
総合評価
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powered by ブクログ登場人物のキャラが濃くて、普通の1日がなんか面白かった 菊ちゃんの兄のエピソードにはウルッとした 個人的には「主婦と交番」がハマった 交番のパトロールって…。
0投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夏の約束 著者:藤野千夜 発行:2003年2月15日 講談社文庫 「夏の約束」:初出「群像」1999年12月号、単行本2000年2月 「主婦と交番」:初出「東京小説」2000年4月(紀伊国屋書店刊) 3年前に単行本で出版された「じい散歩」が最近文庫化され、売れているらしい。僕は去年、「団地のふたり」という短めの長編小説を読んだが、なかなか面白かった。じい散歩を読むつもりだが、その前に藤野千夜という人がどういう小説を書く人なのか、四半世紀近く前に芥川賞を受賞した「夏の約束」を読みたくなった。 「夏の約束」 第122回(1999年下期)芥川賞受賞 たぶん、主人公は松井マルオ。29歳で新宿副都心の高層ビルに入る会社で働く。昭和の人気力士だった増位山似の男性で、身長175センチ、体重95キロ。なぜ太ったかという高校生の頃の経緯も書かれている。 それに対し、フリー編集者の三木橋ヒカルは小柄のようだ。2人はゲイカップルで、ヒカルが「おねえ」だという表現を使っている。20世紀末に書かれた小説、今とのLGBTに対する感覚の違いも少し感じられる。言うまでもないが、この小説はそうした問題について最先端の理解者でもある。 この2人、一緒には住んでいない。お互いの家に泊まったりするが、一緒に住むという話題もたまに出るけれど、「そんな気ないくせに」という言葉を返すなど、なんか距離感がすごくいいのである。ヘテロ(男女)の恋人カップルでも距離感のいいカップルがいるけれど、この2人は結構、心地良い。「好きだ」というのも、あっさりとたまにしか言わないが、それもほどよい感じ。 岩淵のぞみは24歳のOLで、会社での人間関係がうまくいかず、不満を持って暮らしている。田辺菊江と仲良し。彼女は25歳の売れない小説家で、三木橋ヒカルとは幼なじみ。この4人は、よく会っていて、今度キャンプに行こうという話になるが、マルオも行こう行こうといいつつ、いい加減にしか聞いていない。 岡野さんという女性は、マルオが住む家の1階に住んでいて、マルオとヒカルが手をつないで歩いているところを何度も見ており、マルオがゲイであることを知っている。岡野さんは会社の上司と不倫をしていたが、それがバレたら遠ざかられてしまった。 平田たま代は、男→女のトランスジェンダーで、オスなのにアポロンという名の犬を買っている。叔母さんが経営する美容院で美容師をしていて、ヒカルの髪を切っている。 こんなメンバーがなんということのない日々を過ごす。最後、少し事件はあるが、ストーリー的に大きな展開ではない。各人の人生の背景のようなものが語られていく、そちらが主題であり、性的マイノリティーとそうでない人との、表だった対立があるわけではないが、相容れない、不寛容な部分を柔らかくえぐっていくような、さらにいえば、菊江の兄の弱々しい幼少期の話などが語る障害者などのマイノリティーの問題なども意識させられる小説。一見、なんということのない短い話の中に、複雑に弱者やマイノリティーの問題をからめている文学作品だった。 主婦と交番 29歳のなつ美(専業主婦、夫はスポーツ新聞社に勤めて単身赴任中)は、小2の娘・美加から、ある日、どうして交番に女性がいないのか、という質問をされる。交番に興味などなく、まともに見たこともなかった彼女だったが、買い物のついでに見てみると、いろいろと見えてきた。ピーポくんというぬいぐるみが置いてあることを知る。彼女はそれを「ピーポーくん」だと思っていた。サイレンからとっているのだろうと。しかし、ピーポだと娘から指摘される。 杉並区に住む彼女は世田谷区の境界に近く、各2箇所ずつの交番に足を運び、観察するようになる。そして、娘から警視庁に行きたいといわれる。交番に張ってあるピーポくんが、ポスターで警視庁の見学ができると案内していた。 彼女は乗り物に乗れない。高校生の時に、人身事故の車両に乗り合わせ、人が轢かれた様子を勝手に想像し、満員電車の中で吐いてしまい、その体験が尾を引いていて狭い乗り物に入ると気分が悪くなった。警視庁の見学にいくと、エレベーターの中で吐きそうになり、緊急で降りることに。1階で乗り、5階へ行くのに、3階で緊急停止。階段で上がると言ったが、案内の警察官にそれはだめだと言われる。すべて団体行動で見学してもらう、と。見学辞退を申し出たが、それもだめだと。全員の見学が中止になる、とまで言われた。 そんな警視庁では、ピーポくんは、ピープルとポリスから命名していることを説明される。
