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青い麦
青い麦
コレット、河野万里子/光文社
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総合評価

26件)
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    たまたま手に取り気になって読了。 溌剌とした青い少年少女が少し大人になるお話し。 独特で柔和だけど核心をついてくるセリフの言い回しが好きでした。表現には好き嫌いがあるかもしれません。 少年の複雑な心境と好奇心ある言動、少女のどこか俯瞰した諦観が垣間見える発言、お年頃だもんな〜と感じた。

    0
    投稿日: 2025.11.18
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    作家コレットの伝記映画が出る頃に存在だけ知っていて、少し気になった頃に図書館で発見して読んだ。 自然の描写、心理描写ともに良い。また解説も今まで考えたことない時点で面白かった。著者はスキャンダラスな人生でありながらかなり多作でもあったようで、他の作品も読んでみたい。 20歳前後で読んだらもっと味わえたと思う。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    新潮の堀口さんの翻訳が読みにくかったのでこちらで読破。光文社さん新訳出してくれて本当にありがとう。 ガッツリ未成年への性犯罪があるのでなあ…。なんかな〜…と思いながら読んでいましたが、解説にてフランスでは本作が書かれる少し前までは少年の恋の相手は人妻であることが「当たり前」だったとのことなので、少し納得。

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    投稿日: 2024.02.01
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    なんで表紙、青いカニなん…????と思ったら、開幕1pでまさにそういう内容だったのねん… いや~~~大人と子どもの狭間!!いい意味で古典文学だなって…

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    投稿日: 2022.07.28
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    急に古典小説が読みたくなって、いつもお世話になってる光文社古典新訳文庫から青臭い青春小説の『青い麦』と『肉体の悪魔』の2冊を借りた。どちらも16歳の少年が人妻と初体験をしてしまう話で、その対照的な内容を楽しむのが目的だった。 果たして結果は上々。2冊読まないとその違いがわからないので速攻で読んでの感想だけど、まず、フランス文学は難しい(そこかい!)。 抒情的な表現や情景描写がいたるところに挟み込まれ物事は2行で済むのにそういった表現のおかげですごくスローペースなので、ジェットコースターなドラマ慣れしてるときつく感じる。逆にそれを楽しむのがフランス文学なんだろうけど、嵐が丘のヒースクリフとキャサリンのような激しい愛憎はなく、未成熟な15歳と16歳の淡い幼馴染の兄妹のような恋人のような恋中に突如合わられた成熟した人妻が現れ、少年は体験を迎えていつもそばにいた女の子を女として意識し、また、いつもそばにいた男の子が体験を迎えて心情に変化した事に気づいた女の子も女として感情を露わにしていく、しかしどちらもがまだ幼く若い、そんな切ない恋物語をこの齢になって読むとまた感慨深く懐かしくもさえ思えてきた。 若いっていいなぁと切実に思うw

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    投稿日: 2021.03.29
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    おフランス…!という感じでした。 ヴァンカ、本当に15歳?家庭的通り越してる気がしますがこの頃の外国の娘さんはこんな感じなのかな… カミーユのせいで…みたいになってたけど、小さい頃からお互いを知りすぎてるというのも問題アリなのかもしれないと思いました。苦い。

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    投稿日: 2020.09.15
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    性的欲求のためかなり苦しんでいる主人公。 人間模様の変化、官能の芽生えが瑞々しく描かれている。 嫉妬や焦燥感、不安、悲哀と思春期ならではの陰影に富んだ心の機微が細やかに描かれていた。

    0
    投稿日: 2020.09.04
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    フランス、ブルゴーニュ地方の断崖が続く美しい海岸に建つ別荘でのひとつ屋根の下での未成年者二人の激しい恋。 純情多感な二人の激しい心の葛藤、目まぐるしく変わる感情の起伏、自分の気持ちを押し止める事ができずストレートに相手にぶつけてしまうが故に起こるすれ違い。不器用だが切なく、もどかしい。 年上の女性に翻弄される青年という設定はフランス映画でよく見た記憶があったが、本書の解説で語られる興味深いフランスの恋愛事情で納得。 夏の終わりの美しい情景が二人の接触を嬉しくも悲しくも演出する。その素敵な風景に浸れました。映画化されているようなので機会があったら観てみたいです。

    0
    投稿日: 2020.06.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    年上の女性とそういうことをして、世界が変わるほどの衝撃を受けて鬱々とする少年。 幼馴染の少女としてみると、彼女は恋にひたってうっとりとしている。男と女の違い…?

