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亜愛一郎の狼狽
亜愛一郎の狼狽
泡坂妻夫/東京創元社
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総合評価

88件)
3.8
10
42
18
3
0
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    亜愛一郎の「ドジだけど鋭い」という愛され特性のおかげでシリアスになりすぎないのが良い。舞台もセオリーを無視した意外な場所が多く、足並みを揃えるようにトリックも意外なもの。さらにそれに対向するかのごとく探偵が奇妙なロジックによって推理を行うもんだから読み心地も奇妙。かつ軽妙。愉しい。キャラの元ネタである『ブラウン神父の童心』も読みたくなった。

    4
    投稿日: 2025.07.08
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    長身で彫りの深い端正な顔立ち、色白で知的な雰囲気で女性の心をとらえて離さない美男子なのに運動神経はまるでなく不器用でおっちょこちょいな青年写真家亜愛一郎。彼が行く先々で遭遇する事件を地道な捜査はほとんどせず、ホームズばりの観察眼だけで見事解決していく連作短編。愛一郎の飄々としたキャラがいい。暗号解読です謎を解き明かす『掘り出された童話』が特に良かった。

    0
    投稿日: 2025.06.26
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     ルックスが良いけどどこか抜けた部分があり、だけど推理はピカイチであるカメラマンの亜愛一郎が行く先々で事件と遭遇し解決していく短編集で、ユーモアと謎解きがしっかり絡み合っていて面白かった。特に『掘出された童話』が一番お気に入りだった。

    2
    投稿日: 2024.11.01
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    <目次> 略 <内容> 自分の蔵書から。トリッキーな作品が多い、泡坂妻夫の第1作品集。「幻影城」の第1回入選作の「DL2号機事件」から倒叙型の「黒い霧」まで。黒い霧は事件が発覚する以前に、事件を解き明かすという、ますますトリッキーな展開。探偵役のカメラマン、亜愛一郎の活躍が良い…。

    0
    投稿日: 2024.08.10
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    コミカルな探偵役の亜愛一郎が魅力的。 デビュー作ながら短編の構成力は抜群。短いページで綺麗に伏線回収を行っている。右腕山上空、掘出された童話がお気に入り。

    0
    投稿日: 2024.06.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    米澤穂信がおすすめしていた作家であり作品だったので読んでみた。 三角形の顔をした老婦人がたびたび出てくるのはモブの使いまわし的な、ただの遊び心の表れだろうか。 「DL2号機事件」 大きな地震があったら近いうちにはまた起きないだろうと考える心理に初めて触れて面白かった。それで殺人まで起こそうとするのは異常だけど、異常だから殺人まで犯すのはわかってしまう。 これをデビュー作にするの、犯人の心理に興味がありますって感じで面白い。トリックじゃないんだな。ハウダニットよりホワイダニット派ってことかな。 「右腕山上空」 そう思ったらちゃんとトリックの話だった。 塩田がたくさんの女性と結婚し離婚しながらも、10年間も秘書が好き、というのがさらりと描写されてるのがすごい。でも深くは書かない。面白い。 殺人トリックは言われて見れば、なあんだ、だけど、この時代だったら完全犯罪になりそうで面白かった。 「曲った部屋」 違う部屋で殺して家具の入れ替えというトリック。それを示唆する描写が面白い。 最後、小網と亜が鏡の前にいるけど、酔っぱらって泊まったのか、なんなのか。ちょっと気になった。 「掌上の黄金仮面」 銀行強盗と殺人が絡み合う。これも、被害者の挙動を観察してたらわかるやつ。面白い。 「G線上の鼬」 タクシー強盗の話が絡んでて面白かった。飲酒運転やば。おおらかすぎる。 右腕山上空の気球の時と似てる。一人だと思ったら二人いたやつ。 「掘出された童話」 この童話絶対暗号!とわかるが、解くのがだるい。モールス信号出た~の気持ち。書体にこだわったのがポイントだったんだな。 最後ちょっとオカルトめいてたのが面白い。 一荷と亜のやりとりがちょっとほもほもしい感じ。時代なのか?そういうものなのか? 手錠まで付けるの面白い。 「ホロボの神」 戦後の生々しい感じが良い。この時代、遺骨を取りに行くことしてたんだなとわかって面白い。最近、海の底の遺骨も回収しようっていうのは聞いてたけど、それまでどんな活動していたかよく知らなかった。 「黒い霧」 犯人像が安易すぎるけど、それがやりたかったんだろうなって感じ。商店街の人達のケーキや豆腐の投げ合いが牧歌的。 どれも面白かった。 解説で、『幻影城』を作った島崎博がさらりと消息不明となっていたのが気になった。それで良いのか???大量の本のコレクション置き去りにしちゃうのも、謎の失踪じみてる。今だったらニュースだと思うが、流されてるのが面白い。関係者はあまり面白くなかったと思う。

    2
    投稿日: 2024.03.06
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    本名:厚川昌男(あつかわまさお)で、筆名:泡坂妻夫はアナグラムだった。 どうやら「あ」にこだわったようで、デビュー作「DL2号機事件」の主人公の名前を「亜」にしたようだ。 謎解きの語り口は理路整然としていて"刑事コロンボ"を思い出した。 「亜」は自称カメラマンのようだが、なぜか事件現場に居合せ謎解きを語る役回り。 人間の思考の癖とその思考に基ずく行動を推理したり、思考パターンを逆手に取った行動に注目したりして、真相解明するのは手品の仕掛けをばらすようで面白い。 背が高くてハンサムで力持ちらしいのだが、カッコイイという感じはなく、少しすっとぼけている印象が強い。 戦争にまつわる描写や、モールス信号、フィルムのカメラ、どこでも喫煙、ミルク配達人、など昭和の匂いもプンプンする作品だ。 「亜」だけでなく登場人物の名前も変、「緋熊(ひぐま)五郎」「鳥尾杉亭(さんてい)」「二毛(ふたげ)敏胤(としたね)」「藻湖(もこ)刑事」「佐藤看七(かんしち)」などなど… 藻湖刑事が再登場した時は、名前が奇抜だから覚えていたので、そういう狙いもあったのかと思った。 謎解きのタネは奇抜で無理があるのだが、明かされてみるときわめて論理的なので妙に納得させられる。 私は奇術も大好きなので、このような常識的な思考の隙を突かれる泡坂作品は好きだ。 どの作品も全く想像が及ばないところに真相が隠れていた。 マジシャンの頭の中にある騙しの技術を知るという目的でも楽しめそうだ。 「亜」シリーズは3部作であと2冊あるのだが、字が小さく(42x18)読むのが辛かったので躊躇してしまう(´ω`)コマッタナァ...

    48
    投稿日: 2024.02.18
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    1994年文庫初版、作品自体は1976-77年に島崎博編集の雑誌「幻影城」が初出なので、少しばかり言い回しがレトロな部分もあるが、の割に基本読みやすかった。背が高く整った端麗な顔立ちにいつも背広にネクタイ姿のカメラマン[亜愛一郎]が関わった事件を推理解決していく短編が8話収録だか、場も事件内容もそれぞれ異なり、なかなか楽しめた。 以前読んだ小説に出てくる人物表現で、探偵亜愛一郎のような風貌とあり、亜愛一郎を知りたくて読んでみた。巻頭の「DL2号機事件」が作家デビュー作。

    0
    投稿日: 2023.12.16
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    並外れた推理力を持つが、ドジで運動神経皆無なカメラマン亜愛一郎を主人公とした連作短編周。 全ての短編で殺人事件が起こるものの、登場人物たちのクセが強いのもあって、終始コミカルでゆる〜い雰囲気が漂っていて、スラスラ読めました。 それでいて、全ての短編に伏線が綿密に仕組まれており、後半の推理パートでその伏線が一気に回収される様が圧巻。 シリーズ物なので次回作も読んでいきます。

    11
    投稿日: 2023.12.14
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    映画で乱れからくり、小説でしあわせの書と続いて3作目。東西ミステリーベスト100で16位の短編集です。 部分部分面白い編はあるのだけど(DL2号機事件、ホロボの神様は面白かった)、どうしてもこの人は自分の好みとは合わないみたいです。 原因は、ストレスフルな文体(場面転換の位置が分かりにくい、会話が何だか気持ち悪い)、創作上で努力をしている方向の"コレジャナイ感"でしょうか(暗号のトリックなど)。 この方は、本格ミステリと新本格の繋ぎ目辺りの作家さんのようです。どうしても作品が小粒感が漂うと言うか、中途半端な立ち位置ですね。。。

