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饗宴
饗宴
プラトン、中澤 務/光文社
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総合評価

43件)
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     ギリシャ時代、おとこたちは、寝そべって、酒を飲みながら、語り合う。そのスタイルは、優雅だ。  ソクラテスの以外にエロスについて語るのは、パイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストパネス、アガトン、アルキビアデスの6人である。  フロイトのエロスは、生命を維持し、統合しようとする本能。これは、性的な欲望や自己保存本能、そして個々の要素を結合させてより大きな全体を形成しようとする「生の本能」全体を指している。そして、エロスの対をなすタナトスを概念化した。タナトスは、フロイトが晩年に提唱した「死の本能」。これは、生命が元あった無機物の状態へと回帰しようとする破壊的な本能である。フロイトは、このタナトスが戦争や破壊行為の根源にあると考えた。  プラトンの『饗宴』には、タナトスは、出てこない。フロイトの方が人間の本能として、進化している。エロスだけでは、人間を語れない。  最初の5人が話すエロスの中で、少年愛が強いことに印象つけられた。ちょうど髭の生え始めの頃までの少年を、性的に愛し、そして、教育するという機能があった。マイフェアレディの男子版というところか。また、エロスはキューピッドでもある。  ソクラテスを好きなアルキビアデスは、ソクラテスが通常の人間とは異なり、内面的な美と知性、そして並外れた自制心を持っていることを称賛する。彼は、ソクラテスの魅力と徳に惹かれている。ソクラテスが刑罰と刑死を受けたことの一つに若者を堕落させたことであり、アルキビアデスとの性的関係も要因だった。  愛についての概念は、エロス、フィリア、アガペーがある。エロスは、異性間もしくは同性間の性愛を論じ、フィリアは、親子や友人間の情愛であり、アガペーは人類愛である。ここでは、エロスが中心に論じられているが、結局はアガペーについて語ることになる。  ソクラテスが紹介した女性ディオティマは、ソクラテスの上を行く人のようだ。ソクラテスに、エロスは、「精霊は、人間の思いを翻訳して神々に伝え、神々の思いを翻訳して人間に伝える」という役割を果たすという。そして「男と女の交わりとは、子をなす営みである。それは神聖な営みであり、死を逃れることのできない生き物は、この営みによって不死にあずかることができる。子を宿し、そして生むという営みによってな。」と、子を産むことによって、継続的に生を維持する。それがエロスの存在という。  さらにディオティマは、愛は美しいものではなく、美しいものへと向かう「中間的な存在」であり、人間を肉体の愛から知恵や真理の愛へと導く「愛の階段(ディオティマの梯子)」の概念を提示する。この言葉が、ソクラテスではなく、ディオティマに語らせるのが面白い。  なぜ、愛し合い一体化するのか?両性具有の話も出てくる。笠井潔の『バイバイエンジェル』につながる。  エロスというテーマで、延々と論議、紀元前380年頃のギリシャの思想的格闘の凄さを感じる。

    3
    投稿日: 2025.09.28
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    興味本位で哲学関連の本を手に取りました。 イデア論で知られるプラトンの一書で、愛を司るエロス神を様々な登場人物の口から賛美させるというもの。 ただ、結局は師であるソクラテスを称賛する形で締められており、愛を哲学するというには、潔さに欠ける構成だと感じてしまった。 西洋哲学の源流ともされる古代ギリシャ哲学ですが、ギリシャ神話を前提にしているために、その視点にとらわれるのは致し方の無いところで、「愛」に対する普遍的・本質的な解釈にまでは当然昇華しきれていないですが、それでも古代の制限された知識のなかでここまでの議論がなされていることは興味深いです。 なお、古代ギリシャと現代との社会通念の乖離が大きく、テーマ意外のところでも驚きがあって、ある意味で新鮮な感覚がありました。男色(少年愛)が通常とされる社会はなかなかにショックですが。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    難解な哲学書なのだろうと勝手に決めつけていたが、ユーモア溢れるエンターテイメント性のある作品で驚いた。 本書を読んで一番の衝撃は、そこかもしれない。 偉大なる?ソクラテスたちが飲み会でどんな話をしていたのか…その様子を垣間見ることができるとう何とも興味深い作品。 エロスを賛美する、そもそもエロスとは何なのか、なぜ賛美に値するのかなどが知識人たちによって議論される。 こんな高度な知的な飲み会…あるかいな笑 いや、こんな宴に参加してみいものだ。 古代ギリシャの文化や風習を知ることもできて、非常に興味深かった。 少年愛が当たり前の世界…。時代によって、当たり前は全然違う。だから世の中の見え方も全然違う。何が正しいのか、何が人を幸せにするのか、色々と考えさせられた。

