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叫びと祈り
叫びと祈り
梓崎優/東京創元社
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総合評価

92件)
3.6
14
32
35
4
1
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    砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、 スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦。 一人の青年・斉木が世界各国で遭遇する数々の異様な謎。 連作となっている短編集で非常に読み応えがあった。 舞台が世界各国に飛ぶので想像が壮大となり、 目に浮かぶ情景も知っている景色ではないのでそういう意味では新鮮。 スペイン編『白い巨人』はそのオチに驚かされた。 なるほど、そういうことか!という喜び。 まさに叙述トリックの最たるものであった。 これがデビュー作とは、末恐ろしい作家の誕生ではないだろうか。

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    サハラ砂漠、スペイン、ロシア、アマゾン。各地で事件に遭遇し、解決するジャーナリスト斉木。仕掛けやホワイダニットが素晴らしい。そして、異国の風景が行間から感じられるストーリーも。各話を締めくくる最終章まで、グッと心掴まれるミステリだった。

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    砂漠を行くキャラバンの連続殺人 スペインの白い風車から消えた人 ロシアの修道院の不朽体の秘密 アマゾン奥地の部落で起きた連続殺人 サナトリウムでの謎掛け 語学堪能で観察力に秀でた斉木が巻き込まれる数々の出来事。 乾いてザラザラした砂漠で、青い空に強い日差しのスペインで、霧と冷たい空気の中のロシア、鬱蒼としげる木々とじわりと汗の浮き出る熱帯雨林、そして。 それぞれ、過去、現在もいろいろなものを抱える場所がさりげなく語られる。旅する物語。 間一髪を乗り越えて、友人たちと笑い、ひんやりとした空気を感じて、息苦しい緑の中、一緒に旅をしてきた斉木。 だから、祈りの章は戸惑いと、焦燥と、切なさでジワジワきた。最後が爽やかでホッとする。 斉木さん、巻き込まれぶり名探偵の素質あるよ。懲りずにまた旅に出て!

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    五つの短編ミステリが掲載されている連作小説。 広大な砂漠、情緒あふれる風車の風景、秋の美しさとほの暗さを感じさせるロシア、熱帯の不快さと未知の不気味さ。異国の趣を流麗に描いた筆致がエンタメミステリとしてだけでなく、文芸としての読み応えを増させている。 ロシアを描いた「凍れるルーシー」は、読者の気付かぬうちに事件が起こり、突然の解決パートに入る独特な手法。 そもそも何が起きていたかの解説と解決が同時に行われる新しいパターンだった。 どの作品も、その国、その場所だから成り立つトリックや事件ばかりで、読みながら未知の扉が開けていく感覚だった。 建物や風景の説明が細かく、若干読むのにもどかしい思いをしたり、わかりにくかったりする部分もある。しかしそれを差し引いても、じっくり読む価値のある小説だった。

    0
    投稿日: 2025.09.30
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    私は異国ミステリーが好きなのよ(๑♡∀♡๑) 特に好きだったのは⤵︎ ︎ 「砂漠を走る船の道」 「凍れるルーシー」⇽イチオシ 「叫び」 「凍れるルーシー」は「火蛾」好きには堪らん(*´﹃`*) そして評価低くて読むか迷ってる方は是非読んでみてください!私的には大好きでした♡

    0
    投稿日: 2025.06.24
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    世界各地で起こる事件を5編集めた連作短編集。 異国の地では我々日本人の常識とは別の異世界の論理で殺人事件が起こるということを認識させられる。 「砂漠を走る船の道」「凍れるルーシー」「叫び」が素晴らしい!

    8
    投稿日: 2024.11.23
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    世界各国を旅する主人公。 それぞれの地域の歴史や人々の生きるための価値観が書かれていて、一緒に旅をしてる気分になりました。 主人公のように語学が堪能だったら、旅も楽しいでしょうねー 物語では殺人が起こるので、楽しいことばかりではないですが… 砂漠とアマゾンの話は、ハラハラ・ドキドキしてどんどん読み進めました。どちらも大自然の中での緊張感がヒシヒシと伝わってきました。

    1
    投稿日: 2024.10.21
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    文章は綺麗だと思うし伏線回収も鮮やかだが、好みではなかった。物語としてあまり面白くなく薄味というか。登場人物に魅力がないのもありそう。

    1
    投稿日: 2024.09.16
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    世界各国を舞台にした短編集。 それぞれの土地で起きる殺人が日本人ジャーナリストの斉木の視点で描かれる。 解明される動機が各地の文化や感性に根ざしたものであるのが新鮮。

    0
    投稿日: 2024.08.24
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    海外の動向分析の雑誌を発行している会社に勤務する男性の、海外で出くわした出来事の連作短編ミステリ 海外の動向分析を主な内容とする雑誌を発行する会社に勤務する青年 斉木 NPOや政府関係機関も一目置く情報誌の質を維持するためには相応の取材が必要なめ 多言語を操る彼は海外を飛び回る生活を送っている 年間百日以上を海外で過ごす彼が巻き込まれた、様々な出来事の謎解きのお話 収録は5編 ・砂漠を走る船の道 ・白い巨人 ・凍れるルーシー ・叫び ・祈り 砂漠のキャラバンに同行した際の連続殺人事件 風車に入って消えた人の謎 朽ちない聖人の遺骸調査への同行 エボラ出血熱と思われる感染症で滅びかかっている南米の部族 療養施設らしき場所に入院させられている「男の子」とその子を見舞う「青年」とのちょっとした推理ゲーム ミステリなので、フーダニット、ハウダニットも描かれているけれども この作品の特筆すべきところはホワイダニット 海外を舞台にしているのにもちゃんと理由があり 日本とは異なる文化、その価値観でしか成立しない意外性 部外者には理解できない、内なる人だからこその理由 そして連作短編集たらしめている繋がり 完成度高いなぁ

    4
    投稿日: 2024.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「砂漠を走る船の道」★★★ 「白い巨人」★★★★ 「凍れるルーシー」★★★ 「叫び」★★★ 「祈り」★★

    0
    投稿日: 2024.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学園ミステリアンソロジー『放課後探偵団』の「スプリング・ハズ・カム」がよかったのでこちらの短編集にも自ずと手が伸びる。 「砂漠を走る船の道」や「叫び」における限界状況におけるホワイダニットという切り口、視点というのはなかなかに面白いが、前者の解に感じた痺れるような切れ味が後者には感じられず、物足りなさがある。「砂漠を」のクオリティを期待していたが、ほかがもうひとつだったかな。「砂漠を」も、動機の部分はおもしろかったが、倒叙トリック的なものは不完全燃焼感が察せられてしまったこともあるけどそれを差し引いても今一つおもしろさに繋がっていないような。全体的に現実離れしているように思える異国の地を舞台にして幻想的かつ旅愁を誘う雰囲気は味わいがあるだけに期待値が高くなってしまった感がある。

    0
    投稿日: 2024.03.05
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    おもしろかった。「凍れるルーシー」では、明確な解明がされなかったのが残念。すべて説明がつくような話だと期待してしまった。 ストーリーが短く次々読める。最終話だけは予想が当たった。

    0
    投稿日: 2024.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・砂漠を走る船の道 んんん、これはどうなんだろう。 意外性はあった、けれど。 最初の出だしが素敵だっただけに、残念な気持ちの方が大きいかもしれない。 ・白い巨人 んんん!本当に素敵な文章!先が気になる話の進め方、雰囲気大好きなのに! 最後が残念すぎる。泣いてたから気づかなかったはさすがにない。 サクラの発想は素敵。ブルーのサングラスのせいか、斉木が妙にかっこよく感じる。 ・凍れるルーシー、叫び これは面白かった。いい意味でぞわぞわする。 ・祈り んんー。どういう状況なんだ?と先が気になって読み進めたけれど、最終的に特に驚くことはない。 全体的に世界観、描写、雰囲気は素敵すぎる。かなり独創的であるところはとても好き。 だけれど、ミステリーとしてはどうなんだろう。凍れるルーシーと叫び以外は、途中までが面白いが故に、結末に物足りなさがあった。

    0
    投稿日: 2023.09.04
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    短編ですが、どの話も重厚で文章が綺麗です。 どれから読んでも大丈夫ですが「祈り」だけは最後に読みましょう。 個人的には「白い巨人」がおすすめです。

