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ちーちゃんはちょっと足りない
ちーちゃんはちょっと足りない
阿部共実/秋田書店
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総合評価

89件)
4.1
33
29
14
3
2
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    注 大変な鬱漫画(読切)である 言及されていないが恐らく主人公は発達障害なのだろう 誤解を恐れずに言えばほぼ全てのスペックが平均より下 唯一、この子は優しい 主人公は「ちえ」だ ちーちゃんと呼ぶキャラクターは数人しか出て来ない この本のタイトルは「ちーちゃんはちょっと足りない」 数人の該当者で読み終えた人は恐らくそれが誰目線なのかわかる。その人物が「ちょっと足りない」と放っている。 絵柄でなんとか保っているがもはや白井智之の世界 表現されていること以外を読もうとする僕みたいな面倒くさい人はとてもでないが読まんほうがいい 子供にも見せるべきではない 心が、とても疲れる とっても嫌な話、視野広く生きよう 読み終えて気分が悪くなりお陰で酒を昨晩飲まなかった。いい本だ…

    15
    投稿日: 2025.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    悲しい漫画だった。 特にナツの視点から考えると、救いがない。 最後だってちーを道連れにしただけだ。 ちーだけは人を頼れるから変われそうだったのに、ちーはナツとの約束は絶対守るから、ずっとこの町にいて、公園で砂場遊びして無邪気に二人で日が暮れるまで遊ぶ。 そして悩みは無視し続ける。 一緒にいて特に楽しかったこともなく、ナツの利己的な気持ちだけで関係が続いてしまう。 作中で何度も言われている 「みんな満足はしていない。けどそれを理解して受け入れている。 それを理解できていないからちょっと足りていない」 ということ。 たしかにそれもあるだろうけれど、それ以前に持って生まれたものに明らかな違いがある。 だから持って生まれた者たちや、そういった差が気にならない程度には持っている人達にはまずナツの気持ちを十分にすら理解できない。 どんなジャンルであれ、差が存在することを理解し乗り越えた者は共感して、助けてくれるかもしれない。 けどナツにそういう考えが出来ない。 だからこの漫画で一番悲惨な状態にいるのはナツだ、ちーよりは知的能力があるけど、認めることがてきない、保守、努力やらで現状を後天的に変えられるかもといった考えが微塵もない。 非常に心にくる漫画だった。 生まれ持った差はどうしようもなく残酷だなと。 しかし、親の教育のやり方によってはここまでにはならなかったのではないかなとも思った。 おもしろかった。 せめて、知識をつけようと思うことができれば。

    1
    投稿日: 2025.07.20
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    勉強が苦手で、身体も同年代より小さく、精神的にもやや幼い"ちーちゃん"こと南山千恵。家も裕福とはいえず、"足りない"ところばかりとも見られる。それでも、天真爛漫で元気いっぱいのちーちゃんは優しい姉や友達の"ナツ"や"旭"など周りの人々に助けられて日々を明るく過ごしていく。 そんななか、クラスメイトであり女子バスケ部員である藤岡さんたちが部員から集金していた3000円が失くなる事件が起こる…。 ちーちゃんの幼なじみのナツが抱える心情に、中学生や思春期のモヤモヤや鬱屈がよく現れている。自分の良いところや恵まれているところになかなか気づけず劣等感を抱いたり、恵まれているように見える周囲の友達にドロドロした羨ましさを抱えていたりする。そして、自分と同じように"足りない"ように見えるちーちゃんを見ることで安心している。 しかし、ナツとちーちゃんの違いは現状への不満の抱え方や素直さだと思う。ナツは『足りない足りない足りない足りない…』と自分が既に持っているものに目を向けずに、無いものばかりを見ている。対して、ちーちゃんは(欲しかった靴のサイズが大きすぎた、お小遣いがすぐなくなるなどの理由で「ちーばっかり!」と他愛ない不満をもつことはあっても)たいてい、今持っているものに満足したり、ちょっとしたことに喜んだりしている。 また、勉強が苦手だったりお箸が上手く持てなかったりしたときに周りに教えを乞う素直さもある。 ナツとちーちゃんだけに限らず誰にだって"足りない"ものはあるが、ちーちゃんの不満の抱え方や素直さがちーちゃんを"ちょっと足りない"という状態にしているのではないかと感じた。

    1
    投稿日: 2025.04.27
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    「他の子は新しいものを買ってもらってるのに、何で自分は買ってもらえないんだろう」と、ナツと同じことを考えたことがある。大人になっても欲しいものがすぐに手に入るわけじゃないし、欲しい物のためにお金を稼ぐことが必要になる。お金を稼ぐようになっても、収入の差によって買える買えないにも差が出る。大富豪じゃない限りこの考えは付きまとうのではないかと思う。

    7
    投稿日: 2024.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    周りと比べてしまうよな。生まれた環境、頭の良さ、誰かが当たり前に持っているものが自分たちには喉から手が出るほど欲しくて、周りのせいにしたくてどうしようもない自分に気付いている 見下していた相手が自分にない素直さで友達を作ってるってナツが知ったら余計塞ぎ込んでいきそうだし、ちーちゃんとナツは友達のままいられなさそう

    0
    投稿日: 2024.05.22
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    次男くんがポチった1冊 「心が強い時に読んだ方がいいよー」と言われた え、『ちょっと足りない』ちーちゃんのホンワカ日常漫画じゃないの? うぅ、苦しいね あの子は持っていて 私は持っていないもの 優しさ 可愛さ 裕福さ 恋人 etc … … そんなん比べだしたらキリないけどね 中学生のナツの孤独さをギューってして埋めてあげたいよ 何の情報もなしにラストのページを見たら ハッピーエンドにも見える。 ちゃんとストーリーをわかったうえでの あのラストシーンはちょっとこわい。

    34
    投稿日: 2024.04.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『空が灰色だから』以来の阿部共実。この方が描く女の子の、化けの皮が剥がれていくような瞬間が好きで、これがよく見かける「リアルな作品」という感想にまとめられると思う。私もそう思う。 今回の場合はそれがちーちゃん、と見せかけて「どうせ私だけがクズですよ」のナツちゃんだった。「お前こんなに闇を抱えていたのか!?」と言いたくなると同時に、やはり人はみんなこんな感じだとも肌で感じるので自然と受け入れられてしまう心地良さがある。だからこそ、グレてたっぽい藤岡さんが「私だって欲しいものが沢山あるけど手に入らない、みんなそうだ」と言ったのにはグッときた。そこまで分かってる彼女はやっぱり人間として成熟とは言わないまでも成長しているのかもしれない。結局最後までナツちゃんの成長は感じられず、モヤモヤはするけど、その居心地の悪さ含め人間関係のチグハグ感を表現できていてすごい。 ナツちゃんがなんの変哲もなく「自殺でもしよっかな」って言った時に今の自分を俯瞰できた気がする。そう、自殺することを生きるための選択肢に入れている人は、案外周りからはこんな風にしか見えないものなのだ。そういう意味ではナツちゃんのモノローグにはとても共感できた。

    1
    投稿日: 2024.01.25
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    ちょっと天然なちーちゃん、クールな旭、優しいナツが過ごす楽しい学園生活の中で引き起こす騒動、そしてストーリーの中盤で起こる盗難事件をきっかけに明かされる、ナツの中にある貧乏な家庭やコギャル藤岡に対するコンプレックスと生きづらさ。ちょっとだけ何かが足りないと不安や嫉妬に揺れ動く十代の、物語。 ピントが外れた言動をしていても周りから愛されているちーちゃんと周りを気にして本心を表現出来ず自分の状況にコンプレックスを抱き卑屈になるナツの対比、ナツの閉塞感に共感しました。

    0
    投稿日: 2022.12.10
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    すばらしい.これはこれで日常系でしょう.日常だからドラマみたいに話がオチたりしないのです.もしかしたらナツちゃんも軽めの発達特性があるとかそういう設定があるんかもしらんが,なんにせよ人はこういうことを考えるねえってシーンばっかりでよいです.ナツと同じように,たぶんちーちゃんにせよ旭さんにせよそれぞれなりの自己嫌悪があるし,他人への屈折した感情があるし,幼い期待をもったりするんでしょう.でもそれはまったく同じものってわけでもないもんねえ.