    0
    投稿日: 2023.10.12
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    「泡坂妻夫」の連作ミステリ短篇作品『亜愛一郎の狼狽(英題:A Is For Annoyance)』を読みました。 『11枚のとらんぷ』に続き「泡坂妻夫」作品です。 -----story------------- 雲や虫など奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン「亜愛一郎」は、長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、グズでドジな「ブラウン神父」型のキャラクターである。 ところがいったん事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。 作家「泡坂妻夫」のデビュー作『DL2号機事件』など全8話を収録した。 解説=「権田萬治」 ----------------------- 雲や虫など、奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン「亜愛一郎(あ あいいちろう)」を主人公としたミステリ作品… 50音順に並べた際にトップになることを狙って名付けられた「亜愛一郎」シリーズ全三作品の第一弾作品で、雑誌『幻影城』の1976年(昭和51年)3月号から1977年7月(昭和52年)号に連載された作品です、、、 先日読了した「乾くるみ」の『蒼林堂古書店へようこそ』で紹介されていたし、「文藝春秋」が編集した『東西ミステリーベスト100』の日本編で16位にランクインしていた作品です。  ■第1話 DL2号機事件  ■第2話 右腕山上空  ■第3話 曲った部屋  ■第4話 掌上の黄金仮面  ■第5話 G線上の鼬(いたち)  ■第6話 掘出された童話  ■第7話 ホロボの神  ■第8話 黒い霧  ■解説 泡坂妻夫と雑誌『幻影城』 権田萬治 『DL2号機事件』は、プロペラ飛行機DL2号機に爆弾を仕掛けたという脅迫が警備に届くが、何も起こらずに飛行機は宮前空港に着陸する… その真相を「亜愛一郎」が見抜き、事件を解決する物語、、、 DL2号機の爆破予告、階段でのつまづくふり、大地震の被害を受けた土地への転居… 一度起きたことは、続かないという、人の心理を巧く描いた作品でした。 「泡坂妻夫」のデビュー作… 丹念に伏線が張られた後に、意外な(とんでもない)真相が明かされるという展開が愉しめましたね、、、 奇妙な論理なんだけど、きっちりと張られた伏線によって納得せざるを得ない… という、不思議な読後感の残る作品でした。 『右腕山上空』は、CM撮影をしていた熱気球の中でタレント「ヒップ大石」が拳銃で撃たれて死んでいたが、気球は単身飛行だった… という事件を「亜愛一郎」解決する物語、、、 犯人はどのような方法で殺害し、どのように脱出したのか… 元相棒の「バスト浅野」を密かに同乗させ、気球の操作等の面倒なことを全て任せてしまおうとしたことが命取りでしたね。 まっ、空中という極めて限定的な環境なので、これしかないというアクロバティックなトリックでしたね… 犯人が残した葉巻の匂いがヒントになりました。 『曲った部屋』は、沼地を埋め立てた場所に建てられ、建物全体が傾くという欠陥があり、近傍にある火葬場からの煙で空気が煙り、奇妙な臭いの漂う美空ヶ丘団地(通称:お化け団地)の一室で身元不明の男が殺されていた事件を「亜愛一郎」が解決する物語、、、 団地って、奇数番号の部屋(ex:401)と偶数番号の部屋(ex:402)ってキレイに対称(鏡影対称)になっているんですよね… 傾いた部屋で更に傾けられて置かれたステレオ、排水口が逆に取り付けられた洗濯機、そして、電灯のスイッチやドアノブを逆側と間違える住人、これらの情報から「亜愛一郎」が鮮やかな推理で事件を解決します。 細かな謎や伏線が、エンディングでキレイに解明される手際は感動的… 家具が入れ替えられて、住人も隣りと入れ替わって、なりすまそうとしていたとは、、、 気持ちよく読み終えました… それにしても、腐肉を喰らうヒメオオクサシデムシって、ホントにいるのかな。 『掌上の黄金仮面』は、中枢新幹線・羽並駅前に鎮座する高さ38.5メートルの弥勒菩薩像の掌上に現れ、紙幣を模したバーのビラを撒いていた黄金仮面が落下死した事件を「亜愛一郎」が解決する物語、、、 黄金仮面は事故死かと思われたが、身体前面の胸に銃創があり銃殺であることが判明… 地上から撃つには距離があり過ぎると思われたが、正面に建つ千賀井ホテルの部屋(1209号室)の窓が開いていたことから、その部屋を利用していた「藤上」の犯行が疑われた… 強盗殺人事件の容疑者として「藤上」を追っていた刑事たちは、さっそく1209号室に踏み込むが、「藤上」の所持していたピストルは弾道が大きく逸れるおんぼろのコルトで、とても30メートル先の獲物を狙えるとは思えなかった。 ビラを撒く際に、黄金仮面の仮面がホテル側を向いていとことから、正面から撃たれた=ホテル側から撃たれた と、思い込んでしまうことがミスリードに繋がっていましたね… まさか、落下することを恐れ、仮面を前後逆に被り、身体は弥勒菩薩側に向いていたとは、、、 そうなると、ホテルは身体の背面側になり、身体の正面は弥勒菩薩側なんですよね… それであれば、獲物は目の前だから、おんぼろのコルトでも百発百中ですもんね。 『G線上の鼬』は、タクシー強盗が多発する国道G線上のエリアで運転手仲間から被害に遭ったと助けを求められ、警察を伴い一緒に現場に向ってみたところ、現場に残されたタクシーの中には、加害者と思われる男の死体が残っていた… という事件を「亜愛一郎」が解決する物語、、、 雪上に残されたタクシーからの足跡は、強盗に遭いタクシーから逃走した運転手のものと思われる一組しか残っていなかったことから、容疑は運転手に向けられるが… 陰険な人物の比喩が、鼬よりも狐の方が適切なことや、事件に遭う前に運転手がきつね屋という食堂を利用していたにも関わらず、鼬という喩えを出したことから、人はでたらめに物を選ぶことが不得意という、人の心理をついた推理でしたね。 この作品も予め張り巡らされた伏線が秀逸ですね… 同じような道ばかりで区別がつかないような場所(場所が変わっていても関係者が気付かない)を利用した、足跡のトリックも面白かったですね。 『掘出された童話』は、実業界の大物「池銃」こと「池本銃吉」が詫寿(本人が発案した76歳の祝い)の祝いに自費出版した童話には誤字があり、単語の区切りもおかしい本だったが、「池銃」は校正することを許さなかった… そこに隠された暗号を「亜愛一郎」が解く物語、、、 校正すると暗号解読時の意味が変わってしまうことから、校正は許されなかったんですよね… そこに目を付けた「亜愛一郎」は、誤字や単語の区切りに暗号を解くヒントがあると考える。 暗号解読を主軸にしたミステリですが、、、 本人が詫寿の祝いに著した作品だけに、詫びのために、懺悔のための行動だったんですね… ホラー仕立てでもあり、暗号解読以外は論理的には解決できない怖い作品でした。 『ホロボの神』は、戦時中に南方の島・ホロボ島で彷徨っていた日本軍部隊は原住民と出会い交流を深めており、その際に原住民の酋長が密閉された空間で自殺した事件の真相を「亜愛一郎」が解決する物語、、、 学術調査団の一員としてホロボ島を訪れていた「亜愛一郎」は、遺骨収集で同島を訪れた元兵士「中神康吉」から、戦時中の話を聞くうちに酋長の自殺について疑問を持つ… そして、終戦後、日本への帰還途中の船内で急性の虫垂炎で死亡した「原浜軍曹」の行動や死因との因果性を疑い、見事に真相を究明します。 異なる二つの文化が出会ったことにより成立したトリックですね… ホロボの神と、酋長に日本軍の神と信じさせた拳銃との置き換えにより、後追い心中を偽装するとともに、自らは財宝を手にして島を去ろうとするとは、、、 想像できないトリックでしたが… ちょっと後味の悪い事件でしたね。 『黒い霧』は、金堀商店街で起きた黒い霧の事件… カーボンの粉がばら撒かれ商店街の住民や商品が真っ黒になる事件を「亜愛一郎」が解決する物語、、、 カーボンの粉がばら撒かれた直後の商店街の混乱はドタバタ劇としてコミカルに描かれていますが… 「亜愛一郎」が、事件が発生した時間に着目して、殺人事件を予感し、カーボンの粉を利用したアリバイトリックを見破る推理は見事でしたね。 物語が「玉葉匡子」の視点で描かれることによって、事件が発覚する前の場面で、既に犯人が読者に示されるというのが面白かったし、巧いなぁ… と思いましたね、、、 序盤に張り巡らされた伏線が、終盤に全て意味を成すところが心地良いなぁ… これに類似したアリバイトリックは「松本清張」の短篇作品『声』でも使われていたような気がします。 どの作品も伏線の張り方が絶妙でしたね… さりげなく描かれた伏線が、後々になって事件解決に重要な役割を果たしていることに気付かされるのが、なんとも心地良い、、、 長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなくドジでのろまな感じの「亜愛一郎」が、いざ事件に遭遇すると、独特の論理を展開して、全ての伏線を回収したうえで、並外れた推理力を発揮して事件を解決に導く というギャップも面白いです… 人間の習性や無意識のうちの行動などを利用した心理的なトリックも新鮮な感じで愉しめましたね。 全編読み終えて… 事件とは関係ないのに、なぜか毎回、毎回登場する「三角形の顔をした小柄な洋装の老婦人」の存在が、とても気になって仕方がありません、、、 本シリーズを最終話まで読めば、その謎は解けるらしいです… 気になるなぁ。 外れはなかったな… そんな秀作揃いの中でも個人的には、『DL2号機事件』、『曲った部屋』、『掌上の黄金仮面』、『黒い霧』の4作品が強く印象に残りましたね。