    1
    投稿日: 2025.05.30
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    文学・哲学の両面において、門外漢でもこの本一冊で充分に楽しめた。ここまでリーダブルな古典作品も珍しい。 有名なアリストファネスのアンドロギュノスの話、ソクラテスとアガトンの対話あたりは特に面白く、解説書ではなく原典で読めてよかったと思える満足度。 プラトン対話篇の中でも特に複雑な枠構造が取られているのも興味深かった。 「ソクラテスが以前にディオティマから聞いた話を饗宴で語り、参加者のアリストデモスから十数年後にその様子を聞いたアポロドロスが、改めて友人(=読者)に向けてその内容を語る」といった具合だが、わざわざこんな回りくどい形式で物語を「創作」する理由がきちんとあるのが凄い。 前半の4人の配役とキャラ付けも見事で、読んでいて飽きないばかりか同時代のありがちな議論をいっぺんに追体験できる。 それと解説を読んでなるほどと思ったのは、最後のアルキビアデスの描き方。 単純にアルキビアデスを悪役として描くのではなく、彼自身がソクラテスの強すぎるカリスマ性にやられて自分自身でもどうしたらいいか分からなくなっている、今で言うクソデカ感情みたいなものを描写することで、それとなくソクラテスが彼を堕落させたという醜聞を否定している。 太宰治の『駆け込み訴え』におけるユダみたいで、人間像として説得力があり、しかも美しい。 総じて創作物として現代の作品に匹敵する面白さがあり、また哲学書としても、解説書に頼らずとも議論を追える明快さがある。 前に岩波文庫版の『ソクラテスの弁明・クリトン』を読んだ時にここまでの分かりやすさは感じなかったので、光文社版の新訳が良いのかもしれない。他のプラトン対話篇も、光文社でもう何冊か読んでみる気になった。

    1
    投稿日: 2025.05.20
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     わかったようなわからんような…「エロス」神についてソクラテスがいろんな人に語らせて、最後おいしいとこ持っていくみたいな感じ。  でもソクラテスのような「知」を愛する哲人には簡単にはなれないんだよ、っていう。    本書の裏表紙の紹介文では「なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか?」とあるけど、実際には当時のギリシャの「少年愛」が主題。解説ではそれは男女の恋愛にも通じる、とはあったけど。この点を含めて訳者による解説は充実。訳も読みやすい。  「エロス神」と聞くと「ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々」をつい思い出しちゃう…。自分は到底哲人の「て」にもなれませんわ。 

    8
    投稿日: 2025.03.29
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    哲学書ってはじめてだったけど読みやすかった。ディオティマがめちゃくちゃ強い女師匠みたいな感じでかっこいい。

    0
    投稿日: 2025.03.11
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    アガトンのコンテスト優勝を祝う宴席の場で、出席者がそれぞれ愛の神エロス(解説によればキューピッド)を賛美するお話。 構成が凝っていて、出席者アリストデモスが宴会の様子をアポロドロスに話し、アポロドロスは、その話を聞かせろ、とせがむグラウコンに一度話をしたので、お安い御用と今からもう一度その話を読者に対してする、という設定(でプラトンが創作している)。プラトンが哲学者になる前のお話だから口頭伝承の形にしてしたのだろうか。 いろんな説が出る中、最も有名なのは、古代、人類は男・女・アンドロギュノスの三種類があって、神の怒りを買って真っ二つにされた、失われた片割れを求めて人類は愛し合う、というもの。元の組合せ次第で愛する相手が同性だったり異性だったりする、という点をうまく説明できる点、昔から人気があるようで、高校生の時に社会の先生がこの話をしていた。 出色は、(ソクラテスが聞いた話として語る)ディオティマの話。異性間の愛を、現代の進化論(端的にはリチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子)の萌芽を感じるような論調で語っていて、現代人にはもっとも腹落ちする内容ではないだろうか。 ほぼ直観から導き出される話だからこそ、訳者は(従来の貴婦人ではなく)巫女として設定したようだ。 当代人気政治家のアルキビアデスがソクラテスを口説いて失敗する、という話は塩野七生の「ギリシア人の物語2」でも登場するが、本作のラストでフルに読めたのは興味深かった。 主要登場人物 アポロドロス ソクラテスの弟子で、この物語の語り手。 アリストデモス ソクラテスの弟子で、饗宴の様子をアポロドロスに伝えた人。 ソクラテス アテネの哲学者。五三歳。 アガトン アテネの悲劇詩人。饗宴の主催者。三〇歳くらい。 パイドロス 弁論術に関心を寄せるアテネの若者。二〇代後半。 パウサニアス アガトンの恋人。おそらくソクラテスと同世代。 エリュクシマコス アテネの医師。パイドロスの恋人。三〇代前半。 アリストファネス アテネの喜劇詩人。三〇代なかば。 ディオティマ ソクラテスにエロスの道を伝授したマンティネイアの女性。 アルキビアデス アテネの政治家。三〇代なかば。