    1
    投稿日: 2022.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    鬱漫画でしか得られないエネルギーがある。 誰もが強く生きれるわけじゃ無いんだよなぁ、、 ラストはハッピーエンドに見せかけて何にも解決してなくて死!!!

    0
    投稿日: 2022.07.05
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    ちょっと足りないの意味が読んだ後変わる作品。 前半はゆるーい日常系。 後半は心を抉られる日常系になる。 ナツというキャラクターに感情移入できるかで作品の評価は大きく変わると思う。 周囲と自分を比較して、自分の心の醜さを見つめ続けて、そんな自分と周りの人たちは合わないと思ってしまう。 他のキャラクターたちがキラキラしている分、ナツの心のどろどろや、痛みが鮮やかに描かれる。 心理描写もさることながら、ストーリー展開が上手い。 うわっ、この気持ちわかる…と思った自分がいた。 読み手のこれまでの幸福度や不安も抉り出す見事な作品。

    2
    投稿日: 2022.04.23
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    緩やかに、ナチュラルに人間として堕落・崩壊する様子の描写が秀逸。鬱だと感じる間もなく堕ちているため、読後になって初めて後味が良くない感じが押し寄せた。だが、個人的には胸糞悪いと感じず、人間的でリアルで良い作品だと思う。

    1
    投稿日: 2022.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    月曜日の友達が最高だったので、他の阿部共実作品も読んでみようと思って読んだ。 月曜日の友達もこの作品も友情の話だ。しかしこの作品における友情(ナツからちーちゃんに向けられる友情)は限りなく依存に近い。 この話の主人公はちーちゃんではなくナツだと思う。 ナツはちーちゃんのお世話を焼き、周囲にほめられることで自分の存在を確認する。 少しでも自分をみくびった人間は、たとえ長期間の交際があっても、あっさり切り捨てる。 臆病で自己主張が苦手、しかし誰よりも強い承認欲求を内心秘めていて、その欲望が、リボンを買ったら綺麗だねとみんなに褒められるのではないか、というどんどん歪んだ方向へ捻じ曲げられていく。 しかし傍からみれば、ナツは落ち着いていて優しい性格の持ち主だ。 正直ナツが自分に、ある側面で死ぬほど似通っているので、読んでいる間、ああナツはどのような破滅を迎えるのだろうと溜息をつきながら読んだ。そしたらあの結末である。正直、予想していたどの展開よりもキツかった。 ナツはどうやったら救われたのだろう。

    1
    投稿日: 2021.07.10
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    ほのぼのした日常、と思って油断して読み進めていくと、どんどん心がざわついて重たく鬱。 まさに阿部共実ワールド、独特の空気感で展開していく、何気わない日常の秀逸な描きっぷりが見事。 どこにでもあるような出来事が描かれているけれど、このモヤモヤする感じ、鬱屈した重たい感情とかうまくいかない感じはじわじわくる。 ラストもちーちゃんとナツの笑って一緒に歩いている全てを表したコマで終わっているのが、どうしようもなく絶望的な感じがして胸がえぐられる。 この作者の作品は、ほんわかしているようで、精神的にじわじわとこたえる感じが病みつきになる。

    2
    投稿日: 2021.03.06
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    子供脳ちーちゃんと友達の話 とにかくちーちゃんが幼いので友達にいじられまくりだけどカラッとしていて明るい日常が流れる でも…安倍共実さんの作品なので重~い場面が出てきます(^^;) そんなギャップが楽しめる作品

    2
    投稿日: 2021.02.28
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    amazarashiの「月曜日」という歌がきっかけで阿部共実さんの「月曜日の友達」を知り、本作を読んだ。物語前半は日常描写で平穏な展開だが、物語の中盤にちーちゃんが起こしたある出来事から状況が一変。読み進めていくのが辛く感じる場面も。読み終えたとき、「ちょっと足らない」のはちーちゃんなのかと考えてしまった。思春期の心のひだの描写がホントに見事。いろいろと自分のことも思い返してしまった。

    2
    投稿日: 2020.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・「ちょっと足りない」の意味が変容していく ・オツムが「足りない」アホの子ちーちゃんの、ホンワカ萌え漫画のごとく始まる ・パッと見、表紙絵もそのホンワカ印象を助長している(よく見ると描かれているのは、100点・ゲーム機・お金・・・) ・しかし「足りない」のは、私だけが恵まれていない、私は人より劣っている、というような欠乏感を指すようになっていく ・ナツはちーちゃんより「もっと」足りない。ちーちゃん「は」ちょっと足りない、これはナツと対比してのこと ・ちなみにナツは携帯を持っていて、ちーちゃんは持っていなかったりする ・ちーちゃんってアホの子キャラに対するアンチテーゼになってる? ガチでアホな子は、人の金を盗むくらい倫理観がない可能性があるよ、そんないいもんじゃないよ、っていう ・ストーリー後のナツの学校生活を考えるに、絶望しかない ・私はあまりナツに共感できなかったが、それでもこの漫画には心を抉られる思いがした。「ナツの気持ちがわかる」と言っていた友人は、読んだ後2、3日立ち直れなかったと話していた

    8
    投稿日: 2019.12.15
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    阿部共実さんの作品は「月曜日の友達」を過去に読んだっきり。 この『ちーちゃんはちょっと足りない』を読んでみたが、確かにすごいね… 特に後半は… 阿部共実さんの他の作品もいずれ読んでみたいな。

    1
    投稿日: 2019.06.02
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    ちょっと足りない天真爛漫な少女ちーちゃんと友達のナツ。ほんわかコメディかと思っていたら、中盤からものすごい展開になって、胸が締めつけられた。これはすごい!

    2
    投稿日: 2019.03.19
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    誰かの「一番」になれない不安はいつまでも付き纏う。ちーちゃんとナツは同じ団地に住む幼馴染、優等生の旭とは中学からの連れ友。ちーちゃんのぶっ飛びキャラは読めば解るとして、ちーとずっと一緒のいるナツは、ちょっと足りないお騒がせ問題児なちーちゃんの事を心のどこかで蔑んでみている。旭は独立独歩で自分をしっかり持っていて、どんな相手にも自己主張が出来る。ちーちゃんは独特のキャラで、クラスのどんな相手にも「ちーちゃん」と言う存在として認められており、あちこちに窓口を持っている。ナツだけが、ちーちゃんを通してしか外界と繋がれない。それに気付いてしまって、学校に行きたくなくなったり、旭とは別世界の住人なんだと世を拗ねてみたり、消えてしまいたくなったりする。他者を通して否応なく突きつけられる自分と言うちっぽけな存在。表題は「ちーちゃん」なんだが、この作品の本質は大した特徴もない自分に気付いてしまうナツの物語。

    3
    投稿日: 2018.02.27
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    奇才、阿部共実さん。 氏の作品の特徴の1つである、人間が秘めた心の闇、黒さに特化した作品。 最初は頭が足りないどころか、頭が弱すぎるちーちゃんを中心とした おバカな青春物だとおもったけど、 空が灰色だからの鬱回のみを煮詰めたような話にどんどん移行して 最終的には胸糞悪い終わり方で〆るのが、良くも悪くも素晴らしくないね。 全ては裏表紙で笑ってる青い糞リボン、糞リボンが悪い。 胸糞悪いけど、胸糞悪いなりに名作なのが悔しいな。 名作だけど二度と読み返したくないね、心が痛むから。 1巻で終わりだけど、続きが凄く気になるなあ。 ちーちゃんはまっとうに成長して、生きて行けるのだろうか? どこかで誰かが糞リボンから解放してあげないと、人生悲惨だぞ・・・

