
総合評価
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powered by ブクログ舞台は輪廻転生が信じられている世界。 膨大な年数の「罪」を償い続けなくてはならない人物を通して、 「神」「生」「罪」の意義を問う作品。 絵柄はかなりさっぱりしているけれど、深さに引きこまれます。
0投稿日: 2019.05.31
powered by ブクログ大罪人ハローに課せられた刑罰は懲役339年。 初代ハローは発狂の末獄中死したが、すぐにまた次のハローが生まれる。 これは転生に次ぐ転生を重ね、気の遠くなるような懲役に服し続けるハローたちの物語である…… まず世界観に惹かれる。 物語の舞台は前世の出自ですべてが決まる国。前世が偉人なら現世でも栄達が保証され、前世が罪人なら生まれてすぐ自動的に監獄送り。そんなシステムが根を張る国で懲役刑に服し続けるハローが主人公……とも言い切れず、一巻では主にハロー担当の代々の刑務官の視点でストーリーが進行する。 内容は哲学的にして思想的。罪とは何か、罰とは何か、償いとは何かという深い命題を投げかけてくる。 個性的な画風は好き嫌いが分かれるが、今風の萌え系とは一線を画すカクカクした絵柄が、ウィットに傾き過ぎぬシビアさとドライさを醸すのに一役買っている。 歴代ハローと刑務官、周囲の囚人たちの交流が織りなすヒューマンドラマがメインだが、二代目ハロー担当の刑務官が三代目の時は所長に出世してたり、彼が書いた手記を巡り後の世で陰謀が蠢くなど、登場人物が縦に横に重層的にリンクしていくのが楽しい。 ただ女ハローと刑務官のラブストーリーメインの話は冗長に感じた。 二代目と三代目の話が一話完結で短くまとめられていたので尚更そう思うのかもしれないが、長引いた割に普通にいい話で終わってしまったのが物足りなかった。ハローが麦畑の挿絵に惹かれたのも何かの伏線だと思ったのだが…… いずれにせよ、今後も時代を経るごとに登場するだろうハローたちの運命を括目して待ちたい。
0投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
転生が信じられている世界で、大罪人の生まれ変わりとして、生まれてからずっと刑務所ですごす少年ハロー。前世の記憶もなく、罪の意識もなく、ただひたすら罪を償う2代目ハローの日々とは!? かつて見たことのない世界観を若き鬼才が描く!(Amazon紹介より)
0投稿日: 2017.05.04
powered by ブクログ懲役339年の大罪を犯したハロー・アヒンサー。 その国では輪廻転生が信仰されており、ハローの死後も刑期は終わらない。 生まれ変わりの二代目ハローは、前世の記憶を持たないままに収監される。 罪の自覚のないまま生涯を刑務所で過ごさなければならない歴代のハロー達が、 見たものは、そして長い長い刑期の終わりに見えた光景は―。 ファーストネームが同名なんで興味を惹かれた作家さん。 大学時代に初めて書いた本作品が、裏サンデー(Webサイト)のトーナメント投票で勝ち上がり、 サイトで連載を持つようになりそのままマンガ家になったそう。 新世代の作家さんですね。 絵は柴田亜美の描線を素朴にしたような印象で、まだまだ伸びしろはありそう。 骨太なストーリー、339年という長い時の流れをどう料理するかと思っていたら、 4巻でコンパクトにまとめきり、読後感も爽やかで心地よい。 「ショーシャンクの空に」のオマージュや、悪役がきちんと憎々しいところも好きです。
0投稿日: 2016.01.19
powered by ブクログwebで読みました。前世の行いが今の人生を左右するという宗教を信仰する国で、その教えを否定した故に懲役339年という刑罰を与えられた男。刑期を残して死ぬと生まれ変わりが探され、すぐ収監される…代々の彼らが体制を変えていく壮大な物語です。
0投稿日: 2015.10.29今年読んだ漫画の中で3本の指にはいる!
「魂の輪廻」の教えのもと、人間が転生すると信じられている世界。 出生局なる国の機関によって、前世と今世が紐づけられ人生を送っていく人々。 では、前世で懲役339年もの刑を言い渡された人間の、転生後の人生はどうなってしまうでしょう? 転生とは名ばかりで、前世の記憶を引き継ぐわけではないので 言葉通り、身に覚えのない罪を償うことになる、数世代の主人公「ハロー」。 難しい話みたいに書いちゃいましたが、「この仕組みマジ合ってんの?」的な人々と 悲運な運命を背負った主人公が、世代を超えてこの世界を相手に戦っていくんですね~。 今年読んだ漫画の中で3本の指に入る面白さです!
3投稿日: 2015.10.27絵が・・・
ネットの評判が良かったので買ってみたのですが、個人的に絵がちょっと微妙でした。表紙がイマイチでも中の絵は良いものもありますが、これはそのままです。 話自体は良かったと思います。 ですが、絵の微妙さを補えるほどではありません。
0投稿日: 2014.12.25
powered by ブクログハローは生まれたその日から囚人だ。懲役339年の重罪人・初代ハローの生まれ変わりとして、罪を受け継ぐ。罪の記憶はない。何を悔い改めるのかもわからない。彼は罪人なのか⁈ 歴代ハローと世界の真理を疑う人々の反抗の物語。 この国では輪廻転生が信仰されています。魂は永遠、前世の行いは今の人生に引継がれると信じられている。でもどうやらこれが怪しい。前世経歴詐称や売買といった犯罪もあります。 面白い設定ですね。理不尽な運命に抗う物語には熱くたぎるものがあります。 期待の一巻です。
0投稿日: 2014.10.21良作みーつけた!
「Reader Storeのおすすめ」にあった「懲役339年」というタイトルに惹かれて購入。 まったくのジャケ・タイトル買いで予備知識なし。結果は、吉だった。 某事件で懲役339年を求刑された「ハロー」。前世のつながりを信じるその世界では、ハローが死んでも刑は終わることがなく、生まれ変わりとされる人間がその罪を償うことになる。このあたりの設定は、手塚治虫の火の鳥っぽい。火の鳥と違うのは、本当の転生ではなく、国が勝手に前世がハローだと決めた人間に罪を着せ、それが当たり前になっていること。 なんとも理不尽で、残酷だ。 過酷な監獄での環境で長生きできるわけもなく、歴代のハローは投獄からせいぜい10年から30年くらいで死んでしまう。その度に濡れ衣を着せられた人間がハローにされていくのだが、本人もそれが当然だと思っているのが独特。手塚治虫だと本人がその仕組みのおかしさに気づいて反乱を起こしていく展開なのだが、本書は、看守がそれに違和感を覚えて脱走をもくろむ。 これ以降はぜひ読んでもらいたい。 絵は独特に単純化された線で書かれていて(ちょっとワールドトリガーっぽい?)少し人を選ぶかもしれないが、慣れてしまえばむしろ作品にあっている感じがしてくる。 まだメジャーじゃない良作を見つけるのもコミック読みの楽しみですよね、と。 雑誌は違うけど、なんとなくアフタヌーンあたりの空気感を感じた。黒田硫黄とか芦奈野ひとしとか、漆原友紀とか好きな人も向くかもです。 あ、佳作SFという意味では、「預言者ピッピ」とかが好きな人も楽しめると思います。 次も買おうと思います。
10投稿日: 2014.09.08