    0
    投稿日: 2022.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読友さんの感想を読んで興味を持つ。亜愛一郎(あ・あいいちろう)は探偵で、キャラが薄いが推理力抜群。登場人物の名前が変だった。愛一郎だけではなく全体的に変。その理由なのか、昭和ノスタルジーに浸れるキャラ設定。全8話からなり、最初に事件が起き、そこに愛一郎がいる。いつの間にか愛一郎が事件を解決する糸口を見つけ、推理を披露する。お菓子会社の宣伝目的のために気球を飛ばす話は面白かった。UFO愛好家とのリンクが何とも言えない。一方、何故だろう?読みにくさも抜群でページを捲るスピードが既読本でもNo.1だったかな。④

    32
    投稿日: 2022.10.28
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    本書は、1978年発表の、『亜愛一郎』三部作の第一弾で、若い頃に読んだときは、もう少しライトで、コミカルな印象だったのが、今読んでみると、真っ向勝負の本格ものに感じられて(泡坂妻夫流のということで、もちろんストレートだけではありません)、読む年代により、印象が大きく変わるのだなと、実感いたしました。 デビュー作の、「DL2号機事件」にしても、ほとんど内容を覚えていなかったため、後半の狂気的な展開に、心底驚いたと思ったら、それに対して、なるほどと肯ける論理的根拠があって、奇術さながらの、あっと言わせるトリッキーさと、泡坂さん自身の博識ぶりが同居した様は、既にデビュー作で健在だったことに、また驚きました。 真っ向勝負といえば、「掘出された童話」の暗号の謎もそうで、私は解答を見ても分からなかっただろうなと思いましたが、そこには知識量の凄さだけではなく、泡坂さんの、古くから伝わる文字や言葉に対する敬意も感じられて、しかも物語において、暗号にした目的が、また、何とも言えないものがあり、人間の愚かさや憐れさを、しっかり書いているところも印象深かったです。 そして、悲劇の被害者が多いのも、また印象深く・・・「掘出された童話」や「ホロボの神」、「掌上の黄金仮面」がそうで、特に後者は、今で言うところの、ブラック企業の存在を暗示しているようにも思われて、より、やるせないものを感じました。 また、本書における、泡坂さんの遊び心も健在で、 『「消えるドクロ」 by T.Awasaka』や、 更に、各話で必ず一度登場する、三角形の顔をした老婦人(プラス、タケル君)の存在も、本編とともに気になってしまい、今後も目が離せません。 あ、そうそう、肝心な探偵役の紹介を忘れてました。 年齢は35歳くらい。背が高く、整った端麗な顔だちは、どう見ても写真に撮られる方だが、彼は撮る側で、報道カメラマンの派手な仕事ではなく、雲やゾウリムシなどを面白がって撮っていて、いつでもきちんとした身なりをしているのは、なぜか質問すると、 「汚い格好で撮影したのでは、自然に対して失礼に当るでしょ」 と答える真摯さをもっているが、やや挙動不審プラス不器用で、運動神経は無さそうでいながら、腕っぷしは強く、白目をむいた後の頭のきれの良さは、紛れもなく、探偵『亜愛一郎(あ あいいちろう)』であり、ちなみに本書だけで、驚いたときに「きゃっ!」と叫ぶ場面が二回あります(可愛い)。 また、強面の高波刑事が、ああさん(私はこう呼ぼうかな)のために、捜査費から宿泊費を出してくれたり、ああさんの、おろおろした感じを気に入っている、一荷聡司であったりと、彼自身の人間としての魅力も見逃せないところであり、櫻田智也さんの、探偵『魞沢泉(えりさわ せん)』との類似性も分かった気がしましたが、現代人の多様な価値観の内面に立ち向かう魞沢クンは、まさに、令和の探偵だなといったところも、再実感いたしました。 ちなみに、akikobbさんの「生者と死者」のレビューにあった、ヨギガンジーシリーズの、「生者と死者」の本編に、本書に登場した方の、名前だけ登場した人物(ややこしい)、私も見付けましたよ! これ、気付くと、とても嬉しいですね。 「生者と死者」は1994年の作品で、本書は1978年。 彼が16年前の若い頃で・・・あれっ、これってもしかすると、序盤に登場する、玩具屋の口髭を生やした若い店員って、まさか・・・なんて。

    25
    投稿日: 2022.10.05
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    亜 愛一郎の区切りなのね。手品、奇術、メンタルマジックを最大限に用いたトリック。殺人が起きてるのになぜかコミカル。楽しく読めます。DL2号機事件、ホロボの神、曲がった部屋が特に好きかなあ。

    2
    投稿日: 2022.07.09
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     古今東西のかっこいい名探偵にときめきたい、という不純な動機で始まった私の「ミステリー名作を読もう」キャンペーン。「泡坂妻夫の小説に登場する亜愛一郎という探偵は美男」との情報を聞きつけ、さっそく彼の登場する三つの短編集のうちの第一巻にあたる本作を図書館で借りてきた。  亜愛一郎は、長身で容姿端麗でどことなく優雅で貴族的な雰囲気さえ備えた青年で、女性だけでなく男性の目も惹きつけてしまうような第一印象の持ち主なのだが、運動神経はまるでなく、不器用で、会話をしてもおどおどしたりぼんやりしたりと、言ってみれば「男らしくない」男性だ。それなのに、並み居る刑事達が頭を抱える難事件をするっと解決してしまう観察眼と冴えた頭脳を持っている。つまり、「ギャップ萌え」が二乗になっているうえに「ただしイケメンに限る」を軽々とクリアしているという反則的なキャラクター造形であり、そんなの魅力的でないわけがない。「男らしくない」という点が、発表当時は今よりもずっと「変わり者」度を上げていたかもしれない。  亜愛一郎シリーズとしての主人公はもちろんこのあいさん(作中でひとりだけ、彼を勘違いから「あいさん」と呼ぶ人がいるのだが、可愛いし呼びやすいので私はここで愛称として勝手に採用する)なのだけど、各短編ごとに事件の語り手というか主人公というべき人物が存在する。どの話もその人からの目線で描かれるので、あいさんが脇役として登場するたびに、お決まりのギャップ萌え二段攻撃を改めて楽しむことができるというお得な仕掛けになっている。また、あいさんの独白などはなく、彼が何を考えているのか、どういう来歴でどういう暮らしをしているのか等については彼の言動から推しはかるより他はなく、この余白豊かな描き方がまた「この人いったいどういう人なのかしら…」とゆかしい気持ちにさせてくる。何でもかんでも書けばいいというわけでない、筆加減の絶妙さ!  各話の感想は割愛するが、最後の短編の匡子さんだけは、彼の推理に驚くだけでなくちょっと乗っかってくる感じがあったので、もしかしてまた登場してバディものっぽくなったりしないかな〜と期待。そんなこんなで、残りの短編集も人生でいつか読みたい。

    7
    投稿日: 2022.07.09
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    美青年なのだがどこか抜けている亜。彼が解決する事件も、一見事件に見えなかったり、事件が起こる前に解決してしまったり、やはりどこか変わっている。 全編ともかなりレベルが高く、国産短編集の中でもトップクラスではないだろうか。 個人的ベストは『DL2号機事件』『G線上の鼬』、次いで『黒い霧』。 『DL2号機事件』 数々の奇妙な謎が、たった一つの考え方によって一つに繋がれる。 そしてそれを補強する伏線は質も数も凄まじく、前半はもはや伏線の塊。 『G線上の鼬』 これも同じく、伏線の塊。この発想を雪密室として使うのも巧い。 『黒い霧』 カーボンを町に撒く、という謎も魅力的だし、その真相も素晴らしい。序盤で犯人を提示しているところも憎い。

    4
    投稿日: 2022.01.23
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    やっぱり好みの作風だった。 面白いなあ。 容姿は二枚目、立ち居振舞いは三枚目、推理力は一級品。 とにかく亜のキャラが良い。 ユニークかつトリッキーな短編がそろっており、亜が披露する推理には感嘆せざるを得ない。 特に「DL2号機事件」の真相には度肝を抜かれた。 続編も読む。

    2
    投稿日: 2021.07.05
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    泡坂妻夫作品お初でした。突飛なトリックとか名探偵のキャラや立ち位置とか、これをどう楽しむか?ってのが分かると、スゴく面白かった!! なので後半になればなるほど楽しめた感があるなぁ、私は。

