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夜の写本師
夜の写本師
乾石智子/東京創元社
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総合評価

123件)
4.0
34
43
26
5
0
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    日本におけるファンタジーの金字塔とも言える作品と聞いて読んでみました。 面白い。一冊にまとめてるから少し早い展開のように感じますが、グイグイ引き込まれます。 今、ラノベや漫画などで使われてるファンタジー要素も既にあるし、多くの人に影響を与えてきた作品なんでしょうね。

    0
    投稿日: 2025.09.02
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    表紙がヤマザキさんのイラストだったから◎ あたしの中学の旧友に似まくりでした カリュギラとおもう人物が素敵な魔法を使って、ペンや紙やインクを作ってた ストーリーは復讐じゃないですよ #冒険

    0
    投稿日: 2025.04.30
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    魔術飛び交うハイファンタジー小説。 様々な国で体系だてられた多くの魔術が出てくるが、どれも個性的で世界観を追い求めていくうちに読み終わっていた。 主人公の設定が少し珍しくて先が気になる作品だった。

    0
    投稿日: 2024.11.21
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    ファンタジーらしい壮大さと繊細な世界観のファンタジー。魔術に対峙する「言葉」としての写本、羊皮紙に記された呪術。全ての言葉と世界観が素晴らしいんだけど次々に新しい名前と魔術と国の固有名詞の波にたたみかけられてちょっとよく分からなくなってしまった。

    0
    投稿日: 2024.09.25
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    育ての親と幼馴染、大切な人を殺された少年カリュドゥは復讐のため魔道師を目指す。 途中で月、闇、海を操る三人の魔女の運命がストーリーに絡んでいき1000年にわたる因縁が明らかになっていく。 黒曜石、仔羊皮、雪豹の紋、幻想世界らしい数々の小道具が丁寧に描写されている。 そしてファンタジーにはかかせない魔術も使われるが、こちらは"魔法"というよりは"まじない"的である。 作中でも魔道師は闇を引き受けるものとして描かれているように、なんだかおどろおどろしさを感じてハリポタ的なワクワク感のない魔法の世界だ。 この世界では魔道師はやりたくないなぁ…。 いや~、面白かった。 それを伝える自分の語彙力のなさが悔しい。 話の展開も早くて久しぶりに一気読みした小説だった。 (キーナ村での暮らしがあっという間だったので、もう少しエイリャやフィンとの交流が描かれていれば、より感情移入できたと思う。) 嬉しいことにシリーズは12巻まで出ているとの事。(2024年時点) まだまだこの上質なファンタジー世界を堪能できると思うと嬉しい。

    0
    投稿日: 2024.08.30
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    つまり、夜の写本師は技術さえあれば誰でもなれるのだろうか 同じ世界観で何冊も出てるのだとして、他の話にも写本師出てくるのかな… この本は、まあ良かったけど、他の本を読みたいとは思えてこない 語り口?文体?があっさりしていて、これでファンタジーが書き切れているのは感心した。

    0
    投稿日: 2024.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何度も生まれ変わる主人公の復讐の物語です。 残酷な描写は多めですが、文体が落ち着いていて世界観も静かな雰囲気なので、スラスラ読めます。 最後には希望があり、ハッピーエンドだと感じました。

    1
    投稿日: 2024.02.29
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    女対男の構図。もっというと野心の男対取り戻したい女。どっちの闇も飲み下す話だった。 繋がってるみたいなので自作に期待

    0
    投稿日: 2024.02.24
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    すごく良書! この一冊で世界観がよくわかるし、無駄なくいろんなものが繋がって隙のない作品、という感じ。 主人公は魔法の才能があるけど、訳あって魔法使いではなく魔法を込めた本を書くことのできる写本師になる。 彼が村を出る出来事、若さ故の思い上がりによる挫折、新たな世界への道。。。 なかなかの冒険談だが、心情の語りが少ないため静謐さを感じる不思議な作品。 この作品だけでも成り立っているのだが、やっぱりもっと足を踏み入れたいので続きも読む! 2023.8.27 138

    3
    投稿日: 2023.08.27
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    魔法を扱う魔道師と魔力を持つ本を作る写本師がいる世界での復讐劇の話。まず小説の世界観が好きですぐ入り込んだ、闇に入り込んだみたいな暗さが良い。読んでる最中何回息を呑んだやろと思うくらい都度都度話の行方が気になりすぎた。

    1
    投稿日: 2023.07.22
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    いつの間にやらこの世界観に没入してしまっていた。徐々に引き込まれていった。ずっと読んでいたいような感じがした。終わってしまったのが寂しかった。魔法の種類や仕組みなどもおもしろかった。

    1
    投稿日: 2023.07.10
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    魔法を舞台にした作品だが、主役は魔導士ではなく写本師。 選んだ本の材質、インクの原料、ペンの種類など魔法が変わる。地味な手作業の先に夢があるようで、読んでいて面白かった。 買った文庫本の後ろにあった解説で、魔法を扱う作品であるなら、その魔法を自然なものとして、扱う世界観として書くべきで、現実との比較をしてはいけない、と触れていた。 この解説に思わず、大きくうなずいた。自分が転生ものにしっくり来ないのはこれだ。ファンタジーの世界観はファンタジーの価値観を持って描かれるべき。

    2
    投稿日: 2023.06.30
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    第72回アワヒニビブリオバトル「【往路】お正月だよ!ビブリオバトル」第6ゲームで紹介された本です。チャンプ本。 2021.01.02

    1
    投稿日: 2023.05.05
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    作中に出てくる皇帝2人が実在のローマ皇帝ティベリウスとカリギュラそのまま。本題でないところで動くキャラクターと政治劇を歴史事実から丸々取ってきているのが好きになれなかった。

    1
    投稿日: 2022.09.27
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    写本師の仕事、とても興味深い。 ただ、登場人物が多すぎて覚えられない。国の名前もいくつか出てくるけど、情勢を理解できるほど覚えきれない。 あくまで、個人的な感想だが、ストーリーは面白いと思う。ただ、それぞれのキャラクターの深掘りが少ない気がした。分量は多いのに未だに主人公について輪郭しか捉えられない。それぞれのシーンについても頭の中で概要はわかるが、細部のイメージがうまく作れない。 評価が高いだけに私の読み込みが足りないのかもしれないし、私の好みとは違った。私の好きな上橋菜穂子さんの作品とは違うファンタジー。