    4
    投稿日: 2023.08.22
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    梓崎優の連作ミステリ小説『叫びと祈り(英題:Scream or Pray)』を読みました。 ここのところ、国内のミステリ作品が続いています。 -----story------------- 砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…… ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。 綾辻行人、有栖川有栖、辻真先三選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。 大型新人の鮮烈なデビュー作! 解説=瀧井朝世 *2011年本屋大賞ノミネート作 *第1位 Best Books of 2010/Amazon.co.jpエディターが選ぶ文芸TOP11(2010年12月8日) *第2位〈週刊文春〉2010ミステリーベスト10 国内部門 *第2位『2011本格ミステリ・ベスト10』国内ランキング *第3位『このミステリーがすごい!2011年版』国内編 *第5位『ミステリが読みたい!2011年版』国内篇/【国内部門新人賞】      /サプライズ部門 第2位/本格部門 第3位 ----------------------- 2010年(平成22年)に刊行された梓崎優のデビュー作品… 2008年(平成20年)に発表された『砂漠を走る船の道』を巻頭に据え、斉木という青年を共通的なキャラに設定して他の作品を加えて連作化した一冊です。  ■砂漠を走る船の道  ■白い巨人(ギガンテ・ブランコ)  ■凍れるルーシー  ■叫び  ■祈り  ■解説 瀧井朝世 〈旅人〉斉木が世界各国で遭遇した数々の異様な謎… 全選考委員を驚嘆させたミステリーズ!新人賞受賞作『砂漠を走る船の道』を巻頭に据えた驚異の連作推理。激賞を浴びた大型新人の鮮烈なデビュー作! サハラ砂漠やスペイン中部の架空の都市、南ロシアの修道院、アマゾンの奥地、東南アジア・モルッカ諸島等を舞台に、7ヶ国語を操る青年・斉木が出会う謎が描かれるという、異国情緒あふれるミステリでした… 世界各国の、その土地の空気感が再現されている紀行を思わせる風景描写や情景描写は好みなのですが、、、 ミステリとしては、少し物足りない印象… 『砂漠を走る船の道』だけは、抜群に面白かったですけどね。 砂漠というだだっぴろい場所でクローズド・サークルを創り出す発想や、砂漠ならではの意外な動機、まだ幼くキャラバンの“長”にのみに懐いているメチャボの存在に巧くミスリードさせられる展開等に唸らされました。 次点は『白い巨人(ギガンテ・ブランコ)』かな… 人が消えた謎を巡る推理が中心ですが、この作品も巧くミスリードさせられたんですよね、、、 日本人なのに外国からの訪問者を思わせる言葉遣いに違和感があったんだけど、そこまでは考えが至らなかった… グローバルな視点での想像力欠如していましたね。

    0
    投稿日: 2023.07.07
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    ジャーナリストである主人公が、取材に赴いた世界各国で遭遇する謎を描いた連作短編集。 梓崎優さんのデビュー作です。 ミステリ要素のみに着目すれば、少々物足りなさを感じてしまうかもしれません。 でも、その土地に根ざした文化や価値観が、謎と深く関わっているところに、他のミステリ作品とは一線を画する斬新さがあるように思います。 それに加えて、風景描写と情景描写の巧みさは新人離れした印象で、他の国々を舞台にした作品も読んでみたくなりました。 10年以上前の作品とのことで、今更シリーズ化するのも難しいかもしれませんが、物語としての整合性の高さと、ミステリの新たな可能性を感じる一冊だと思います。

    0
    投稿日: 2023.01.28
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    12.14 たまには違うジャンルを…と開いた「おすすめの本50」というようなサイトのうち、ミステリー部門に上がっていたので読んでみた。随分時間がかかってしまった。ふーん……で終わってしまって、我ながら悲しい

    0
    投稿日: 2022.12.14
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    いやー、サッカー惜しかった… しかし、今回のワールドカップ見て、日本は強くなったなー、今後が楽しみだなー、と思った方も多いのではないでしょうか。 今までの歴代日本代表が積み重ねてきたことの正しさが証明された大会だった気がします。 さて、この作品は、ミステリー性と物語性が絡み合い、独特で味わい深い世界観を醸し出す短編5篇の連作短篇集。 いまだに本の読み方が注意深くない僕には、読み終わった後に下のようなネタバレ解説で内容を理解する必要がありました笑  ↓ http://www5a.biglobe.ne.jp/~sakatam/book/scream.html

    41
    投稿日: 2022.12.06
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    サハラ砂漠、スペイン中部、南ロシアの修道院、アマゾンなど、世界各国を舞台とした5つのミステリ連作短編集。 動機がその世界独自の価値観や設定に由来する仕掛けは、今流行りの「特殊設定ミステリ」に通ずるものを感じて興味深かった。 文章も内容も「真摯さ」がうかがえる良作。

    4
    投稿日: 2022.06.18
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    作者のデビュー作らしく、表現が固く描写に技巧を使い過ぎ、非常に読み難く場面をイメージしにくい。5作とも舞台が世界中の各地(中東、スペイン、ロシア、ブラジル、)となっており、余計知らない世界の描写のためイメージできない。 ただ第5回ミステリーズ!新人賞を受賞し、綾辻行人や有栖川有栖から激賞されたという一番最初の『砂漠を走る船の道』や『白い巨人(ギガンテ·ブランコ)』は、読んでいて自分が勝手に思い込んでいた想定を見事にひっくり返され、やられた感はあった。 また最後の『祈り』は、前4作に登場する斉木が精神病院(?)で、自分が世界中で経験したジャーナリストとしての体験を失われた記憶として記録したものと言う意味でまとめているようだが、やっぱりよく分からない。

    0
    投稿日: 2021.12.05
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    砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人を始めスペインの風車の丘、ロシアの修道院などひとりの青年が世界各国で遭遇する数々の異様な謎を解き明かしていく。 なんとも不思議な雰囲気の話。 最初の「砂漠を走る船の道」はミステリーとしてとても面白かったが他は微妙。 謎解きというより異国文化を描いた作品。

    0
    投稿日: 2021.10.18
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    うーーーん、なかなかに読みづらいお話だった。 帯の〇〇部門第何位の文字に結構期待をしすぎてたので それが仇となったかな…。 連作短編ミステリではあるんだけど、 真相が、うんそうだよね、ってなる展開ばかりで、 捻りが無かったのが残念。

    0
    投稿日: 2021.09.29
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    短編集。どの短編も後半で印象がガラッと変わる。ミスリードなのか自分の読解力がないのか読んでいて翻弄される。

    0
    投稿日: 2021.09.12
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    ミステリーというより、文化にまつわる物語でした。 「凍れるルーシー」や「叫び」など、文化は現地の人々の想いが蓄積し作られると感じました。

    0
    投稿日: 2021.09.05
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    【感想】 ・叙述トリックもあるけど、それよりも価値観や状況が異なりすぎる世界で発生した事件の動機が意識に残る。これは、トリックはさほど重要ではなく動機を推理するけっこう珍しいミステリだ。 【一行目】  風が走る音は、誰かの悲痛な泣き声に似ている。 【内容】 ・「砂漠を走る船の道」砂漠を渡るキャラバンで殺人が起こった。少人数しかいない中での殺人はリスクが高すぎるが。 ・「白い巨人」僕の目の前で一年前「彼女」が消失したその地には不思議な伝説があった。 ・「凍れるルーシー」ロシア正教会の女子修道院。二百五十年前の修道女の聖人認定のため審査をする修道士が派遣された。 ・「叫び」致命的な感染症で滅亡寸前の集落で起こる殺人。なぜ? ・「祈り」とある病院のようなところにいる人物のもとに自称「旅人」という男が現れとある寺院はなんのためにあるのかと訊ねる。 ▼簡単なメモ 【アシュリー・カーソン】アマゾン先住民族を巡回診療している英国人医師。NGOには属さず個人で活動している。 【アヤコ】一年前、「僕」の目の前で風車に入り消失した。《やっぱり、旅に出たら、時計は外さないといけません。》p.79 【アリミリ】デムニの一人。杖を持ち全身を赤と黒にペイントした屈強そうな男。 【ウエムラ】「僕ら」を世話してくれる住み込みのおばさん。 【ウラディミール】ロシア正教会の修道士。 【エボラ出血熱】アシュリーの判断ではデムニの集落を襲った伝染病はエボラではないかと思われる。空気感染はしないが致死率の極めて高い感染症。南米では発症例はないが絶対に発症しないとは言い切れない。 【岩塩】板の形で採掘する。だいたい二枚で大人一人分の重さ、ラクダはそれを左右に二枚ずつ振り分け運ぶ。 【キャラバン】岩塩を採掘する各地の集落と契約を結び交易する。斉木が参加させてもらったキャラバンは長、ケンプ、バルボエ、カスランの四人で構成される。 【ケンプ】塩を交易するキャラバンのメンバー。斉木の面倒をみてくれる。 【ゴア・ドア】「祈りの洞窟」と呼ばれる天然の洞窟を寺院に改造したものらしい。東南アジアのモルッカ諸島にあるらしい。 【斉木】「砂漠を走る船の道」の語り手。情報誌の記者か。七か国語を駆使できる。全編を通した探偵役と言える。ヨースケ、サクラとは大学のサークルで知り合った。 【サクラ】「白い巨人」の語り手の「僕」。斉木、ヨースケとともに大学で同じサークルだった。MBA取得のために大学に通いながら働いている。 【修道院】一日の始まりは日の入りのとき。次の日の入りまでが一日。物語の時季は午後七時頃が日の入りに当たるようだ。 【修道院長】ロシア正教会のある女子修道院のトップ。「生ける聖人」と呼ばれている。 【スコーニャ】「凍れるルーシー」の「Я」の章の語り手の「私」。三十歳くらいと思われる修道女。リザヴェータを崇拝している。 【ダビ】デムニの一人。ポルトガル語を使える。《世界は自分だけですよ。デムニだけですよ》p.240 【長老】デムニの長。知恵を持つ者が選ばれアマゾンで生きるためのさまざまな行為を行う。《知識を得なければ、知恵はまわらない》p.222 【デムニ】アマゾン奥地に住む五十人ほどの部族。 【バルボエ】キャラバンのメンバー。 【メチャボ】キャラバンにいる子ども。長にしか懐いていない。 【森野/もりの】男。自称「旅人」。《旅人は物語を伝えることができる。》p.289。 【ヨースケ】斉木、サクラとともに大学で同じサークルだった。明るい性格。 【夜】《そう、夜が世界に訪れるのではない。世界が夜の闇を走り抜けるのだ。》p.175 【リザヴェータ】ロシア正教会の女子修道院に二百五十年ほど前いた修道。三十歳で亡くなったが死後も当時の姿を保っており、聖人認定の申請が出されている。