    37
    投稿日: 2025.01.12
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    『ソクラテスの弁明』に引き続いてプラトンを読んだ。「哲学」と聞いて思い浮かぶようなお堅い文章とは対極にあるような平易で読みやすい文章だった。 「饗宴」とは酒を共に飲むいわば「飲み会」で、その名の通り非劇作家アガトンの開催する飲み会が舞台となる。饗宴の場に集まったパイドロス、パウサニアス、エリュクシマコス、アリストファネス、アガトンが順番に恋愛の神エロスの賛美を述べ、その後ソクラテスがアガトンとの対話やディオティマとの会話を語る形式でエロスについて述べる。このソクラテスの言葉で展開されるのがかの有名なイデア論である。 個人的には、少年愛についての諸々が気になった。古代ギリシア・ローマ世界で一般的だった少年愛には、徳の大人から子供への伝授という教育的な意味合いがあったようだ(これはパウサニアスの論による)。解説によれば、フーコーの『性の歴史Ⅱ』もこの少年愛研究の影響下にあるらしく気になった。 また、アリストファネスの展開する「アンドロギュノス」の話も有名であり興味深い論点である。アリストファネスの喜劇を読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2025.01.05
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    所詮私は私でしかなく、子は私とは別のものでしかない、というのはしごく簡単な疑問である。しかし、この疑問を解決するのは実に 簡単で、我々がそもそも我々自身と思っている物ですら、子供から老年までに構成要素から外見まですっかり変わってしまっているのであり、 それをして同一であるとみなしているのである。また、これは心の状態(欲求、快楽、苦痛)にも同じことが言える。そして、 我々は(動物も含めて)上記と同様に、神のように永遠に同一性を保つというやり方ではなく、老いて消え去りながら、自分にに似た別の新しいものを 残していくというやり方で永遠の自身を確立させるているのである。これについては、ヒュームが極めて似通ったことを述べている。 曰く、我々は得てして想像が、つまり観念から観念への移行が滑らかに容易く行われる時、それらを混同してしまいがちである。そして、 やがてその錯覚を、つまり変化し続ける対象が同一なものであるということを確定させるために、様々な知覚・印象の持続的存在としての魂とか 自己という物を作り上げるのである。 更に、我々は太陽などの一般的にも不変である思われるような物よりも、より変化しやすい物に対して整合性を持たせる場合には、 対象間に共通の目的意識を見出すことがある。ここで、人性論ではテセウスの船が例に挙げられているが、人間の身体は正にこの論理に当てはめることで 同一視することができるのである。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古代ギリシャの饗宴(飲み会)でのオッサン達による戀バナ。 テーマはエロス(愛)古代ギリシャなので当然少年愛(パイデラスティア)エロさえも哲学なのだ。 成人した男性が少年と恋愛する事こそが最高の教育とか流石古代ギリシャレベル高すぎ。 今作ではソクラテス自身ではなくマンティネイアのディオディマ(多分腐女子)の言葉として語られている。 曰く戀とは、善きものと幸福への慾望である エロスとは美しさと醜さ、良さと悪さの中間にあり、神と人間の間にある精霊である エロスは既知の神ポロスと貧乏神ペニアの間に生まれた存在(マジで?) 肉體の美から精神の美、知識の美、美のイデアへと至るなどプラトン先生らしくここでもイデアは健在。 アンドロギュノス(両性具有)の元ネタはアリストファネスの演説だったのか。本書では解説が充実していて分かりやすくて助かる。