    0
    投稿日: 2017.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    怖かった…ちーちゃんがお金をナツに渡すあのコマがずっとトラウマみたいに忘れられない。ラストは理解がやや追いついていないけど完璧に理解しない方がきっとわたしにとってはいいのかな、と思ったり。

    0
    投稿日: 2017.09.13
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    主人公はクズだ。 語弊を恐れず断言するが、思春期の自意識と不公平感ばかりが肥大した実にリアルで、自分の黒歴史を蒸し返されてあちこち痒くなるようなタイプのどこにでもいるクズ。何故なら主人公のナツは自嘲と自虐はしても自省と自戒は絶対しない。自分の言動を反省し周囲に申し訳ないと装うモノローグも、結局の所ケチな自尊心を守るためのフリでしかないというのが後の描写で浮き彫りになる。 同じ団地に住む幼馴染のナツとちーちゃん。中3になっても割り算もまともにできないおバカなちーちゃんを内心見下し、もっと上のランクの友達が欲しいと望んでいたナツ。 その「何かが足りない」「本当は自分はもっと高い所へいけるはずだ」という不満が過剰なまでの饒舌さで語られる。ナツのモノローグは自嘲と自虐、現状への不満で埋め尽くされ、致命的に周囲への想像力を欠いている。 あとほんの少し想像力を働かせて、近しい友人や家族への思いやりを持てば変われるのに、現状を蔑ろにし楽な方へ易き方へ無難に流されてばかりのナツは決してそれをしないのだ。 彼女にも同情すべき点はある。が、それをさしひいても擁護はできない。彼女は恐らく旭ちゃんが離れていった本当の理由も見えず、ちーちゃんを独占してひと時の安息を得るはずだ。 そしてそこそこの高校へ進み、中学の時と同じ失敗はしないと無理して背伸びし、新しい友人を優先しちーちゃんを蔑ろにする。そんなナツでもちーちゃんは赦すのだろう、多分。何度裏切られても繰り返し笑って迎えるのだろう。友達だから。大好きだから。そんなしょうもないナツの友達……もとい無条件の逃避先でいてあげられるのは「ちょっと足りない」ちーちゃんしかいないから。 足りないもの同士が足りないものを補い合おうとする行為を人が共依存とよぶのだとしても。 しかしナツにはちーちゃんしかいないが、ちーちゃんにはナツしかいない訳じゃない。 おねえや旭はじめよき理解者に恵まれているちーちゃんが、あえてナツの友達でい続けてくれている理由に、ナツ自身が向き合う日はくるのだろうか。

    3
    投稿日: 2017.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

     スピリッツで連載している『月曜日の友達』の凄まじい才気の爆発ぶりに驚いて、とんでもない新人が現れたと思ったらけっこうベテランだった。この漫画は、知的障害の女の子が主人公で、非常に戸惑ったのだが読んでいくと友達のチエが心の闇の更に奥深くまで覗きこむような展開にびっくりした。表現の違う形で才気が爆発していた。最後のお互いに名前を何度も何度も呼び合って気持ちを通わせるところは、よくオレが運転していると子供が何度も何度も「パパ」と呼びかけて「はいよ、うーちゃん、なあに?」と返事するのを思い出して涙が出た。  友達のメガネの子やヤンキーの子みたいにまっすぐ生きられたらそれはいいし、チエみたいなのがリアルだけど、彼女らも見えないところで闇を抱えているかもしれない。そんなことを肌に触れるように感じさせるすごい漫画だった。  ちーちゃんがいなくなって、ナツが探し回ってうろうろするクライマックスの展開のクールなこと、かっこいい。これを通した編集者もすごい。

    4
    投稿日: 2017.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【ネタバレあり】 女子中学生のゆるふわ日常漫画かと思いきや、とんでもない闇深漫画だった。 2015年このマンガがすごいオンナ編の1位ということですが、たしかにすごい。好きか嫌いかはさておき。私は嫌いじゃなかったです。ナツの抱える鬱屈や劣等感、周りに置いていかれているという焦燥感から、自分と同じ「足りてない」ちーちゃんに依存していく……私たちずっと友達だよね、って。自分も中二時分にだいぶ身に覚えのある感情だったから、ゴリゴリ神経抉られた。誰しもこういう感情は多かれ少なかれ持ってるんじゃないかなぁと思う。大人になった今でもきっと。 ナツの犯した罪に罰や許しは与えられず、罪悪感を抱えたままちーちゃんにさらに依存していくことで救いを求めるという、なんとも闇深エンドだ…。未来が狭いと嘆く中学二年生の少女が、このままずるずると闇に落ちて行かず、その感情をうまく飼いならせるようになればいいんだけどな。 はじめて読んだ漫画家さんだけど、繊細な背景の描写や丸っこくて可愛らしいキャラが突然ぐにゃっと歪んで荒々しいタッチにかわる、その狂気じみたギャップが、結局好きです。

    2
    投稿日: 2017.06.25
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    武富健治の『鈴木先生』にも別の形で描かれていたけど、問題児でも優等生でもなく「普通の子」の抱えるーただし描かれることがなかったー悩みや問題がここにはある。 『鈴木先生』では、とかく問題児というのは良かれ悪かれ目立ってそして特段面倒をみなければならない存在なのだけど、それで悩みを持っているのに先生に気付いてもらえなかったり気付いてもらえても手が回らずにいるなど割りを食うのは「普通の子」だと描かれていたけれど。 こちらの作品ではウサギとカメのような話をベースに更に追い討ちをかけるようなリアルさで心を蝕んでくる。名作ではあるけれど、後味が悪くてもう読みたくはないという気持ちがしてしまうけれど、またいつか読む日のために手元に置いておきたい一冊。

    2
    投稿日: 2016.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    都会ではない普通の町に暮らす、中学2年生のちょっと足りないちーちゃんと普通のなっちゃん、斜に構える旭ちゃん他クラスのみんな、お姉ちゃんたちの日常を描く。 前半は普通の毎日、そこから少し歪んで、それぞれに変化を生む。 不安感がヒリヒリきて、ちょっと怖い、それがこの作品の味かもしれない。

    1
    投稿日: 2016.06.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    皆何かが満ち足りていなくて、それをどうにかやり過ごして、あるいは消化できずに生きている。そこから変わろうとする者、変わりたくなくて周りを巻き込む者など三者三様。相変わらず人間の嫌らしい部分をエグイまでに表現する作家さんだなと思った。ナツ…怖いよ…。

    0
    投稿日: 2015.12.10
  • 不器用さは悪ではない。

    この絵柄、この出だしで、結末にやってくる内容を誰が想像できただろうか。 中学2年生だけど小学生のようなちーちゃんとその友だちのナツ。 成績優秀で先輩と付き合っている旭といつも三人でいた。 タイトルの通り、ちーちゃんはどこか少し足りない。 背は小さいし、足は18cmしかないし、勉強も九九がやっとで、 テストは0点じゃなければなかなかのよかったといえるくらい。 だから、思春期を迎えてぐるぐると頭の中をいろいろな感情や考え、思惑が蠢く同級生のなかにあって、 ひとり爆発的な素直さと正直さと純粋さ、そしてバカさで動き回る。 いつも何か不安で不満な少女は、その解決の方法を子供じみたやり方でしか知らないのだ。 一方のナツは貧乏という自意識と様々なコンプレックスに圧し潰され、 誰にも本当の自分をさらけ出せず、すべては誰かのせいにしてしまう。 そして、純粋な存在はその悪意にも気づかない。 友だち、友だちじゃないという線引は、ある時期において死刑宣告と同義になる。 自分と世界の折り合いをどうつけるのか。 ヤンキーになる人も閉じこもる人も、どちらも不器用なだけ。 2015年「このマンガがすごい!」オンナ編で1位になったのが納得の作品。 確かに女性の共感度は高そうだ。