    0
    投稿日: 2021.07.20
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    サハラ砂漠、スペインの風車、ロシアの修道院、南米の密林など、世界中を旅しているかのような感覚になった。 その土地の空気感まで伝わってくるようだった。 5つの短編小説のうち、最初のサハラ砂漠とロシアの修道院が面白かった。

    2
    投稿日: 2021.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結局は最初の引用文に尽きるのかな。 "だいじなのは、お話の裏にこめられた意味なんだよ" まず連作とは知らずに読み始めたので、「砂漠を走る船の道」の舞台に感動して、重厚な話であるといいと期待して臨んだら、割と早くに終わってしまい、気持ちがちょっと萎んだ。 メチャボも犯人も手がかりをたくさんくれていたので「!!」となることはなく、とにかく読後の印象はラクダと砂漠である。それは凄くいい。もっと読みたかった。 「白い巨人」のサクラもあからさまだし、彼女が生きてるのもかなり示唆してくれてたし、何よりフェイクの話で冒頭の引用文の存在感が増した。わかりやすいのはデコイで裏があるのかな、と。 「凍れるルーシー」「叫び」からタイトルが気になりだして「祈り」で森野が出てきてヨースケなんだろうなと思ったときに、いよいよわからされてる感がして、洞窟クイズのように現実は正解がなく、フェイクに動機がどうの解明にあーだこーだと言ってることへの皮肉なのかな?と思ったけれど、よくわからなかった。 情景の描写が綺麗で連作もきれいに纏めた印象だけれど、結局裏の意味は私にはわからなかった。 「叫びと祈り」は斉木の心情ではなく作者さんの心情なのかな。 時を置いてまた読めばわかるかな?

    2
    投稿日: 2020.11.25
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    連作短編集。一作目意外はこれといったギミックも無いにもかかわらず、何か心に残る。 描かれた世界の静謐さが綺麗。他の作品も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2020.04.01
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    連作集。最初の仕掛けは面白い。これもある種の密室、そしてミスリード!しかしその後、ちょっと雰囲気に凝りすぎて、ミステリの部分はむしろ意味不明、読後モヤモヤする話が続く。最終話に少し揺り戻しがあり、紀行ものとしてファンタジーを楽しんだことにする。

    0
    投稿日: 2020.03.04
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    2008年にミステリーズ!新人賞を受賞した作品を含む5編からなる短編集。初めて読む作家だったが、その素晴らしさに驚いた。 ジャーナリストとして世界を旅する青年が旅先で殺人事件に遭遇する。思いもよらない動機に驚かせられる。 美しい文章で、各地の風景が心に浮かんでくるよう。 やはり、受賞作品の「砂漠を走る船の道」が一番よかったと思う。 2編目の「白い巨人」は、謎解きはあるものの他の作品に比べて軽い感じで、全体の流れの中で違和感があったが、最後の「祈り」でつながってきて納得。 兼業作家だそうで、作品数は多くないようだが、他の作品もぜひ読んでみたい。

    0
    投稿日: 2019.11.08
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    取材で世界各国を巡る斉木が旅先で遭遇する事件。砂漠のキャラバン隊、風車に伝わる伝説、ロシアの修道院、アマゾンの原住民村、戦地、その地だからこそ起きた事件。その地だからこその論理。ミステリの魅力がそこにあります。

    0
    投稿日: 2019.10.19
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    世界の各地を舞台に起こる事件に居合わせた雑誌のライターを語り手にした短編集。 砂漠のキャラバン、アマゾンの少数民族の村、スペインの風車の丘、ロシアの修道院など、異文化を持つ土地であるが故の動機で事件が起こる。 最後は救いがあるような無いような感じだが、他の作品も読んでみたくなった。

    0
    投稿日: 2019.08.26
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    何かすっかりお馴染みとなった書き出し(^ ^; 「一応ミステリに分類したけど」(^ ^; 一冊通して、何とも「高貴な」印象を受けた。 テーマ、ストーリー、推理、人間模様、 そして文体や繊細な感性がにじみ出る表現。 すべてが「俗」を超え、神々しく光っている。 一応殺人事件が起きたりもするし、 「探偵役」による「謎解き」もきちんとある。 が、それは決して物語の主流ではない。 日本人には馴染みの薄い、海外の特殊な環境の中、 価値観やものの考え方がまったく違う人々との邂逅と齟齬 みたいなものが大きなテーマかと。 高貴な文体ながら、ハンマーで頭を殴られるような インパクトの強い内容が次々と現れる。 謎解きが済んだらすっきりおしまい、というような 凡百のミステリとは一線を画す作品となっている。 一応は「連絡短編集」であるが、一話ごとの関連性は ほとんど無い、と言える。 それが最終話で「環が閉じる」ようにつながってきて。 読者が「あ、そういうことだったのか」と気づくも、 本文中に「あからさまな答合わせ」を書かない。 それもまた「粋」である、と思った。 ミステリの形態を取りつつ、純文学であり、 私小説的でもあり、またある意味詩的な側面も持つ。 読み手の力量を試されるかのような重厚な一冊。 これがデビュー作とは、本当に末恐ろしい(^ ^; ちなみに、初めて読んだこの作者の作品は、 高校の同窓会を舞台とした全く毛色の違う一作で(^ ^; もっと軽くて「読みやすい」感じではあったが、 意外な展開に驚かされ、再読してみると 周到な伏線に気づくという秀作で(^ ^ 何という奥行きの深い人であろうか。 これからも是非追いかけ続けたいと思います(^ ^

    0
    投稿日: 2019.02.07
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    5章立ての短編集で、同じ主人公を持つ以外、物語間のつながりは殆どなし。で、舞台となる国もそれぞれが異なる。更には、その文化に住まう人間ならではの事件が用意されていて、設定の巧みさに舌を巻く。さりげない情景描写も美しくて、無理なその世界観にいざなってくれる。最終章で、主人公自身が救われる祈りも素敵。うち3章では殺人も起こるし、広義のミステリであるには違いないけど、文学性の高いものだと感じました。

    0
    投稿日: 2018.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    先の気になるストーリーも相まって、とても読みやすい。 日本ではないどこかの、文化や風土に基づいた謎解きということで、 非常に面白く読んだ。 しかし、最終章”祈り”の位置づけは、とあるサイトの解説を読まないと理解できなかった。 この1冊が、最初は探偵役であった主人公が、自分の理解できない何者の存在に心情を打ち砕かれていく という構成だったとのことで納得。