    0
    投稿日: 2020.11.08
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    面白かったー!古い時代の話だったけど、そんなの関係なく面白かったー! 短編集の主人公というか目線は、刑事さんだったりその話に関係がある第三者。そこで事件が起こって、なぜか巻き込まれた「イケメンだけど気が弱い」男が亜愛一郎。探偵ではなく、珍しい雲や生物を撮るカメラマンだが、カメラを扱う手はどこかぎこちない。常にビクビクオドオドしている印象。でもイケメンでモデルみたいに素敵!なぜ?(笑) 謎が解けて、全部分かるんだけど、強面の刑事さんや真相を知りたい同僚に「早くしろ!」と怒られながらも煙草を一服喫んで落ち着かせてから披露される推理はすごい。 ミステリー小説に出てくる探偵っていつも自分に自信があって出しゃばるイメージ。だけど、この亜愛一郎は本当にそんなイメージを覆す新しい探偵だなぁと思った。40年ぐらい前の小説だけど。 あと亜愛一郎以外に全ての短編に出てきた「顔が三角の洋装の老婆」が気になるー!一体、何者なのよー!次のシリーズにも出て来るかな?謎の「顔が三角の洋装の老婆」! 2020.9.13 読了

    0
    投稿日: 2020.09.13
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    再読 やはり面白い 個人的にこういうのが私が思う伏線というか 解決の論理に飛躍があるため、 それだけだと読者がついてこれない そこでお湾クッション野多目に、 そこまでのストーリーのなかで その論理とにているが読者が受け入れやすい 展開を持ってくることで、 違和感をなくしているんだと思う 話としてはほのぼのとしてて ミステリーとかだと、 事件→調査→解決 という感じだと思うが、 調査がないようなスピード感でびっくりする

    0
    投稿日: 2020.03.10
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    直木賞作家、初めての泡坂妻夫さん1975年(昭和50年)デビュー作「DL2号機事件」を含む「亜愛一郎の狼狽」45年前のミステリー短編集。主人公は背が高く知的風なのに運動音痴でちょっと変人。今流行りの奇人変人探偵の先駆けかもです。

    0
    投稿日: 2020.03.04
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    内容(「BOOK」データベースより) 『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。ユニークなキャラクターの探偵、亜愛一郎とともにその飄々とした姿を現わした著者の、会心の笑みが聞こえてきそうな、秀作揃いの作品集。亜愛一郎三部作の開幕。

    0
    投稿日: 2019.10.25
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    正月休み中に一気読み。お初の作家さんですが、以前ドラマ化されてたので買ってみました。原作の亜愛一郎は容姿端麗とのこと、ドラマとはちょっと違ったなぁf^_^;短編集ですが、ちょいちょい登場人物が被ります。謎解きはちょっと無理があるかな…という場面もありましたが楽しめました。中でもホロボの神が良かったです。でも差別用語等もあり、なんとなく昭和初期の小説なのか⁇って感想も持ちました。続編もあるのでいつか読んでみたいですね。

    2
    投稿日: 2019.06.14
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    読んでいてとても楽しかったです。自分でも謎に挑戦してみたけれど、短編なのにまったく解けない!一瞬のうちに閃き、理路整然と説明されるとうなるしかなかったです。三角形の顔をした洋装の老婦人が謎。普通にモブで出てくるのを楽しむだけなのかな?

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    投稿日: 2019.06.14
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    G・K・チェスタトンの『ブラウン神父』シリーズと並び称されるほど、世評の高い本書は、私の期待値が高過ぎたためか抱いた感慨は世間のそれとは隔たりを生じてしまった。 1つ1つの短編については、今になってみれば過去の名作へのオマージュのように受け取れなくも無い。特に最後の「黒い霧」はブラウン神父の「青い十字架」の裏返しといった作品である。 ただ真相解明に至った時のパンチ力が無い。理路整然とし過ぎているのだ。 しかし、私の本シリーズへの関心はもっと別の所にある。 各編に登場する「三角顔の老婦人」、この人は果たして何者なのかという事である。

    2
    投稿日: 2019.05.05
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    とりあえずミステリの有名どころは押さえていきたい\(^^)/ というわけで、絵師でありマジシャンでもある泡坂妻夫先生の、亜愛一郎シリーズです。 冒頭の「DL2号機事件」がデビュー作で代表作の一つでもあるようなんですが、個人的にはちょーっと、いえ、正直ものすごく物足りなかった(汗 DL2号機よりは、上空の熱気球内で芸人が殺される「右腕山上空」、傾いた団地で殺人事件が発生する「曲った部屋」、巨大仏像の掌の上で起こった奇妙な事件を描く「掌上の黄金仮面」、未開の地の首長が謎の死を遂げる「ホロボの神」が面白かった。

    2
    投稿日: 2019.01.18
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    デビュー作の6号でなく『DL2号機事件』を含む同一探偵の短編集 8話のどれについてもミステリの謎たる部分が独特のものあって面白い 付き合う探偵も自然変わったキャラクタ造形になるが むしろ探偵はふつうであって方が謎の不可思議さが立ったのではないかと思う 関連リンクをみればわかるとおり昭和なふいんきも一種の味か

    2
    投稿日: 2018.10.25
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    <希硫酸の亜です―間違えました.> 少し抜けているところがあるけれど,見事な観察眼と発想で事件を解決. トンデモな理論も,なるほ..ど(?)と,おもしろいな,と思ってしまう. 岡田将生で実写を見たい.

    3
    投稿日: 2017.09.30
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    名作の誉れ高い本作。だけど自分的にはピンとこずでした。名前以外、主人公にも特に魅力を感じないし、短編集それぞれ、登場人物がバラバラってのも、いまひとつ入れ込めない原因でしょうか。評価が高いとつい、”読まなきゃ”って強迫観念みたいなものが生まれてしまうんだけど、さすがにもう本格推理が苦手っていう、自分の特性を認めなきゃいけないと思えてきました。しばらくは、ごくたまに読む程度でいいです。

    0
    投稿日: 2017.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』(創元推理文庫、1994年) 泡坂妻夫『亜愛一郎の転倒』(角川書店、1982年) 泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』(角川書店、1984年) 泡坂妻夫という名前は知っていたものの一度も読んだことがありませんでした。 キッカケは、日経の有栖川有栖氏のミステリーに関する連載で紹介されたから。 亜愛一郎なんていうふざけた名前。有栖川氏によれば日本の名探偵紳士録が作られる際に一番初めに項目がくることを目論んだネーミングだといいます。まずここからして遊びすぎ。 そして全部で24本のミステリーが『亜愛一郎の狼狽』『――転倒』『――逃走』の3冊の短編集に収録されているというので、3冊を古本屋で入手して読んでみました(いずれも初版)。 どうやらこのシリーズでもっとも有名なのが第1作「DL2号機事件」だそうです。 有栖川氏のあらすじを紹介すると…  1年前の震災の爪痕が残る宮前市にプロペラ機(これがDL2号機)が着陸するシーンで幕が上がる。雨の中、その様子見守るのは羽田刑事。同機に爆破予告の電話があったのだ。  この地に工場を移し、東京から引っ越してくる実業家の柴は、降りてくるなり警備体制の不備を羽田に毒づく。翌日、警察への抗議に答えるため羽田が柴の邸宅を訪ねると、血だらけになった柴の運転手と斧(おの)を振りかざす柴が飛び出してきた。  何故、柴は運転手を襲ったのか、という動機が読者に提示される謎だ。その答えは、意外な形で地震や爆破予告犯の正体にも結びつく。謎を解くのは前日から羽田と居合わせたカメラマンの亜(あ)愛一郎(あいいちろう)である。  「背が高く、整った端麗な顔だちであった。年は(中略)三十五ぐらいだろうか。色が白く、貴族の秀才とでもいいたかった。目は学者のように知的で、身体には詩人のようにロマンチックな風情があり、しかも口元はスポーツマンのようにきりっとしまっていた」  黙っていればイケメン(当節の言葉を使うなら)だ。しかし、この男、言動には落ち着きがなく、思わぬ事態に遭うと激しく動揺するから、〈おかしな人〉、あるいはこれも当節風に言えば〈残念な人〉の部類に属する。  『DL2号機事件』の何に私が驚いたのかというと、まずは作中で亜が披露する奇妙な論理だ。犯人はこのように考えたからあのような行動をとったのです、という説明は「筋は通っているが、そんなことがあり得るか?」「そんなことはありそうもないが、筋は通る」という不思議な領域に読者を導く。[日本経済新聞、2016年5月8日付朝刊] まさに「筋は通っているが、そんなことがあり得るか?」的内容のストーリーばかりで、『そんなばかな!』の連続。 でも、それがいい。 しかも、「DL2号機事件」のような、ある意味、大がかりなものから、何のことはない日常で起こる事件まで、舞台設定も『そんなばかな!』と思えるようなものばかり。 有栖川氏は翌週も亜愛一郎を紹介していて(5月15日付日経朝刊)、そこでは、「三角形の顔をした老婦人」の存在をクローズアップしていました。『三角形の顔をした老婦人だと?』と思わされながらも俄然興味がわいて、結局3冊を読んでしまった次第。たしかに、一見、亜愛一郎とは無関係な三角形の顔をした老婦人がしばしば登場します。この短編集は、この「三角形の顔をした老婦人」の存在を知っているかどうかで面白さが俄然違ってくると思います。 さて物語は、いずれも何となく謎を解いていく亜愛一郎。 その正体は最後の最後で明かされます。そして老夫人の正体も最後の最後で明かされます。ですが、これがまた噴飯もの。(笑) とにかく、面白かったです。 もし若いときに読んでおけば、もっともっと楽しめたと思います。今でも大いに楽しめたのですが、感性豊かな(?)若い時代に読んだならば、きっと快哉を叫んだに違いありません。