    1
    投稿日: 2023.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今までの対話編と違って、宴会で一人ずつが愛の神エロスについて話を披露するという形式。ソクラテスの話の内容も、今までのように論理的な対話形式でなく伝聞の話を延々語るというもので面食らった。しかし構成やストーリーとしてはいままでになく凝っていて面白いので、二重に面食らうことになってしまうのだ。ソクラテスの語るのは「エロスの奥義」という一見何ともうさんくさい話なのだが、中身はプラトンのイデア論につながる哲学的談義になっている(ただ、神話的・直感的な話が多い)。 美を求めるエロスとは人と神との中間である聖霊であり、美や良いものに欠けるがゆえにそれを激しく求めるという性質を持つ、というところから始まり、美の中でも肉体的なものではなく知恵が最も美しく、求められるということが示される。人間は永遠に生きて美を自分のものにすることはできないけれど、肉体的には子供を作ること、精神的には哲学的対話により徳を生むことで永遠が実現する。そのように肉体、精神、そして知恵へと上昇しながら美を追い求め、究極存在のイデアへ至る(ことができるかも)という話らしいのだが、なんだかいままでの著作の現実的な徳の話はいったい何だったのかと思うような壮大な、幻想的な話でとまどいがまず先に来てしまう。解説を読んでよくよく考えると、よくできているな、と思うのだけど。 最後に乱入者によって突如ソクラテス擁護の賛美演説が始まるのもご愛敬だが、当時の少年愛の習慣やソクラテス批判の状況などこれも解説を読んで勉強になったし面白かった。光文社訳、すごく読みやすくて親切丁寧で大好き。

    1
    投稿日: 2023.11.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アンドロギュノスの話の原典が気になって購入してみた。 小難しい哲学書なのかもしれない…と少し身構えていたのだが、平易な文章で非常に読みやすく、登場人物それぞれの語り口も個性的で、文学作品として楽しむことができた。巻末の丁寧な解説のおかげで時代背景や文化の理解もしやすい。 「子孫を残すこと(体に宿す子を産む)・知恵や思想を遺すこと(心に宿す子を生む)、これらは不死性への欲求であり、エロスとは美しいものを永遠のものにしようとする欲求である。」という主張は、クリエイターである自分にとってかなり腑に落ちる考え方だ。 私は美のイデアに触れることができるのだろうか。私は美しいものを永遠に残すことができるのだろうか。 紀元前に書かれた本なのに、現代の私の心に深く問いかけてくる。読み終わったあとに、なんだか壮大な物思いに耽ってしまった。

    0
    投稿日: 2023.08.29
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    エロスはイデアに昇るための強烈な欲求ってことかな?美の段階説(外見、内面、普遍、イデア)はいい視点になった。

    0
    投稿日: 2023.08.28
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    エロスについて語る饗宴。ソクラテスの登場まで、美辞麗句、レトリックに満ちたエロス賛美が続き、ちょい退屈だが、演劇と思えばありか。

    0
    投稿日: 2023.05.24
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    ソクラテスやプラトンについて語られる時によく出てくる逸話が、もともとどんな文脈で語られたものかがわかって面白かった。訳者による時代背景等の解説も有用。

    1
    投稿日: 2023.01.12
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    古代ギリシャ当時のエロス観と、ソクラテスの哲学的エロス観との対比が、物語調で書かれた本です。 当時の少年愛という風習があることは知っていたし、ギリシャ神話を少しかじっていたことが理解の助けにもなり、読みやすかったです。 訳者による、時代背景や登場人物一人一人のエロス論への丁寧な解説があるのはとてもありがたいですね。 エロスとは、「何物とも比較できない、独立した普遍的な美」を追い求める欲望である(と解釈しましたが正しいのかはわかりません笑)、というソクラテス(プラトン)の考えが、後のプラトンのイデア論へと繋がっているそうです。