    0
    投稿日: 2018.06.22
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    雑誌記者の主人公が取材に訪れる世界各地で様々な【謎】に遭遇する連作短編集。サハラ砂漠、スペイン、ロシア、アマゾンの奥地と異国情緒溢れる風景描写が秀逸。事件の真相自体が各地の伝統文化に基づくので驚きと発見がある。刊行当時二十代半ばでこの硬派な作風は素晴らしいと思う。若干気取った言い回しや叙述トリックのオチの弱さが気になるけど、紡がれる硬質な物語は今後に期待大。お気に入りは「凍れるルーシー」(ラストはよく分からなかったけど…)と「叫び」。しかし、メチャボ(「砂漠を走る船の道」)はちょっと反則技な気もするぞ…。

    0
    投稿日: 2018.06.20
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    騙される人には強く訴えかけてくるメッセージを持った作品であろう。物語の再解釈は見事な手法によって丁寧に行われているが、どうしてここまで強く訴えかけてくるのだろう。魅力的な作品だ。

    0
    投稿日: 2018.06.15
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    旅とミステリー。5つの作品がおさめられている。個人的にはこれらの物語そのものに魅力を感じた。そこにミステリーの要素が加わり、より深いものになっていると思う。

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    投稿日: 2017.08.31
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    世界をまたにかける語学堪能なジャーナリスト。まぁたいがい日本人でバリバリ外国語をしゃべるって時点でなんかイラッとしますね。何故なのか。やはり日本人なら日本人英語をしゃべるべきではないか、という謎の先入観があるからでしょうなぁ。まさに出る釘を打つという日本人の精神。 しかしこの出木杉君みたいな男の行くところ行くところ、事件が起きる!コナンや金田一ばりのトラブルメーカーなわけですね。というか死神です。こういういけすかないやつには酷い運命が待っている、という神様はちゃんと見てるんだな、とほっとしますね。でもそんなひどい目にあってもイチイチ哲学臭いというか、あれですな、中二病?的な難しい話をすぐ持ち出すから、やっぱあいつは鼻持ちならないなって言われるわけですよ。 でもまぁ読書家たるもの、これくらいの御託を並べている本の方が読んだ感があって良いのです。

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    投稿日: 2017.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    目次より ・砂漠を走る船の道 ・白い巨人(ギガンテ・ブランコ) ・凍れるルーシー ・叫び ・祈り ミステリなのであまり内容に触れられないけれど、これだけは伝えたい。 日本人の常識に捕らわれている限りは、決して解けない謎がこの本には溢れている。 『砂漠を走る船の道』では広大な砂漠で、『凍れるルーシー』ではロシアの人里離れた教会で、『叫び』では文明社会から隔たったアマゾンのジャングルで事件は起こる。 「なぜ?」 犯人が明らかになったとしても、「そんなことで?」 異文化の、大きな大きな壁。 理解できない。納得できない。 犯人がわかったって、事件が解決したとは言えない。 “「どんなに理不尽でも現実は残酷で、どんなに祈っても思いは届かない。常識はたやすく砕け散る。永遠に分かり合えないで殺しあう人間もいるし、分かり合った人間を殺すやつもいる。それが現実だ」” その現実に押しつぶされそうになったとき、人は叫ぶ。 そして、祈る。 心を折られても、現実に立ち向かわなければならないから。 普通に殺人事件を解決するだけのミステリとしては、文章が甘い。 叙述トリックを仕掛けようとしているところがはっきり見えるし、「いやいや、そりゃ無理だろう」と、ミステリのお約束をもってしてもそんな突込みをしたくなる部分もある。 けれどもこの作品はそういうことを書いているんじゃないんだな。 自分の常識(日本人の常識)がひっくり返されたとき、どれだけそれを受け入れられるのか。 世界の広さと多様性を見せつけられて、叫びだしたくなったり、祈ったり。 地に足の着いた落ち着いた文章と、圧倒的に説得力のある世界観にくらくら。 すごい経験をさせてもらいました。

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    投稿日: 2017.02.02
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    読み終わって、思わず溜息をついた。それは話がつまらないだとか、とんでもないトリックにどっきりした、とかではない。純真たるミステリー小説において、ここまで文章を美しく書けるのかと驚く、感嘆の意である。 こういうとなんだか語弊があるような気もするので大前提としていうと、もちろんストーリーそのものも面白かった。後付のようで申し訳ないが、ミステリーはミステリーとして面白くなければ文章がいくら美しかろうとよい作品とはいい難い。なのでストーリーが面白いのはあくまで前提。そのストーリーを彩るスパイスとして、文章の美しさがある。それにしてもこの作品にはそのスパイスがとびっきり効いていた。 主人公は海外に関する雑誌を発行する出版社に勤めいている斉木。その彼が取材として訪れる国の先々において巡り会う謎が物語を形成する。 中でも砂漠のキャラバンに襲いかかる連続殺人の謎を描いた『砂漠を走る船の道』、死後250年経っても死体の腐らぬ修道女リザヴェータのいる修道院で起きた悲劇にまつわる『凍れるルーシー』。この2つは是非とも読んで欲しい。読み終わったらつい溜息が出てしまうだろうから。ただ読まなきゃわからない作品価値が魅力のほとんどを占めているので、ストーリー紹介はこんなとこにしておこう。 この作品の何が凄いって、作者の文章力が織り成す色彩の豊かさだ。計5つの話が入っているのだが、これら全部の色が違う。色々な国々での、という設定がこれほど生きた作品はない。登場人物たちと共に思わず色々な国を探検した気分になるのは、脳内にその豊かな色彩のおかげで無意識にでも情景描写が思い浮かぶからだろう。 さらに肝心のミステリーのテイストも全然違う。古典派謎解きものから叙述トリック、人間の精神からなるちょっとしたホラーテイストまで上手い案配で配置されているからズルい。これがデビュー作品だというのだから梓崎優、恐るべし。 残念ながら、2016年現時点において、梓崎さんの作品はこの『叫びと祈り』と『リバーサイド·チルドレン』の2つしかない。しかしこれだけの文章力を持つ作家だ。いつかミステリー界を唸らせる大作を引っ提げて来るに違いない。それまでに、是非ともこの作品を一読してみては如何だろうか。

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    投稿日: 2016.12.22
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    このミスベスト10、2011年版3位、本屋大賞2011年6位。良質の小説。独自性の高いテーマ、意外性のあるストーリー、高尚な文学的表現、工夫を凝らした構成。連作短編集だけど全体が一つのストーリで構成されてる。お話も面白く飽きさせない工夫があるのですが、自分にとっては少しリズム感に乏しく、一気読みといった感じではない。こんなのが好きっていう人もいると思うけど、若干難解で読みにくい。読んでるときに意識を失ってしまうこともたびたび。村上春樹とかも毎年文学賞候補なるぐらい文学的だと思うんだけど文章はとても読み易いですよね。もう少し平易な文章で文学的な香りを出してもらえるとありがたい。まあ、こういった丁寧に作られた本は、読む方ももう少し落ち着いてきちんと正対して読めばまた異なる感想になったかも。細切れの隙間時間にバタバタと消費するような読み方ではもったいなさすぎるのかも。特に最近は何かとバタついてたし。

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    投稿日: 2016.09.14
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    外国が舞台の連作短篇集。 勤める雑誌社の仕事として、一人の青年が全ての話に関わっている。 それぞれの話の中にこめられた謎、そしてその地に根差した文化。 話的には面白いのだけど、私的にはあまり好きな創りではなかったかも。 2016.9.2

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    投稿日: 2016.09.02
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    ミステリーの醍醐味って、やはり自分で犯人やトリックを推理する事だと思うのだけど、そういう意味ではこの短編集は不親切というか、「そらわからんわ…」という話が多くて…。まず話の前提が特殊(ほぼ海外、しかもその土地の文化に根ざす動機)で、さらに一人称の叙述トリック的な要素もあり…考えることが億劫になるミステリーだったなぁと。「そうだったのか!」というアハ体験が無いというか。ミステリーとして読まなければもっと楽しめたかも?

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    投稿日: 2016.08.06
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    面白かった!旅と不思議が混ざり合うミステリ。気持ちいい騙された感が続き、「騙されないぞ〜」と思っていたら「そうきたか!」の連続。最後にはミステリよりは物語としての輝きが勝ってる感じ。また好きな作家さんが増えた!