    3
    投稿日: 2022.08.03
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     ブク友さんの本棚で見つけた、細密画のような表紙の絵、「夜の写本師」という何とも引き込まれるタイトル。気になってしようがなかった。  右手に月石。  左手に黒曜石。  口のなかに真珠。  カリュドゥは三つの品を持って生まれてきた。  と始まる。これはもう読み進めるしかないでしょう。  そんな意味有りげな不気味な状態で生まれてきたカリュドゥ。怯える親から産婆でもあり、女魔道師でもあったエイリャがカリュドゥを引き取り、育てる。  ある日、エイリャの前に悪名高き魔道師長アンジストが表れ、エイリャと女友だちのフィンをカリュドゥの目の前で無惨に殺してしまう。  エイリャとフィンの仇を撃つことを生き甲斐とし、カリュドウは魔道師の修行を始めるが、余りに魔力が強すぎるために写本師への道を勧められる。  カリュドウが写本師の修行を積んだパドゥキアという国は世界一の写本師のいる国。魔道師同等の魔力を持つ本を作ることができる。それが出来るのは「夜の写本師」。  カリュドウはパドゥキアでの修行を終えると生まれた国、エズキウムで「夜の写本師」になる。アンジストに仇を撃つために。  カリュドウは写本師として働きながら、書庫でせっせとある本を探す。エイリャに、全ての秘密が隠されていると言われていた「月の書」という本。やがてその本を見つけると、その本の中に取り込まれ、500年前、千年前の自分に関係するある三人の魔女たちの悲しい運命を体験する。  この本で、何より魅力的なのは、写本師の仕事の描写だ。まだ切り取られていない、一枚の仔牛皮紙を広げて、写本達はページのとり方を考えて書いていく。使うインク、ペン…写本達それぞれにこだわりの道具がある。文字の書き方や装飾模様にも写本師によって拘りがある。特に魔力をもった本を作るには、インクも何かの鳥の血となにかを混ぜたものとか、特別のものを使わねばならないのだ。そして、本の背の閉じられた部分で読者の目に入らない所(ノドのところ)の一枚一枚に写本師それぞれの印章みたいなものを書いておく。  魔道師という言葉もいい。魔術では“魔道”。“道”なのだ。何十年、何百年の修行が必要。そして、魔力を発揮するには、魔法のバトンのようなものではなく、生き物の血や骨や時には死にゆく人間の怨念までが必要なのだ。魔道師になるということは“闇”を支配するということで、“闇を支配する”ということは“闇に飲まれる”ことと隣合せであるということだ。  深い。そして文字より構築された文学の世界も救いでもあり、闇にもなる。深い。  

    29
    投稿日: 2022.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    カタカナ名の沢山出てくる作品は、老化しつつある頭にはなかなか難解で、ついつい後回しにしていた。 初めのうちは何度も登場人物一覧のページに戻ったけれど、それももどかしくなるほどにぐんぐん引き込まれ、ページから目が離せなくなった。 幾つもの非現実的な場面は、美しく恐ろしく真に迫り展開され、闇も光も目の中に満ちていくかのよう。 世界一強力な悪が、深い哀しみから芽吹いたとしても、赦したり放置したりするのではなく、千年の転生の中で背負ったさらに強い闇で根絶する容赦なさ。 正義だけで出来上がったヒーローではないのが、人物像に広大な奥行きを作っている。 こう列挙しても書き切れないな。 すぐにでも再読したい作品。

    1
    投稿日: 2022.04.13
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    自然環境や、町の様子、魔法などの描写がとても緻密で繊細。ファンタジー世界に浸りたい人には本当におすすめです。 同じ世界観でシリーズが続いているので、いつか本作主人公のカリュドウが再登場することを願っています。

    1
    投稿日: 2022.03.04
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    いや、すごかった。確かに今まで読んだファンタジーとは一線を画す世界。一気に読んで読み終えて、でも離れがたくて3回くらい読み返した。 シリーズを順に読み進めるのが楽しみな作品です

    4
    投稿日: 2022.02.15
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    たぶん、ネットで見かけて。 酔った。酔わされた。 昔から車酔いにも酒酔いにも弱かったが、 この本の陶酔感と浮遊感はなんだろうか。 踏みしめている大地が、いや世界が揺り動かされたからなのか、 飛び散る血しぶきの匂いにむせたからのか、 入れ子になっている生と死を、駆け抜ける速さに振り回されたからなのか。 「魔法」やファンタジーに対する考え方だけでなく、 人生観といっても大げさではない観念を大きく揺さぶられたから、 ということなのかもしれない。 いや、もっと感情的な、驚嘆と畏怖の混じり合った何か。 あまりの衝撃に言葉にならない。 かつて子供の頃、「指輪物語」をはじめて読んだ時は、 その世界観に圧倒されながらも、それは受け入れるものだった。 時を経て、幾多の物語を読みながらも、 これほどに酔うことができて、しびれるほど幸せだ。

    1
    投稿日: 2022.01.31
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    ファンタジーよりSF派。むしろファンタジーは少し苦手意識を持っていたけれど、この作品は読めた。かなりしっかりとしたファンタジーだったけど、恐らく文章の美しさと、人間の陰と陽の描かれ方が好みだったから。 魔女と魔導師を絡めた1000年にも渡る、何代もの生まれ変わりの復讐劇、という壮大なテーマの割に、中間部は複線が少しずつ繋がっていく作りに飽きず、ドロドロ具合にフォーカスしすぎたわけでもなくバランスが良い。ラストのまとまりも、後日談も後味の良いものでした。 写本師の手によって1冊1冊紡がれる写本。 こだわりのインクや紙、写本師それぞれが使う紋章。 そんな1つ1つが美しくて素敵だ。 そして、この本自体の想定も美しくて好み。

    3
    投稿日: 2021.12.28
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    表紙とタイトルがええんでゲット! 何か久々やなぁ〜現実の世界以外を舞台にした話読むのは。 ここは、魔法が繁栄している世界。 ええ感じの世界や! 魔法使いやなく、魔道師だ響きが良いな。 その魔道師に師匠を殺されて… 魔道師としてではなく、夜の写本師として、復讐を果たそうとする。 転生を繰り返し、長い時間を経て、クライマックスへ。 魔道師vs写本師の闘いは、ハラハラして面白かった! 壮大な話やったけど… けど…近場で首飛んで、血がドバドバの方が性に合ってるかもしれん…(−_−;)

    20
    投稿日: 2021.12.13
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    ファンタジーらしいファンタジーでとても満足。 明るい話ではないし、人格者みたいな人もいないけど、 世界に浸れる。 話の展開はややわかりづらい部分もあったけどそれもファンタジーとして楽しめた。

    2
    投稿日: 2021.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    魔術師アンジストに育ての親エイリャと村の幼馴染フィンを殺された主人公カリュドウが「夜の写本師」になり復讐を果たすファンタジー。 カリュドウが写本師になるまでの出会いと別れが辛かった。とりわけ魔術師として修行していたときの。結構インパクト強くて、人の闇、自分の闇との付き合い方。覚悟。 後半は「月の本」。千年もの因縁、3人の魔女の話は、ずっとクライマックスなので息を呑む展開。魔術師アンジストの若き日の話もあり、最終的に救済へ。カリュドウを見守っている魔導師ケルシュがいい。続き読みたい。

    18
    投稿日: 2021.05.14
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    文庫刊行当初より、このやや妖しげで蠱惑的なタイトルに惹かれ、ずっと読みたいと思いつつ数年、やっと読むことができました。 エズキウムの地で、右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠と三つの品をもって生まれてきたカリュドウは、産婆をつとめた女魔道師エイリャに引き取られ、育てられました。 十二歳のある日、カリュドウの目の前でエズキウムの支配者にして魔道師長アンジストにエイリャが惨殺されます。 カリュドウは隣国パドゥキアに逃れ、復讐の決意を胸に魔導師の修行に励みますが、取り返しのつかない失敗を経た後に、「夜の写本師」を志すこととなります。 育ての親の復讐譚かと思えた物語は、一千年にも及ぶ、そして三つの石にまつわる3人の女魔道師が関連する、壮大な魔法と復讐の物語へと展開していきます。 魔道師同士の戦いの描写は残酷で血腥く、目を背けたくなる描写も多々あり、全編を通して流れるダークな雰囲気にも慄かされます。 ただ、それにも増して、カリュドウ自身とその復讐の行く先が気になって、夢中になって読ませられてしまいました。 ラストに出てきた少女は、そんな物語の中での、期待と希望の象徴ということになるのかなぁ? 素直に続いていく話とは思えないけど、「オーリエラントの魔道師」シリーズ、続けて読んでみたいと思わされました。

