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森のなかのママ
森のなかのママ
井上荒野/集英社
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総合評価

24件)
3.9
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8
7
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    5年前に死んだ画家の父親の作品を集めた美術館に済むいずみと母親鞠子。いずみはその離れに居候する伏見に憧れていた。鞠子は夫の絵を切り売りしながら贅沢を謳歌し、伏見を始めとした大学時代の取り巻きと楽しく暮らしていた。いずみは父のことを知ろうとする…。 気難しい不思議ちゃんと、ほんわか掴みどころのない不思議母親に振り回される友人たちの話。何もかも嫌いという女性作家らしいすべて投げるスタイルだが、それ以上にどう仕様もないキャラクターがいるお陰でそこまで嫌な印象はない。 話自体は小さく細切れにされているおかげで読みやすく、予想したよりもキャラクターも増えすぎない程度でまとまっているため、読んでいてそこまで嫌になることはないであろう。 同著者の以前に読んだ『だりや荘』にくらべ、全体にまとまりは有るし、快適に読めたのには、解説で長嶋有が書いていた通り、「セックスに逃げる」という部分が無いからであろう。どうしてもこういう作品で嫌になるポイントはそこにあるが、本作ではそういう話は出てこない。むしろ有るのかと見ていると全く無いので意外に感じるくらいだ。 マガジンハウス系の退廃女性文学としては、とても良いバランスを築けている一冊ではある。で、なんで表紙はこれ?

    0
    投稿日: 2025.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    井上荒野先生の著作だから読んだ小説。内容を全く知らない状態で読んだ小説。いずみには共感できなかったが、いずみの母の毬子の読んでいて面白かった。「つやのよる」よりも面白かった。表紙が個性的だった。

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    投稿日: 2018.11.08
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    旅行用に買った文庫本。ずいぶん時間をかけて読んだが、開くたびにその場に入り込める。素敵とはこういう世界をいうんだなあ。

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    投稿日: 2016.10.16
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    面白かった〜。 浮世離れしたママや、そんなママにイライラしながらもいつも敗北しちゃう娘も、ママの取り巻きのおじさま方もみんな愛すべきキャラで読んでいて心地よかったな〜。 ちょっとおおらか過ぎ。 どこ吹く風のママ。 いやいや、冷静に見るとママの置かれてる立場って結構よ…なのにこんなにカラッとなるのはママのなせる技なのね。 ママは強いのか弱いのかがわからない。そんな所が周りの人を惹きつけるのかなぁ。とにかく魅力的。困ったちゃんなとこも致し方ないのか。 続編を希望します。

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    投稿日: 2015.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【本の内容】 画家だったパパの突然の死から五年。 浮き世離れしたママと、美術館に改装した家で暮らす大学生のいずみ。 離れの間借り人、渋い老人の伏見に恋しているが、伏見はじめ美術館に出入りする男たちはみなママに夢中だ。 ある日、放映されたパパのドキュメンタリー番組に、パパの愛人が出演していた…。 なにが起ころうと否応なしに続いていく人生と渡り合うために、ママがとった意外な行動とは―。 [ 目次 ] [ POP ] これは味わい深い。 とてもライトなタッチで描かれている小説だけれどじんわりするものがあって、ここにある世界観にあっという間に引き込まれ魅了されました。 主人公いずみ、そしてママ、それと死んでしまったパパ、それからよくわからない近所のオジサンたち。 なぜか男たちはみんなママに恋していて、そんなママを持ついずみはとても複雑な想いを抱く。 だってそんなママの子どもなのに、いずみちゃんは冒頭から、好きな人にフラれちゃうのです。 みんなに愛されているママだけれどある日、生前のパパに愛人がいたことが発覚してしまう。 それで、あれよあれよという間にいろんなことがわかってしまう。 そこでママが出た行動がこれまたびっくりなのだけれど、なんだか妙に納得してしまうような愛おしい行為なのです。 自分の母親がこんなママだったら嫌だけど、でも憎めなくて愛らしい。 とってもピュアな小説なんです。 どんなことがあっても、生きている限り人生は脈々と続いていく。 そんな当然なんだけれど、なかなか受け入れがたいと思ってしまうこともある事実を、とても素直に受け止めている著者は、本当に心の澄んだ人なのだろうなと想像しながら読める、透き通った小説でした。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

