持たせることを困難ながらも達成しつつあるのかという気にはなった。 このところ人工知能研究は人間にとっては諸刃の剣であり、ホーキング氏に代表されるようにその進歩は人間にとって危険なものになりうるという認識が強い気もする。本書を読むと、少なくても現時点ではそれは杞憂にすぎないこともわかる。人工知能をどのように進化させるとそういう方向に行き得るのかをわかりやすく書いてくれているので、結論には相当程度納得できる。 もっとも個人的には、人工知能がある種の重要なシステムを管理している時に、何らかの偶発的事象により致命的な判断ミスをする危険はあるのでは?と思うのだが。しかしまぁ人間が操作するほうがそのリスクは高いか…。 全般にとてもわかり易く説得力に富んでいるが、逆にもっと突っ込んで知りたいところもあり、特に個別の応用面に関しては記述が足りないので、それは他の本を読まないとなぁと。 面白かったです。

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    投稿日: 2015.04.23
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    古典にはならないだろうが、国際的な競争における、今という時に、最も必要な著作である。冷静だが、冷酷ではない。情熱的だが、狂信的ではない。 特徴量の抽出が、統計処理でいう主成分分析であることの指摘に、全てが腑に落ちた。

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    投稿日: 2015.04.17
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    非常に面白かった。久々に一気に読んだ本。AIの一次ブームが推論の時代、二次ブームが知識の時代、今の三次が機械学習とディープラーニングの時代と分かりやすく整理してあり、またディープラーニングが特徴量に着目することと、それと多層ニューラルネットワークの関係が良く分かる。これまでマシンが苦手だった、シニフィエとシニフィアンが結びつかないという課題への解になったことで、なぜディープラーニングがブレークスルーになったのかも非常に分かりやすく説明してある。一方で知能は作れても生命は作れない、従ってシンギュラリティは遠いという冷静な指摘もあり、確かに最後に残る課題、そして昔から指摘されてきた課題として「身体性を如何に再現するのか」はまだ解が出ていない。それも含めて、ただ流行りの言葉をまぶして分かった気にさせるだけの本と異なり、最先端が基礎から分かる楽しさを感じさせてくれる素晴らしい本でした。

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    投稿日: 2015.04.12
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    AIの系譜、基礎概念、展望を平易にまとめた良書。ディープラーニングの原理がようやく分かったよ。人間の得意技だった「判断ポイントとなる特徴を自ら選び」判断することができる点でブレイクスルーになりうる。 ・多階層のニューラルネットワークである。 ・「自己符号化器」では入力と出力を同じにする。これにより、特徴を抽出できる。47都道府県の天気予報を例にすると、特定のまとまりでグルーピングしても47都道府県の天気の再現率が高いことを算出し、「関東地方」や「日本海側」という概念を自ら生成できる。 ・上記の概念自体は古くからあったが、「ノイズ」を与えることで特徴抽出の「頑健性」を高めることがポイントだった。(一部のデータを意図的に変える、ニューロンを欠落させるetc)

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    投稿日: 2015.03.29
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    人工知能の今までについて、コンパクトにまとまっていて読みやすかった。 また、ディープラーニングを起点に拡がる未来像も、結構興味深く読めた。

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    投稿日: 2015.03.28
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    ”ディープラーニング”や”人工知能”といったバズワード化したものをわかりやすく解説して売れている良書でした。 研究分野でありながらよくわかっていなかった内容も復習できて大満足

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    投稿日: 2015.03.24
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    人工知能の専門家によって書かれています。人工知能の過去から現在、そして未来までを平易に解説しています。深層学習とこれまでの機械学習の違いが分かりやすいです。また、著者の人工知能に対する思いが非常によく伝わってきます。

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    投稿日: 2015.03.22
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    現在話題になっている人工知能の事例を導入に人工知能とは何かを改めて説明し過去の人口知能ブームと冬の時代を含む歴史を振り返り、過去のAIブームが行き詰った理由を説明し、巨人の肩に乗る現在の人工知能の技術的な内容に迫る。 ディープラーニングについてもページを割き丹念に説明するも、手書き文字にの認識の話が説明しにくいのか天気予報の話に変えられ、そこは分かるものの、手書き文字の認識の理解としては今一つ釈然としない。 いわゆるシンギュラリティ(技術的特異点)問題に関しては楽観的で、人工知能を活用する産業の方向性などについても日本に分があるとしてこちらも希望的にまとめている。 基本的には人工知能入門書としては過不足なく書かれた良書です。それであるがゆえにディープラーニングの説明での手書き文字の認識がどのようにされていくのか、その場合における特徴量とは何なのかの分かり易い説明が無かったのが残念です。

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    投稿日: 2015.03.22
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    ディープラーニングは今までの人工知能になかった、「概念」を抽出する技術です。 我々のビジネスにどのような適用ができるか、とても良いヒントが得られたと思います。

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    投稿日: 2015.03.19