    1
    投稿日: 2015.12.10
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    読む前と読後の感情がこんなに忙しい作品があるのだろうか。なんとも暗い気持ちになる。後味はとても悪い。足りないものを数えたらきりがないけど、数えてしまうのが人間だと言われているようなきがする。なにも考えないことが幸せとも限らないし。どちらがしあわせだろう。

    2
    投稿日: 2015.12.07
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    ちーちゃんとナツのちょっと足りなくて満たされない感じがよく出ていたなと思いました。説明するのは少し難しい内容だけどほっこり出来るしダウナーな所もあり面白い作品です。共依存の関係の二人がこの先も一緒に笑って楽しく過ごせるのか…二人は幸せになってほしいです

    1
    投稿日: 2015.12.06
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    いや、重い....... にしても「ちーちゃんはちょっと足りない」 なるほど、良く考えられたタイトルですね。 (ナツ目線のタイトルなのか俯瞰で見ている読者目線なのかはわかりませんが) 個人的にはメガネの子と不良っぽい子のエピソードにほっとさせられました。 あれがなかったら.... まぁ、そこもナツさんにとっては「負」の材料になってしまうところがこの作品の恐ろしいところですが。 読了後に山のようにあるネット上のレビューを読むのが楽しかった珍しい作品です。 色々な意見があるのはもっともだとしてもそのふり幅が大きいこと大きいことw 是非レビュー漁りをおすすめしたいと思います。

    2
    投稿日: 2015.11.14
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    ※一部暴力表現の含まれる作品です。 【印象】 幼児的な中学生と同級生。 持たないことに思いつめがちな人へお薦めします。 【類別】 強いて言うなら日常、学園、青春、スリルでしょうか。 【脚本等】 強いコントラスト。 とにかく120頁までは読んでください。 【画等】 精緻な背景描写をやや強調しておくことが以後の絵画的演出へ大きく寄与しているように感じました。 【備考】 おそらく全1巻完結の作品です。

    0
    投稿日: 2015.09.20
  • 作者は世界への不満でもあるのかと

    前評判が凄かったので発売日に定価で購入。 内容…作者は悪意とか不満とかでもあるのかと。 『何か』を馬鹿にしている内容、話が進むにつれ螺曲がっていく方向性、悪意だらけの終わり方。 芸術性とかと歪んだ内容を勘違いしてはいけない。 ただ、浅はかな人はこういう作品を勘違いして『芸術的』とか『深い内容』とか言い出して勧めたがり、そして評価が付けられる。 私としては本気で金の無駄だと思えた作品です。 例え、無料だとしてもダウンロード容量の無駄だと心から思います。

    1
    投稿日: 2015.08.29
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    この作者なので覚悟はしていましたが、やられました… 『私は何もしないただの静かなクズだ』まさに自分を表すのにピッタリの言葉を突きつけられました。 ここまで共感できる物語に出会ったのは初めてで、衝撃的でした。 そこには自分がいた。 「静かなクズ」まさにそれ。 自分から動こうとしないから、現状に甘えているだけで、何も変われない。 長編でこのような話をされてしまうと、ダメージも特大だ。 (2014/12/27)

    1
    投稿日: 2015.08.15
  • 前半と後半でイメージが変わる異色のコメディ(?)

    前半はタイトルにもある主人公のちーちゃんの少し足りない感じがかわいいコメディです。 登場するキャラクターがついからかいたくなるのもわかります。 ただし後半になるとなにやら雲行きが変わっていくのですが、描写がどぎつく過酷になりますが、暗黒エンドというほどのことはありません。 その意外性、表現など色々と賞を取っていることにそれなりに納得のできる作品になっています。 一巻とナンバリングされているので続刊が出るのかもしれませんが今現在は予定はなさそう。 この本はかわいい話が好きという人よりも漫画好きに勧めたい一冊ですw 個人的には前半のかわいい路線でもっとからかわれているちーちゃんが見たい気もするんですけれどねw

    1
    投稿日: 2015.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    重たい…。 素晴らしい心理描写とストーリー展開だけど、二度と読みたくない。 特に心に残ったのが、さんざん自分を責めて反省したあとにちーちゃんと再会したナツの言葉。藤岡から盗んだお金を返そうとしているちーちゃんに「……返さなくていいよ、藤岡さんになんて」。 自分も共犯者のくせにそういうこと言うなんて完全にクズだけど、でも罪を裁かれる場もなく開き直れる性格でもなければ、ああやってズルズル逃げてしまう気持ちはわかるんだよなぁ…。 もちろんクズはクズなんだけど、あそこでナツが当たり前の反省から逃げることでずっと周囲からは距離を置かれるだろうし、仮に受け入れられたとしてもナツ自身は複雑な感情の上でしか接することができないんだろうなー…、とか。 二択を最悪の形で、しかも長く続く形で間違えたのが哀しいし、苦しい。 無知な友人を隠れミノに私腹を肥やした時点で手遅れだったのかもしれないけど、それでもやはり。

    0
    投稿日: 2015.07.29
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    読み終えてからタイトルに対してなるほどと思った。 初めはちーちゃんが主人公だと思って読んでたけど。。 なかなか後半は読んでて辛い感じだったけど、面白かった。

    0
    投稿日: 2015.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良い・悪いとかの意味とは関係なく、確かにこの漫画は「スゴイ」。1冊完結の短い物語なのに、心が揺さぶられ、突き刺さる。 単純にハッピーな物語ではないので、読むのはちょっと注意。でも一度読んでこのスゴさを体験することはオススメします。

    1
    投稿日: 2015.05.07
  • ギャグ漫画・・・ではない?

    これはやられた。面白かった。 最初はギャグマンガだと思って、笑いながら読んでたけど、ある事件からシリアスな中学生のコンプレックスのお話しに。 迂闊にも最後はうるっとしてしまった。 男子には「それはないな」ってところがあるけど、なるほど女子はこんなこと考えるのかと納得してしまった。 これは親御さんが読んでもためになるかも。 PTA推薦漫画に認定!!

    2
    投稿日: 2015.04.20
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    これは…、と思った漫画。 ちーちゃんはちょっと足りないけど、ちーちゃんよりもっともっと足りないのはナツでした、というお話。 ナツに明るい未来は見えにくいけど、どうにかしてこうにかしてちーちゃんと同じ段まで登ってほしいと思う。

    1
    投稿日: 2015.04.08
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    ちーちゃんは、知能以外にも色々と足りないものがあった。しかし、少しづつではあるが成績を上げ、なによりその素直さから友達も出来ていった。一方で何一つ不自由のないはずのナツにはそれが出来ないのだった。

    2
    投稿日: 2015.03.31
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    最初はただのおバカスクールものかと思って読んでいたのですが、後半になって一転。中学生の時期特有の暗闇部分が描かれていて心を抉ってきます。主人公のキャラが個人的に苦手だったので読み進める事に苦労したのですが、1巻を終える頃そんな自分の器の小ささにがっくり。色々考えさせられた(´・ω・`)ああ、本当色々抉られた!