    2
    投稿日: 2017.01.03
  • 刑事でも探偵でもない冴えない男が推理する

    DL2号機事件を始めとした短編集なので、あっというまに読みきれる。最初は、登場人物の名前が変な者ばかりなので、読みづらいと思ったが、慣れるとストーリの面白さに引き込まれた。 探偵でもない、刑事でもない美男子カメラマンの主人公がなぜか事件の現場に出くわし、刑事たちにアドバイスをして解決に至るというシンプルな内容。 もたっとした、さえない男が事件を解決するのは「刑事コロンボ」モチーフにしたのだろうか?トリックの手口に似たものがある。 続編を読みたいと思ったが、電子書籍では東京創元社からではなく、角川文庫からでている。

    0
    投稿日: 2016.12.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「DL2号機事件」略 「右腕山上空」:菓子メーカーの宣伝企画として飛び発った気球の中で漫才師の死体が発見される。気球に乗ったのは被害者ただ一人のはずだがーー。事件発生までの流れと提示される謎が魅力的。短編なのでアッサリした真相看破だが視点人物である塩田の秘書への感情描写が良い味してました。 「曲がった部屋」:お化け団地などと呼ばれる団地で発見された腐敗した他殺死体の謎を亜愛一郎が解き明かす一編。伏線がやさしめでしたがやはり亜愛一郎のあの一言の破壊力はバツグン。 「掌上の黄金仮面」:巨大な弥勒菩薩像の掌に突如現れ紙幣をバラ撒いていた黄金仮面が射殺された事件と強盗事件とが絡み合う異様な状況を亜愛一郎が解き明かす一編。短編ながらも奥行きのある舞台構築の手際が良い。そしてまた華麗なひっくり返しにやられてしまったな。 「G線上の鼬」:タクシー運転手の浜岡は客を送る途中で強盗に襲われたという同僚と遭遇する。彼と現場に向かうとそこには同僚のタクシーと強盗の死体があり、しかもそこから逃れる足跡は一つしかなくーー。真相を浮き上がらせる物証の提示の見せ方が上手いよなぁ。 「掘出された童話」:冒頭の不思議な童話に潜む謎がとあるヒントで解き明かされるクライマックスが見事。童話として成立させつつこの形に落とし込む手際と各シーンに配された伏線に気付かされた時のゾッとする感じが良いのだ。 「ホロボの神」:戦死者の遺骨収集団としてホロボ島に赴く中神は、道中出逢った学術隊に島の原住民が自殺した事件を語る。屍体を忌避するとされる未開民族の習慣と反する事件の真相とはーー。ホロボの神が何のシンボルかは予想がついたがそれをあの形に収束させるとは。 「黒い霧」:明け方の商店街で突然発生した黒い霧の謎、霧を発端とした商店街の店主たちによるドタバタバトルでお腹を抱えて笑わされ、その後の謎解きにこれまたニヤリとさせられるバランスが凄い。 どの短編も泡坂妻夫の奇術師らしい手際で多幸感に包まれる読書体験でした。

    3
    投稿日: 2016.07.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    推理力だけが並外れている主人公がおかしい。 続編も読んでみるか? 日経新聞で紹介されていたので図書館で借りてみた。 三角顔のおばあさんは毎回登場している。

    2
    投稿日: 2016.05.15
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    奇妙な名の、奇妙な男による、絶妙な推理  女性を虜にする美貌の持ち主ですが、間が抜けた発言や言動が目立ち、苗字が「亜」という何とも奇妙な探偵。しかし、その推理力は折り紙付き。マジシャンの経歴を持つ著者ならではの、観察眼に基づく論理の組み立てが面白いです。  一番好きなのは「G戦上の鼬」。逆説的なロジックが光り、巧妙に配置された伏線が何ともいじらしい。次点は「掌上の黄金仮面」。思い切った発想の転換で、複数の謎が一気に解決します。一方で「黒い霧」は、推論が飛躍しすぎた印象です。  ミステリに読み慣れてきた私ですが、謎解きの愉しさを再認識することが出来ました。

    2
    投稿日: 2016.02.27
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    何気ない習性や無意識な言動がポイントになったりしていて、なかなか興味深かった。少し間を置いて続編も読もうと思うし、著者の他の作品もいずれ読んでみようという気になりました。

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    投稿日: 2016.02.04
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    粒ぞろいのトリッキーな作品集。続きが気になる。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou1102.html

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    投稿日: 2016.01.31
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    空飛ぶ気球、万人が見守る大仏像の掌の上…などの密室的な状況を鮮やかに解いたり、DL2号機事件は犯人の心理をサイコロを転がすように説明してみせたり。

    2
    投稿日: 2016.01.24
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     スマートな見た目とは裏腹に、どこか抜けた言動のカメラマン”亜愛一郎”の名推理を描く連作短編。  収録作品は8編。個人的に好きだったのは「DL2号機事件」「ホロボの神」「黒い霧」の3編。  デビュー作でもある「DL2号機事件」は飛行機の爆破予告を皮切りに意外な展開を見せていく短編。  めくるめく事件の展開に対しての、犯人の動機の解明がお見事! 意外なところから伏線になっていて人間の不可思議な心理が巧く使われた短編になっていると思います。 「ホボロの紙」は戦時中、日本軍の一隊が逗留したホロボ島で起こった現地未開民族の自殺事件の真相を推理する話。  日本の慣習や考え方と違う未開民族の思考や風習が事件解決のカギとなっていて、それを考慮に入れた事件の解決が面白かったです。梓崎優さんの『叫びと祈り』に似た感じの短編です。 「黒い霧」は商店街が突然トナーカートリッジの黒い霧に覆われてしまった事件を描きます。  事件そのものの面白さもさることながら、商店街の人々のハチャメチャっぷりも楽しい短編でした。  文章は読みにくいところもありましたが、ちょっと変わったロジックや事件、また暗号を使ったものなどバラエティ豊か、愛一郎のどこか抜けた感じも良かったです。 第1回幻影城新人賞佳作「DL2号機事件」

    2
    投稿日: 2015.12.04
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    ずっと読みたかった愛一郎さん。どじっこ愛一郎さんかわいいよ。 人の深層心理みたいなものから事件を解いていくタイプの探偵さんだなぁ。少し文章が読みづらいと感じましたが、愛一郎さんの癒しオーラで楽しく読めました。 一番なるほど感を味わえた「曲がった部屋」と、ミステリ部分もさることながら民俗学的な面白さもあった「ホロボの神」がお気に入りです。 それにしてもこの時代留守がちだからと言ってガス代を他所で一緒に払ってもらうなんて制度があったのだなぁと関係ないところで驚いた。

    2
    投稿日: 2015.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    泡坂妻夫による亜愛一郎の活躍を描くミステリ短編集。 普段はパッとしないくせに、人の話を聞いてその裏に隠された真相を推理する能力がずば抜けている亜愛一郎。亜愛一郎はいわゆる安楽椅子探偵で、その現場を見ていなくても人の話から推理を展開し、事件を解決に導く。 特に、収録作のひとつ「ホロボの神」では戦時中の南方の島で起こった現地人の酋長の自殺の謎を解き明かすが、最早その現場に愛一郎が立ち会うことなどできないにもかかわらず、話を聞くだけで真相に辿り着いてしまう。その論理的かつ他に考えようがない結論の提示は小気味良いほどだ。 推理を展開すると鋭い頭脳を披露するのに、普段はまるっきり頼りないというギャップも面白い。 ふるい作品だけに、現在ではあまりお勧めされない表現や、戦争の記憶が生々しく描かれているなど時代を感じさせる部分はもちろんあるが、作品の面白さは色褪せていない。

    2
    投稿日: 2015.10.16
  • 名探偵亜愛一郎初登場の短編集!