    0
    投稿日: 2022.07.31
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    古代ギリシャの哲学者・プラトンによる、師匠であるソクラテスの物語のひとつで、エロス論です。 舞台となるのは詩人・アガトン邸での饗宴(飲み会の一種)の席。アガトンが大勢の大衆を前に見事な詩を披露して優勝したお祝いの饗宴です。そこに出席した者たちが順々にエロスについて語っていきます。途中、演説の順番が来たアリストファネスのしゃっくりがとまらず、次の順番をひとつ飛ばしてもらうアクシデントがありますが、これはこの哲学議論物語にユーモアで彩ったアクセントなのかもしれません。 まずはじめのパイドロスの話からもうおもしろかった。 「自分がなにか恥ずべき状態に置かれている状態を愛する者に見られるとき、最も恥ずかしいと感じるのです」 つまり、臆病な振る舞い、醜いふるまい、そういったことをしなくなるために、エロスが働いていると説いているのです。これは僕個人にも思い当たるものです。思春期になったときに、それまではふつうに感じられていた周囲の友人たちの汚い言葉や言動そして行動と、それらに溶け込んでいた自分というものに疑問と嫌悪を感じるようになりました。そのことについて、僕は自分がただ好い格好をしたいだけであって、そういった醜いふるまいを避けるようになったのだろうと、やや自嘲気味に考えていたのですが、パイドロスの説に照らしてみると、きちんと言えることが出てきます。すなわち、次のようなことになる。愛する人と釣り合うため、相手からの尊敬を勝ち取るためには、醜いふるまいを捨てねばならない。そうしない振る舞いは、愛に背くことになる、と。古代ギリシャの時点で答えが出ていたんですね。そのあたりがはっきりしないまま僕は成人しましたし、ある程度見切りをつけるまでにもそれからかなりの時間を要しました。 解説によると、口火を切ったパイドロスの議論はレベルの高いものだとは言えないとされていました。確かに、他の者たちの議論に比べると、話が短く、奥行きだってそれほどではないかもしれない。でも、本書をこのあと堪能するための基点として、見事な視点をまず与えてくれていると言えるでしょう。きれいなスタートのきり方に感じられました。 そうしてパウサニアス、エリュクシマコス、アリストファネスの議論を経て、詩人・アガトンは彼の議論のなかで言います、エロスは「最も美しく、最もよき指導者」。醜さから逃れさせるのがエロスであり、美しいふるまいをさせるのがエロスだからだというパイドロスの議論から繋がる言葉でした。 そしてクライマックスとなるソクラテスの議論がはじまります。ソクラテスがディオティマという名前の女性から「エロスとはなにか」について教えを受けている場面を、ソクラテスが回想するかたちで議論を進めていきます。これまでの5人のよる議論よりも高次で力強い議論が展開されていくのでした。 そのなかでソクラテスが、あたかも0と1の間のものの話ととれる内容を話していて恐れ入りました。エロスは自分に欠けているものを求めているのだし、美しさを求めているのだから、ではエロスは醜いのか、という論理展開に対して、いや、美しさと醜さの中間に位置する精霊(ダイモン)なのだ、という答えがそれです。それでもって、精霊が、両極を繋ぐ役割を持つという議論にも結び付いていく。このあたりを類推して考えると、昨今の二分法的な考え方に大きく一石を投じる内容だと思えるのです。0と1だけじゃなく、白と黒だけでもない、量子論的なそれらの間の部分に着目する考えです。 さて、ソクラテスの議論は、エロスの究極の形にまで行きつきます。個別の肉体的な美への愛から、すべての肉体的美の共通性への愛へと目覚め、それから精神性の美に目覚めて心を愛するようになり、そこから発展して人間と社会のならわしのあいだにある美に気づくようになる。次には知識の美しさへの愛に進み、知恵を求めるはてしない愛の旅の中で、思想や言葉を生んでいく、その境地が愛の最終地点なのでした。これらは「美の梯子」と呼ばれ、有名な理論なのだそうです。 また、「美の梯子」の前には、子を産むことが愛の目的であることも明かされていました。永遠を求めるのがエロスであり、子孫を残すことは人間という種の永続のための行為です。また、生命というかたちではなく、ソクラテスが言うには「知恵をはじめとするさまざまな徳」を生むこともエロスによることだとされている。つまりは創作すること、クリエイトすることも、エロスが関係することなのだ、というのです。予期していないところで創作論にも結び付いて、わくわくしました。愛、知的好奇心、創作はみなエロスでつながっているものなのかもしれません。 というところですが、読みやすい翻訳でしたし内容もつよく興味を惹くものでした。 今読んでも新しい古代ギリシャ。紀元前の知が、2000年以上を超えて、現在を新たに照らしくれます。

    10
    投稿日: 2022.05.23
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    構えてたよりも読みやすくてびっくりした。 文化の背景は違うけれど、現代にも通じそうなことを書いていて驚いた。

    0
    投稿日: 2022.01.20
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    面白い!エロスの賛美をしていく中で、前半は神としてのエロスの賛美を。後半は神ではなくダイモンとして、美しいものよいものを目指す存在であることがかたられる。この欠如しているからこそ、欲し、追い求める姿こそがエロスだという解釈に帰着させるために、様々な視点からエロスについて語られる。途中のアガトンとソクラテスの対話でアガトンのエロス解釈が誤りであることを気づかせたソクラテスの手法は、部下との面談の場でも活かせないものかと思う。

