好きだ、としか言いようがない。とろっとした文章でつむがれている所在のない時間はもうあまやかな味わいで、詩的であるということ以上に気持ちがいい。じぶんのなかの、自分の目や気持ちや生き方の中は非常にあたたかく居心地がいい。外にでたときのきまりわるさやいたたまれなさを大陸のたびに重ねて、人のきもちのご都合主義に重ねて、生きていることそのものじゃないか。とも思う。人通りのおおいまちを、すきなように歩いていくのはきもちがいい。