    泡坂妻夫による亜愛一郎の活躍を描くミステリ短編集。 普段はパッとしないくせに、人の話を聞いてその裏に隠された真相を推理する能力がずば抜けている亜愛一郎。亜愛一郎はいわゆる安楽椅子探偵で、その現場を見ていなくても人の話から推理を展開し、事件を解決に導く。 特に、収録作のひとつ「ホロボの神」では戦時中の南方の島で起こった現地人の酋長の自殺の謎を解き明かすが、最早その現場に愛一郎が立ち会うことなどできないにもかかわらず、話を聞くだけで真相に辿り着いてしまう。その論理的かつ他に考えようがない結論の提示は小気味良いほどだ。 推理を展開すると鋭い頭脳を披露するのに、普段はまるっきり頼りないというギャップも面白い。 ふるい作品だけに、現在ではあまりお勧めされない表現や、戦争の記憶が生々しく描かれているなど時代を感じさせる部分はもちろんあるが、作品の面白さは色褪せていない。

    2
    投稿日: 2015.10.16
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    シンプルで無駄のない文章で綴られるどこかとぼけた味わいのミステリ短編集。 突飛な真相に対し、伏線の貼り方が非常に上手く、物語が無理なくきれいにまとめられている。 淡々と進む物語ですが、一編一編に異なる味があり楽しめました。ユーモアがありリラックスして楽しんで読める作品。でもときにはしんみりすることも。 探偵役はイケメンなのにどんくさいという亜愛一郎ですが、それぞれの作品で彼と出会う主人公的立ち位置の癖のある人々がいます。彼らと亜のコントのようなやり取りにニヤリ。 最後の三編「掘出された童話「ホロボの神」「黒い霧」が特に好みでした。

    2
    投稿日: 2015.05.03
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    収録短編全てがハイクオリティで、今まで読んだ短編集の中ではトップクラスの満足感でした。 中でも「DL2号機事件」「G線上の鼬」は誰でも考えうる思考を使い、ロジカルに犯罪を暴く、変則的な異形の理論を使った傑作短編です。 異形の理論で言えば「ホロボの神」も忘れてはいけないでしょう。非文明人だからこそ成立するトリックで魅せてくれます。 他にも、伏線の妙が光る「曲がった部屋」や、作者の苦心が窺える暗号ミステリの秀作「掘出された童話」など奇術マニアだという作者らしい短編が揃っています。 そして何より、これらの事件を解決する探偵が魅力的。亜愛一郎なくしてこの作品は成立しないのではないかと思えてくるほどです。

    2
    投稿日: 2015.02.06
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    作者のデビュー作も含む、亜愛一郎シリーズ第一短編集。なんとなくもっとコメディタッチなのかなと勝手に思ってたんだけど、まあところどころ間の抜けた設定があってシリアスとは言えないという程度の印象(だからどうということもないけど)。 ミステリ的には、いずれの作品もちょっと変わった前提や論理に基づいて謎解きが展開されているのが特徴かな。なので、アイディアとしては個性的で面白いんだけど、ちょっと飛躍しすぎなんじゃないのと思える部分も多い。 個人的ベストは、空中密室という魅力的な謎と大胆なトリックが楽しい「右腕山上空」。次点は悩むところだけど、本作品集でも一際ユニークな構成だと感じた「黒い霧」。

    1
    投稿日: 2014.12.06
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    今月の6冊目。今年の19冊目。 うーん、これは総じて面白くなかった。1つは面白いと思ったけど、その他はいまいち。文章が合わないのか、頭に全然背景とか風景が浮かんでこない。特に最初の短編は、正直これはなー…と思わざるをえなかった。

    0
    投稿日: 2014.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一度この苗字を聞いたら 忘れることはないでしょう。 なにせ「あ」、あですからね。 (ちなみに実在しない苗字です) そんな手抜きな苗字(!)のせいなのか、 彼はどこか抜けているのです。 ドジをやらかすこともしょっちゅうですし、 行動もどこかぎこちがない。 だけれども、頭脳は素晴らしいものを 持っているのです。 現実に、暗号文が絡む謎も といていますからね。 どこか憎めないキャラでした。

    1
    投稿日: 2014.08.03
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    素人探偵・亜愛一郎が活躍する短編集。「DL2号機事件」「曲った部屋」「掌上の黄金仮面」が良かったです。難解な文章ではないのになぜか情景が頭に浮かびづらい箇所があり、これはおそらく自分の読解力のなさと相性だと思います。でも面白かった!

    1
    投稿日: 2014.07.22
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    「11枚のトランプ」を筆頭に、「乱れからくり」等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品-それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。ユニークなキャラクターの探偵、亜愛一郎とともにその飄々とした姿を現した著者の、会心の笑みが聞こえてきそうな、秀作揃いの作品集。亜愛一郎三部作の開幕!

    0
    投稿日: 2014.07.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    長身で整った端麗な顔立ち、ファッションセンスも抜群なカメラマン・亜愛一郎。 が、見かけと違ってかなりどんくさい。撮っている写真も雲や珍しい虫ばかり。 そんな彼が様々な事件に遭遇し、抜群の推理力で謎を解く。 亜愛一郎シリーズ第一弾となる短編集。 著者の作品を今回初めてだったのですが、はまりました。 難しいというよりは一風変わっているというか・・・考えもしない発想が飛び出して唸ってしまった。「DL2号機事件」では特にそれを感じました。 他「G線上の鼬」「掘出された童話」がお気に入り。 それにしても、毎度登場する”三角形の顔をした小柄な洋装の老婦人”がとても気になる。と、思っていたら・・・ シリーズ第3弾の「亜愛一郎の逃亡」で謎が明かされるようなので、そちらもぜひ読んでみたい。

    1
    投稿日: 2014.06.22
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    不思議な主人公に不思議な事件の数々。 さらっと読める短編集でした。 市川猿之助丈が、推薦していた理由が思い出せない… 主人公に感心があったように記憶しているんだけど、私には人物像がよくわからない主人公でした。

    2
    投稿日: 2014.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    苗字が「亜」、名が「愛一郎」という風変わりな名前の主人公が探偵役で、容姿も背が高く色白で整った端正な顔立ちという、いかにも美形でお約束な展開の話かと思いきや、その彼の行動は挙動不審で間が抜けたどん臭さ、そして真相に気付くと白目をむくという、微妙な印象の短編集、第一作目。 「DL二号機事件」確かに、人にはそれぞれ生活を営んでいく上で、独自のルールや考え方があることもあるなぁ、と。しかし、登場人物が、名前にしろ、行動にしろ、個性的な人が多い気がする…警察関係者しかり、三角形の顔をした老婆といい…。 「右腕山上空」微妙に登場人物が個性的過ぎて魅力を感じにくく、トリック自体は面白いのに話としてイマイチになっている気がする…。 「曲がった部屋」しかも雲やら虫やら、観察するものも微妙に暗すぎる印象で、話まで暗くなってる気がする…。 「掌上の黄金仮面」状況を想像するのに少し時間がかかる話も多い気がする。 「G線上の鼬」いくら思考回路が想像できない探偵役がいたとしても、何故に、そこまで発想できたのか少しでも納得できる話の流れならいいなぁ、と、少し思った。 「掘出された童話」抜粋部分から始まるが、結構、読みにくかったような気がする。 「ホロボの神」まだ一番読みやすい話、かな? 「黒い霧」商店街の人々とか登場人物が多すぎるし、話の繋がりについていくのに精いっぱい。

    2
    投稿日: 2014.06.09
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    愛一郎が憎めなくてかわいい。その一風変わった探偵役だけで、充分読める。個人的には、ホロボの神と黒い霧がおすすめ。DL2号機のアウエィ感も好き。

    1
    投稿日: 2014.04.23
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    軽快なリズムで、ストーリーが展開する短編。本格推理のの面白さが、凝縮された本。 ユーモアもあり、非常に読みやすい。

    1
    投稿日: 2013.12.23
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    泡坂妻夫が作り出した奇異な探偵、亜愛一郎の話。 人から薦められて読んだ本だが、とても面白かった。細かいこと言い出すと「そんなの分かる訳ないじゃん!」と言いたくなる話もあるが、亜愛一郎の憎めない人柄と、鮮やかな謎解きに感服しっぱなしだった。 ぜひ一目、亜愛一郎に会ってみたい

    1
    投稿日: 2013.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    パズルゲームハイスクールの野間美由紀先生のお勧めミステリーで知りブックオフで購入。 短編集ですが、どれもとても読みやすく大好きです♪ ボロボの神と黒い霧がお勧めです♪

    1
    投稿日: 2013.10.09
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    奇妙なロジックが興味深い短編集。亜愛一郎の指摘に最初は「変なことを言うなぁ」と思うのですが、その後披露される推理に感心してしまいます。 お気に入りは【曲がった部屋】と【G線上の鼬】。特に【G線上の鼬】は、「何故狐ではなく鼬のようなと表現したのか」から導き出される逆説的なロジックが秀逸です。 【DL2号機事件】と【黒い霧】は謎は魅力的ですが、論理がちょっと飛躍し過ぎな気がします。

    1
    投稿日: 2013.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「ミステリ十二か月」より。角川文庫版の表紙がなかったのでこっちで登録。8編の連作短編集。なんかトリックに行きつくまでの文章が読みにくいというか、理解しにくいというか。何回もさかのぼって確認した。なんだろう。私の理解力がさがってるのか?しかし亜愛一郎ってすごい名前だよなー。

    1
    投稿日: 2013.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ひと癖ある面白い作品が揃った短編集 いわくつきの土地に建てられた欠陥だらけの団地で起こった殺人事件を取り扱った「曲った部屋」と、商店街にカーボンの粉が撒かれ町中が真っ黒けになってしまう珍事件が発生しそこから意外な結末を迎える「黒い霧」のストーリーが特に良かった そして物語自体の面白さもさることながら、ずば抜けた推理力を持っているのに応援してあげたくなるような頼りなさもある探偵役の亜愛一郎の愉快なキャラクターも魅力的であった シリーズの続篇もこれから読みたい 