    0
    投稿日: 2022.01.02
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    哲学書として読むというよりは、当時の文化を見るものとして興味深い。 当時の文化を知らずに読んだので、驚愕することやスッと頭に入ってこない箇所多数。 現代語訳により、あたかも自分も宴会に同席して話を聞いているように、みな生き生きと自分の話をしているのが面白く読める。

    0
    投稿日: 2021.12.23
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    プラトン中期の作品。対話編 仲間内の宴の中でエロスについてそれぞれが賛美するという催しを始める。 アガトンのエロスについての賛美は現代の私たちの感覚からすれば退屈なものであるが、当時の弁論家たちの手法は音の響きの美しさなどで説得力を持たせたそうで、ギリシャ語で読めない以上はただ美しさだけを連ねて内容の無いものに見えてしまうのが残念だった。 少年愛について自己弁護的な賛美(当時社会的に妥当とされていなかった成人後にも関係を持つ行為を正当化するなど)をする者、喜劇作家アリストファネスのオレンジの片割れの由来となる神話など、それぞれの主張は当時の習慣や考え方を私たちに教えてくれる。 印象的だったのは、ソクラテスが外国人の女性の話をそのまま引用したことだった。 また、ソクラテスの弁明では、ソクラテスはギリシャ神ではなく精霊を信じているとされ訴えられていたが、ここに精霊の話が出て来たのも驚いた。 個人的な印象としては、ソクラテスは神をすべて肯定もしていなければ否定もしていないという姿勢に見える。よって精霊も否定も肯定もしない、という姿勢が他のギリシャ人達には奇異に見えたのかもしれない。

    0
    投稿日: 2021.08.05
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    これは解説無くして読めなかったな。パイデラスティアという風習がどんなものか全く想像できないし、それ以前に寝椅子で横になって食事っていうことすら???だったしな。(多少横になってたほうが消化にはいいのか?) まあこの少年愛の理解は難しいだろうから、それはそういうものだということで受け入れて読む。 でも結局エロスは何なのかが、ディオティマなる巫女?の話で説得されて終わってしまった。うーむ、、もうちょっと考えてみたい。エロスについてはパイドロスでも議論されるみたいなのでそちらをみてみよう。 アルキビアデスのソクラテスに対する感情は、何となく理解できる。ああ、そう、美少年繋がりのせいかもしれないが、ドリアン・グレイを思い出した。弱さ。ガラスのような美しさ、透明さ、故の脆さ。

    0
    投稿日: 2021.07.23
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    「いま、息をしている言葉で」翻訳。確かに読みやすいのだが、著者の解釈とまでは言わないまでも、良くも悪くも現代的な価値観が入り込んでしまって、もはやオリジナル性はなくなってしまっているように思える。特に性の問題は時代で大きく変わるので。初めはこの本でもいいが、他訳も読んで比較してみるのもいいかもしれない。

    1
    投稿日: 2019.12.26
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    哲学書ということで読み辛いものを考えていましたがまぁびっくり。一級の文芸作品でした。 本文の注釈及び巻末についてる時代背景含めての解説が潤沢で、さらに理解が捗る良い一冊でした。

    0
    投稿日: 2019.07.25
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    読みやすい。そして結構面白い。(文庫のくせにやたら高額なのが気になるけど) エロース賛歌、そしてかの有名な美のイデア論について。 角川ソフィアだとたしか「恋について」って副題がつけられてたけど、なんかそれだと語弊があるような気はする。 アリストファネスの神話がすごく好きで、それ目当てだったけど他の人の話も興味深かった。 それにしてもソクラテスのおっさん、いけ好かねえなー。

    2
    投稿日: 2019.06.21
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    饗宴ならぬ饗宴。酒も飲まずにエロス観を発表し合う。ソクラテス以前に喋る五人は、全く違う視点でしかもちゃんと前の人の話を引き継いでいく。 6人目のソクラテスはまず5人目のアガトンと「対話」する。アガトンの「弁論術」に対する、ソクラテスの「対話(つまり哲学)」。ここで明かされるのは、これまでの話はどれもエロスに対する大げさな美辞麗句をならべたものだったということだ。 そしてついにソクラテスの話がはじまるが、ソクラテスはディオティマという女性から聞いた話としてエロスについて語り出す。プラトンはソクラテスをとおして、ソクラテスの論理的探求を越える神秘を語らせたと考えられる。 そこでは、身体における肉体的交わりと、言葉による精神的な交わりが一緒に語られる。精神的交わりで「徳」という自分の子がうみだされる。精神的交わりとは、ソクラテスの対話だ。

