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中世の写本の隠れた作り手たち:ヘンリー八世から女世捨て人まで
中世の写本の隠れた作り手たち:ヘンリー八世から女世捨て人まで
メアリー・ウェルズリー、田野崎アンドレーア嵐、和爾桃子/白水社
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総合評価

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    気鋭の歴史学者による写本の本。著者の写本愛に溢れており、語り口は柔らかく読みやすい。 写本を語る上で欠かせない、羊皮紙、インク、写字生や画工だけでなく、特筆すべきは「隠れた作り手」たるパトロンや、その著者に言及していること、そして特に語られることの少ない、女性に言及していることだ。歴史に埋もれかけたノルマン・コンクェストの頃のエマ女王を称える本、男性写字生によって改変されがちな女流詩人や女性作家の作品、そして女世捨て人という文字通り表には出てこない人々にスポットライトを当てている。また、それら女性の著作内容に関しても、同じ女性ならではの踏み込んだ視点で分析を行っている。  写本について知るにはちょっと変化球気味だが、読みやすく、また読み応えのある一品。

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    投稿日: 2025.04.09
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    写本研究の意義 - 写本は歴史や文学の重要な資料であり、犯罪現場に例えられるほど詳細な検証が必要。 - 写本研究者は細部にこだわり、古代の人々の生活や文化を解明する手がかりを提供する。 手法とアプローチ - 本書では、特殊な専門用語を用いる場合には説明を加え、原文引用と現代語訳を併記。 - 古英語や中英語の文字も含まれ、巻末用語集で解説されている。 写本の存在と役割 - 写本は裕福な上流階級だけでなく、一般市民や無名の職人によっても作成され、広範な個人史を反映。 - 写本がなければ、多くの人々の存在や声が失われていた可能性がある。 特徴的な事例 - ロンドンの国立公文書館に所蔵される写本の余白にはアフリカ系男性の似顔絵が描かれており、当時の人々の多様性を示す。 - ジェフリー・チョーサーの「カンタベリー物語」には多くの写本が存在し、その多様性が文学の発展に寄与している。 文化的影響と評価 - デジタル時代においても、手作業による写本制作の文化的価値を再認識することが求められる。 - 著者や画工の存在意義を問いかけ、共同作業の重要性を強調。 女性作家の位置づけ - ノリッジのジュリアンなど、女性作家の作品は中世文学の中でしばしば軽視されてきたが、その重要性を再評価する必要がある。 - 女性の視点からの文学は、当時の教会教義と対立することがあり、文学の多様性に貢献している。 現存する写本の価値 - 現存する中世写本は戦争や火災を経てきたもので、その存在自体が貴重である。 - 多くの写本が失われており、現存するものは例外的なものであることを認識する必要がある。 結論 - 本書は、写本研究を通じて中世の文化や歴史を明らかにする試みであり、文学の伝承における重要な役割を強調している。

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    投稿日: 2025.01.22
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    中世の写本の作り方が書かれているかのような題名だけど、なんだか写本が発見された時の話とかがぐだぐだとわかりづらさ満点の翻訳で書かれているばかりで、まったく要領を得ない。よく見れば、「〜作り手たち」ということは、作り方ではなく、作り手たちのエピソードということなのだろうが、一体この本は何を言いたかったのだろうかと不思議になるくらい迂遠な内容ばかりで、呆れるくらい興味が持てなかった。

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    投稿日: 2024.02.19