    1
    投稿日: 2013.06.18
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    とぼけた味わいと軽みが身上の、コミカル・ミステリー・ツアーへようこそ。 「笑い」とは「緊張と緩和」だと言ったのはたしか、哲学者カントだったろうか? イケメンなのに不器用で運動神経ゼロというこの小説の主人公にして探偵役「亜愛一郎」の存在は、まさにこの小説では破壊力抜群な「緩和」そのものとして機能している。だから、陰惨な殺人事件が起こるにもかかわらず、読者はたびたび読みながら吹き出さずにはいられない。巧妙なトリックに裏打ちされたミステリと脱力系ユーモアとが奇跡的なバランスで両立しているのだ。 地味な飛行機爆破予告を発端に、残忍な殺人事件の背後に潜む思わぬ動機が明かされる第一話「DL2号機事件」などは、いきなり意表をつくようなタネ明かしにキツネにつままれたような気分にさえなるが、それが日頃「雲」や「虫」など多くのひとがあまり気にもとめない自然観察にばかり熱中しているカメラマンによる推理と聞けば、なるほどその推理力というよりも並外れた観察眼に脱帽してしまう。ここには8つのストーリーが収められているが、全編そんな常識や先入観の裏をかくようなトリックが目白押しで飽きさせない。 ただ、毎回登場する「三角形の顔をした老婦人」はともかくとして、第一話に登場する柔道家の女の子とはいったい何者なのか? あまりに意味ありげに登場するわりにトリックにはまったく関わってこないという……不思議。 *北村薫が選ぶミステリー通になるための文庫本100冊

    4
    投稿日: 2013.02.07
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    推理小説って結局、誰に超人的な推理能力を携えるかというのが最初にして最大のポイントである。いくら良いプロットであっても、探偵が良いキャラクタとして機能しなければ作品としての魅力は半減してしまうだろう。そういう意味で、この亜愛一郎は面白いキャラだと思う。この腰の引けた男がどうやって自分の考えを語っていくのかを追うだけでも興味深く読んでいける。軽く読むには格好のミステリです。

    1
    投稿日: 2012.04.09
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    主人公始め登場人物たちの名前に象徴されるようなとぼけた味わいがあり、扱っている事件はあんがい生臭い殺人事件でも、どこか星新一のショートショートのような非日常さがあり、そのためトリックの楽しさを純粋に味わえるミステリという読後感が味わえる。著者は自分で手品や奇術も考案するそうだが、いわれてみればたくみに人の目をタネからそらしてしまうような心理の盲点を突くようなプロットは手品のトリックに近いものがある。

    1
    投稿日: 2012.04.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    マジシャンでもある泡坂氏のデビュー作『DL2号機事件』を含む、亜愛一郎が活躍する短編集です。 泡坂氏が産んだこの名探偵どんな人物かと言えば… 長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、グズでドジなブラウン神父型のキャラクターである。ところがいったん事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する…(本文の紹介より抜粋) と、愛すべきキャラでした。どの作品も独特の謎があり、以前に多少聞きかじった江戸川乱歩の分類に当てはめれば「奇妙な味」に近いなぁ~と思いました。 ミスディレクションによる心理的トラップがいたるところに仕掛けられていて、高名なマジシャンでもあった著者のミステリの特徴がよくわかる作品郡でした。暗号を扱った「掘出された童話」がとくによかったと思います。 コミュニティの投稿で教えていただいた情報によれば、シリーズを通して大きな仕掛けが施されてるとのこと。読んでいくのがすごく楽しみです。

    3
    投稿日: 2012.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読みやすくかわいらしい感じのシリーズモノ短編集。だけどちゃんとミステリしてます。軽い感じでミステリが読みたいときに。

    1
    投稿日: 2011.12.20
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    シンプルに収まってるのに、謎解きの発想が面白いから短編集でも十分楽しめる濃さがある 何より探偵役が・・・このテンションが癖になる。

    1
    投稿日: 2011.10.08
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    短編集。粒揃い。すべての描写が伏線。「探偵の推理にひざをたたく」という推理小説の醍醐味がある。期待したほどではなかったけれど。

    1
    投稿日: 2011.09.23
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    この本を読んでなんとなく、小五郎や警察の前で事件解決のヒントを喋るコナンくんを想像しました(笑 私が気に入った話は六話の「掘出された童話」は特に面白く、意外な所が伏線だったりしていて面白かったです!

    1
    投稿日: 2011.08.04
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    ちょいちょい出てくる三角形の顔の小柄な洋装のおばあさんが気になる~。 次の「亜愛一郎の転倒」にも出てくるかしら。

    1
    投稿日: 2011.04.26
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    名探偵字引を作ったならば筆頭に来るであろう、「亜愛一郎」(あ あいいちろう)のシリーズ第一作。 ひたすら理論で真相を解明するミステリ。まさに本格って感じがある。トリックありき、謎ありきの話なので、ストーリーやキャラクター重視の話に慣れていると、若干戸惑うのかも。 印象に残ったのは「G線上の鼬」、ぞっとしたのは「曲がった部屋」。 どの話においても亜愛一郎の素っ頓狂な存在感は、あまりにも探偵っぽくなくて新鮮だった。

    1
    投稿日: 2011.04.03
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    まず主人公の名前が良い。なにせ、苗字が『亜』の一文字で名前は『愛一郎』アアイイチロウ。 名乗られても、ほとんどの人はキョトンとしてしまうだろう。 見てくれだって整った顔立ちで女性なら誰もが頬を染めるくらいなのに、運動神経もなくグズなカメラマン。それでも、そこに謎があれば冴え渡った推理で一気に解決してしまう。 この亜愛一郎のキャラもまた良い。推理を披露する時も、オドオドビクビクと探偵というよりもむしろ気の弱い犯人のように話すのだ。 読んでいるうちにこの亜愛一郎の魅力にすっかり魅了されてしまう。時代背景が大分前なので、今の感覚と照らし合わせると違和感を感じる部分がないわけではないのだけど、それでも面白さが損なわれることがないのが素晴らしい。

    1
    投稿日: 2011.02.20
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    主人公の「亜」をはじめ、登場人物達がとても魅力的です。 逆説や意表を突くロジックと真相ばかりの質の高い短編集で、とても楽しいです。

    3
    投稿日: 2010.12.21
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     とても楽しい短編ミステリ集であった。名探偵亜くんの(本当にアという名字である)ひょうひょうとしたキャラクターもとても魅力的である。が、なんといってもちょっと意表をつくようなトリックが並んでいて、それがすばらしい。  「ホロボの神」という短編がある。これは戦時中の南国の島が舞台なのだけれど、死んだばかりの妻の死体のそばで未開部族の酋長が銃で頭を撃ち抜かれて死んでいる。二人の死体があった場所は一種のテントなんだけど、儀式のものなのでまわり中を部落の者達が目を離さず囲んでいるので、絶対に人が出入りすることはできない。それなのに、自殺ではなくて他殺なのである。さすがにそれは無理だろうって思いながら読んだが、できてしまう。しかも、なんというか機械的なものではなくて、見事に盲点をつかれたって思ってしまった。  そのほかにも魅力的な話がたくさんあり、ちょっとほのぼのとしていていい感じだ。

    3
    投稿日: 2010.08.22
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    おっちょこちょいな美形探偵ってむっちゃ萌えキャラだと思うんだけど。 ピンクパンサーのクルーゾー警部の、なんだかドジな行動してるうちに 事件が解決しちゃった的な。 ちょっとトリックに昭和風味入ってるとこがまたイイ。 三角形の顔の老女は、私てきには牧美也子先生「悪女バイブル」の 変装顔のイメージ。(松本零士先生の奥様でしたっけ)

    3
    投稿日: 2010.07.12
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    心理的なトリックがなかなかおもしろい。舞台背景とか言葉に時代を感じさせるものの、アイデアには新しいと思わせるものがある。

    1
    投稿日: 2010.06.19
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    30年以上前の作品やのに全然古くなくて、情景描写がうまい。 軽いタッチで描かれているけどちゃんとミステリーやし。 短編もおもしろかったけど、今度は長編も読んでみたいな。

    1
    投稿日: 2010.06.03
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    粗筋(アマゾンから引用) 雲や虫など奇妙な写真を専門に撮影する青年カメラマン亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでなく、グズでドジなブラウン神父型のキャラクターである。ところがいったん事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。作家・泡坂妻夫のデビュー作「DL2号機事件」など全8話を収録した。

    0
    投稿日: 2010.04.18
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    とにかくユニークな探偵、亜愛一郎。切れるのかボケてるのか、運動神経良いのか悪いのかもまったく不明、つかみ所なし。外見と中身のギャップも甚だしい。でもけっこう好感が持てるなあ。 第一話「DL2号機事件」からしてやられた! この発想はとんでもない! 一瞬「んなアホな」と思いそうになるのだけれど、よく考えてみると、こういう思考ってたしかにある。ここまで極端ではないけれど、こういうこと考えたりするもの。それがこういう形になるとは、してやられた。読み終わってみると、違和感もまったくなし。