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    投稿日: 2016.07.05
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    惜しいかな、最初の『砂漠を走る船の道』なんかミステリーを超えたゾクゾク感があって、期待値が一気に上がってしまったけれども、その後の収録作がもうひと押し足りない感あり。 でもデビュー作ということを考えれば十二分なのかもしれない、異邦の地の設定が無理ないし。惜しむらくは微妙に言葉選びに違和感があったかな。特に「蓋然性」。砂漠の民の生きた表現ではないよね、流石に。

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    投稿日: 2016.05.28
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    受賞作がやや作為が目立ち、「白い巨人」が好きなタイプでなかったので途中で放置していたが、「凍れるルーシー」と「叫び」は評判通りとてもよかった。

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    投稿日: 2016.01.19
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    ≪なぜ叫び,何を祈る≫ ミステリーズ!新人賞受賞作の「砂漠を走る船の道」を含む短編集. 話に共通するのは,「なぜ」という動機の部分のアイデアと不気味さ. ミステリって普段は,たとえ人が殺されようとフィクションだから気楽に読んでいたり,不気味なに思う時があってもそれは殺され方だったりするけれど,これは如何に自分の世界が狭く,自分以外が本当に自分でないと再確認させられる. そして,その結果起きた探偵役でもある斉木の変化。 今までワイダニットは興味なかったけれど,これ読むと動機の部分も考えながら読むようになっちゃいそう.

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    投稿日: 2016.01.04
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    世界の旅×本格ミステリ  ミステリーズ!新人賞の受賞作「砂漠を走る船の道」を含む全5話を収録。世界各国で遭遇する事件は、私たちの価値観・倫理観の物差しでは計れないものばかり。恐怖や絶望、様々な感情が押し寄せてくるだろう。  評判通り「砂漠を走る船の道」は傑作。ホワイダニットもさることながら、情景描写の美しさも目を引く。さながら自身も旅人になった気分だ。だが、2話目以降はミステリ的な仕掛けが物足りなく、尻窄みに感じてしまった。それでも、受賞作を読むために本書を購入する価値はある。 --- 2015年:84冊読了(長編56、短編28) 今年のミステリーツアーはここまで。 来年も良いミステリーな年でありますように・・・

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    投稿日: 2015.12.28
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    2011年の本屋大賞ノミネートということで読んでみた。 訪れる主人公(雑誌社に勤務)が海外の様々な場所で体験した短編集。 サハラ砂漠のキャラバンでの殺人(砂漠を走る船の道)、 スペインの風車が広がる街での仲間との旅(白い巨人)、 ロシアの修道院での朽ちることのない遺体の話(凍れるルーシー)、 アマゾン奥地でのエボラ出血熱(叫び)、 そして最後に病院のような場所での友人との会話(祈り)。 『都市の空気感を再現する文章の美しさ、豊かさも目を引く』と解説にあるように、本当にその場を感じさせる文章が秀逸。 ただ一点、ロシアの話の最後、どういうことになったのかがいまだに理解できないのだが、自分の想像力がたりないのだろう。

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    投稿日: 2015.12.16
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    旅小説とミステリの融合。乱暴に言ってしまえばそうなるんだけど、短編として一つ一つのクオリティが高い。 連作として、「叫びと祈り」に見事に収束する素晴らしさ。 衝撃的というより、じわりと胸にくる。 文章が洗練されているからでしょうか。 ただ、ストーリーにあんまり厚みが感じられない。 本格好きにはいいのでは。

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    投稿日: 2015.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

     「斉木」という青年が世界各国で遭遇する異様な謎について書かれた4つの短編と、その後日談が書かれた短編集。文章が詩的であり、好きな人にはたまらないんだろうけど、あまり肌に合わなかった。  「砂漠を走る船の道」、「凍れるルーシー」及び「叫び」は、動機に焦点が当てられた作品。いずれもその異様な動機は、心に残る。「白い巨人」は、日常の謎風のミステリだが、スペインが舞台であり、叙述トリックにより主人公がスペイン人であることが伏せられている。「白い巨人」は、サクラと表記されているスペイン人男性とアヤコという日本人女性の恋の話で、読後感が良い秀作。  白眉は、「凍れるルーシー」。生ける聖人だった修道院長であれば死体となっても腐らないと考えて殺害したという動機も驚愕だが、聖人リザヴェータの腐らない死体が消失したのは、聖人リザヴェータが復活したという真相がなんとも…。ジョン・ディクスン・カーの『火刑法廷』を思わせるラストが秀逸。  ただ、5作目の「祈り」がイマイチ。読解力があれば名作なのかもしれないが、詩的な文体の読みにくさも相まって、何が言いたいのか分かりにくく、楽しめなかった。トータルでは★3かな。

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    投稿日: 2015.09.23
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    異国ならではのホワイの種明かしと犯人絞り込みの過程が面白い。解説にある通り現地に行かずに読んでいて違和感を感じない舞台を作り上げる力が凄いなぁ。謎のアレコレは気になれどある男女のお話とスペインのとある街に伝わる昔話が交錯する『白い巨人』が好き

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    投稿日: 2015.09.13
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    世界一周異文化交流ツアーみたいな設定 新鮮感がある。 砂漠の物語は自分なりに一番好き、特に動機の部分がすごく衝撃を受けた覚えはあった。 他のは少し物足りないような気がするけど、どうかな・・・

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    投稿日: 2015.04.15
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    2011年本屋大賞6位 社会派雑誌の記者が各国で遭遇するミステリ。 砂漠、スペイン、ロシア、アマゾンとイメージ通りの異国に出会えるので、現実逃避するには良いかもw ミステリは凝ったものではなく、筆者が伝えたいことを表現するための道具となっている。 美徳や道徳といった価値観を図るのに「日本のものさし」しか持っていない人には、この作品はどう映るのだろうか… そんなことを考えちゃいましたw

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    投稿日: 2015.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    連作短編集。 ジャーナリストの斉木が各国で出会う謎を、旅情感たっぷりに魅せています。 異国の文化が思わぬ展開と結びつき、驚きとともに人間の奥深さを感じる良作。 文学的な良い雰囲気の作品だったのですが、トリックの技巧を意識しすぎている印象もあります。同じようなパターンが何度も続いてちょっと食傷気味にもなりました。 ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【砂漠を走る船の道】砂漠という厳しい環境下での旅の最中、突如起こった殺人事件。なぜ今、この状況で殺人が起こったかというのが一番のポイントになっています。 取材で同行していた日本人・斉木の混乱しながらの推理と、砂漠の旅の過酷さが相成って緊迫した雰囲気が良いです。 真相に驚き、更にピンチから一転する展開に興奮、ラストには爽快さも味わえました。 この状況下ならではの動機はかなりインパクトがありおもしろいです。 しかし、単に目印ならば一番親しくない斉木をまず殺害するのではと思いました。説得できないことを見越して手強い相手からやっつけたのかな? 【白い巨人】「キオクニゴザイマセン」の使い方が上手いです。とぼけた棒読みの表記かと思いきや。 過去の兵士と女性の消失事件と、サクラの傷心を語りながらのスペイン散策の描写が切なく美しい。 兵士パズルの推理合戦と相成って消失事件が語られますが、こっちの方はちょっとイマイチ。 【凍れるルーシー】突如明らかにされる殺人事件にびっくりしました。 とはいえ、猫の鳴き声だけで殺人と決め付け問いただすのは性急な気がします。 オカルト要素を残したラストのその後が大変気になります。 【叫び】エボラ出血熱により壊滅状態となった村で、さらに起こった連続殺人事件。感染病の恐怖の中で殺人事件まで起こるという混乱と緊迫感には身の毛がよだちます。 斉木の常識・良心・倫理が揺らいでいく様も怖いです。 アシュリー医師と斉木の推理合戦の内容も凄まじい。どちらも返り血を防げるという点で推理していましたが、それが返り血を気にする必要はなかったという真相に行きつく流れがおもしろい。 この動機を文化の一言で片づけられるのかは疑問ですが、斉木とアシュリー医師の成す術もなくうなだれる姿には胸が痛みました。 【祈り】これだけ凄まじい事件を経験していれば、精神が病んでしまうのも無理はないかも。 これまでも叙述トリックが多用されているので、斉木と森野の正体には気づきやすいものの、斉木の病みと森野の友情がよくみえます。 「祈りの洞窟」の解釈によって心情を映し、これまでの事が斉木にどう影響を与えたのかの総括になっています。 旅情ある雰囲気とは裏腹に凄惨で衝撃的な内容の本作ですが、最後には文化の違いを超えた人間の本質を見つめる希望ある締めとなったと思います。

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    投稿日: 2015.02.19
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    世界を旅する主人公が、それぞれの国で遭遇する事件の短編集。 ミステリーズ!新人賞を受賞したという「砂漠を走る船の道」がやはり素晴らしい〜。文章が美しく、絵のような異国の情景が目に浮かぶ。加えてミステリー部分もしっかりしていて(トリックというよりは動機)このコンビネーションがなんとも絶妙。著者の他の作品も読んでみたい!