0投稿日: 2023.11.12
powered by ブクログうすーいカルピスみたいな本。唯一のアクションシーンは終盤、顔に銅製の片手鍋が直撃するところぐらい。顎を割って入院した知り合いがいる自分にとっては、被害者の入院シーンは実にリアルに情景が浮かんだ。
0投稿日: 2023.10.09
powered by ブクログなんだこの独特な表紙は…??? と思ったけど、ある意味表紙そのまんまのテンションの内容だったんだな しかし、厄介な彼氏のいる太ったゲイ主人公とはたまげたな…
0投稿日: 2023.01.18
powered by ブクログこの作者が織りなす悲しみの雰囲気は、少しだけ癖になりそう。 ハッキリと書くことなく、ジワリと滲ませる感じ。 表題作の「夏の約束」について。 MtFの美容師がひょんなことから入院することになる。 友人らがお見舞いに行くと、同じ病室の男性から心無い言葉を聞いてしまう。 "隣のベッドに新しく入った中年男性が、白髪まじりの坊主あたまをなでまわしながら、あんた、おかまちゃんの友だち?とぎすぎすした声で訊いた" 酷い。あまりの無理解さに頭痛がする。 それでも、友人らは抗議することなく、当の本人が苦しむ描写も為されない。 だけど、一人のゲイとして、あえて描かれなかった部分が容易に想像できてしまう。 この他にも、マルオというゲイの登場人物に為された差別的なアクションがすらすらと書かれる。 決してドラマチックに書かないことで、こんな差別的な言動は日常茶飯事でありふれたものなのだ、ということがむしろ強調されていた。 そっか、1999年の作品。時代はまだ寛容への道すがら…。 同時収録の「主婦と交番」も悪くなかった。 電車恐怖症の主婦から見た世界は、マイノリティの生き方を感じさせて、夏の約束と同じエッセンスを持っていた。 話と登場人物がよりシンプルなだけに、こちらの方が読みやすいかもしれない。 さて、どちらの作品もある種の魅力的な囲気を持ってはいるのだけど、小説として秀でているかと言えば、凡庸さは否めない。ということは付記しておく。 芥川賞、やっぱりよくわからない。
1投稿日: 2019.07.21
powered by ブクログ登場人物にはゲイカップルやトランスセクシャルな女性、養護学校に通った兄をもつ作家や、乗り物パニック症の主婦など、世間でいうところの少数派に属する人達が沢山出てくる。世間の人達から好奇の眼差しで見られたり侮蔑されたりしつつも、彼らは彼らの日常を送っている。そんな日々を淡々と描いており、劇的な展開はないのだけど、胸にざわめきが起こる読書だった。そして自分自身がこの物語でいう「世間の八割」として少数派の人々を心のどこかで笑ったりしていないか、そんなつもりは勿論ないけれど、ふと考えさせられるような一冊だった。
0投稿日: 2015.11.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
藤野さんは好きだけど、どんな内容かざっくりと知ってしまったら、読み進めたい気持ちがなくなってしまった。冒頭からあんまり入れなかった。時間がめっちゃある時に読むかな。。男子同志のラブは興味ないです。。。
0投稿日: 2015.10.16
powered by ブクログ1999年下半期芥川賞受賞作。ゲイのカップルの日常を明るく描き出した小説。会社員のマルオはカミングアウトしたわけではないが、社内ではみんなにホモセクシュアルであることを知られている。相手のヒカルと街中でも堂々と手をつないで歩いたりもする。それで特に大きな不都合もないし、アパートの階下に住む岡野さんとの関係も良好。他にも性転換したたま代さんなど、ユニークなキャラクターが登場するのだが、では小説として新しいかといえば、登場人物の設定以外に斬新さはない。選考委員たちも素材に眼を眩まされた感がなきにしもあらずだ。
0投稿日: 2013.09.26
powered by ブクログマルオのトイレの個室で自分のことを罵った落書きを見て 生きる気力がわいたというのが印象的だった マルオはヒカルと手をつなぎながら歩いていて それを小学生に馬鹿にされようと怒らない それはマルオが強いわけでも優しいわけでもなく ただ、人一倍弱いから、そうやって気にしないように 紛らわしていたのではないだろうか それが体型、上司や同僚、知り合い以外の 知らない人としゃべるときの言葉遣いに表されている気がする。 最後の解説も凄く良かった。 今回は解説が本当に良かったかもしれない
0投稿日: 2011.12.14