    2
    投稿日: 2021.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

     予想以上に壮大なファンタジーでした。読み終えた時には最近味わったことのない重厚な感じで心が一杯に。  物語の面白さだけなら星5つですが、少しわかりにくい描写が何箇所かあったので(カリュドウが闇に染まった時の見た目の変化とか)、星4つにしました。  魔道師に対抗するために、魔道師になるのではなく、魔法を操る「夜の写本師」となる、というのが面白い着想。綺麗な飾り文字で書かれた書物に魔法が宿っているという設定は魅力的です。  カリュドウは夜の写本師としてアンジストと戦ったけど、その後は魔道師になったようですね。

    2
    投稿日: 2021.03.29
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    図書館の魔女よりはとっつきやすかった。が、魔法そのものにそこまでひかれなかったので続刊は読まないかな、、。描写が容赦ないのはよい。

    1
    投稿日: 2019.12.17
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    王道のファンタジー。 清濁合わせのみながら、ファンタジーらしく勧善懲悪を推し進める。最後に過去の話で救いが見つかり大団円へ。 続けて読む気配濃厚なシリーズファンタジー。

    5
    投稿日: 2019.08.29
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    魔法も面白いが写本という仕事に面白味を感じた。よく考えたら、昔はコピー機なんてないんだなと初めて思った。写本を魔法に繋げる発送に作者の本好きなところが出てるのかなと思った。

    0
    投稿日: 2019.06.03
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    東京創元推理文庫・その8 コメントは「東京創元推理文庫・その1」でご覧下さい。 2019/05/10 更新

    0
    投稿日: 2019.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても好きな世界観。 呪術や写本の道具も魅力的。 カリュドウが、最初から闇に染まっている、という設定もいい。 残念なのは、カリュドウの人となりがいまいち掴めなかったこと…フィンとの思い出がひとつくらい出てきてもいいのでは?とか、仲間が最後に、お前ひとりで背負うな!って協力するんだけど、いつのまにそんな関係築けてたの?とか。 終わり方はとてもよかった。 地の文がちょっと読みづらいと思ったけど、それについては解説で井辻さんが書いていた。 「ファンタジーにおいて、語り手が魔法のない世界に身を置いて語るのはNGである。語られている世界とひとつでなければならない。このテクスト自体が閉じた魔法書である。」というような内容で、そこまで考えられていたのかと納得。閉じた魔法書って、素敵だなあ。

    0
    投稿日: 2019.04.06
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    復讐モノかぁ...苦手だなぁ... と思ったのに買ってしまった本。笑 登場人物の思考や信念の深さがとてもリアルで、読むのが大変だと思うのに読み進めている自分がいた。 とっても不思議な体験! ファンタジーが好きで小学生の頃から分厚いハードカバーの本を読み漁ってた私だけど、とても新鮮な物語だなぁと思った。 魔法モノ王道ファンタジーに飽きてきたなぁと思う人におすすめしたい♪

    0
    投稿日: 2019.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    魔術と魔術師と魔術書を巡るファンタジー。 「右手に月石。 左手に黒曜石。 口のなかに真珠。 カリュドウは三つの品をもって生まれてきた。」 淡々と綴られる文体ながら、魅力的な書き出しとそれに続く緻密な物語構成が心地良い。 ただ、登場人物の心情が変化する描写、また登場人物同士のいだき合う心情が変化する描写が、あっさりしすぎているように感じられる場面があったのは少し残念。

    0
    投稿日: 2018.12.06
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    魔術を設定としてではなく、言葉と職人の手仕事として丹念に描かれていてリアルに感じられる。 複雑な説明抜きで魔法の世界に入っていけるのは、表面的な世界観ではなく人々の営みがしっかり書かれているからと思う。 凄惨な場面もあるが、その分物語に引き込まれた。 ちょっと気になったのは、 とある魔法による【体験】が強烈すぎて、主人公個人としての成長や葛藤が分かりにくくなっている点。 ある意味決まった結末に向かう話なので、謎の解明や人間的な成長のことがもう少し焦点になってもよかったかなと思った。

    0
    投稿日: 2018.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み始めから「これは面白いに違いない!」と思わせてくれて最後まで期待を裏切らずに楽しく読ませてもらいました。王道なファンタジーです。

    1
    投稿日: 2018.08.11
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    あーファンタジー読めなくなっちゃったな~ 想像力がなくなったのか、イメージが湧いてこなくて。 ところどころ面白かったけど、読むのが大変だったという印象。 シリーズものなので、もう少し他のも読んでみようとは思う。

    0
    投稿日: 2018.07.06
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    すごく縦にも横にも広がりのある大作なのに、一冊にまとまっている奇跡的なファンタジー。情景描写も心理描写も贅沢に彩りがなされ、言葉の力を端々に感じるのに白々しくならないのは細部まで世界構築がなされているからだろう。魔法が出てくるのにこんなに引き込まれるとは。めっちゃ面白かったし時間の使い方として小説一冊以上の価値があるオススメファンタジー。

    1
    投稿日: 2018.06.10
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    はじめて読む作家。 ファンタジーも久々。 確立された魔法と転生の世界観。 それらのファンタジー要素のなかで 心の奥底にある秘密に辿り着く最期。 一気に読ませていただきました。

    0
    投稿日: 2018.04.29
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    本の描写、土地の描写、文化の描写が好き。 しっかり作りこまれている感じがして、期待が持てる。 カリュドウの養い親喪失の哀しみだけで最後まで持っていくのかと思ったら、背後にはもっと大きな物語が隠れていた。 うわーここで転生が来るのか、とワクワクしっぱなし。 しかも転生物のオイシイところ(前世を思い出す瞬間、前世からの敵と仲間、長寿な前世の仲間と再び出会う等)が全部入ってる。 特にケルシュやガエルクがカリュドウに会ったときのこととか考えると、もう、一人じたばたしてしまう。 あとラストね!! 最後は一転、穏やかで優しい感じのラストにぐっとくる。 結局巡り会う運命で、愛さずにはいられないのか。 女性性が重要な装置として出てくるけれど、あくまで装置であってあまり気にならない。 カリュドウが男である意味、写本師であって魔道師でない意味。 本当によくできている。

    3
    投稿日: 2018.04.24
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    師匠と友達を魔導士に殺された少年が復讐をする物語。 魔導士ではなく、本を書き写す写本師となり、書いた言葉に魔力を宿す夜の写本師となり戦いに挑む。 で、その主人公は何度か生まれ変わっていて、その都度復讐相手の魔導士に魔法の力を奪い取られてきたことも復讐の理由の一つとなる。 クライマックスの戦いの場面が意外とあっさりしていたり、悪者の魔導士が人の魔力を奪うことに執着する理由がいまいちはっきりしなかったりという点はあるが、マンガとかゲームになったらおもしろいかもしれない。

    0
    投稿日: 2018.03.21
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    久々の上質なファンタジー。例えば季節の花々、囁く鳥の声空模様のくだりで季節はいつといわれずとも、そうと感じるような表現力。それはファンタジーでありながら私達が現実で知る動植物が生息しているから、また地中海沿岸を思い起こさせる人々の営みが描かれているからかもしれません。エキゾチックでいてオリエンタルを感じさせる文化と魔法の数々。魔法のシーンはそれは美しく恐ろしいです。読みだすと全てを知りたくてやめられなくなります。きっとこの作品自体にきっと魔法が息づいているのかもしれませんね。つまりは最高面白かった。