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    投稿日: 2015.01.21
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    偶然ブックオフにて手にした一冊。裏表紙の内容説明にぐっと惹かれました。 推理小説の場合読者は、トリックだけでなく明かされる動機についても道理が通ることを求めてしまいます。 本作ではその隙を突かれました。自分の持つ道理や常識が、実は狭い範囲だけのものであって、作中旅人の出会う人、土地、事件では全く別の道理、常識が存在することに気づかされます。そして何より、それが正義であり、真実であることに驚かされるわけです。 道理や常識は、もしかしたらその土地の風土や気候によって作られるものなのかも、と考えたりしました。どこに生まれるか、それが運命を決するのかも。

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    投稿日: 2014.11.26
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    文章が洗練されていて素晴らしい、字を追っているだけで楽しくて、それぞれの作品の世界に引き込まれていった。構成も緻密に計算された連作短編集。

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    投稿日: 2014.11.06
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    はぁ〜 すごいなぁ〜 何が凄いってその文章力が凄い。 新人とは思えないよ。 読みやすいのに叙情的な文章で、異国の荘厳で牧歌的な雰囲気がひしひしと伝わってくる。 深水黎一郎の短編『北欧二題』や『蜜月旅行』なんかを彷彿とさせる。 肝心のミステリについてなんだけど… これまた凄い。 まず『砂漠を走る船の道』 砂漠という言ってみれば広大な密室の中で起こる連続殺人。 一見無意味に思える殺人の動機が凄まじく、読者を圧倒する。とある仕掛けも寂寥感溢れる幕引きにすることに一役買っている。 『白い巨人』はミステリとしては小粒だが爽やかな結末で魅せてくれる。 『凍れるルーシー』だが、こういった味のものも書けるのかと驚いた。 ミステリとしてもかなりのでき。 『叫び』は冒頭の『砂漠を走る船の道』で見せてくれた驚きを違った世界で再現している。 エボラ出血熱という今現在タイムリーな題材で、ほうほう、空気感染はしないのか。と少し勉強にもなったり。 そしてラストを飾る『祈り』 ミステリとしてより斉木青年の物語を締めくくる為の作品といったイメージ。 今までの物語を振り返り、新たな門出を祝福するかのような幕引きには感慨深い思いさえ湧きます。 あぁ… こんなにも長文の感想を書いたのは久しぶりだよ… それだけ衝撃的な作品だったってことかな。 間違いなく傑作!

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    投稿日: 2014.10.27
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    いやぁ~、しかし これまたとんでもない新人が現れたもんですね(笑) ブクログで仲良くさせてもらってる我がミステリー小説の師・kwosaさんのオススメで読んでみたけど、 いや、ホンマ、ワクワクドキドキするような 至福の読書時間を堪能させてもらいましたよ(^^) (そしてそれを僕より先に読んでいた我がパートナーにも感謝!) 物語は死んだと言われるこの時代に ミステリーという謎解きの魅力と 共に、 詩情溢れる美しい言葉で 語るべき『新しい物語』を紡いでくれる 文句ナシの傑作。 (自分が言うまでもなく、2010年~2011年の各種ミステリ・ランキングで軒並み上位入選しています) 海外の動向を分析する雑誌を発行する会社のジャーナリストであり、 7ヶ国語を操る主人公の青年、斉木。 この斉木がどの物語にも登場し、 世界中を飛び回る中遭遇する事件の顛末を描いた連作短篇集となってます。 サハラ砂漠に残る「塩の道」で起こる殺人。 限られた人数の中行われる殺人に疑心暗鬼になる人間心理の妙と 意外な結末にニヤリとした 『砂漠を走る船の道』、 スペインを舞台に 風車から忽然と姿を消した兵士の謎に挑む 斉木とその仲間たちの推理合戦が楽しい 『白い巨人』、 南ロシアの修道院に眠る 死してなお、腐敗しない遺体(不朽体)の謎を巡るホラーテイストなミステリーで ラストはタイトル通り凍えます! 『凍れるルーシー』、 アマゾン奥地の先住民が住む村でエボラ出血熱によく似た伝染病が猛威を奮う中起きる不可解な連続殺人。 どんなに言葉を尽くしても届かない 価値観や異文化の決定的な違いが胸を締め付ける 『叫び』、 そして、理解の届かない存在の前で絶望し、 心を閉じた男の再生を描いた 『祈り』 の全5編。 散りばめられた伏線とその見事な回収術。 一話一話に周到に用意された衝撃的な展開と トリックの解明ではなく あくまで『物語性』に重点を置いた作者の視点。 そしてなんと言っても 豊富な語彙や独特な比喩を駆使した 異国情緒に溢れ 読む者を一瞬にして旅人にしてしまう 引きのある美しくロマンチックな情景描写は まさに錬金術のごとき見事な腕前。 それにしても 読み終わった後に残るこの余韻の心地良さよ。 物語は終わっても 彼らは読み終わったそれぞれの読者の胸で、 記憶の中で、 いつまでも生き続ける。 小説の中に血を通わせ 人生に流れる時間を定着させる新人らしからぬ筆力に 梓崎優の真髄を見た気がする。 (それにしても価値観の違いからくる断絶や絶望という深く重いテーマを、デビュー作にして題材に選んだその気概に惚れた!日本という国の中でさえ、何度この価値観の違いからくる巨大な壁の前に無力感を感じたことか…)

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    投稿日: 2014.09.28
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    今作が梓崎優氏のデビュー作である、これには驚く!凄まじいまでの完成度、Twitter上にて行われた短編ミステリ・オールタイムベスト50に、このデビュー作の中からなんと2作品が入選している。(さらにもう1作が入選しており作家としては3作品)「砂漠を渡る船の道」は、なんと3位である。並み居る大家の煌く傑作たちとすでに肩を並べているのだ。 日本人の若者斉木が、さまざまな国々で遭遇する事件を描いている。ほとんどに殺人が絡み、謎解きの主眼を「why」においているのが共通項である。舞台が海外であるがゆえ、日本人の我々にはおよびもつかない「why」があり異文化の衝突と相互理解も、作品の骨組みとして重要項となっているようだ。 個人的にお気に入りは「白い巨人」であった。白い巨人(ヒガンテ・ブランコ)と聞けば判る人は判る挑戦的タイトルである。日本が世界に誇る劇画「ゴルゴ13」に同じタイトルがあり、しかもミステリ色の強い、それでいて叙情に富む佳作なのである。 果たして梓崎作品の「白い巨人」も負けるとも劣らぬ良作であった。人体消失を描いており、歴史ミステリにも波及する。さらに若い二人の男女が思いを寄せながらも離れざるをえなかった「why」が見事な筆致で綴られ、そこに作品共通項の「異文化との衝突」があり、希望に溢れた未来を予感させるハッピィエンドがあった。 今後が非常に注目される作家さんとの出会いとなった今作に感謝したい。

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    投稿日: 2014.09.17
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    独特、ですね。文体も、取り上げている題材も。 世界各国を旅する斉木が、訪れた先で出会う事件。どれも、「極限状態で」「その場所でしか起こりえない」物語ばかりの短編連作。 衝撃的だったのは、1作目。なるほど、国によって、民族によって、環境によって、そしてそこではぐくまれた人とその文化によって、「常識(価値観)」というのはここまでも違うのか、と。日本人の生きている世界はなんて狭くて平和なんだろう。 そう思い知らされたのに、2作目以降でも同じように引っかけられる。 ただ、最後の1篇がどうもすっきりしない。それまで描かれてきた様々な物語を、斉木個人の背負う「彼の生」へ収斂していく作りなのでしょうが、今一つわかりにくいというか、まわりくどいというか、謎めいたやりとりに終始してしまった印象。 いずれにしても、どれも異世界のような不思議な余韻が残ります。描かれている舞台とそれを描写する文章の相乗効果なのだと思います。

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    投稿日: 2014.09.14
  • そう…『叫び』と『祈り』

    連作集らしい作品 短編集では無いのでご注意を 途中で飽きそうになっても是非最後の章まで読んで見てください 最後まで読んでやっとこの作品の価値が出ています 最後の世界観の転換はなかなかの見ものです

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    投稿日: 2014.09.10
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    広い世界の広い価値観をふんだんに利用したミステリーです。 海外の描写がとても丁寧だったので風景や様子が目に浮かぶようでした。 非常に独特な表現かつ鋭い言葉が非常に魅力的です。

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    投稿日: 2014.07.21
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    七ヶ国語を話す斉木の旅、遭遇するサスペンスと推理。 砂漠を走る船の道 サハラ砂漠塩の道 白い巨人 スペイン風車 凍れるルーシー ロシア正教会 叫び 南米エボラ出血熱 祈り TSUTAYAおすすめで購入。 情景描写から本当に旅してる気分になれる。