    0
    投稿日: 2014.11.22
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    画家の父親が死にしかも愛人の元。でもママは元気でのほほんとしている。そんなママの人柄と容姿を愛し集まる沢山のおじさん達。 いつも朗らかなママも実は裏で色々と考え喜怒哀楽があるということに気付く主人公。 大学生の主人公が人間関係を知り、少しずつ大人に成長してゆく。 本来であれば暗くなるようなシチュエーションなのだがママの明るさ、まわりのおじさん達の面白さによって最後まで明るく読むことができる。 実の親であっても「親」の前に人間だし、「女」なのだ。

    0
    投稿日: 2014.04.24
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    読み始めて直ぐ、既に読んだことがあることを思い出したが、結局そのまま最後まで読んでしまった。 画家だった父親が亡くなった時、一緒にいたのは妻以外の女性だった。残された、美人で自由で何も考えていなさそうな妻と、そんな母に反発する娘。父の死や裏切りを乗り越えようともがく2人。そして、少しずつ母を理解していく娘。そんな2人を見守る、母の取り巻きのおじさんたちや娘のボーイフレンド。 清々しいエンディングだった。

    0
    投稿日: 2013.06.16
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    有名な画家の父の突然の死から5年。60歳になっても不思議な魅力を持つ美しいママと大学生の娘は、亡き父の小さな個人美術館で暮らしていた。ある日、父の愛人であった女性が現れて… ほいほい読み進められるし、読後感もさっぱり。 破天荒、でもにくめないママと、しっかり者の娘を中心に繰り広げられる、「ハートフル・コメディ」ってかんじ。 「大事な人を亡くした後、ある程度の年齢を重ねた女性はどう生きていくか、女の子はどう大人になり、大きな心の穴を埋めるのか、自分に返ってくる問題でもあり、読んだ後も考えました」 とある作家さんは述べたけれど… 私は年齢的なこともあるのか、あんまりいろんなことは考えさせられなかった。ほんとさっぱり・ほっこりした!

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    投稿日: 2012.09.17
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    齢60にして男たちを魅了してやまない「ママ」。 すごいです。こうありたいもんです。 読んでいると次第に主人公のいずみちゃんの目線になって、「ママ」 が心配になってくるから不思議。

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    投稿日: 2012.08.10
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    生活感のしない母親と、その三人の男友達。 ふわふわしているけど、しっかりした物語?丁寧な印象。 結構、この雰囲気は好き。 「タタド」を思い出す。 こういう物語にちゃんと感想を書けたらいいなって思うのに。

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    投稿日: 2011.07.08
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    「誰よりも美しい妻」、「しかたのない水」に続く三冊目の井上荒野。 前の二作は読後に胃の辺りがずっしり重いというか、胸の中がざらつくような印象を残したが、これはまるで違う。少女小説めいた軽やかな文体で全体的な雰囲気も明るい。 ふわふわした母親毬子としっかり者の娘いずみ。作品はいずみの視点で母や周囲の人々、そして亡くなった父親についての物語を綴っていく。 気楽で何も考えていなかったように見える毬子も、実際は彼女なりに現実と戦っていたんだなと思った。その方法が他の人の「常識」からすると突飛な方法すぎるだけだ。 もしかしたら彼女にとって一番恐ろしいのは、「パパ」との繋がりが完全に薄れてしまうことなのかもしれない。そのためなら、なりふり構わずあらゆるものを利用してしまうのだろう。 冷静に考えると状況は決して明るいばかりではない筈なのだが、作品自体が外に向いているので読後も爽やか。また、取り巻きの男性たちのコミカルなやりとりが面白かった。 しかし同じ作家でこうも違う印象の作品を読めると嬉しい。また別の作品も手に取ってみよう。