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    投稿日: 2020.01.11
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    詳細は、こちらをご覧ください あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート 「青い麦」 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1284.html 解説を読んで初めて、フランスの1920年代までの ブルジョワの暮らしを知り、驚きました。 そういう背景を知らずに この本を読むのとでは 大違いでしょう。

    0
    投稿日: 2019.10.28
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    友情から恋愛へと発展していく過程で生じる苦しみについて描かれている本。 風景描写に力点を置き過ぎているきらいがある。もう少し、詳細な心理描写が欲しかった。

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    投稿日: 2019.07.24
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     同レーベルで、色々な小説を読んできた。解説の豊富さから敷居の低さが嬉しいが、一方で、海外文学は敷居の高いものだと思わせられるものもあった。  あらすじに目を通したときは、この小説は楽しめそうだなと思ったんだけど、よく分からないまま終わってしまったように思う。  思春期の、自分の変化を受け止めきれない中での恋心は、確かに読んでいて素敵だなと思う。買われない恐怖と変わってしまう恐怖に苛まれるフィリップ、「女の子」にはない「女」という武器を持ってしまったヴァンカ。じっくりと描かれていて、懐かしむところもあれば、自分はまだまだ子どもだなと思うところもあった。  が、どうしても物語の中になかなか入っていけない。とりわけ風景描写がよくイメージが沸かなかった。かなり子細に描かれているであろうことは伝わってくるのだけど、視覚的にヨーロッパ(しかも当時。)のことを知らないと、この手の小説は厳しいかも。  聖書を読まずに西洋の文学を読むことはできない、みたいな言葉は聞いたことあるけど、聖書のみならず何でも知らんとなと思わされた(そもそも新約聖書は読んだことすらないけど)。

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    投稿日: 2019.06.30
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    鹿島茂さんの解説によると、恋愛の本質はイニシエーションらしいです。 はて? その辺りは自分にはよくわからないけれど、フランス文学や作者についての解説がわかりやすくて良かったです。

    0
    投稿日: 2018.04.13
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    幼馴染と、夏に出会ったマダム。ああ、僕は。 フィリップは別荘で夏休みを過ごしながら、幼馴染のヴァンカとすれ違う自分、マダム・ダルレイに惹かれていく自分をもてあます。大人になりゆく少年の戸惑いをみずみずしく描いた作品。 この作品は、「若い男女の恋」を描いたことで画期的だったそうである。なぜかというと、それまでフランスには「若い男女の恋」がなかったから。恋愛マスターのフランス人をイメージすると「!?」となってしまう。それまでのフランスの恋愛は、若い男と人妻だったり、男と高級娼婦や階級が下の若い娘との金銭的恋愛だったりと、ベテランが若者を導くような恋しかなかったらしい。 本文は「あーはいはいわかるわかる、夏休みの別荘、年上の女性、ひと夏の体験、思春期、ヴァンカの気持ちをわかってあげろ、しかしこういう年代ってあるある」など、通常運転のオシャレなフランス文学と思って読んでいたが、解説でその話を知ってびっくり。あらためて、新しい恋愛を描いたコレットの才能に感服。現代でもこういう話あるよな、と思うのは、いつの時代も普遍的な人間の姿を描いているということ。

    1
    投稿日: 2017.09.21
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    文章の中に色彩と香りを閉じ込めた素晴らしい物語だった。不器用な幼い恋をヴィヴィッドに灼ける青い夏に、秘密と嫉妬というほろ苦い果実の味を知った二人を深い群青の秋の憂いに映す鮮やかな筆致。短い夏を毎年海辺の別荘で過ごすフィリップとヴァンカに訪れる、微妙な恋の温度差。ことに年上の女性との逢瀬のあと夜更けの丘で逡巡する場面と、少年の秘密を知ったヴァンカの心情との対比が実に見事だった。雲が太陽をよぎる瞬間の静寂、タイムの葉を包む手に移った香り、朝焼けに赤くたなびく靄。フランス映画を観ているような映像美に溢れていた。

    0
    投稿日: 2016.07.22
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    最初は正直フィリップの青さにすごくイライラした。けれど最初薄っぺらいと思っていたヴァンカがストーリーを追うごとにすごく面白くなった。最後の方はとくによかった。あとはちょいちょい訳の言葉遣いが気になったのでフランス語をもっと勉強して自分で原書を読んでみたい。 p.134「だって、わたしにいじわる言ってるあいだは、そこにいるでしょう、あなた……」

    1
    投稿日: 2015.10.25
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    解説とあとがきを読んで、「なるほど、こういう話だったのか」と納得した部分が大きい。本編だけを読んだ印象としては、夏の描写が綺麗だと思った。そしてこういう恋愛の話は苦手だとも……。