powered by ブクログ星の数ある日常の一風景。 時にはライブハウス、 時にはステレオタイプに、 人間ドラマは動き出す。 まるで月光を遮る遠心分離器のようだ。
0投稿日: 2011.09.15
powered by ブクログ芥川賞受賞作品を全部読んでみようと思って読んだだけの本。 五年ぐらい前のことだったと思うが、今になってパラパラとめくっても、なにも蘇ってこない。ストーリーすら忘れた。 マルオとかヒカルとか、なんで登場人物がカタカナ名なのか?と思ったことを思い出した、ぐらい。。。
0投稿日: 2011.05.08
powered by ブクログトランスジェンダー、ゲイのカップル、障害者を兄弟に持つ女の子、パニック障害持ちの主婦…この小説に収められている二篇に登場するのは、マイノリティな人間だらけ。 こういうマイノリティである人々を扱った作品が芥川賞を受賞する、まずそのことが私は個人的に嬉しかった。 ただ、それだけあって受け入れられない人はまったく駄目だと思う。まずそういった人間を理解できなければ、不快感しかないかもしれない。 そういう“マイノリティ”を理解した上で読めば(もしも共感できたなら尚更)、登場人物の見方もきっと変わってくる。 表題作に出てくるマルオ、私は好きだな。あの鷹揚さ。「人の目を気にしたって仕方ない。僕は僕でしかない」といった、堂々とした感じ。 マイノリティであることを負い目に感じて堂々とできない人たちっていっぱいいると思う。それは、『差別や偏見をなくそう』とか言いつつやっぱり根底には差別や偏見があるような世の中だから、堂々としきれないのだと思う。 マルオのような人間が、マイノリティ・マジョリティ含めもっと増えたら世の中変わるんじゃないかな。 二篇目に出てくる主婦の気持ちはよく理解できました。 私がこの小説にいろいろ感じてしまうのは、きっと自分が(元?)マイノリティ側の人間だからなのでしょう。
0投稿日: 2011.01.23
powered by ブクログ読後感は「夏の日のレモンスカッシュ」それも氷が融けて味が薄くなったような。ゲイの主人公と最初は重い感じがしてちょっと抵抗があったけど、さらりと読めました。
0投稿日: 2010.02.01
powered by ブクログいつか読もうと思っていた本。 芥川賞受賞作だったんですね。 主人公がゲイなのは知っていたけど、デブとは思いがけなかった… 会社員のマルオは95キロ。編集者で小柄な恋人のヒカルとは手をつなぎっぱなしでデートをする仲。つなぎっぱなしにする必要性をこっちは感じないけれど、二人で宣言するような意味があるのかな〜。 今は女性になった美容師のたま代や、ヒカルの幼なじみの小説家・菊江など、彼らを囲む女たちも、ちょっとヘンだったりする〜ゆるい友達つきあいが描かれていて、なかなか良い感じです。 もっともの悲しいのかと思ったけど、嫌なこともありつつ、滑稽な日常。 2000年発行。作者は1962生まれ。
0投稿日: 2010.01.21
powered by ブクログ学校の図書館にこんなに面白い本があるなんで、びっくりした。そして読んでからも友達に紹介した。この本はゲイのカップルから展開する話だ。ちょっと太いマルオとヒカルが男性同士だが、恋人で、周りの友達がおかまもいる。たま代という人で、なんで男は女になったが、本にそんなに書いていないが、たま代はアポロンが大好きだと私が思う、アポロンはたま代みたいに恋の気持ちで二人の出逢いと感じなくても、たま代が一方的でも自分が後悔しないって、ヒカルとマルオも好きな気持ちが耐えなくて、周りの人に変な眼に見られても、普通でデートしたり、手が組んであちこち歩いたりしている。一番面白いのはマルオがヒカルの幼なじみ菊江の焼きもちする時だった。ジャンプという夏の約束もあきらめるって。 本を読んで、実は男同志や女同志の愛で、多分自分想像以外にそんなに変でもない、深刻感も感じられるだろうと思った。
0投稿日: 2009.10.30
powered by ブクログゲイのカップルが主役。 この二人が、微笑ましい。ちょっと、全体として軽すぎて しまう感は否めないが。。。
0投稿日: 2008.07.10
powered by ブクログゲイカップルが主役ですが、肩肘張らず自然に日常を描いています。 何気なく何度となく読んでしまう、そんな本。
0投稿日: 2008.06.24
powered by ブクログ芥川賞受賞作だそうで。同性愛者の恋人同士、肥満のマルオと自称ジャニーズのヒカル、トランスセクシャルのたま代さん、不倫していた予言が特技の岡野さん、おばかの岩淵さんに売れない作家の菊ちゃん…。何だかどこか弱くて、情けなくて、ダメな愛しい登場人物たちの淡々とした日常です。
0投稿日: 2006.07.16