    1
    投稿日: 2015.03.24
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    「足りない」というのでどういう意味かなと思っていたら、終盤で、ああ、そういうことか!と思い知らされた。唸りました。すごいストーリー…。後味が悪いので、好みは分かれそうだけれど、これはすごいと思う。

    1
    投稿日: 2015.03.16
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    人の評価っていろいろあると思うけど友情って結局自分を見てくれてるだけの人とはわかちあえないよね 弱さだったり、自分と多少でも似たところが無いと成立しないんだなと気づかされました

    1
    投稿日: 2015.03.13
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    このマンガがすごい!大賞に選ばれた時の、私の阿部共実はくると思ってたんですよー感。 スクールライフに悩むJCモノという平凡な物語。仄暗いスクールライフを得意とする阿部共実の得意分野。ちーちゃん目線に立てばハッピーエンドだけど、もう1人の主人公ナツ目線では余り明るい未来は感じられない。ちーちゃんは他との折衝や自分のコンプレックスによって成長しているけれど、ナツはそれらから逃げてしまい依然停滞している。ちーちゃんの万引き事件はナツの一切関わらないところで解決している。ナツもちーちゃんと同じく周囲の人には恵まれているのに、自分のコンプレックスが強過ぎて周囲への誠意が薄いので幸せを逃している感がある。ストーリーは本当に平凡なスクールライフなんだけれど、ナツのネガティヴ思考や徐々に疎外されていく感じが如何にも阿部共実〜みたいな。 作中重要なアイテムになるリボンを、藤岡の妹達や藤岡(ヘアピン)や旭(鞄)が着けてることが興味深い。幸福の象徴なのかもしれない。ちーちゃんの欲しがったスニーカーがリボン結びなことや、学校の制服がリボンなのにも意味が有るのか。にしても旭や藤岡は良い子だなぁ。 タイトルの「ちーちゃんはちょっと足りない」だが、ちーちゃんは十分に恵まれているし大人になれば自分で補うことが出来るという描かれ方をしている。ちょっと足りないのは、実はちーちゃんじゃ無くナツだ。 街並み(多分神戸)の丁寧な書き込みと、余白や間の使い方が相変わらず好き。

    0
    投稿日: 2015.03.10
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    ナツという女子中学生の話。 団地に住む貧乏な家庭。 裕福な友人たちとの『違い』に悩む。 みんな変わっていくよ。私は変われないよ。置いていかないでよ。ずっと一緒にいようよ。 私もみんなと同じになりたいよ。 この悲痛な願いには、誰もが共感できるのではないでしょうか。少なくとも私は自分と重なりました。 この作品の結末時点ではバッドエンドに思えますが、きっとナツちゃんは、変われたと思います。 自分の事をこれだけ見つめられる人間は、絶対弱くなんてないから。

    0
    投稿日: 2015.03.09
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    まあ…完成度は高い作品なんでしょうけれども、個人的にはちょっと好かなかったですね…可愛い絵柄の割に意外と扱っている内容はダークでして…これは女子作家にしか描けないシロモノですねっ! ヽ(・ω・)/ズコー 最後まで読んでみましたけれども、結局何も解決していない気が…スポットライトがちーちゃんではなく、途中から別のキャラに当たっている感じがしてなんとも…まあ、決してつまらなくはなかったのですけれども…。 けれども、決して読後感が良い作品ではなかったですかね! 加齢の影響もあるかもしれませんけれども、物語にはやはりハッピーエンドを求めたいものですな… さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー

    0
    投稿日: 2015.02.14
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    子どもの頃にしか経験できない泣きたくなる程辛い貧しさを思い返す。たった500円で跪いていた頃が懐かしい。

    0
    投稿日: 2015.02.03
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    読んでて、頭がクラクラした。 作品は面白く、テーマもわかりやすいのに、 読んでて辛くて辛くて…。

    0
    投稿日: 2015.02.02
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    これも「このマンガがすごい」漫画。絵があまり好きじゃないのもあって、サラッと読み流したけど、内容的にもそんなに惹かれませんでした。

    0
    投稿日: 2015.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルから多少察してはいたのですが、後半は予想以上の急加速で私の心臓を抉りました。話題になって納得の作品。 この作品を読むと中学の時期のあの独特な空気感を思い出します。狭い教室で居場所を必死に探してしがみ付いていた頃。 この本の主人公がちーちゃんや旭さんだったらこれでめでたしなんでしょう。けれどこの先を想像すると、ナツは旭さんとはもう関わらないと思うし、旭さんもきっと・・と思ってしまう。「そうか」で終わらせて派手に問いつめないのは本当に残酷。 彼女は最後、本当に崖っぷちだ。「私達ずっと友達だよね?」を言う人がそれが絶対にあり得ないということに気付いてないはずはない。相手が肯定してくれることに甘えてそれを発言し、「うん」という言葉にしがみ付く彼女に、自分はどうしようもない醜さを共感してしまいます。

    2
    投稿日: 2015.01.26
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    最初はつまんない日常系な漫画かと思ってたら事件で一気に展開がブラックに変わった(^_^;)これこそ道徳で使うべき作品だわ

    1
    投稿日: 2015.01.18
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    心抉られる漫画だった。 日常にある劣等感と敗北感。 足りない人間の違いってどこで決まるんだろう(´Д` ) 生まれた環境?元々の性質?

    0
    投稿日: 2015.01.14
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    このマンガはすごいです、まじで。 前にどこかで書いたんだけど、 ナツの狂気というか切迫感というか焦燥感というか孤独感というか渇望というかしかしどこか怠惰というか、 そういう描写がこの作品の白眉だというのはもちろんそうなんだけど、 この作品のこわいところ、すごいところは、ナツ抜きで事件が解決してしまっているところ。 ナツの知らないところで、クラスでのちーちゃんの評価が変わっているところ。 今までナツはちーちゃんを庇護している自負があったと思うけど、 今やその立場は逆転している。 ちーちゃんがそのことに自覚的かどうかはわからないけど、 旭が抜けたことより大きなことはむしろそっちで、 このラストの翌日以降を考えると、 ナツの物語は、終わっているナツの物語は、逆説的にまだまだ続くんだよな。

    3
    投稿日: 2015.01.12
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    どうしようもなく自己肯定感の低い主人公。 少し足りないちーちゃんに救われます。 そのことの自覚もあるから最終話にも少しは救いがあるような。 自己肯定感の低い人は共感持って読めるんじゃないだろうか。 思ったより淡々としたストーリーでした。

    0
    投稿日: 2015.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    確かに、「このマンガがすごい」。 人の心の醜悪さをおもくそ見せつけられた挙句、それに共鳴してしまう自分に自我崩壊… なにこの鬱漫画 怖すぎガクブル(((^д^))) おもしろいけどもう二度と読めません

    0
    投稿日: 2015.01.04
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    狭い世界、または世界のすべて。物語はまだ先がある所で、しかしその中の黄金時代だった(いつか色あせるかもしれない)一瞬で切り取られて終わる。読者の心を弄ぶよう冷徹に計算された構成、作者はおそろしい人だ。

    1
    投稿日: 2015.01.03
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    再読したら、読後感がまったく違った。 すごく胸くそ悪いってこういう感じだと思う。 ワタシはこんな風にならない。って主張したい。 ナツの感じていることって、誰もが思い当たることでしょう。 だから余計、自分の嫌な部分を無理やりほじくり返されたようで、すごく嫌な気分だ。 ----------------- (1回目の感想) このマンガがすごい!2015の1位になっていたので購入 少し、ネットで事前情報は知ってはいたのだけど、やっぱり鬱漫画でした・・・。 タイトルからしてちょっとどぎつい感じはするけれど。 「足りない」っていうのは、別の意味も含んでいるというのは読むとわかります。 雰囲気としては、「よつばと!」と、「おやすみプンプン」を足した感じだなと思いました。 それにしても満たされないこの感じ、共感できないこの感じ、怖いのと嫌なのとでほんとに鬱漫画です。 ラストなんか放り投げられて終わってしまうし。