    1
    投稿日: 2018.03.05
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    2015.10/22 大好物っ♡善悪単純でなく出会うモノ皆に表も裏もある。魔法も同じ。そしてそれを学ぶための魔法書の写本に焦点を当てているのも奥深さを醸し出して素晴らしい。佐藤さとる、ミヒャエル・エンデ、ロバート・A・ハインライン、上橋菜穂子諸氏と肩を並べても良いのではないかと思える程のデビュー作!!今後が楽しみな作家さんを知ることができて感謝です。

    0
    投稿日: 2018.01.09
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    ジャケットを見たときから気になっていながら、ファンタジーを読む気分でなく数年放置していた乾石さんのオーリエラントシリーズ。繊細なジャケットが改めて素晴らしい。 「魔法使いの嫁」を見始めてすぐ原作を読み、そこからたぶん20年ぶりくらいにファンタジー熱が起きて本書を手に取った。地中海世界を思わせる舞台設定で、まほよめのようなケルティックな妖精世界ではなく、アラビアンナイト的な魔法世界を描く。 丁寧な世界設定の中で闇に乱れる人の心の動きを描き、読み手を離さない中毒性の高さはぴかいち。そして今このタイミングで読み始める私には、遅く手に取ったが故にシリーズがそろっている嬉しさよ。一冊読み終えると、その先の同世界の物語がまだまだ待っている安心感! ファンタジーは言葉の重さ、軽さ、世界観、人間に対する考え方等、肌に合うかどうかが非常に難しいジャンルで、特に、心のダークサイドについての価値観が合わないと読むのが辛いのだけど、乾石さんはその辺の受け止め方が二元論的でなくてとても素敵。しばらくどっぷりはまっている見込みです。

    1
    投稿日: 2017.12.14
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    唐突な展開が多く、何度も前のページを読み返したりしてしまったけど、面白かった。 千年の話がぎゅーっとつまっており、シルヴァイン、ルッカードの話は自分が物語中にぐるりと入り込んでしまったかのような錯覚を覚えるほどだった。 写本師というものもとてもいい。

    0
    投稿日: 2017.11.17
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    久しぶりに面白いファンタジー。 個人的には、淡々とした感情移入ができないものは、あまり好きではないけど、それ以上に惹きつけられるものがあった。 自分自身が成長していく姿も、前世を辿って全てを内包していく姿も、復讐をとげてからのその後の在り方も、好感が持てたというのも大きいかな。 他にもシリーズがあるみたいなので、機会があれば読みたい。

    0
    投稿日: 2017.10.20
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    とてもファンタジーらしいファンタジーだった。 闇が必ずしも悪ではない所に東洋を感じる。 写本師って良い。

    0
    投稿日: 2017.05.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は少し入り込みにくかったものの、物語が進み出すと夢中で読めた。面白かった。 丁寧な描写の言葉の数々を、頭の中で組み立てながら想像していく作業は、深いファンタジーの世界に誘ってくれる。季節の移り変わりが美しかった。 女の強い情念が渦巻いている本。

    0
    投稿日: 2017.05.23
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    知り合いのお気にの本。1冊にぎゅうっと1000年が凝縮。よくある万能覚醒ラノベとは一線を画す危うい強さもいい。幻想設定も面白いんだけど、何より人間の情念が濃すぎてこの本自体が生きているよう。まさに写本師が書く魔法書。情景を頭に描ける描写力も恩田陸並です。文字や本でトラップ発動…どこかで見たなと思っていたら、JOJOのエコーズがそうだったなと。言霊物が読みたくなりました

    0
    投稿日: 2017.05.21
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    唐突な事象やご都合主義な展開にちょっとついていけない。 ほっとするシーンがない。 人物が浅い。キャラがつかめない。 娯楽として、読んでいて単純に楽しいと感じるところがあまりない。 それぞれの魔法の特徴がわかりずらい。もっと丁寧に設定し、書いてもいいのでは。魔導師の話なんだから。 とりあえず戦闘は派手でエグい。 でも、ヨーロッパの古典ファンタジーのような雰囲気は出ていたように思う。

    1
    投稿日: 2017.05.10
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    面白い、んだけど、だけど。 なにかが引っかかるのか、どうにも世界に入り込めず、なかなか最後まで読めなかった。 設定も構成も面白いはずなのに、文章が好みに合わないのか、とにかく進まない。 うーん、続きのシリーズはどうしようかなぁ。

    2
    投稿日: 2017.05.09
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    ものすごくファンタジーが読みたくなって手を出しました。魔道士や魔法のことがとても便利なものという世界ではないこと、そして主人公のカリュドウは魔道士でなく写本師であることというのがなんかすごく好きでした。夜の写本師てかっこよすぎない。三人の魔女の運命を〜というのがすごく女っぽい。女の執念と愛と憎しみっぽい。そしてあーーーアンジストあーーーー!ってなりました。悪いいけめんっていい。あと、キアルスのキャラクターがすごく好きで、そしてイスルイールもめっちゃ好きでした。カリュドウの最後の落ち着きっぷりもよかったです。キアルスの話も読みたいと思ったし、エマの話もしてって気持ちで、エイリャの話ももっとききたい。でも最後の怒涛の展開に置いていかれそうになりました。

    0
    投稿日: 2017.03.20
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    難しい表現を使うかと思いきや、突然そぐわない表現を使ったりする。 展開も早いし、あんまり面白くないかも…と読み進めるか悩みながら進んだけど、 パドゥキア編に入った頃にはそれにも慣れて、続きが気になって読めるようになりました。

    0
    投稿日: 2017.03.05
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    装丁に惹かれて何作品か出てるけれどとりあえず一作目を。 あまりあらすじを見てなかったので、想像していたような内容ではなかったけれど、楽しかった。とくに後半。 続編はどんなのだろう。

    0
    投稿日: 2017.02.08
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    装丁とタイトルが魅力的で、未知の世界へと誘われるその雰囲気がたまらなく好き。こういうコテコテのファンタジーを読むのが初めてで少しためらいもあったけれど、終盤はページをめくる手が止まらない。言葉選びがとても丁寧で、植物や原石をひとつひとつ調べながら読み進めていきたいくらい細かい。最初は少し読みづらく感じたけれど、慣れるとスラスラと読めてくる。 〈夜の〉写本師という響きがなんとも蠱惑的で、ミステリアスで、物語の中に仕掛けられた魔法や明かされる運命がなんだかうまくマッチしていて、最後まで気分良く読めた気がする。

    0
    投稿日: 2017.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    転生して名前が変わるの覚えにくい みんな性格が悪い 夜の写本師ってファンタジーぽくてわくわくする

    0
    投稿日: 2017.01.15
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    心の闇の部分をも請け負う魔道士たち。そうした者たちの中で繰り広げられる復讐劇。 「月の書」「三人の魔女」 幾千の年を超えても続く野望と呪い。 海に飲み込まれるシーンなどは詩的な感じがした。イメージが広がる。 激しい描写もあるにもかかわらず、それほどおどろおどろしくは感じなかった。 陰陽の陰の方のファンタジー。

    0
    投稿日: 2017.01.06
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    ファンタジーとして発想は凄く良い。しかし世界観は凡庸で雑、説明不足。描写は丁寧な時もあるが、感覚的な言葉の羅列に終始して読み手に伝わらない。好きな人は好きなんだろうけど、客観的に読み難い。良く言えば詩的。小説というより漫画の原作のよう。総評としては、イマイチ。

    1
    投稿日: 2017.01.05
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    2017年最初の一冊。王道のファンタジ。 あらすじ(背表紙より) 右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る“夜の写本師”の修業をつむが…。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションをまき起こした著者のデビュー作、待望の文庫化。

    0
    投稿日: 2017.01.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界観がよい、そして、過去との因習が、運命に縛られた人たちの話。 暗い話だが、ラストはなかなか良かった。

