
総合評価
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powered by ブクログ聴了。 久しぶりの長編です。丁寧に編まれた物語が二転三転してどんどん大きくなり、行く先を見失いかけたときに、始まりの場所に綺麗な解決が根づいていました。今回もとてもよかったです。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
狼の化身であるホロと旅の行商人ロレンスの冒険を描く『狼と香辛料』シリーズが17巻で完結した後の後日談を描く『Spring Log』シリーズも、順調に物語が進み、ついに7冊目となった。長くシリーズを追いかけてきたのだが、今のところ『狼と香辛料』シリーズは2023年に刊行された本作が最後となっており、ようやく追いついた形になった。 長らく、この『狼と香辛料 Spring Log』は短編集、あるいは長くても中編という感じだったのが、久しぶりに本作は長編という形で物語が進んでいく。しかも登場するのは、かつてロレンスと死闘を繰り広げたエーブ・ボランということで、シリーズのファンにとってはかなり嬉しい展開となっている。ただしエーブとはホロとロレンスの結婚式でどうやら一定の和解がなされていたようで、これまでに比べればはるかに友好的に物語が進んでいく。 今回ロレンスがエーブと改めて対することになるのは、これまでの旅でロレンスが人々を助けた結果ということになる。2巻ほど前で、ロレンスはとある町(サロニア)の関税についての問題を解決したのだが、その時の対応により、別の町で進められていた経済発展の計画が頓挫することになってしまう。 そこにはホロが心を惹かれるような昔からの森があり、漁師たちはその森を守りたいと思いながらも、経済的な利益のためにその森を開発しなければならない事態になっている。 ロレンスは、その森を守る森林警護官とホロの願いを聞き入れて、森の開発を最小化した形でうまく経済的な自立を図ることができないかを模索することになる。しかし、その森を持つトーネブルクは莫大な借金を負っており、そしてその金の貸元が、かつてエーブとロレンスが戦いを繰り広げることになったケルーベの街なのである。 かつては金のためには手段を選ばないギラギラとしていたエーブが、今回も変わらずに暗躍していると疑うロレンスだったが、実際はそうではなく、10年という月日がロレンスとホロの関係を変えたように、エーブの生き方も変えたようである。 とはいっても生粋の商人であるエーブは、自分が利を得ることを忘れたわけではない。しかも、かつてと比べて地位が高くなった彼女は従える人間も多く、またホロとロレンスの娘であるミューリ、そして教会に旋風を巻き起こしているコルとの関係も良好であるということで、ロレンスが解かなければならないパズルは、より複雑さを増している印象がある。 もちろんハッピーエンドを旨とするこのシリーズであるから、物語はちゃんと落ち着くべきところに落ち着き、エーブがやや少なめの利益で我慢することを受け入れた以外は、登場人物すべてがハッピーとなるような終わり方をする。今回もその素晴らしいアイデアを生み出すのはロレンスということになっているのだが、10年間の間に行商人としてのカンと体力は鈍ってしまったものの、商人としての能力はやはり伸びているようで、**この旅では、とにかく次々と現れる問題を見事にさばいている印象だ。このままシリーズが続いていけば、彼にも「伝説の行商人」という二つ名がつく日が、そう遠くないように思える。ちょうどコルが「薄明の枢機卿」という二つ名を得たように。 最近はこのシリーズ、すっかりホロとロレンスの痴話喧嘩のような話が多くて、それはそれでつまらなくはなかったのだが、やはり本作のような物語を読むと、著者の本領はこういった商人ストーリーでこそ発揮されるのだなと感じる。 どうやら世界観としてはコルとミューリが活躍する『狼と羊皮紙』の方に力を入れているらしく、この『香辛料』シリーズはゆっくりとした形で進んでいるらしいのだが、これからの展開にもどうしても期待してしまう。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ「第一幕」 有名な行商人に頼む事。 一つの問題を解決したからといって、全てが上手くいくことは難しく知らないところで問題になるのだな。 「第二幕」 食い違う話の内要とは。 背負うものも大きければ考えなければいけないものも多数抱えているからこそ、余計に不安なのだろうな。 「第三幕」 胡散臭い狼に会うため。 聞いた話と行った先が悪かったのもあるだろうが、今までの経験上と冷静に思考を巡らせれば気付いたろ。 「第四幕」 違和感が頭を過ってく。 もっと早い段階で気付けていれば、現在持っている情報以上のものを手に入れることが出来ていたかもな。 「第五幕」 皆が損するのではなく。 一人勝ちをしようとしたからこそ、抜け穴を見つけられて計画が少しずつ崩れていってしまうのだろうな。
0投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログ★穏便に済んで欲しいものですよ。(p.266) ■5つのポイント /ホロ&ロレンス組では久しぶりの長編。 /開発されそうな深く豊かなトーネブルクの森を守れるか。森の真の豊かさとは、下生えの草→家畜の餌→糞→肥料→周辺農業を支えるという目に見えない巨大交易がなされている。 /あのエーブと久々の再会、身構えるロレンス。だが今の彼女はコルとミューリの側についているという。 /それぞれにとっての森。商人視点、領主視点(維持管理視点)、民視点(畜産視点)、ホロたち森の住人視点(自然視点)。《どうもここに悪い奴らはいなさそうだ》p.144。《カーラン、トーネブルク、ケルーベは、どれかふたつを助けると、必ず残りひとつが沈んでしまう。》p.266。エーブ=カーランではないのでエーブというポイントもあるかも? /ロレンスはうまい落とし所を見いだせるか?
