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龍の守る町
龍の守る町
砥上裕將/講談社
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総合評価

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    砥上さん待望の新作は、なんと消防士を主人公にした作品だった。水墨画、視能訓練士はあまり馴染みのない世界だったが、消防士はいろいろな分野で取り上げられたメジャーな職業だ。それをどう料理するのか。お手並み拝見である。 主人公の秋月司令補は、第1話でいきなり現場から退場してしまう。辞令は司令室勤務、要するに電話番だ。電話対応もパソコン操作もしたことのない彼は戸惑いつつも、若い部下に指示を仰ぎながら対応していく。 というメインのストーリーの背景に、10年前にこの町を襲った水難事故がある。秋月もPTSDを抱えていて、それにいかに対処していくかも読みどころの1つだ。いきなり現場を引退させたのは火災現場を描かないためかと危惧したけれど、回想シーンでたっぷりと書かれていたので杞憂だった。 異常気象続きの昨今、いつどこでもこの小説に描かれているような事態は起こり得る。消防士の世界を違う視点から描いたこの作品は新味があり、重層的な構造はキャラクターに深みを与えていた。 続篇があるそうなので、楽しみに待ちたいと思う。 刊行日 2025/11/10、NetGalleyにて読了。

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    投稿日: 2025.10.11
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    読み終わりスーパーヒーローの登場、その名は消防士秋月龍朗、そして現場での活躍が終わり指令室勤務に変わってしまい、またそこでの苦労が痛々しく感じまた現場に戻りたいと思いつつ指令室での奮闘に清々しく感じました。過去の水害での痛々し話や命の尊さを感じる体験など読んでいて感動しっぱなしでした。消防士のことを深く考えさせられるほどの感動作でした。あなたも読んで消防士のすごさを感じて下さい。

    10
    投稿日: 2025.10.08