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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    薫陶とは呪いの一種である。 十代に受けて、裏返ってしまったものは、間違いなくそうだ。 菊地秀行作品から距離を置くようになったステップは四段階ある。 その1.『魔宮バビロン』。ラスト1ページの大どんでん返しには苦笑いを禁じ得なかった。 その2.上中下完結編123。ソノラマ文庫から離れる決意をしたものだ。 その3.『魔王伝』。この作家は結末を描けないのではないかと疑いを抱いた。 その4.魔界医師メフィストシリーズ。核心というものを描けないのではないかという疑いを抱いた。 消費するための作品を書くことを自らに課した作家。ぬるめに解釈をして、そう結論つけざるを得なかった。『インベーダー・サマー』や『風の名はアムネジア』などの作品があったから、そうは思いたくなかったのだが。 シリーズものとはいえ、物語は完結してなんぼである。完結しない作品は評価できない。いつまで経っても修行中の読み手だが、そういう評価基準だけは身についた。残念ながら好みではなくなってしまった作家ということになる。好きだった作家がそうでなくなるのは寂しいものだ。だから、折に触れて振り返ったり、新作に触れもするのだろう。これが薫陶の賜というやつに違いない。 ゆえに本書も手に取ることになった。本書は9作品からなる短編集である。 2作目までは刮目した。『エイリアン怪猫伝』を書いた作家であることを思い出させてくれた。3作目からは「魔界都市なら15分、Dはその必要さえない」(本人談)の作家だった。悲しい哉。

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    投稿日: 2023.01.24
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    これはやばい。良い物読んだ! 伝奇的時代小説であり、剣の小説でもあるかもしれない。 川霧のように、すーっと足下にもやがかかり続けているような、不思議に寒々しい雰囲気がたまらない。 面白かった。 贅沢な短編&掌編集。

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    投稿日: 2019.09.12
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    最近の長編は肌にあわなくてしばらく読んでないけど、 短編の切れ味は今でも抜群。 この時代劇のシリーズは特に力が入ってるけど、 その中でも「影女房」の完成度は別格。

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    投稿日: 2011.04.10
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    怪奇短編時代小説。「影女房」は個人的にとても好きです。コミカルで読んでて思わず噴出した。オチもなかなか良かです。

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    投稿日: 2005.11.21