    0
    投稿日: 2019.02.01
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    美へのエロスが高まっていけば、それが美のイデアの発見へと至る、というところか。 イデアとは何か、まだ構築しているところ、という感じ。読んで面白いけども、読むべきなのかというと、そうでもないか?ゴルギアスもそうだけども。 「国家」「ソクラテスの弁明」「パイドン」あたりを読めば、一旦はそれでいいのかもしれない。 他のも読むと、発見や楽しみはあるけど、そのあたりを読み始めたときの驚きはもうあんまりないのかも。 また、そのうち読みたくなったらプラトン読もう。もう次にいっていいかな、と思う。 アリストテレスにいこう。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    パイデラスティア、美の梯子  本文もさることながら、解説が詳しく書かれているのが本書の良い点である。歴史的背景と文化的背景がわかりやすく、理解の助けとなった。なかでも、パイデラスティア(少年愛)について誤解を与えぬよう配慮しながらの記述に多く学んだところがあった。  古代ギリシャ人の性は、現代における性とは異なる側面をもっているため、現代的な価値観を通して評価するのは危険である。古代ギリシャ人の愛は近代的な価値観の枠組みの外にある。彼らの性的な愛は対等な関係を前提としておらず、不均等な優劣の中で成立する。それは少年愛に限らず、女性との関係においても動揺で、彼らにとっての性は能動—受動という関係によって把握される。そうした関係性が重要であり、性別は二次的なものとなる。  アンドロギュノスの話をしたアリストファネスに興味が湧く。おもしろいし、なぜか納得できる。男男、男女、女女の組み合わせ。

    0
    投稿日: 2018.03.24
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    有名な哲学の古典。美のイデア、善のイデアにつながるように恋愛について語られている。少年愛のことをうまく変換できれば詰まることはないと思う。様々な言い方や角度から述べられるので飽きずに読むことが出来た。又、当時の風習については巻末の解説が割合丁寧なので、キリスト教以前のギリシャを考えさせてくれる。

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    投稿日: 2017.12.18
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    最近金のことを考えてたら、日課であった知的探求が完全にストップしてしまっていた。価値観は人それぞれかもしれないが、いつも内面に疑問を抱き続ける2か月ほどだったので、うまく脱却できまたプラトンに戻ってこれたことに、なんだか感謝の思いにまで至る。 解説に助けられながら、「饗宴」読み終わった。エロスについての対話。人間の欲望、愛、性。人生に欠かすことができない要点ともいえるエロス。結論としてはまだ不確かなところがあるが、肉体の欲望➡心の欲望➡関係からの欲望➡知的欲望と、エロスも段階的により価値があるものへと高められていく、という感じのところが印象的だった。「知」を幸福に至る最高の方法として置くが、性もそれと無関係ではなく、ある意味の秩序として地続きであるように語られているところが面白い。 17.11.13

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    投稿日: 2017.11.13
  • 美少年愛と芸術

    アテネの著名人が集まって酒を飲みながら、美少年と同性愛の素晴らしさ、エロスの偉大さを語り合う内容です。誤解を招きやすい言い方かもしれませんが本当です。登場人物によって考えている内容が異なるので、入れ替わり立ち代わり出てくる色々な話を踏まえて最後にソクラテスが「エロスとは」「芸術(ここでは主に詩)とは」といった結論に持っていく構造になっているので、最初に巻末の解説を読んでおいた方が分かりやすいかと思います。 結論だけ読んでもよいような気もしますが、色々と有名な逸話の出典(人間は元々二人で一つの存在だったけどやりたい放題しすぎたので別々の二人に分けられたとか)でもあるので、通して読んでおいた方がよいでしょう。

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    投稿日: 2016.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ソクラテスらによる、愛の中でも性的な愛を意味するエロスについての演説。平易な言葉で臨場感が伝わってくる本編訳に加え、舞台背景やなどについて約100項にわたる詳細な解説が理解に深みをもたせてくれる。とはいえ、考えが大きく変わることはなかった。 私は、人間を「よい」と認識するのは肉体と精神の相互作用によるものであり肉体の美しさを軽視すべきでないと考えている。 本書に、あらゆる体における美しさは同一、とあるが論理の飛躍としか思えない。 真理を語ろうとするから、美しい体は瓜2つとなるのは必然だろう。黄金比のそれだろうから。そして、真理だから、それを愛するべき、となる。此処が決定的に間違っている。誰もが黄金比の体に恋い焦がれる訳ではないし、かといってそれは、体なら何でも良い、では決してないだろう。 真理に向かうことは真実を見失うように思う。 解説に違和感を覚えた箇所もある。エロスが求める「美しいもの」「よいもの」を「善」と解説されるのだが、「善」とすると道徳という名の臭みがついてしまわないだろうか。