    0
    投稿日: 2016.12.27
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    2016/12/25 購入。文庫化されたので読んでみようかなと思ったのだけど、創元推理文庫は字が小さいので迷ってた。このシリーズは既に6冊出てるので、どのくらい面白いのか分からないけど、まず1巻目からチャレンジしてみようという感じです。

    0
    投稿日: 2016.12.26
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    ファンタジーではあるけれど、きらっきらの世界とは違う。人が持つ復讐や妬みなど暗闇に真っ向から向き合う物語である。 とにかく読み切りたくて夢中でページをめくってしまっているので、じっくりじっくり読み返したい。

    0
    投稿日: 2016.10.09
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    美しくて残酷なファンタジーの世界を堪能できた。ちょっと展開が早いので、上下巻にして登場人物の心の流れをもっと読ませてほしかった。

    0
    投稿日: 2016.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    復讐の為に何度も生まれ変わる主人公が、あきらめずに見事遂げるまでの長い長いお話。勧善懲悪かなと思ったら、最後の最後で理由があって、考えさせられました。魔女は今どうしているのかとそっちに矛先を向けたい。 弟子に最後なった生まれ変わりと、今度こそ幸せになってほしいと思うのですが、さすがに歳が離れすぎでしょうか。

    0
    投稿日: 2016.08.28
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    大満足の一冊! ただ 内容的には これだけのページ数では物足りない 雰囲気は ガースニクスの「古王国シリーズ」+ハリポタの「不死鳥の騎士団」以降 という感じかな  明るい部分は まったく無いと言ってもいいけれど とにかく 文体と表現力の緻密さストーリー 言葉の美しさがとても好みでした!  上質の大人のファタジー  

    0
    投稿日: 2016.08.28
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    最近面白いと思える国産ファンタジーが多くて嬉しい。しかもいろんか角度から来るから油断ならない。 図書館の魔女と違ってバンバン魔法も魔道書も出るけど、完璧な理論と生い立ちに支えられた魔法はご都合主義にならず、質の悪い添加物にならない。 復讐怨み妬みがベースだから決して爽快ではないけど、また一つ良いファンタジーに出会えたなと思う。

    0
    投稿日: 2016.08.21
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    一気読みにて読了。 一つの描写からたくさんのイメージが湧き起こる。 こんなにも面白い小説があったなんて。

    0
    投稿日: 2016.08.12
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    来し方の因果が広がり、及ぼした影響を拾って解消していく魔法の物語で復讐譚です。ただ復讐者が凪いだ環境に置かれる穏やかな物語でもあるので、安心して読めました。 復讐譚と言いましたが、青春ものでもあります。主人公は成長します。復讐者が人間らしくあることのできる、周囲の人々のあたたかさが感じられます。この辺の人間ドラマには、癒されました。 解説文からも熱いファンタジーへの思いが感じられる『夜の写本師』おすすめです。

    0
    投稿日: 2016.07.26
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    世界感、魔術師の在り様が独特、ちょっとダークなファンタジー。腑に落ちない箇所がチラホラ、一読で理解するのは難しいかも。

    0
    投稿日: 2016.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は精緻な表紙に惹かれたジャケ買い。 何処か懐かしさがあるけれど、こういうファンタジー世界好きだわ~。 他の本も読んでみよう。

    0
    投稿日: 2016.06.26
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    あまりファンタジーを読まないので「読み切れるかしら……」と心配していたのだが、とってもおもしろかった! 魔道師に立ち向かう“夜の写本師”が、なぜ魔道師ではいけないのかが明かされると、読者が共有するものが増え物語への理解も増す。また品があり無意味な描写が存在しないので、この膨大な英知を操る作者にも尊敬の念を抱かずにはいられない。月と闇と海、それらをファンタジーとして著した世界に一から百まで魅了された。“ギデスディンの魔法”は本好きのこころを刺激してやまないし、できることならそこに記された文章を読んでみたい。

    0
    投稿日: 2016.06.05
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    おお、本格ファンタジー。 右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠を持って生まれたカリュドウ。これらの石の意味に気づいた時は、ああ、そういうことか…と思いました。 壮大な因縁の物語が描かれていたので、カリュドウの幼少期やアンジストの「理由」がもっとしっかり示されているとなお良かったかもなあと思う。

    0
    投稿日: 2016.05.05
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    日本文学ファンタジーで久々に面白い‼思えるものに出会えました 世界観が事細かに設定されていてすっかり没頭して読ませていただきました

    0
    投稿日: 2016.03.21
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    自然と書物。 それをいとおしむ心。 感じる心。 全体的に感じた印象を表すとこれかなあ。 羊皮紙とかインクとか封蝋とか そういったひとつひとつ手間暇かけられているものに 一種の美しさを感じるし 自然の引き起こす情景や 魔術と連動した自然の表現が なんともいえず素敵だった。 ジュブナイルのように、読みやすくイメージしやすく、 というよりも、言葉の持つ美しさや 思いもよらない比喩や表現に豊かな気持ちにさせられた。 読書をした、活字に触れたな、っていう満足感。 すごく時間はかかったけど。 カリュドウという過去を背負った少年の生まれ育ち、 彼と彼の前世を伴った旅に寄り添い、 最後に出てきた老いた彼の涙に、 人間への愛を感じて私も涙ぐんだ。 素敵な文章に触れられてよかったなあと思う作品でした。

    0
    投稿日: 2016.01.13
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    最初の数ページで一気に引き込まれたものの、100ページ越えないあたりで読むのに疲れてしまった。描写は重厚だし生活感も伝わってくるのだが、いかんせん本筋がわかりづらく物語に入り込めず。情報量の多さにかえって惑わされているような気がした。

    0
    投稿日: 2015.11.18
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    一行目:右手に月石 壮大なファンタジー。 いーんだけど、おもしろいんだけど、うーん。 このレベルだと他にもおもしろいファンタジーたくさんあるしなあ…

    0
    投稿日: 2015.11.08
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    硬派で格調高い大人向けのハイ・ファンタジー。 千年にわたる生まれ変わりと復讐の物語を、最低限度の濃密な描写で一冊におさめているので、だらだらと日をまたいで読むよりは一気読みがおすすめ。 文体が格調高すぎてたまに読みづらい感じがあるけど(「全けき」とか)、それで退屈になったり内容がダレることもなく、展開についていけなくなることもなく(登場人物の名前は何度か確認しましたが)、描写が説明的でうるさく感じることもなく、魔法の系統や各国の雰囲気の違いもすんなり頭に入ってくる。構成・設定がしっかりしていて、かつ抑制がきいているからだと思う。 写本師という設定が絶妙で、この世界観をもっと楽しみたいと思える一冊だった。

    1
    投稿日: 2015.10.01
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    タイトルに惹かれて購入~。ど派手で容赦のない魔法の顕現や何種類もの魔術の手法や修行についての詳細な描写が面白くて、どんどん読み進められました。 物語では主人公のカリュドウと三人の魔女、そして大魔道師アンジストの千年にわたる宿命が明らかにされていきます。 「書物の魔法」…本そのものやページの紙片や書かれた文章が魔力を持つなんて、とても魅力的ですね。

    2
    投稿日: 2015.08.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々にファンタジーらしい、ハイファンタイジーを読んだような気がした。文化風土が違うから無理なんだろうなと思っていたタニス・リー的なファンタジーを日本人が書けるようになったんやなぁ。 井辻朱美が解説2本を掲載するぐらいの気合の入れよう、それに合いふさわしいボディのしっかりした内容。 写本と魔術の関わりとか、ところどころ疑問符付くところもあるし、途中で人間関係(特に生まれ変わりの因果関係)が分かりづらい難点はあるものの、冒頭の登場人物紹介を都度見開けば思い出すレベル。 ボディがしっかりしてる分、ボーッと読んでると置いてかれる感じがあるので、読むのに少々の集中力が必要だけど、しっかり読めば読んだ分の手ごたえは感じられる。この作者このシリーズ要注目だなこりゃ。

    2
    投稿日: 2015.07.07
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    スタートは気分が乗らなくて、途中から急に読む気が起きた。 ファンタジーは好きなのだけど、ドラゴンとか出てくる方が好きなので地味な印象は受けた。 しかしながら、写本師という職業にとても魅力を感じた。なので、写本師たちの仕事ぶりが描かれているところをもっと読みたいな、と思った。 スピンオフで写本師たちだけの物語も読みたい。 隠し文字を入れたり、写本師によって印が違うところもときめきポイントが高かった!