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    投稿日: 2014.06.17
  • すでに独自の世界を持っているので、今後に期待大

    短編集です。どの話にも斉木が出てくるので連作短編っていうのかな。 表紙が外国の歴史ある街の建物といった風情で、初出がミステリ・フロンティアだからモダンミステリみたいのを想像してたんだけど、なんと砂漠が舞台の話から始まります。 いい意味で話がどう展開するのかわからず楽しめました。 ミステリだと思って読んでるので、主軸の謎がどの話もちょっと無理があるのが残念ですね。 ただそれぞれ舞台がとても魅力的なので、むしろミステリにしない方がいいような。作者はミステリにこだわりがあったのかなぁ。 特殊な状況(一般の日本人にとっては)であるからこそ説得力のある、そして驚ける動機が多かったのでそこにいかに感情移入できるかがカギだと思うんだけど、舞台設定に寄り添えないまま謎解きがされると、ミステリとしてはむしろ納得、素直に考えるとそういう理由だよね、という結果に・・・ しかし主軸ではないところに仕掛けられているイタズラの見事なこと。やられたー、とワクワクしちゃいますよ。 ところでこれは蛇足ですが、ミステリとしては統一感がなくて少し落ち着きませんでした。 ミステリにもジャンルがありますが、日常系なのか本格なのか社会派なのか・・・死人は出るのか出ないのか(笑) そこは新人さんのしかも連作短編ならそろえた方が気持ちいいかな。 たぶん引き出しがたくさんあり過ぎるんでしょう、ということでこれからも期待して追い続けようと思います。

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    投稿日: 2014.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ミステリーとして秀逸なのかなぁ。ミステリーに熱心な読み手ではないので、その辺の評価はできないので、そこは割り引いて考えても、なんだかどうにも期待外れ。 (ネタバレ) 5作品中、後半2作が描き下ろしでタイトルが「叫び」と「祈り」そこまでで、主人公は散々な目にあってくるわけである(1作除)。ほんなら最後の「祈り」では何かが収束すると思うやん。ましてそれを思わせる展開をしてるわけやし 期待は見事に裏切られる。ドンデン返しなしのフワフワな状態でおいてけぼりにされた感じがかなり寂しいぞ。 勝手な思い込みをしてた俺が悪いんやろうけど、もうちょっとこう、腑に落ちる終わり方するか「祈り」の作風を変えて欲しかったなぁ

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    投稿日: 2014.05.10
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    描写、構成、文章が緻密で濃厚。短編の一編一編がエスプレッソコーヒーの味わいのような。 短編で描かれるシーン以外の部分を想像させる奥行きもいい。 文章は抑えめで理性的。それでいて詩的でもある。 ミステリの連作短編というと、一話完結のTVドラマのような物足りなさを感じがちだが、これは世界観を楽しめた。 基本的には密室のような限定条件下の殺人ということになる。不可能な密室殺人ではなく、条件的に限られた場所で、複数人が介在し「この中に犯人がいる!」というもの。 その「密室」の作り方が良い。 広大な砂漠、どこかに誰かが潜むはずのないあからさまな場所。少人数の隊商内で起こる殺人。 霧に包まれたロシアの正教修道院、または町から数時間かかる熱帯雨林の少数民族の集落。 「こういう理由と条件があるから、ここには誰もいないはずだ」という無粋な説明はない。 ただ、他に人はいないんだということを感覚的に知らせてくれる。 「こういうやりとりがあったから、あの人があやしい」という余計な情報もない。 ただ、そこにあった感情の動きが後で知れる。 短編だから、何もかもは説明しない。けれど、そこに余白の美を感じた。 作風が好みだったので★5。

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    投稿日: 2014.04.23
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    独特な雰囲気を持った文体であり、とても新人とは思えない上手さを感じる。殆ど純文学(純文学など読んでいないけれど)のような感じだが、読みずらさがなく、情景描写もとてもリアル。 人間の極限の心情がテーマだと思うのだが、発想が独特でとても新鮮に感じられた。

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    投稿日: 2014.04.14
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    以前読んだ短編が良かったので読んでみた。なぞが解き明かされると同時に、登場人物達の考え方や在り方を考えさせられる。さまざまな舞台でいろいろな民族の考え方を肯定した上で、彼らのルールに則った出来事を語る作者の想像力はすごいと思う。

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    投稿日: 2014.03.29
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    世界を又にかけるジャーナリストの斉木が各国で遭遇する事件の連作短編集です。 その場所でないと成り立たない舞台で、その場所故の価値観により起こる事件の数々。納得するには場所の描写が欠かせません。色や空気感の表現にかなり力を入れているのは分かるのですが、抽象的なイメージで止まってしまって、そこから想像ができませんでした。動機についても、その場所特有の考え方により起こしたというよりは、大した理由なく被害者が増えていくミステリに慣れてしまっている読み手からすると「こんな理由でも殺せるよね」と作られたもののように感じられます。砂漠の事件では本筋と関係ないところで疑問が残り、スペインの事件ではトラップをあちこちに仕掛けすぎているのが目につき、さらには文章や言葉の使い方などに違和感を覚え、これは外したかなぁ?と思ったのですが。 偉そうな言い方をさせてもらうと、後半の「叫び」と「祈り」で一気に化けました。著者が言いたいのはこれだったのかと。よくぞこの流れを作った。自分が自分である以上、どうやっても求めずにいられない理想や希望を追っていこうとする、まるで著者の決意表明のような二章でした。

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    投稿日: 2014.03.26
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    本格ミステリアンソロジーで「凍えるルーシー」をよんで、際立って素晴らしかったので購入。 新人さんだとはおもわなかった。少女小説をずいぶん書き慣れて、ミステリに移行した人なのかなというくらいの印象でした。 すごくよくできた一冊。 迷わず周囲に薦めたい。

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    投稿日: 2014.03.18
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    コロコロと実に他愛もなく叙述トリックに引っかかる。コロコロ。 自分の先入観というか頭の固さを知らされる。 主人公同一の連作短編集だが、主人公は『学校怪談』の山岸のような扱われかたをしてる。

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    投稿日: 2014.03.02
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    収録された5編とも、すべて海外の別々の国が舞台で、7か国語を操る日本人旅人の斉木が遭遇する事件を描いています。 舞台となった国、その地域の社会事情が(我々日本人にとって)意外な犯行動機を生み出しており、フーダニットやハウダニットというより、ホワイダニットの面白さが顕著だったと思います。 語り口は静かでありながら、不思議な余韻の残る連作短編集でした。

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    投稿日: 2014.02.03
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    世界が舞台のミステリ短編集。創元推理文庫にふさわしい文体。こういったゴシック的なミステリー小説を読むのは久しぶりだった。前半の短編は好みだったが、残念ながら表題になっている2作は好みのものではなかった。

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    投稿日: 2014.01.31
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    ミステリがそれほど好きではないらしい私でも、この本がとても面白かったのは、ここに収録されているストーリー達の主題が、犯人探し(フーダニット)よりも殺害方法(ハウダニット)よりも、動機(ワイダニット)だからだと思います。 もちろん、犯人探しもするし、殺害方法の推理も行われるし、今っぽい叙述トリックでも驚かせてくれるんだけど、それらは文字通り、手段であって目的ではない。 文化も価値観も違う異国のなかでは、その動機こそ目から鱗。

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    投稿日: 2014.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    国際情勢に関する雑誌を扱う会社のジャーナリストの青年が世界で出会った出来事をまとめた感じにしたフィクション短編集。 舞台は サハラ砂漠。スペイン。ロシア西部。南米アマゾン。東ティモール。と多岐に渡り、世界を旅する感覚を味わえる。まあフィクションなんだけど。 起きる出来事は大体人の命に関わること。 命に対する価値観の違いを妙に描いている。 不完全燃焼の部分もあるけど、なかなか面白い。

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    投稿日: 2014.01.31
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    私この本すごく好きです!! 主人公が7カ国語が完璧っていう点は現実味に欠けていて違和感があったけど、宗教や思想、文化のようなその土地特有の色と謎が合わさって、「異世界」の感触のようなものが感じられる。異文化や得体のしれないものに対する漠然とした不安に触れてみるのも面白いと思った。