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    投稿日: 2016.11.30
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    ぼくたちが互いに触れ合うだけで、知恵に満ちた側から空っぽの側へと、知恵が流れていってくれるなら、ありがたいことだ。まるでコップの水が糸を伝い、満ちた側から空っぽの側に流れていくようにね

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    投稿日: 2016.11.27
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    エロスについて1人ずつ語って行き、最後にソクラテスが登場し、弁証法的にまとめあげる。それぞれの人がどのようなロジックで論じているかを整理すると、ロジカルシンキングの勉強にもなる

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    投稿日: 2016.09.25
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    エロスについて、饗宴の参加者が順番に賛美していく、対話とはまた違った面白さ。 まさかプラトンで涙するとは思わなかった。感銘ってこのことなんだろうな。 一神教以前の生き方はなんて豊かなんだろう。 アリストファネスの話にすごく刺激を受けた。 登場人物が生き生きと描かれていて、読み物としてもすごく面白かった。

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    投稿日: 2015.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか?愛の神 エロスとは何なのか?悲劇詩人アガトンの優勝を 祝う飲み会に集まったソクラテスほか6人の才人 たちが、即席でエロスを賛美する演説を披瀝しあ う。プラトン哲学の神髄ともいうべきイデア論の 思想が論じられる対話篇の最高傑作。

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    投稿日: 2015.01.08
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    2014/9/4読了。 この人の本は哲学書の中では読みやすいが、最終的に何が言いたかったかと言われると… 理屈だてて話されてはいるし読んでいるうちには納得して進めるんだけど表面上だけでサーッといってしまうというか。 まぁ読む方の問題なんだろうが…

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    投稿日: 2014.09.04
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    私達はエロスについてどれだけの事を知っているのだろうか。 神としてのエロス、少年愛、男と女、美しいこと、醜いこと。それぞれの登場人物が思うエロスをお酒の席で語っていくお話。下ネタも此処まで深く真剣に考察すると芸術的になるんだなと思いました。

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    投稿日: 2014.08.17
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    哲学書だけど、面白い話が多く、そこそこ読みやすいと感じた。 愛(エロス)とは何なのかを何人かの弁論を通して掘り下げていく。 美しいものとよいものを愛す。 そして「美のイデア」に到達するのが奥義だそうた。 気になったのは幸せはよいものを永久に所有し続けることと読み取れたことか。

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    投稿日: 2014.06.26
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    エロス 同性愛、少年愛 あまり頭に入ってこなかったけど、 哲学書だし、まぁ、一回目はこんなものかと。

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    投稿日: 2014.05.30
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    プラトンの饗宴。 愛の神エロースへの讃歌。 偉大なるダイモーン。 無理だ、途中で頭痛くなってきた。

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    投稿日: 2013.11.30
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    初めて古代哲学者の本を読みました。 運よくわかりやすい訳のものを買ったらしく、「こんなおもしろいんだ」という印象を持てました。 エロスとは、愛や恋愛などのこと。 エロスは、自らに欠けたものを探し求める心の動き。美しいものに向かっていく気持ち。 永遠の命を手に入れ、未来永劫自分を生き永らえさせるため。 わからなくもなかった。

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    投稿日: 2013.10.27
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    読みやすかった。 文庫となるとやや古い訳が多く、初めて読む人に薦めにくいところがあったが、これは気兼ねなくオススメできる。 これからは、プラトーンに興味をもった人には本書から薦めたいと思う。(ほんとは『弁論』から読んで欲しいとも思うのだが、前知識がないと退屈な気もするので) また、、訳者あとがきにあるように、解説も比較的詳しく、専門的な議論まで踏み込まないもののそれがむしろプラトーン初心者にはちょうどいい。 特に、当時の少年愛について簡潔にまとまっていて、我々が言うところの「同性愛」との差もわかりやすく説明されていて、勉強になった。 古典新訳文庫相応のお値段だけれど、読みやすい文庫が新たに加わったのはうれしい。

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    投稿日: 2013.09.17