    1
    投稿日: 2015.05.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    魔法について細やかな描写でつづられていく。デビュー作とのことで、展開やキャラクターはきっとこれからという感じなので、続編に期待。

    0
    投稿日: 2015.04.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ面白かったです。 読み終わったときに肌が粟立ちました。 こんなに上質なファンタジーを書ける実力者を知れてうれしいです。 日本だと、上橋菜穂子さんや荻原規子さんが取り沙汰されますが、ベクトルは違うものの、まったく負けてません。 ただ、この人の場合は「ファンタジー」に対して真摯に向き合ってはいるものの、「児童文学」とは遠いところにいる気がします。 主人公はカリュドウという少年なのですが、彼は右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠を持って生まれてきます。 キーナの村で魔女エイリャに引き取られ幸せに暮らしていたものの、大魔導師アンジストの魔女狩りによってエイリャと同胞のフィンを惨殺されます。 雪豹に慰められながら、カリュドウは復讐を命の灯と決め、その身を闇に染めます。 カリュドウが<夜の写本師>になるまでの成長を描く筆致が実に見事で、エイリャを失って最初に弟子入りしたガエルクのもとで、カリュドウは力を付ける一方で傲慢さも身に着けていきます。 先輩にあたる女魔導師セフィヤをその傲慢により死に至らしめた、その瞬間から、カリュドウは頭を殴られたようにはっきりと外界を識別します。 優しく温厚なだけだと思っていた先輩弟子ふたりが、自分が思っていたのとはまったく違っていたことに気付く。この描写がすぐれている。 はじめカリュドウの主観で描かれる人物の描写は抽象的で、これがこの作家さんの特徴なのかと思っていましたが、それが復讐にとらわれ周りを知覚していなかったが故の表現だと気付いたとき、溜息が洩れました。 それから彼は<夜の写本師>として修業を積むこととなります。 そこからは冷徹に目的を遂行するために突き進んでいくのみ、なのですが、章の展開の方法もここから変わってきます。 カリュドウは<月の書>をひらくことに成功し、月と闇と海の魔女とアンジストとの因縁が語られます。 女だけがもつ力をねたみ、恐れ、シルヴァインを裏切ったアンジストへの復讐をとげようとして殺された魔女たち。その因縁を持って自分が存在することを知ったカリュドウは、文字通り「いままで奪われたすべて」を使ってアンジストと対峙します。 決着のあと、語られるのはアンジストその人の物語で、アンジストからシルヴァインに向けられていたものはやはり愛情だったのだということが明らかになります。 そしてそれを理解したカリュドウが、後継者にアンジストの本質たる紫水晶を含めてすべてを伝えようとするところで物語が終わる、クロージングまで含めて完璧に美しい。 電子書籍で買ってしまったことが悔やまれます。 紙で買い直そうかな。 純粋に素晴らしい本と作家さんに出会えたことが嬉しくてたまらないです。

    3
    投稿日: 2015.04.12
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    ファンタジーはほとんど読まないので、世界観に入っていくのが難しいかと思っていたけど、文体(というか『語られ方』)そのものが自分の好みに合わなかった。 技巧や装飾の多い文章が続き、物語を展開するための出来事だけ描写しているので、淡々とした印象。 正直、読みづらく分かりづらかった。 作中で主人公の大切な人が死んでも、仲が深まっていく過程が描かれないし、性格も価値観も伝わってこないのでストーリーのために殺されたように感じてしまう。 読者が安易に世界に入り込んで浸れるような「甘さ」を作者が意図的に排除したのかもしれない。 けれど、自分にはこういった世界観を楽しむファンタジーを味わうのは難しかった。登場人物に手を引いてもらえないとその世界に入り込めない。 ……解説に「魔法が真に浸潤する世界は、そのような文体によってのみつづられねばならない」と書かれていた。 つまり、すき間無く均一に、タペストリーのように織られた文体でなければ真のファンタジーではない、と。厳しい。 私は、美しく均一に編まれたタペストリーに目を凝らして魔法を読み解くよりも、緩急やメリハリのきいた、登場人物たちに魅力を感じるお話を読みたい。 でもこの美しいタペストリーが、欲しいと望む人に届けばいいな、とも思う。

    1
    投稿日: 2015.04.06
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    いやぁ~、面白かった! 逸る気持ちを抑えながらページをめくり続けた。 いわゆるファンタジー小説というジャンルが苦手な自分が コレほどハマったのはホンマ珍しいし、 その新人離れした描写力と、物語が持つ力を読む者に改めて知らしめてくれる、ストーリーテリングの巧さよ。 数千年の時を越え 本の中の世界を行き来する主人公と同じく、 読んでいる僕自身も緑豊かな海沿いの街を、彼、彼女らの生きた世界を、 本を開くことで追体験できる至上の喜び。 「ああ~、これが小説だ」と思える何事にも代え難い充実感に感謝! ( 開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんて本しかないし、極上のファンタジー小説があればタイムマシーンなんていらないのである笑) 右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠を持って生まれてきた主人公の少年カリュドウ。 14歳のある日、女を殺しては魔法の力を奪う大魔道師アンジストに 育ての親である女魔道師のエイリャと優れた魔力を持つ少女フィンが目の前で無惨に殺され、 不甲斐ない自分を呪い、復讐を果たすための孤独な旅を描いた 大人のダークファンタジー。 まったく何にもないところから 新しい国や社会を創造し、読む者を今ある現実から異世界へと一気に連れ去るファンタジー小説という特殊なジャンルだけに そこに何がしかのリアリティがないとただの絵空事となって 物語に入り込めなくなってしまう。 けれどもこのファンタジー小説のスゴいところは圧倒的な描写力と緻密な設定によって違和感なく読む者を引きつけ、 小説というただの紙束からまだ見ぬ新しい世界を出現させるのだ。 主人公の少年カリュドウは 大魔道師アンジストへの復讐のため、 彼を倒す魔法を習得するのに必要不可欠な「写本師」の修業をしていく。 印刷技術がまだなかった時代には、それぞれの本はこの世に一冊きりしかなく、古くなったから棄てるなんてことはできなかった。 だからこそ古くなった本を新たな紙に書き写し、新しく蘇らせる写本の仕事はなくてはならないものだった。 使いこまれボロボロになった本を一字一句同じ筆跡で書き写し、高品質で一生使用に耐えうるために紙の素材やインクにもこだわり、決められた期限内に仕上げる写本師という仕事のなんと高技術で魅力的なことか。(製本すれば隠れてしまうページの端には花や剣など写本師だけの好きな印を入れられる) そして写本師からレベルアップして「夜の写本師」になると、自分が書きしるしたもの自体に魔力を宿らせることができ、なんとその本を読んだだけで呪いがかけられるのだ。 この力を使ってアンジストに復讐を誓う主人公の執念が切なくも胸に沁みる。 写本工房での修行のパートは、本好きならヨダレタラタラになること間違いなし。 装飾文字を書く者、細密画をほどこす者、本文を筆写する者、周囲に飾り模様を入れる者など仕事は分業化されていて、  一冊の書物が出来上がる過程が疑似体験できる。 (印刷技術が普及する以前の本は 宝石や貨幣よりも貴重な知的財産として大切にされていたことが解ります) 修行が終わり成人になったカリュドウは自分の出生の秘密が記され、アンジストを倒す鍵となる深紅の革表紙の本「月の書」を手に入れ、 逃れられない宿命の戦いへと誘われていく。 この小説を読むと、物語が持つ力とともに「言葉の力」や「言霊」について改めて考えさせられる。 愛情を持って育てられたペットは手並みの艶や目の輝きが違うように、 ちゃんと一ページ一ページ、人の手と目が触れて、息がかかり可愛がられた本は、 活字がやわらかくなり、そこに込められた人の思いをじかに感じられるようになる。 今、簡単に死を選ぶ人や 夢を信じられない子供が増えてるけど、 そんな時代だからこそ、ファンタジーが必要だし、 ファンタジーを信じることこそが悪意の拡散を防ぎ抑止する作用があるのだと思う。 夢を信じる心をつくるのは ファンタジーの世界をいかに信じきれるかどうかにも通じると思う。 たった一冊の小説が、ときには誰かを救うことがあるように、 大好きな作家の小説の新刊が気になって今はまだ死ねないでもいい。 そう思わせてくれる不思議な力が物語には確かにあるし、 そんな小さなことで人生が繋がっていく感じが人間の一生であって欲しい。 徹底的な闇を描きながら かすかな希望を見せて締めるラストも深い余韻を生む、 物語の力を忘れた 今の大人にこそ読んで欲しいダークファンタジーだ。