    0
    投稿日: 2015.01.02
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    ものすごい邪悪なことの話でした。 特に救いもないところや千円とかのスケールというところに妙なリアリティ。 こういう相対的でささやかな貧しさや弱さや学力の低さとか。スケールの小さすぎるところに異常なぐらいの心理描写をぶつけてくる。後半文字ばっか。場面設定は極小に収めているけれど、この問題は誰もが抱えている普遍的なよわさ。被害者意識と罪の正当化は邪悪ですが、生物としては何よりも強い。その意味では人より劣っていようが誰よりも強い。

    0
    投稿日: 2014.12.31
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    明るいシーンに見えるようで、その後ろにずーっとうすぼんやりした重い空気が流れてるような感じた。 ラストが象徴的だと思った。

    0
    投稿日: 2014.12.30
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    話題になってるので読んだ。 なんていうかこう、ずっしりと心に残る感じ。ナツ、大丈夫かい?すごく心配だがきっとちーちゃんがいるからだいじょうぶ♪

    0
    投稿日: 2014.12.28
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    作者による「私」(ナツ・読者)への断罪(もちろんお金を盗んだことへ、ではなくその「足りない」と思い込み世界に要求し続ける罪悪への断罪)。ものすごい強さ で糾弾するためにかかれた漫画。 軽い気持ちで読みはじめて、知恵遅れの「足りない」ちーちゃんが笑えないし微妙だな……、と思って読み進めていたら、(お金を渡されたシーン・ナツの部屋が映し出されたシーンで)突然、ナツちゃん(つまり ちーちゃんを傍観していた「私」)に視点が切り替わって急にステージの上に引き摺りあげられたことに耐えられなくて本を閉じた。 それから再開して、ちーちゃんが「とった」と言った瞬間にもう一度本を閉じた。小学生とか中学生とかのときに悪事がばれたときと同じ感覚だった。 読み進めて、ちーちゃんが許されたこととちーちゃんが「ナツにあげた」と言わなかったことにひどく安堵した。 ここまできて、完全にナツ視点で「読まされる」ための日常パートだったことをここで理解した。作者はたいへん上手な漫画家だと思う。(それは仮の主人公であるちーちゃんは「足りない」子なので、感情移入を誘わない・未知の生命体として描かれている)(旭ちゃんはお金持ち頭がよい正義感が強いと意地悪だけれどたいへんポジティブに描かれている・ナツが彼氏のことについて「旭ちゃんに取り残された」と考えているシーンがあるところでナツ視点で物語が展開しはじめる) 私はナツちゃん側で、毎日の生活をナツみたいな心を(多かれ少なかれ気分の浮き沈みはあれど)抱いて生きている。 もしも私がナツちゃんならそれからちーちゃんが許されたという事実に更なる(自分はつらい思いをしているのにちーちゃんは周りに愛されて甘やかされて厳しくされてつまり愛されていることに対する)「足りなさ」を感じるんだろうな、と思ったら断罪される気分になって、ナツちゃんが黒くなったり歪んだり世界がぐにゃんとしたりするものに同調してしまった。 私がこれを読んだとき物足りないと思った点として、「ちーちゃんがあっさり許され過ぎている」というところと「ナツが誰にも責められない」ところをあげておく。前者はその前に書いた通り「足りない(と思い込んでいる)ことへの要求」なので断罪対象。後者はあまりにナツ=自分が気持ち悪かったので、作中で断罪されたかった(つまり本という媒体で完結させたかった・現実に拡張したくなかった)のだろう。しかし作者はこうすることであえて物語を現実に拡張させ、作外で作者が断罪を行ったんだろうと思われる。 更に特筆すべきところは、だれも悪くない、いいところと悪いところをそれぞれが持っているということを書いているという点だ。 それはナツも例外ではなくちーちゃんの面倒を見続け(「足りない」子の面倒を押し付けられているという描写が前半はほぼなくも後半も少なかった)ているよいこな面を持っている。それに中学二年生が1000円をもらってしまう、なんてものもいわゆる「よくある悪事」程度の他愛もないものだろう。 しかし、ナツの最悪なところはお金を盗んだことへの悪びれが1ミリたりとも存在しておらず、それどころか自分を「与えられていないかわいそうな人」だと思い込んでいる。 さらにいけないのは、そのすべてが無意識的であるので、そこに対して改善の見込みが見受けられないところだろう。欲しかったものを手に入れても周りに迷惑をかけて要求しても、ナツちゃんは飽くことなく世界に「足りない」(と思い込んでる)ものを要求し続ける。これが私(あるいはわたしたち)の嫌悪感を掻き立てる。なぜならそれが私の姿のままであるからだ。 ナツちゃんの部屋に沢山の浪費の影が散乱しているところがまた上手い。(5000円のリボンを捨てるシーンもその増幅だろう)「足りない」と思い込んで(与えられているものには少したりとも目を向けないで)貪欲に世界に「足りない」片鱗を要求する自分を鏡で見せつけられたきがして、思わず食欲・物欲・金欲のすべてを失った。ダイエットにはいいかもね。

    8
    投稿日: 2014.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ナツはこれからもきっと、旭ちゃんのことも、藤岡さんのことも、ちーちゃんのことも誤解したまま、ほんとうのことを何ひとつ知ろうとしないまま、生きていくんだろう。 なにもしない自分を呪って、なにも知らないくせに周りを呪って、「つまんないから自殺しよう」とつぶやいて、絶対に死ぬことはない。 そんなナツがあまりにもわたしで、あまりにもクズだ。 あっちの世界の人間を心の中で嘲笑いつつもあっちの世界にあこがれ続けて、それでいてこっちの世界の友達にしがみつく、そんなくだらない中学生の脳みその狭い未来からいまだに抜け出せそうにない…。

    1
    投稿日: 2014.12.19
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    絵はかわいいんだけど、何の取り柄もなく疎外された人間の見た、暗くて脅威に満ちた世界がリアルで怖い。 ギャグシーンであっても、そこに流れる暗い空気に目を向けざるを得ない感じはなかなか出せるものではなく、驚嘆した。 私自身も本作品の真の主人公と言える「ナツ」のようにいてもいなくてもよい空気のような存在なので、彼女の心情にひどく共感できてしまい息苦しかった。