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    投稿日: 2014.01.21
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    雑誌社の社員・斉木を主人公にし、海外を舞台にした五編から成る連作短編推理小説。全体的に評判ほどではなかったが、『砂漠を走る船の道』が一定水準に達していたように思う。 『砂漠を走る船の道』は砂漠を旅する一団の中で発生した殺人事件の真相を斉木が推理するというもので、読者はその真相を知った時に驚愕するだろう。SFの古典『冷たい方程式』のような感じかな。 他には『白い巨人』『凍れるルーシー』『叫び』『祈り』を収録。

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    投稿日: 2014.01.21
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    砂漠を行くキャラバンで起きた連続殺人、スペインでの風車から消失事件、ロシア正教会のとある修道女の聖列、南米のある集落で起こった感染病・・・ある青年が世界各地で出会った謎の短編集。 その国、民族、思想が事件の動機となってるので読んでて新しい感覚でした。日本住んでる私では想像つかなかったりするので、面白かったです。 砂漠のキャラバンの話が一番好きかな・・・そういう動機か!?とビックリしました。

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    投稿日: 2014.01.12
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    週刊文春の第2位とかこのミスの第3位とか、帯にこういうこと書いてあるのに弱いよねぇ、全くノーマークだったけど、買っちゃった。 外語大を卒業し7か国語を操る斉木が、携わる雑誌の取材で訪れる外国の街で遭遇する数々の異様な謎や事件…。 赤茶けた砂漠とオアシスの緑、灼熱のスペインの空と風車の丘、灰色に凍えるロシアの修道院の森、どこまで行っても濃い緑のアマゾンの奥地。 どちらかと言えば、謎解きよりも、丹念に描かれる異国の情緒と佇まいが印象に残る。 終章、それまでの冒険譚が謎めいた場所での謎めいたやり取りに収斂し、その前の話で描かれた滅び行く部族の痛切な叫びが、斉木個人の物語へつながる作りはなかなか意味深。

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    投稿日: 2014.01.12
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    本屋大賞ノミネートほか、各種ミステリーランキング上位入選という帯に惹かれ、書店で手に取る。 新人賞を受賞したデビュー作を巻頭に、さらに同じ主人公の話をを4つ加えた連作短編集。そのどれもが異国の特殊な風土、文化があってこその事件で、既存のミステリーとは毛色が異なる。 トリック偏重であらすじ書きのようなミステリーには辟易しているが、この作者はまだつたない部分はあるものの文章も丁寧で、小説としての味わいがある。今後もトリックのみに走らず、独自の世界を追求して欲しい。

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    投稿日: 2014.01.10
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    外国の特殊条件下での推理劇の短編。 なかなか考えるのが楽しい。 と思いきや、最後のどんでん返しもきれいでした。

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    投稿日: 2014.01.09
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    短編から連なるミステリー。 作品ごとのクオリティは高いけど、ちょっと短いし、最後のまとめの章は、いらなかったかも知れない。

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    投稿日: 2014.01.04
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    ミステリ新時代の到来、と言ってしまうと多少オーバーな表現になるでしょうか。なるか← ですが、私は日本の推理作家が、推理小説飽和状態(飽くまで私見ですが)の昨今にあって、この作品を書いてくれた点だけを取っても評価したいのです←謎の上から目線( ^ω^ )←← 日本のミステリ界の未来は明るいぜ\(^o^)/ひゃっほー ワイダニット〜?イマイチ!ハウでなんぼよ〜!な、ミステリスキーを自認する方にこそ読んでほしい作品です。 とにかく、この動機は、新しい! 一言で言うと、それに尽きます。 個人的怨恨ではなく、その土地土地の文化や慣習に根差した、非常にシンプルな価値観によって引き起こされた事件が、端正な筆致で描かれています。 「何故、殺さなくてもよい人間を殺したのか?」ーー平和な日本に安穏と暮らす私達からすれば想像だにできない驚愕の犯行動機が、日本人青年の目を通して明らかになります。 それと同時に、作者が巧妙に張り巡らせた第二・第三のミスリードに気付いた時の快感といったら、もう…至福〜!(笑) 読んだ人と意見交換したくなるミステリですね( ^ω^ ) そんな風にミステリスキーを喜ばせながらも、「叫びと祈り」というタイトルに込められた意味が明らかになる最終章では切ない余韻も残す読み応えです。前の話までエキサイトしていた私は激しすぎる温度差にほんの少し戸惑ってしまいましたが、それも込みで普通のミステリではなかなか得られない読後感を味わえました。 続編も書けそうなのに、ここで潔く完結させたのも素敵。しかしシリーズ化は希望←← ◉砂漠を走る船の道…砂漠を行く行程の中でキャラバンのメンバーの1人が殺害される。キャラバン以外に犯人の存在し得ない中、犯人は何故、自らの命を危険に晒してまで殺人を冒したのか? ◉白い巨人…風車の内部に入って行った恋人の姿が消えたーー中世時代 に同じ状況下で消失した兵士の謎に迫る中、思わぬ真相が明らかになる。 ◉凍れるルーシー…修道院を訪れた斎木が目にしたのは、死してなお朽ちることない聖人の遺骸。ところが、聖人に祈りを捧げたいという司祭の一言から、状況は一変する。 ◉叫び…アマゾンの奥地で、致死率の高い役病が発生する。ところが死を待つしかない人々が殺害されるという奇妙な事件が発生する。 ◉祈り…「密林の奥地にある洞窟に掘られた寺院は、なぜ作られたと思う?」ーー患者を訪ねてきた友人が出す謎掛けの意図、そして驚愕のラスト。

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    投稿日: 2013.12.27
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    5つの短編から成る物語である。最初の1編はよかったが、残りはオチが微妙だったり、トリックがやや難解だったりして、微妙でした。ただ、解説で瀧井さんがおっしゃっているように、「文章の美しさ、豊かさ」が感じられます。読者を酔わすような表現が随所にあるのです。5つの短編はそれぞれ毛色が違うので、ミステリーをベースにした、ファンタジーや青春ものの話を書くことも今後おそらく試みてくるのではないかと個人的に推測しています。

    1
    投稿日: 2013.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文章がすごくうまい!と思うのですが、個人的に、あまり心には響かない感じ・・・かな。 でも、今後の作品が楽しみです。

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    投稿日: 2013.12.12
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    海外を舞台にしたミステリー短編集。 文庫化を楽しみにしていた一冊です。 特殊な状況下での事件と、驚きの犯行動機。 舞台を外国としたことが、非常に効果的に働きます。 『砂漠を走る船の道』と『叫び』が好き。 最終話『祈り』のラストも素晴らしいです!

    0
    投稿日: 2013.12.11
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     世界各国を舞台に、ライターの斉木が活躍する連作ミステリー。  この本を読んでいて思い出したのは『文化相対主義』と『自民族中心主義』という言葉です。文化相対主義は全ての民族は文化で優劣を決めるものではなく、相手の文化や価値観を理解しようとする考え方。自民族中心主義は自分の文化を中心とし、他の文化を否定的にとらえるというものです。  なぜこの二つの言葉が思い浮かんだかというと、それぞれの短編の事件を解決には文化相対主義の考えでないと解決できないものばかりだったからです。 『砂漠を走る舟の道』はなぜ砂漠のど真ん中にいる最中で殺人が起こったのか、『叫び』では病気により近いうちに滅びうる部落でなぜ殺人事件が起こったのか、という謎が主題となります。ともに日本人の文化や価値観では図ることのできない理由や論理がその事件の裏にあります。  そうした異なる論理の世界での謎解きというものは、とても新鮮でした。殺人事件の話で抱く感想ではないかもしれませんが、改めて世界の広さ、さまざまな考えの人がいるということを思いました。トリックを解くミステリでもなく、かといって人の闇を解くミステリとも言い切れない。異なる価値観をもつ普通の人間の犯罪にどう挑むのか、ということを描いたミステリだったように思います。  斉木のキャラが薄かったようにも思うのですが、それもさまざまな文化を柔軟に受け取るための設定だったと思うと納得できるように思います。  作品のところどころに見られる文章表現も素敵だったと思うのですが、連作の最後を締める『祈り』の文章が何よりもよかったです。さまざまな価値観にぶつかってきた斉木が最後に何を感じ祈ったのか、ミステリの特異さを楽しむとともにこの部分にも思いを馳せてほしい小説です。  第5回ミステリーズ新人賞受賞作『砂漠を走る舟の道』収録  2011年版このミステリーがすごい!3位  2011年本屋大賞6位

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    投稿日: 2013.12.07
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    初作家さん。 ミステリーと思うとちょっと物足りないけど、ぐいぐいと 読ませるものがあり面白かった。 ただどの短編もラストわかりにくかった、というか中途半端な感じがした。 今度は長編を読んでみたい

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    投稿日: 2013.12.04