    17
    投稿日: 2015.04.05
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     大魔導師アンジストの手によって育ての親のエイリャを殺されたカリュドウ。カリュドウはアンジストへの復讐を誓いエイリャが生前言い残していた地へ向かう。  魔法や呪い、魔法の力を宿した本や輪廻転生などの設定が練りこまれた王道ファンタジーです。  そしてそうした設定を支えているのが美しい文章と魔法の描写。自然の描写はもちろんのこと魔法や呪いが使われた際の描写や設定の描写がとても書き込まれていて、設定だけに頼らない、文章の力でも勝負できるファンタジーになっています。  ストーリーも復讐が一つのテーマになっているだけあって、カリュドウの運命のすさまじさが印象に残りました。辛いシーンも非常にしっかりと書き込まれているのが分かります。  それだけにカリュドウの心理描写とラストの対決にもう少し読み応えが欲しかったかな、と思いました。  ただ本当に文章が美しくて、評価の高さには納得しました。ファンタジー作品好きなら読んで損はないかと思います。

    4
    投稿日: 2015.03.29
  • 大人向け魔術ファンタジーの傑作

    「写本師」というタイトルに惹かれました。普段魔術系ファンタジーはあまり読みません。が、レビューで興味を持って手にとりました。まず、魔術に詳しくなれます。読みやすく魔術体系が理解できて、一言で魔術師と言ってもいろんな流派や力の源があることを知りました。深いです。ちょっとスターウォーズの「ダークサイド」や「ダースベイダー」に似たところを感じました。人を超える力をコントロールする難しさですね。あと大人向けです。愛する人を失う、大切な人に裏切られる、そんな経験を持った大人が読むと面白さ倍増です。輪廻転生的要素もあり、伝奇モノ好きの私の琴線を刺激してくれました。

    4
    投稿日: 2015.03.27
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    果てしれぬ輪廻。大いなる許し。 すべてを奪われ、復讐のために何度となく転生を果たす女魔道師たちの暗い望みは、女でも魔道師でもない者の手で、また復讐という形でもなく果たされた。 そうして、その壮大な歴史の輪廻の予兆が暗示されて物語は終わる。 しかしそこにはもはや忌まわしさはない。 女を女として敬い、男がただの男として振舞う新しい時代には、もはやすべてを手に入れようとすることでしか癒されぬ孤独を抱えた者は存在しない。 互いを支え、互いを信じることの価値を知った世界では、もはや紫水晶を分かつ存在も生まれないだろう。 まだ生きることの喜びを知らぬままにその肉体を滅ぼした、たった一人の子どもが新たに生き直すための輪廻。そう信じたい。 闇、獣、人形、そして書物。それぞれの儀式に使うものは異なってはいても、どの魔道師が操る魔法も、呪文を唱えることでしかその力は生まれない。 しかし写本師の魔法ならぬ魔法は、文字そのもの。そうして魔道師の力に対抗できる唯一のもの。 この設定は、言葉を仕事にしている私を魅了した。語られる言葉と綴られる言葉。男と女。この偉大なファンタジーにおいて拮抗するものとして語られた存在は、いずれも互いの力を奪いあうことなく、それぞれがそれぞれの存在のままであり続けることで最も素晴らしい力をこの世界に生み出すのではないだろうか。 少しずつ、本当に少しずつ噛み締めながら読み終えました。上質の物語です。

    2
    投稿日: 2015.03.22
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    悪の魔道士に対抗する夜の写本師という構図が斬新で面白いです。千年もの時を経ながら紡がれる話をこの1冊に納めてあるので、場面の切り替わりが早くものたりないと感じる描写の所もありますが、どんどん読めるので気にならない程度です。

    0
    投稿日: 2015.02.18
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    ファンタジーは苦手だけど、表紙、紙質、文章の美しさに引っ張られて読み切れた。東京創元社は高いけど雰囲気が好きで買ってしまう。 世界観は壮大なのだろうが、1冊の筋としては単純というか正統。後半は特に勢いがあった。もうちょっと人類普遍的じゃないドロドロがあってもよかったけどなあ。 魔導師同士の戦いがカッコイイ!

    0
    投稿日: 2015.02.12
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    ファンタジー小説の新たな旗手だそうで。図書館でなんとなく背表紙を眺めていたら、この方のはどれもそれっぽい凝った作りの装丁で非常に目を引きまして読んでみることに。 SFと同じでこの手の小説って設定が呑み込めるまでにちょっとひと手間あるんですが、辛抱強く読んでみましたらわりとすんなり読み進めることができました。 ストーリーだてが結構しっかりしてるので冗長なところも少なかったですし、過去の話から終盤に至っては盛り上がりとそのテンポが大変によかったと思いました。他の作品もそのうち読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2015.02.10
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    世界観というか文体というか、作者が力を入れて描いている部分がなかなか好みで、楽しく読めた。 復讐の話であるにも関わらず、抑制のきいた文体とテンポの早さで読みやすい。 展開の早さ、詰め込まれ感が人によっては物足りないかもしれないけれど。 それでもよくまとまっていて、個人的には不足感を覚えなかった。余白は自分の中で補完すれば済むだけのこと。 感情よりも単語や事象を楽しむファンタジーかも。

    1
    投稿日: 2015.02.01
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    ページをめくる手が止まらなかったということは、つまりそういうことなのだろう。 ただ作者は、主人公が感じたものを表現するにはこの時点ではいくらか力量不足だったようにも思う。うまく表現できないが、もっと深いどろどろしたものを捉える能力があるのに使っていないような印象を受けた。 ただ最近の直接的すぎる、飽き飽きするようなものにくらべれば本書は優れているとも言えるかもしれない。 大人に読んでほしいファンタジー、と帯にあったが、子供向けなのだろうか。それならばいくらか納得がいくのだけれど。

