
総合評価
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これはエロい世界の、えらく苦労して頑張っている人たちのエロくない話です。
内容は、AV男優や監督の清水大敬さん。AVやグラビアに出ていた中村京子さん。AV監督の高槻彰さんの3名の半生をルポして描いています。 覗き見趣味で期待して読んでいましたが良い意味で見事に裏切られて最後まで読み切ってしまいました。 このAV業界は憧れる者もいますが、蔑まれている業界。何よりも出演者や撮影側の人たちも自ら蔑んでいる人が多い業界。 実は自分の大学の後輩の一人がこの業界に携わる仕事にしばらくいた頃があり話を聞いたことがありますが、ハッキリ言えばあまり誇りどころか意欲を持った人は少ないのが事実のようです。 しかしこの本に登場している3名の方たちの様に紆余曲折の果てにこの世界で生きていこうと腹を据えて頑張っている人たちもいて、そんな一部の人たちが面白い作品を作ってくれていると思います。 本作の中でも「AVは消耗品」という書き込みがあるが私はそうは思っていません。 裸が写っているというか画面に転がっているに近い作品も多いですが、そうじゃない物があってそんな作品が忘れられない一作になっていると感じるのは私ひとりじゃないと思います。 人の煩悩の我欲の中でどうして性欲だけが軽んじられるのだろうとも思ったが、考えれば私は食欲でも同じことが言えるのではと判る気がした。 食べ物には、口に入れば良いというレベルからコストだけを考えたレベルの食べ物もあれば、高級料亭やレストランなどの徹底してこだわった食材を腕を極めた調理人が作った味だけでなく見た目まで華美な料理など、食べ物にはいろんなレベルがあります。 高級料亭ほど食材の吟味や腕が無くとも、家庭で愛情を込めて作られるプライベートな料理で愛する人の食欲と言う欲望を満足させる料理もあります。 安いだけの料理でも不満に思わない人もいれば、たまには高級店で食べたい人もいますし、家庭の料理だけで満足している人もいます。 今はそんな感覚を持つ人は少ないですが、日本でも少し前までは食事しているところを人前で晒したり、口を開けているところを恥じ入る人も多かった。 AVやセックスも同じなんだと思います。 欲望は恥ずかしいものなのです。 しかしそれを恥じ入らない人もいます。 私は好みの素材(=女性や食材)で選びますが、それだけでなく趣向(視覚や味覚)やに合っていたり、キチンと作られている作品も好きです。 本作はその欲を求める人たちに恥じ入りながらもその必要性を理解してユーザーに少しでも良い物を提供すべく頑張っている人たちの群像ルポ作品です。 (本当は評価は★5つでも良いくらいですが彼ら彼女たちはまだ人生の途中ですから夢の途中ということで★1つ落とすのではなく、伸び幅を残したいと敬意を払って★4つとさせて頂きました)
0投稿日: 2016.12.15
powered by ブクログAVはいわいる常識とはずれた世界だけど、人間がいるのにはかわりない。そこでは常識では隠されているナマな何かがあるのかもなと思える作品。 淡々としてるけど優しい切り口がいい。
0投稿日: 2004.11.24