    0
    投稿日: 2014.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!) 私は電子書籍が好きで,上のタイトルの漫画を買って読みました. Booklive!で今年2014年売れた少女漫画ということも有り興味を持ち読みましたが成るほど確かに面白い. あらすじ的に言うと序盤では頭の悪い中学3年のちーちゃんと友人(ナツ),その友達らの日常系かと思えば,クラスメートの窃盗関連で問題が起こり,ナツの心理描写で後半は終始するというもの. もともと作者の阿部共実さんの[空が灰色だから]を少し読み,かなり負の内面を描写することを知っていたことが有り購入した本作品であり,やはり後半にそういったドロドロとした話を持ってきていた天において私としてはかなり満足した. 私事ではあるが中高でさえないスクールライフを過ごした私としてはなかなか共感を持てるところもあるし,一方でここまで,特に人間関係で苦悩した経験もないと感じた. 以下にそのナツの思考で共感できた点とできなかった点について語りたい. 自身が思うとことでは,中高といった人付き合いを行うことをどこか途中で放棄したフシがある.そういった点では本作品ほど人間関係で苦悩した経験が少なく,共感できないもしくはしがたいと考える. 人付き合いを行うことをどこか途中で放棄したことは,よく言えば孤高に,悪く言えばボッチとして過ごしてきたわけでなく,組織としての役回りや時として中心と成るよな立場になりつつも,決してその過程で親友と成るような,なんでも話せる友人はできなかったのである. これはナツと共感できた,”私なんて他人に求められていない,であったり私はつまらない人間である”と考えるが故の行動でも合ったように思える. 一方で私とナツの大きな違いは,自分はつまらないと考える思考の末,それでも友達とつながっていたいかどうかが異なっていると考える. そう思うからこそナツは人間関係を修復したいもしくは自己を承認されたいといった欲望が芽生えるのであって,さらに言えばそこから自己嫌悪が加速するともとれる. このようなナツの考えは理解できるところもあるが一定で線引してきて人付き合いを否定した私のように,”実に不毛である”と考えたらもっと楽になれたのにと考える. 実社会に合わせて見ると, 中高といった極めて小規模なコミュニティはそれ自体がその住人の生きる世界全てであり,その世界から少しでも外れた(例えば貧乏である,容姿がブサイクである)とったことだけでいじめの対象になったり自殺願望すら芽生える空間なのだと再認識させられた. そんなひどい空間を抜けだして生きるという事は中高生といった若者には極めて困難である.というか不登校でもしない限り不可能であろう.私の恵まれていた点は自身の家庭が大変許容してくれたことが大きいと考える. ナツの自宅は一人っ子で家系が恵まれておらず自宅に独りになることが多い.そんな,自宅ですら孤独となってしまうのは辛いのではないか. 漫画の終わりはちーちゃん,ナツの共同の団地ではなく一軒家の前で二人が歩いているシーンで終わる.二人は共通の団地に住んでいるという設定があるにもかかわらずどうしてだろう.

    0
    投稿日: 2014.12.14
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    このマンガがすごい!2015のオンナ編1位になった作品。1位ということでそれなりに期待して読んだものの、正直ナンダコレ・・・って感じ。 「ちーちゃんはちょっと足りない」というタイトルですが、ちーちゃんはちょっとどころじゃなく、足りない。バカだ。バカなりにイイところがあったらまだいいけれど、ただただ、バカ。家族や同級生に愛され大事にされているのだけれど、当人の魅力がまったく伝わってこないので、ちぐはぐな印象を受ける。 「ちょっと足りない」子を主人公に置く意欲は買うけれど、窃盗の概念すら理解できないバカでは、魅力を感じるのは難しい。

    0
    投稿日: 2014.12.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うわー。わっかっるっわーこの気持ち。 この人にとって自分って何番目なんだろう。 あの人に較べたらまだましだよね。 でも前あんなこと言われたし。 この人と一緒にいる私ってどうなんだろう。 じゃああの人にとって私って何番目。 承認欲求といってしまえばひとことだが、 この思考経路は振り返ってみれば迷宮だ。 ナツにとっては絶望かもしれないが、これは一生続く。

    3
    投稿日: 2014.12.13
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    コレを推薦する俺/私センスいい、とアピールするためのランキングを全力で利用するのが講談社、利用されるのが秋田書店。 オトコ編一位のなんちゃらのかたちとか出来レース感がすごいですね。 オンナ編一位のこちらとどれだけ売り上げの差をつけられるか楽しみです。

    0
    投稿日: 2014.12.12
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    一話からは、全てが反転する後半。悪い奴の別の顔、厳しさが優しさに、 優しさが甘やかしに、特殊な設定が普遍的な話しに、登場人物が自分に 、ちょっと足りないのでなく足りなく感じている、に 。何が足りない?

    0
    投稿日: 2014.11.28
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    モノの弾みで『大好きが虫はタダシくんの』と共に 購入する羽目に(笑)。 ド天然過ぎて少しオツムが足りないと思われる「ちーちゃん」と 友人たちの日常に小さな罅割れが出来、 そこから水が零れてドッと決壊――そんな感じの話だが、 登場人物が何だかんだいって結局みんな善人なので軟着陸。 ……この画風で悲惨な結末になるよりはずっといい、かな。

    5
    投稿日: 2014.11.23
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    長編もの。 すこし頭の足りないちーちゃんの日常ものかとおもってましたが、途中から全然変わりました。 落ちていくスパイラルに心がどんより。よむひとを選ぶ作品かと思います。ラストも決してハッピーではないですし。 読むとざわつく漫画でした。

    1
    投稿日: 2014.10.29
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    ちーちゃんは、ちょっとたりない。確かに。 最初は、ほのぼのだったのに…後半病み気味漫画に。 けど最後は救いがあったような気がするのだけど。。。

    0
    投稿日: 2014.08.29
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    初っ端から、「大きなお世話」と阿部先生に怒鳴り返されそうな事を書くが・・・編集部は、先生を休ませて、心療内科に連行すべきじゃあるまいか 先日、阿部洋一先生の「橙は半透明に二度寝する」を読むと、薄暗い不安に駆られる、とレビューに書いたが、撤回したい この『ちーちゃんはちょっと足りない』の方が心理的に軋む 不気味とか、おぞましいとか、そんな言葉で表現できる領域を超越してしまっている 読んでいて気持ち悪くなった漫画、バッドエンドで後味が悪いと思った漫画はこれまで何冊かあったが、読み終わって、自分が発狂してなくて安心したのは生まれて初めてだ ジャンルは正直、断言できない。大雑把に言えば、少年漫画なんだろうが、ぶっちゃけ、子供が読んでも理解が追い付かないだろう。同時発売された『ギャラクシー6』と同等のスクールコメディなのかも知れないが、違う気もする・・・少なくとも、乾いた笑いすら出なくなったからな、途中から 読んだ人間の感じ方は様々なのは承知しているが、私はちーちゃんとナツの間にあるそれを「友情」とは呼びたくないなぁ ちーちゃんのバカさ加減はイラッとはする、確かに。けど、『アホガール』のよしこと同じで、天真爛漫な言動は憎めない、悪戯をする子犬や子猫を可愛く思うのに近いかも しかし、ナツの「卑怯」と使うのは、真っ当に卑怯な人間に対して申し訳なくなるほど、下卑た品性から来る言動は、ムカつきすらブッチ無視で殺意を抱くに至りそう 彼女は完全に、ちーちゃんに寄生しているのだ。面倒を見てあげている、そんな優越感に浸る一方で、自分のチンケなプライドをちーちゃんに守らせているのだ 確実に、ナツは弱い人間だが、同情したくない。成長を期待しているから、あえて冷たく突き放す、とかでなく、正直、関わりすら持ちたくない。初見で見知らぬ他人の評価を「最悪」にしない自信だけはあったが、ナツを見たら一瞬で「最低」の烙印を押してしまうだろう、多分じゃなく絶対に 『空が灰色だから』も、心の中にある水面に、“不安”って名前の濁った色の滴が落とされ、波紋を広げ、不規則な形に薄まっていき、いつまでも消えずに残っているような漫画だったが、これは一話完結なのに加えて、割と高い頻度で救いのあるオチもあったから、何だかんだで好きになれた。でも、この『ちーちゃんはちょっと足りない』は長編で話が繋がっているからか、逃げ道を見つけられなかった 基本的に、レビューってのは誰かに読んで欲しい、感動を共有したいから書くもんだが、ハッキリ言って、この漫画を勧めて良いのか、悩む でも、まぁ、いっそ気でも触れてしまいたい、と思っている人はこれを読めば、自分が八方塞がりの悩みを抱えて、悲劇のヒロインを気取った自分に酔っているだけ、と気付けるだろうから、いつまでもウジウジと言い訳を繰り返して、自分から行動を起こそうともしないヘタレに与えてみるのもいいか ――――――・・・・・・あぁ、これで少しは読んでからずっと、頭の中で蠢いていた何かが落ち着いてくれると助かるんだが

