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ペルソナ3 (11)
ペルソナ3 (11)
曽我部修司、ATLUS/KADOKAWA
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総合評価

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    ペルソナ3コミカライズ11巻、最終巻。 これまでの1年間で培ってきた絆の勝利。そのニュクス本体との戦いの後、取り戻した日常は、細かく描かれてはいないけど空疎な印象を受けます。 他人行儀というか、仲間というには薄い繋がり。決戦の前に記憶は失わない、とみんなで決意したのが、嘘のように何も覚えていない面々。 アイギスのことですら覚えていない、というのがひどく残酷でした。初期のお調子ものムーブの順平が、それに拍車をかける。 迎えた3月5日の卒業式。 何かの違和感に気づいて、少しずつ記憶を思い出す特別課外活動部のメンバーたち。 そして、全員で約束の場所へ。 もう何度も見たエンディングのあの場面が来る。アイギスとの屋上のシーン。 膝枕をしていない。背中合わせに会話。メンバーが屋上の扉をあけ、彼らを顔を合わせるキタロー。 ゲームとは違った形の最終回。これは、どう感じたものか。 それまでのアイギスとの会話から、キタローに待つ運命は変わらないであろうけども、置いてけぼりだった間に合わなかったという後悔は逃れられる描写であるように思います。きっと、この後、メンバーそれぞれと最後の会話を交わして、思いを伝えて旅立つのでしょう。 運命は変わらないけども、何かを残すことができたということで、別れと旅立ちの日にふさわしい終わり方になったと思います。 これであれば、FESの物語にはならないと思える。彼ときちんとお別れをできなかったことが、彼ら彼女らの悲しみとして妄執になり、抜け出せない1日を産んでしまったのだから。 FESは好きですけどね。ゲームやアニメの終わり方では、誰も納得して終われないだろうから。あのギスギスした雰囲気は賛否の否が多いでしょうけども、中途半端に想いを抱え込んでしたままでは、絆は失われたままですし。 FESで明かされたキタローの行く末。彼を助け出すことができるか否か、ですが無理なんじゃないかなぁ、と思います。 彼の覚悟を見て、それを刻んで日々を生きてゆく、ということが残された託されたメンバーの役目だと思うので。 まあ、遠い未来まで動き続けているアイギスが、遂に動かなくなる時に彼女の元に訪れる、というのがあってもいいかな、とは思う。 生きる意味を知った機械に、人間で言う死は純粋には訪れない。それを与えるのが「死」をかつて宿していたキタローというのは、言葉遊びとしてはありかな、と思います。まあ、世界の本当に最後の最後の瞬間かなぁ。 ただ、ペルソナ3の物語が真のバッドエンドになるので、公式ではやらないでほしいとも思います。 この世界への「未練」ではなく「期待」で未来を知りたい、いう言葉を残した有里湊。その彼を守ると決意したアイギス。二人の未来が暗闇の中にあるのはよくない。 そういう虚無に囚われそうな世界の守り人は、DSJだけで十分です。

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    投稿日: 2025.05.19