
総合評価
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powered by ブクログ思い出すとは一体何なのか、読み進めるうちによく分からなくなった。ふと写真フォルダを見返していると、ある数年だけが妙にたくさん残っていて、それだけで測れるわけではないと知りながらも当時の自分がやけに眩しく思えた。そんな記憶の爪痕みたいなものが家にも残るのかもしれない。思い出さずに生きてゆくことなどできるのだろうか。
0投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ取り壊し予定の家視点の小説。 青年が家の傷などをスケッチしながら、そこに住んでいた人々の記憶を辿る物語。 建築士の筆者らしく繊細な表現でその記憶を立体的なものにしています。その繊細な表現は本著の良さですが、建築関係の専門用語が多く、その都度調べながら読んでいたので読みづらかったです。 全体的には淡白で清らかな世界観で、心が澄むような読後感。家という空間を起点として物語を描き切っています。 設定 3.0 読みやすさ 2.0 表現力 4.5 統一感 4.5 読後感 3.5 ★総合 3.5
7投稿日: 2025.12.25
powered by ブクログ2025.12.22 読了 家が主人公? 私には少し難しく感じたが、三人の視点がいつの間にか入れ替わっていく構成がとても巧みだった!時間が流れているのに、言葉や記憶だけが家に残り続ける感じがした。静かに染み込んでいく感じ。藪さんの言葉が、読後も余韻として残っている。
2投稿日: 2025.12.22
powered by ブクログ「家っていうのは時の幹やから」という言葉が重くのしかかる。 ひとつの家にまつわる叙事詩。家から見た、家を取り巻く人々の定点観測。それを外側の視点で描いた小説。 これは物語ではなく小説と呼ぶのがふさわしいと思う。
1投稿日: 2025.12.11
powered by ブクログ芥川賞候補に選ばれて欲しいと思ったくらい面白かった。 時間と共に変化していく人々の感情や記憶、考え方。それらの変化は悩みの種になり得るが、大きなプラスにもなる。一つの家に刻まれたいくつかの歴史の中でも、皆に平等に与えられた時間の使い方に対して後悔が多くあった。それならば苦しい選択となるが、自分自身を見つめ直さなければならない。時間による変化は残酷で避けられないけど、後悔しながら向き合いたい。
11投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ『芥川賞ノミネートに期待!』 ある一軒家の歴史を紡いだ建築文学。「家」とは一体何か。生活の基盤であり、人生で一番高い買い物であり、常に思い出と共に寄り添うもの。いずれも正解であり、答えは人それぞれだ。そんな中、作者の鳥山氏は作中で家を「時の幹」と表現する。この言い回しにこそ、本書のすべてが詰まっている。 本書はこの家にかかわりのある人々の視点から描かれる。この家を設計した建築士の藪さん、夫の海外赴任先から単身で帰国して学習塾を開校した緑、夫の脩さんとともに暮らした圭さん。そして空き家になり、解体の危機に瀕した家に忍び込む青年。 家の歴史とともに家族の思い出があり、木材の匂いや人の気配、時間の経過が描写から感じ取れる。滑らかな文章で、シームレスに視点と時点が切り替わってシンクロする。「時の幹」の描写がとても美しい純文学作品である。次の25年下半期 芥川賞候補作にノミネートされることを期待したい。
5投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ面白かった! 最初にくどいほどに描かれる建物の描写にしんどさを感じたけど、終わってみれば必要だった。 ある家の中をスケッチする男、家を作った建築家、別時期に家に住んだ女と夫婦、それぞれの視点が入り混じりながら、家と人が紡いできたものを見せてくれる 住んでいた女と夫婦は「家」として住んでいたけど、同じ凹みを触ってそれぞれの事情に思い悩み、その空間に住んでいた 家は全部知っている、と感情的になるわけではないけど、そこで人が生活していた、その湿度や温度を積み重ねて存在する家と時間の移ろいが丁寧に描かれていた
2投稿日: 2025.10.19