    0
    投稿日: 2015.01.27
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    本屋に平積みで表紙に惹かれて買いました。 このお話しを知ることができて良かった。 テンポよく、最後まで飽きさせないです。 展開が若干早いかなー、とは思いますが。 シリーズになっているそうなのですが、この一冊でお話しとしては完結してます。

    0
    投稿日: 2015.01.22
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    緻密な世界観の作り込みと言葉でしか表現できない描写。ファンタジー小説の復権。3つの力、月と海と闇を野心家の魔術師アンジストに奪われた少女の1000年にわたる生まれ変わりと戦い。最後に男として生まれた主人公は奪われた力を取り戻す為、夜の写本師になる。

    0
    投稿日: 2015.01.20
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    ハードカバー版(図書館から借りた)も読んだけど、文庫になったので購入。 月、闇、海の三つの印を持って生まれたカリュドウは、育ての親エイリャが殺されるのを目の当たりにする。復讐を決意したカリュドウは・・・ 二度目だけど、ぐいぐい引き込まれる。 前よりは登場人物の把握ができたので、より話に引き込まれたのかも・・・ 常に闇を背負う魔道師。 宿敵アンジストと千年にもわたる因縁。 そして、アンジストの秘密・・・ ダークな部分ばかりだけど、ラストは爽やかに感じる。 詩的な文章は最初苦手だったけど、それがダークな部分を払拭してより引き込んでくれるのかも。

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    投稿日: 2015.01.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ライトノベルとも児童文学とも違う正統派ファンタジー。 作者は日本人だが、イギリスやアメリカの作家と言われても違和感のないレベル。 三つの証を持って生まれてきた天才少年が、大事な人たちの仇をとるために最強の魔術師を追うという王道。 さらに輪廻転生のおまけつき。 思わず引き込まれる強さを持つ物語だが、惜しむべきは魔術師の女に対する恐怖の説明が中途半端でわかりづらかった。 主役を4人にしたのは飽きさせなくていい演出だが、その分ひとりひとり、特に中心人物である写本師の存在が薄くなってしまっている気がする。

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    投稿日: 2014.12.23
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    ストーリーも人物的魅力も薄い内容だけど不思議とぐいぐい読んでしまう。世界観というか、設定となの魅力があるんだと思う。魔法がどちらかといえばおまじない?呪術?のようの怪しく暗いもの。ありそうでなかった魔導師の姿。写本師の修行をしているところはわくわくしてしまった。 ストーリーとしては、1000年前から続く復讐劇といったところ。名前が覚えずらかった。

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    投稿日: 2014.12.20
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    びっくりしました。本を選ぶ時、出版元の腰巻とか宣伝文句は全く参考にしないので、実際に手に取るまで随分時間がかかってしまいましたが、他作品も読みたいと思う作家さんに出会えました。 比喩と体言止めの多い文体は実は苦手で、世界に入るまではちょっと大変に感じました。具体的な描写なのだか、抽象的な叙述なのだか見分けがつきにくいのも、異国の文化のイメージは豊かなのに、細部はともかく広く俯瞰した光景が思い浮かばないのも、なかなか取っ付きにくさを感じました。まぁ、普段アホのように濃密描写の小説を好んでいるせいかもしれませんが。 ぐぐっと心を引きつけられたのは、本の世界に投げ込まれた場面からです。何のことだか分からなかった三つの品物、三人の魔女、三つの時代、三つの人生が一つの物語に撚り合わされていく運命の妙が素晴らしくて、後は一気に読み切りました。 静と動の、光と闇の、そして男と女の、単なる対立項にならない、とても流動的で生物的な結びつきを窺わせる世界を感じました。読める限り、読んでみたい。以前読んだ『夢の蛇』を思わせる感触の本でした。

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    投稿日: 2014.11.03
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    全体的に淡々と物事が進む印象。 前半は訳がわからず話に振り回されたような気がするけど、後半、前半にあった話が繋がり一気に読みました。 私は好きなようです。

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    投稿日: 2014.11.01
  • 易しい文体がつくる壮大な世界

    主人公・カリュドゥが操るのは、書物を使った魔法のような術。これだけでも本好きとしては心揺さぶられますが……本書の魅力は設定だけではありません。 まずなにより、文章が読みやすい。中学生でも読めそうなくらいに思えるのに、易しいだけでなく、気品と美しさを感じられる文体です。その文体とファンタジー世界とがよく合っていて、まるで本の中の世界の言葉で語られているような錯覚に陥りました(もちろん日本語なのですが)。 内容は、どちらかというと大人向けです。「復讐」が1つの鍵となりますが、それだけでは終わりません。その底に流れる大きなテーマは、大人でこそ深く理解できるものだと思います。女性なら、写本師仲間のヴェルネにきっと共感するでしょう。 余談ですが、写本工房のシーンは、装飾写本の色鮮やかなインクや飾り文字を想像しながら読みました。

    12
    投稿日: 2014.10.19
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    これは…すごいものを読んでしまった。 コンパクトながらしっかりしたストーリーもさることながらその描写力、設定にびっくりした。 モモとか、なんだろう、そういう児童文学のファンタジーを大人用に昇華させたような読み味がすばらしいです。この、世界にぐいぐい持っていく力は小野不由美レベルかもしれません。 あらすじを書くと、どこからがネタバレになるのか悩むが、一言で表すと「復讐」だ。 主人公カリュドゥは月石を右手に、左手に黒曜石、そして口の中には真珠を持って生まれてきた。この三つの品には大きな意味があるのだが、そのために母からも気味悪く思われ魔道師エイリャに育てられる。小さな田舎の村で膨大な書物と、いろんなことを教えてくれる育ての親に囲まれて成長するが、ある日、エズキウムの国の魔道師長アンジストが現れカリュドゥの目の前で幼馴染のフィンとともにエイリャを無残に殺してしまった。カリュドゥはアンジストに復讐するため、魔道師の修行をしようとエイリャの遺言であるパドゥキアに向かうことにする。そこで師匠のガエルクのもとで修行を積むが、ある事件により、魔術とは別の力を知る。そして「紙に触れるだけで」殺してしまうことも出来るという「夜の写本師」を目指し、アンジストの暗殺を試みるが、実はアンジストとカリュドゥには知られざる因縁があった。その因縁とはなにか、カリュドゥの生まれながらに持っていた三つの品との関係はなんなんのか…。 とにかく面白いです。 細かな描写がまた美しいんです。 繊細なレースを編むような、丁寧な始まりで、話が大きく動き出すまではむしろ描写の美しさばかりを見てしまいます。丁寧に、ゆっくり読みたい。 そして魔術や、カリュドゥが使う写本師の戦いの描写もすごい。残酷な描写も見られますが、この世界での「魔術」というものは明るさだけではない、闇も苦しみも恨みもあっての魔術なんだ、ということなのでしょう。ちょっと怖いです。 最後はなんとなく切ないけどすてきな終わり方で、悲しくないのに泣きそうでした。 映像化して欲しいようなしてほしくないような。 井辻朱美さんの解説もいいです。 魔法を扱ったファンタジーの代表作を挙げながら、この作品の良さを再認識させてくれます。 シリーズ物の1巻とのことなので続きも追いかけたいです。 ただ文庫化されたのはまだこの作品だけのようなので、ハードカバーで続編を読むかは悩み中です!

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    投稿日: 2014.10.14