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    投稿日: 2011.05.18
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    この続きが読みたいなって思った。まあこのまま続いてもママたちの秘密は解決することがないと思うけど、それでも読みたいな。 そう思うくらい登場人物が魅力的。みんな無邪気で、どこか不器用で、私をふんわりと優しい気持ちにさせてくれた。 この本に出てくるママは、私は強い人だと思った。しかもどこかうちの母に似ている・・・(笑) 「人生たまには、ものすごくならないとね」このゆるーい感じ、好き。

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    投稿日: 2010.11.10
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    母と娘ってこうだよなあと思う作品。友達のようで、分かり合えなくて、それでも彼女たちは「家族」であり続ける。

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    投稿日: 2010.09.17
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    ぶっ飛んでるくらいのほうが、よっぽど人間らしい。 だから好き! 女神なママもいずみちゃんも伏見さんも。 ピースフルです。

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    投稿日: 2010.08.04
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    いくつになってもまるで少女のように振舞う自由なママ。 そんなママを見る娘の視点で書いてある、ほんわかとした作品。 実は結構内容はシビアなところがちょっと怖かったり・・・・・;;

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    投稿日: 2010.04.01
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     開いた時、大きめの活字と上下の空白に面食らう。絵本みたい。絵はないけど。  内容も、ヒロインは20歳だけど、もし中高校生なら少女小説でも通りそう。  高名な画家のパパは5年前に亡くなり、パパの絵を展示した美術館の番をしながら、  美しいママ(60)と、下宿人のおじさん(68)と暮らす女子大生のオハナシ。  下宿人のおじさんへの片思いとか、幼馴染のBFとか、ママの取り巻き連中とか。  パパの愛人だった人との絡みとか。ユーモアをまぶして、少しだけ切なく。  ドロドロではない、さらりと軽い、キレイな物語。

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    投稿日: 2010.03.31
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    自由なママ。「のほほん」で「無」…。 パパの困った死 を知った時も取り乱すことなく、 取り仕切った後、ひたすら眠っていたママ。 買い物好きで、パパの絵をすぐ売っちゃうし、 美術館に出入りする取り巻きおじ様たちとデートしちゃうし…。 頑固でナイーブな娘のいずみは、 そんなママの行動にいらつき、呆れ、反発しています。 しかも、大好きな伏見さんは、ママに夢中だし ママの感情は、あやふやなままですが、 なんとなく共感できる気がします。 いずみが、そこを推し量りながら柔らかくなっていくところが いいなーと思いました。

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    投稿日: 2010.02.14
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    井上さんの諸作品とは毛色が違って、コミカルで緩い感じが心地いいです。ママやいずみをはじめ、登場人物みんなに愛すべき点があって、可愛い話です。

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    投稿日: 2009.08.15
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    こういうジャンルあるなと思った本。 女の子っぽい気分になりたいときに読めばよいかも。めったにないが。 そうでないとき読むといまいち遠巻きになってしまう感じ。

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    投稿日: 2009.07.16
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    ちょっと(というかすごく?)不思議なママを中心に、主人公も含めその周りの人たちが振り回されたりなんだり…?なんか、よくわからないけど、なかなかおもしろかった。

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    投稿日: 2008.11.27
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    今の私は照次郎みたいな人がタイプだけれど、 二十歳くらいの頃は伏見さんみたいな人が好きだったような。

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    投稿日: 2008.04.03
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     面白かったー。おかしな登場人物たちのゆるゆるな感じに、ゆるゆると救われていく主人公のいずみちゃん。ともすると無神経なムカつく女になりそうなママを、伏見さん達おじさま軍団が無条件に容認していて、なんとなく許されてしまう。何せシブかっこいい伏見さんの想い人がママなのだ。素敵な人の好きな人がイヤな女なはずないじゃない。

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    投稿日: 2008.03.01
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    みんながママのことが好き。綺麗なお母さんを取り巻く全員が、素直にママを想う姿を見て、その中の伏見さんのことが好きないずみもなんとなく納得していく。突拍子もない行動を取るママに翻弄されながらも大学生のいずみは成長していく。

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    投稿日: 2007.07.16
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    少女のような軽やかさと無邪気さでもって男の人たちを虜にしてしまうママ。自由奔放に生きているような気がするけれど、実は自分の周りに起こることに、奮闘している。それに気づき始めた娘の話。

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    投稿日: 2007.05.22