0投稿日: 2023.11.28
powered by ブクログやっぱりホロとロレンスの方が面白い。久々の長編で、エイブも出てきて、前作のサロニアでの一件が、その先でえらいこっちゃになってしまっていて、それをなんとかする。というような筋。ホロ大活躍。どないして、おさめるんかと、思いながら結構ドキドキして楽しく読めた。
14投稿日: 2023.03.18
powered by ブクログ好敵手再び! 本編で2度まで命を懸けたやり取りをしたエーブの登場。 羊皮紙の方ではすでに何度も登場しているので今のエーブは昔と違い、ひりつくような危なっかしさはなく文字通りの大商人になっている。 対するロレンスも、もはや商人ですらないということで、巨利を巡っての緊迫した戦いにはならない。 それでもやっぱりこの二人が合うとわくわくするよなあ。 エーブはその大伽藍のような企みの中でロレンスを駒に使おうとするし、ロレンスはホロのために大切な森を守ろうとエーブに一矢報いようとする。 そしてラストの展開は、これぞ狼と香辛料! と言いたくなった。 多分エーブにとって、商人でなくなったロレンスはある意味ふがいないと思っていただろうけど、今回の事は憤慨しながら楽しかったんじゃないだろうか。 互いに立場が変わったからこそ、まるで知的遊戯を楽しむようなやり取りだったように思う。 コルとミューリの事を「お姉さんは心配だよ」と言えるエーブには幸あれと願わずにはいられない。
1投稿日: 2023.02.28
powered by ブクログカーランとケルーベの間にある豊かな森をもつトーネブルク領。 ロレンスと賢狼ホロは、森林監督官マイヤー・リンドに頼まれ、森を切り開き木材をとり、鍛冶場をつくるという計画を阻止し、森を守ってほしいとの頼みを引き受け、領主のマチアスと会う。 エーブ・ボランにより羊毛の対価の木材、ケルーベに対抗しようとするカーラン、生き残りをかけたマチアスそれぞれの事情を聞き、一時は森を切り開くのも致し方ないと考えるロレンス。 しかしケルーベのローエン商業組合幹部ルド・キーマンと会い話しをし、ホロの協力を得て、水車をつくり羊毛の糸から毛織物を生産することで森を切り開き木材を売るよりも長期的でかつ相互に利益のある構想を描く。 ロレンスとホロは、コルとミューリのやってきたことを見聞きするため、さらに旅を続ける。
0投稿日: 2023.02.03
powered by ブクログ久しぶりの長編かつ旧知のキャラ、エーブの登場で懐かしくなりました。とはいえエーブは羊皮紙の方で実質準レギュラーなので、かなり2作品がクロスオーバーした感があって楽しかった。俯瞰してみて改めてコルの影響力すご、、となるし、街同士の大きく複雑な軋轢をパズルのように組み立ててやりあうロレンスとエーブもまた凄い商人だと思います。実益一辺倒だったエーブが、色々な経験を経て今が最高に魅力的なキャラになってるのめっちゃ好きやぁ、となりました。
0投稿日: 2023.01.30