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    投稿日: 2015.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    16歳の男の子が15歳の幼馴染と「大人の関係」になりたいんだけど、どうしていいかわからないでいたら、三十路を過ぎたマダムに誘われて…ってお話。 ところどころの描写にラベンダーとかタイムとかいろんな香りが出てくるんだけど、内容は全体的にモワっとしていて、好みのお話ではありませんでした。 作者さん自身も40代のときに30歳年下の再婚相手の連れ子さんと危ない関係だったそうで、おフランスはすごいな~と思いました。

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    投稿日: 2014.12.26
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    「シェリ」「シェリの最後」「青い麦」とコレットを読破。あまり恋愛小説は得意ではないな。私自身がレンアイに向いていないのかも。

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    投稿日: 2013.02.07
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    15,6歳の頃って根拠のない自信と、将来への不安が交互にやってくるよなあ、と共感。 フィリップもヴァンカもお互いのことを好きで、支配欲すら併せ持つくらいなのに、随所で不安が現れてくる。そんな心の動揺を、あえて悪く言えば執拗なまでに描いてた。おかげで、自分まで彼らの考えの中でぐるぐると堂々巡りしそうになるくらい。心情表現そんなにするのかと。 海外作品にしては平易で読みやすかったけど、登場人物に共感できないと読めないと思う。

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    投稿日: 2012.07.17
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    光文社古典新訳文庫シリーズの特徴は、奔放な翻訳と優れた解説、この二点だと個人的に思っている。 その意味で、コレットの『青い麦』を河野訳で読むことの面白さは、彼女の明快な解説と共に評価するのがよいと思う。彼女の解説は、若い男女の恋愛を描いた『青い麦』のテーマは、いかにもありふれて見えるのに、なぜ仏文史上「新しい」ものだったかを、コレットの伝記的事実も交えながら、分かりやすく、興味深く説明している。 本作を読んでまず目にとまるのが、夏の海辺の家を背景にした爽やさな情景。そして、十代の男女恋愛がもつ苦々しさを繊細に描いた巧みな心理描写である。謎の三十女が登場する展開は、フランス文学のおなじみのものだが、二人の主人公の関係が変化するための契機として効果的に使われている。直接的な性描写を排しているのは、何も彼女が性的なことがらに嫌悪感をもっていたからではなく(そうでなければストリップ同然のパントマイムを仕事になどできないはずだ)、十代の男女のぎこちなさを表現するのに適当だったからであるようにも思う。

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    投稿日: 2011.12.19
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    お酒が入ってて、苦いオレンジみたいな味がした。フランスの恋って、もやもやしててクラクラするのかな、読んでると。

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    投稿日: 2011.10.03
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    小説自体も面白いのですが、あとがきが特に興味深かったです。 あとがきでは当時の恋愛事情がまとめられています。 なぜこの「青い麦」が当時のフランス文学界に衝撃を与えたのかを説明するためですが、 私が長らく疑問に感じていた、フランス小説で人妻と若い青年の恋愛が多い理由が分かり、なんだかすっきりしました。

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    投稿日: 2011.06.11
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    少年少女の初めての性の前後における心身の繊細な描写と避暑地の風景。 大人は影。少年に初めての性を教える年上の女性も影。 少年と少女にもだんだんと影が差していく。 そしてまだ残る童心の輝きや色彩豊かな風景と、迫り来る影とのコントラストの中に切なさ、甘酸っぱさがあるんだろうな。

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    投稿日: 2011.05.08
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     純粋に愛し合うがゆえに関係が変わってしまうことを恐れ危ういバランスの上にたっている少年少女と年上の女性。今読むとかなりありがちなストーリーだが、解説を読むと1922年のフランスの小説としては画期的な内容だった模様。  しかし、思春期まっただ中の少年少女の揺れ動く繊細な情感を瑞々しく描いていて、心理描写と密接な関係を持っている随所に挟まれる植物、風景の描写も凡百の似たような小説とは一線を画すかと思われました。  でも個人的にものすごく苦手なタイプの小説です・・・。

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    投稿日: 2011.04.27
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    あまり期待していなかったが、意外と面白かった。幼なじみの15歳の少女と16歳の少年がお互いを意識し始めた。そこに年上の若い女性が現れた。よくありそうなテーマです。各々の心の動きがうまく描かれていました。 また、解説の第一次世界大戦前のフランスにおける恋のパターンがフランス文学を読むのに参考になりました。6パターン分けされていました。ぜひご一読を。

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    投稿日: 2010.12.26