    3
    投稿日: 2014.08.24
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    ちーちゃんはちょっと足りない子です。おそらく何か障がいがあるのだろうと思われます。 この子と付き合うには寛容さと面倒見の良さが必要。友達のナツはとても良い子なんでしょう。 なのに誘惑に負けて盗んだ千円を使ってしまったぐらいで、自分をクズ呼ばわりとは…。 思春期特有の視野の狭い思い込みですね。間違いを犯さない人なんていないのに。清廉潔白のまま生きてる人なんていないのに。 自虐思考から抜け出して、旭ちゃんと仲直りするところまで何で描かなかったんだろう?クズじゃないよと言ってあげたい。

    2
    投稿日: 2014.08.18
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    垂水が舞台! 中盤からの主人公ナツの中身がグラグラしていく描写がすごい。読後感は悪いですが、みんなに読んで欲しい一冊です。

    1
    投稿日: 2014.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一気に読むつもりが、後半ページをめくるのが辛くなって2日に分けて読んだ。 みんな良い子なのに心が痛む。 再読すると序盤のほのぼの感が違った印象になる。 中学生の頃私のクラスにもちーちゃんみたいな男の子がいたなー。周りの空気も分からずいつもニコニコしてた。私は完全に傍観者だった。

    0
    投稿日: 2014.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    旭とナツはもうわかりあえないのかなあ。苦しいよー仲直りして欲しいよ、、 みんな悪くないのに…みんな悪くないからつらい

    1
    投稿日: 2014.08.02
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    ちょっとアホなちーちゃんと、その周りの人々を描いた日常漫画。 な、はずなんだが、実は、心臓を抉るような話。 人間が持ってる、人を羨んだりする感情の描写が怖い。 リアルで怖い。

    0
    投稿日: 2014.07.15
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    これは、なんつーか、かなり痛い。 現代のどこかの街の、 どこにでもいそうな中学生の話が、たんたんと進む。 どこの公立中学のクラスにも、 一人くらいはいそうな女の子たち。 お勉強はさっぱりでまるで小学生並みだけど、 ま、仕方ないよね、あの子だし、悪気はないんだから、と「おみそ」扱いのちーちゃん。 ちーちゃんと小学校からずっとつるんでいるナツ。 ちーちゃんの言動を面白がりながら、面倒を見たり見なかったりの旭。 この三人の他、クラスの優等生とか、 ちょっと不良っぽい子とか、その他の子とか、 ちーちゃんのお姉さんとか、少しずつ描かれる。 短編の連載なので、 最初は「まるでお猿みたいなちーちゃん」の話を、 笑っていいのか、どうなのか、 ビミョーだなあ、と戸惑う。 話が重なっていくうちに、少しずつ、 「フツーの」「どこにでもいる」という言葉が だんだん重くなっていく。 。。。とか、説明してもしかたないよなあ。 これは読んでみてください、としか言いようがないかも。 わたしはめちゃくちゃ「リアル」に感じました。 中学生をとりまく閉塞感と希望と、 中学生ならではの責任感とか、 不平等感とか、無力感とか。 この作品の、先の見えない、 実はどこにもたどりつかないんじゃないか、 という不安感とか すごく「現代的」だと思います。 「今は、そういう時代なのだ。  そういう時代に、  どんな『子どもの物語』を描けばいいのだろう」と おばさんは、立ち止まって考え込んでしまいましたよ。 こんなのがマンガであったら、 もう児童文学いらねーんじゃないの? って感じです。 「児童文学を書きたいと思っているおばさん」という立場からも、とっても痛いマンガでした。 この感じ、児童文学であえていうなら、 「かさねちゃん」に似ているかも、と思いました。

    1
    投稿日: 2014.07.09
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    すごくつらい気持ちになった。阿部共実節が炸裂しまくってる。不定期連載中みたいだから大丈夫そうだけど、ここでラストだったら救われなさすぎる。

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    投稿日: 2014.06.09
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    ほんとにこの人のマンガはコメカミからポッキー突っ込んで脳みそ混ぜ込むようなの描くの巧すぎるだろ、もー! 堪らず泣きかけたじゃないか。。。

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    投稿日: 2014.05.31
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    ナツの心情はよく分かる。 表面からは読み取れないこのタイプが一番重症。 好かれたいし、憧れられたいけれど、自発的に行動できず空回り。そして自己嫌悪。悪循環。 ちーちゃんよりも周りが見えるし、敏感な分、つらいのかな。 人に対して誠実に、夢に向かって努力を重ねれば打開できる。 がんばれナツ!

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    投稿日: 2014.05.19
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    全8話。序盤は千恵の「ちょっと足りない」ところがウリの日常系漫画だと思いながら読んでいたが、5話目から話が動き出す。 著者の作品では一話完結型のものしか読んだことがなかったので新鮮だった。

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    投稿日: 2014.05.17
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    阿部共実作品はぐっさり心にささる。 前半の足りない子ギャグからぼんやりと不穏になっていき、突き落とされる後半、ナッちゃんに感情移入しちゃってつらい。 クラスって狭い世界に色んな人がいて、それぞれに光と影があって、簡単にわかりあえたら苦労しないんだけど、そうはいかないんだよね。 幸せになって欲しいなぁ…。

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    投稿日: 2014.05.15
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    最初は不穏な雰囲気を隠し切れないながらもほのぼのしていたのに、どんどんどんどんつらくなる後半。 ギャグは面白いわ心理描写は巧みだわでさすが阿部共実さん。すごい読み応えでした。体調の優れない時に読んだら寝込みそうでした。 こんなにつらいのに何度も読み返してしまうー。うおお。

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    投稿日: 2014.05.12
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    序盤はチビ、普通、メガネの仲良し女の子3人組が 繰り広げるゆるい日常漫画だが、中盤以降は登場人物が重い現実と対峙してゆく展開に。 ラストの何とも言えない突抜けた絶望感に戦慄『ダークよつばと!』とでも言うべき傑作。 阿部共実さんは『空が灰色だから』の頃からすごい漫画力のある作家さんだと認識していたけれど、初長編の『ちーちゃんはちょっと足りない』では序盤と終盤で同じ人物でもまったく印象が異なって見える内面描写を見事にされていて上手いなー!と感動。 特に第一話の最後のページと、最終回の最後のページを対比すると同じように見える描写なんだけど、そこから感じ取れるキャラクターの内面の変化に『おおぅ…』となって鳥肌が立つ感じ… これは素晴らしい漫画力。 読後、いつも『足りない』何かを探し続けて、満たされる事のないナツの今後が心配で仕方無い… でもこれって今を生きてる僕らが皆、大なり小なり抱えている病理なんだよね… この作品を読んで、阿部共実はチャンピオン出身のギャグ漫画作家と言う事もあって古谷実の後継者になれる人物だな、と強く思った。 第一話の試し読みがあるので是非読んでみて欲しい。http://motto-e.jp/blog/2013/post-63.html 2014.12.10 加筆「このマンガがすごい!2015」オンナ編1位、受賞おめでとうございます!

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    投稿日: 2014.05.12
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    陰と陽。白と黒。前半4話は「ちょっと足りない」ちーちゃんをフィーチャーして、事情をちらつかせながらもポップ目な日常が描かれているものの、5話目を境に視点がナツに移ってからはストーリーも足りなさのベクトルも一気に暗転、怒涛の阿部共実節。そして最終ページへの帰結。全1巻、持ち味を圧倒的濃度で保ちながらもやはり面白かった。

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    投稿日: 2014.05.11
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    うわあああしんどいしんどい ナっちゃんリボンかわいいよナっちゃん ああーナっちゃんは絶対将来ちーちゃんと疎遠になるんだろうな…。 ナっちゃんもちーちゃんもダメなやつすぎる…すき…。

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    投稿日: 2014.05.11