    3
    投稿日: 2009.12.29
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    泡坂妻夫デビュー作を含む、名探偵連作短編 読了日:2006.03.12 分 類:連作短編 ページ:382P 値 段:680円 発行日:1978年5月幻影城、1994年8月発行 出版社:創元推理文庫 評 定:★★★★ ●作品データ● ---------------------------- 主人公 :亜 愛一郎 語り口 :3人称 ジャンル:ミステリ 対 象 :一般向け 雰囲気 :パズル的要素有、のんびり 結 末 :1話1事件 解 説 :権田 萬治 カバーイラスト:松尾 かおる カバーデザイン:小倉 敏夫 ---------------------------- ---【100字紹介】--------------------- 泡坂妻夫デビュー作「DL2号機事件」を含む短編集。 長身で端麗な顔立ちなのに、運動神経はまるでなしの 青年カメラマン亜愛一郎、一旦事件に遭遇すると 独特の論理を展開し並外れた推理を展開する…魅力的な全8話。 --------------------------------------- ●収録作品一覧   ()は菜の花の覚書 ----------------------------- 第1話 DL2号機事件  第2話 右腕山上空   (密室もの) 第3話 曲がった部屋 第4話 掌上の黄金仮面 第5話 G線上の鼬 第6話 掘出された童話 (暗号もの) 第7話 ホロボの神 第8話 黒い霧 ----------------------------- 「DL2号機事件」が泡坂妻夫氏のデビュー作であり、第1回幻影城新人賞佳作入賞作品です。以降、全8話のすべてが、雑誌「幻影城」で発表されたもの。掲載はすべて1976年~1977年。菜の花が生まれる前です。 古い作品でありますが、内容は決して古くはありません。今、まさに書かれて出版されてもおかしくないような感じ。ですが、雰囲気はとてもクラシカル。論理展開などはホームズを連想させるくらい。 主人公・亜 愛一郎(あ・あいいちろう)は、容姿端麗・頭脳明晰・長身でお洒落にキメた青年カメラマン…なのに、運動神経はまるでなしで何だか情けなーいという、現在ではそれなりにお約束?かもしれないけれど、とても魅力的なキャラであります。 ユニークなキャラの、クラシカルな論理展開。全体の雰囲気はユーモアを忘れない、一般向けなもの。誰にでも読みやすく、親しみやすく、そしてマニアでも十分楽しめる作品に仕上がっています。 解説は、雑誌「幻影城」や新人賞のこと、ミステリ作家たちの系譜の話、泡坂氏のエピソードなど、ミステリファンなら気になる話題が幾つか。読むと「へえ!」と思うこともあるでしょう。 この亜愛一郎が探偵として活躍するのは3作あり、「亜愛一郎の狼狽」「亜愛一郎の転倒」「亜愛一郎の逃亡」で3部作になっているそうです。狼狽して、転倒して、逃亡してって、まさに踏んだり蹴ったりな可哀想な主人公ですが(笑)、是非あとの2作も読みたくなりました。 短編なので、1話1話の分量はそれほど多くなく、時間のないときでもさらりと読めて、面白いミステリです。 ●菜の花の独断と偏見による評定● --------------------------------- 文章・描写 :★★★ 展開・結末 :★★★ キャラクタ :★★★+ 独 自 性 :★★★ 読 後 感 :★★★ --------------------------------- 菜の花の一押しキャラ…亜 愛一郎 「…それでね、先生、そのブラキオサウルスの遺骨ですが、トレミー隊が発見したのは、どの部分の遺骨でしたか?」                        (亜 愛一郎)

    2
    投稿日: 2009.10.19
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    『DL2号機事件』  爆破予告のあった飛行機から降り立った男。大地震が起きたばかりの田舎に引きこもり前科者の運転手を使う。男の持つ「信仰」の謎。 『右腕山上空』  気球の上で殺害された元コメディアンの男。現れた男のもと相方。 『曲がった部屋』  呪われた団地に住む人々。団地で起きた殺人事件。夫婦の部屋の奇妙な行動。 『掌上の黄金仮面』  男女の銀行強盗を追う刑事が遭遇した殺人事件。仏像の掌上でチラシをまく男が射殺された。なぜ彼が殺害されたのか? 『G線上の鼬』  連続タクシー強盗が起きる街。タクシーの中で殺害された男。 『掘出された童話』  奇妙な童話を書き。奇妙な年の祝いをする男の謎。 『ボロボの神』  太平洋戦争中に妻の死を悼み自殺したと思われた部族の酋長。態度が軟化した軍曹と帰国途中死亡したその軍曹に隠されたなぞ。 『黒い霧』  黒い霧をまかれた町。なぜ黒い霧をまいたのか?発見された死体との関係は?  2009年9月12日読了  

    0
    投稿日: 2009.09.13
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    ▼……解くの早っ。情報を大体開示したくらいで即座に解いちゃう亜愛一郎さん。▼最終話の『黒い霧』のコミカルさが面白かった。ケーキと豆腐を投げ合う推理小説って……スゴくない? 泡坂先生の話って、トークが軽やかでいいよね。泡坂、って名前はそのまんまだと思った。▼軽い短編集、と言えばそのまんまなんだけど、かなりの骨太。古典だけど、いいと思うよー。

    1
    投稿日: 2009.08.16
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    初亜愛一郎。とぼけてますねぇ。ゆるキャラならぬ“ゆる探偵”と言ったところでしょうか。女性にとっては萌え要素の強い探偵なのではないかと思います。毎回違う脇役たちもかなり特殊な人たちばかりで、不思議な性格の事件と相俟って、パラレルワールドのようなおかしみのある世界観。続編も読んでみます。

    1
    投稿日: 2009.06.06
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    日本語でもアルファベットでも最初に呼ばれる探偵亜愛一郎。すこぶる美男子だが、すぐに転ぶおっちょこちょい。仕事は雲の撮影というかなりの変わり者。飄々として日常の謎から奇怪な殺人事件も解決してしまう頭の持ち主だが、雲のようにつかみどころのない彼なのです。

    1
    投稿日: 2008.06.23
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    1度読んでみたくて今回初チャレンジ!!ちょっと読むのに時間がかかりましたが、短編を読み進むにつれてだんだんと作品のテンポに慣れていきました。事件の中にいつも突然現れる感じの亜愛一郎、まさしく彼には事件の真相は『丸っとお見通しだ!!』なのである。

    1
    投稿日: 2008.06.12
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    【感想】事件編・推理編等の「節目」がないミステリです。大体の事件を「話を聞くだけで」解くことの出来る天才型探偵です。現代ミステリのように探偵にハッキリした個性が無く、素性その他もほとんど不明です。ショートストーリーでありながら、謎解きはなかなか読み応えがあります。ただ森先生のような作品が好きな人は、途中で飽きてしまうかもしれませんね。

    1
    投稿日: 2008.01.07
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    泡坂妻夫氏のデビュー作「DL2号機殺人事件」を含む全8編からなる作品集。 あのミステリ界の金字塔「幻影城」において第1回新人賞佳作を受賞。 ミステリの探偵界で辞書の始めをと名づけられた亜愛一郎がひっそりと説く謎解きがなんとも小気味良い。

    1
    投稿日: 2007.05.06
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    ミステリー短編。全8話。 背が高くて、彫が深い端正な顔つき。超美男子の亜愛一郎はカメラマン。彼は、その見かけとは裏腹に、運動神経は無に等しく、おっちょこちょい。しかし、一度事件がおこると、素晴らしい推理力を発揮し、事件を解決へと導く。 短編なのに、トリックがすごい。緻密でよくできてて、毎回舌を巻きます。主人公のキャラも、超男前なのにどこか抜けてるってところが、なんとも女心をくすぐるんだよねぇ(笑) また、名前がかわってる。苗字が「亜」で名前が「愛一郎」。名前呼ぶとき、苦労しそう。「ねぇ あ さん」って感じかしら?(笑)

    1
    投稿日: 2007.02.17
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    短編集。 読みやすいですし、探偵役の亜愛一郎の狼狽振りが面白いです。 内容もうう〜ん、なるほど!とうなるものばかり。

    1
    投稿日: 2006.09.15
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    不覚にも愛一郎のファンになってしまった。見た目の描写はあるが、中身については彼の行動や台詞から想像するしかない。そのギャップの差が激しいので戸惑う読者もいるかもしれない。美形と臆病以外の情報が皆無なので、探偵役としての存在感は極めて薄い。いつの間にかひょっこり登場して、すらすらと事件を解いてハイさようなら、という感じなのである。話自体の雰囲気がふにゃふにゃしてて掴みどころががない。探偵役は毎回腰を抜かすし、助手役はその都度変わる。お互いのポジションが通常のそれとは逆で、助手役にしてもどこか間が抜けている。のほほんと読んでいると急に吹き出すシーンもあり、全くもって油断がならない。肝心のトリックはアクロバット的。愛一郎の口調が変わると、最後にとんでもない真相が顔を出すからいよいよ油断がならない。狐につままれたような、雲に巻かれたような読後の喪失感はさすがマジシャン。

    1
    投稿日: 2006.04.05
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    泡坂 妻夫で1冊!と言えば、これ。 亜愛一郎3部作の一番最初であり、最高傑作。 笑い無くしては読めません。電車で読むと周囲の目が…。

    1
    投稿日: 2004.10.13