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みちゆくひと
みちゆくひと
彩瀬まる/講談社
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総合評価

18件)
3.7
2
8
5
1
0
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    亡くなった両親の話より、現実の娘の話の方をもっと知りたかったな。あの世で母が記す日記の続きが気になる。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    人は何かしら意味のある行動をして自分を生きている。 現世と死後の世界を交互に楽しめる不思議な小説でした。 家族を失うことで各自が感じる命の考え方を知れた気がします。 子を失うことで自分に与える影響や周りに対する対応など色々なことが変わってしまう。とても興味深い内容であり面白かったです。 また、死後の世界はとても不思議でお化け?妖怪?など疑問に思う部分はありました。けど、意外にも死後の世界はそうなのかもしれないと考えるようになりました。 今までにない不思議な感覚に浸りたい人にはおすすめの小説です。

    23
    投稿日: 2025.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こういう作品が出版されて私たちが読める機会を貰えてるのは、とてもありがたいなーと思った。 登場人物がそれぞれの考えがあって、とても楽しめた。 タイミングがいろいろ悪かったり、辛いなーと思う部分が多々あった。 身近な人の死はやっぱり何かが、崩れたり変わったりするけどその中でもまだ生きてる娘さんが彼氏さんと出会えたのは、ほんと良かったなと思った。 印象に残ったこと。 死んだら、笑うたびに光るってこと? 蛍みたいですねぇ。 弁当をちゃんともってこられた遠足と、玄関に忘れてしまった遠足ぐらい驚きに差があると思いますよ。 俺たちはもしかしたら、自分を救いうる他者の営むを、漠然と、神様と呼んでいるだけかもしれない。 道ができた、と唐突にわかった。 方法を2人で考えよう。 ない道を2人で作っていく。

    6
    投稿日: 2025.11.14
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    ちょっと夢あるな…死後の世界で夫に会えること、亡き母から手紙のような日記が綴られる。 てもなんだか少し中途半端だったような気も。特に現世での、残ったものの扱いが。なんとなく消化不良

    5
    投稿日: 2025.11.09
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    小学1年生のときに3歳の弟を亡くし、2年前に父を、今度は母を亡くした燈子は天涯孤独となった。遺品として持ち帰った母の日記に書かれるはずのない新しい記述が現れ……という導入部は完全にホラーである。 物語は燈子の生きる“こちら”と、死者のいる“あちら”を交互に描きながら進む。人は死ぬとどうなるのかというテーマを根底にしながら、どのように生きるべきかにまで踏み込んでいく。ちょっと宗教っぽさも感じた。 ぼくは死んだらそれで終わり、輪廻転生もないと思っているが、こればかりは死んでみないとわからない。でもまあ、こんな死後は御免被りたい。

    3
    投稿日: 2025.11.09
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    死んだらどうなるのか、生きている間は決して知ることができない。生きて背負ってきたものを見つめて少しずつその荷物を下ろしていくような旅が用意されているとしたら、とても不思議だけど人は死んでも人として在るんだなぁと思ってしまった。私の心に引っかかって、ふとした瞬間に思い出す小説になりそう。

    1
    投稿日: 2025.11.07
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    彩瀬まるの家族の話…!彩瀬まるは女性同士や夫婦の話も多けれど、同時に家族の話も多い 今回の話もそうだけど、明確に問題がある親子関係の話(虐待やネグレクトなど)は少なくて、ある程度家族としての活動は滞りなく進んでいるのだけど、でもどこかしらに屈託があったり、ぎこちなさがあったりして、それとの向き合いやままならなさを細やかに描いている 別に家族を構成する誰かが、誰かのことを明確に憎んでいるわけでもない。むしろ家族のために、家族を構成する一員として果たさなければいけない役割に身を浸しすぎた結果として、微妙に家族のなかでズレが生じて、そのズレが居心地の悪さにつながる。 じゃあ、あのときどうするのが一番よかったんだよ!と言いたくなるんだけど、かといってやり直すことはできない。そのもうどうにもできない、けれど自分のなかずっとわだかまっているこの気持ちを無視することはできない。どうしていこうか、どう向き合えばいいのか。悩みながらもがきながら、痛みを伴うけれど誠実に自分を通して家族を見つめ直す作品だった。それでいて読後感に爽やかさやあたたかさが残っており、その読後感の炭酸水を飲んだあとのような心地が彩瀬まるの作品の良さだと思う

    3
    投稿日: 2025.11.03
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    思えば、死ぬことについて、あまり考えたことがなかった。 死んだら終わり、ということくらいしか頭になかった。 もちろん死んだ後のことなんて誰にもわからないのだけど、例えば私の肉体に宿る魂は、死後どんな色をしているのだろう。 物語では、死者は夜行という巡礼の旅を経て、静かに消えていったが、夜行に寄れない人もいれば、惑乱を繰り返し成仏できない人もいた。 死んだら私は成仏できるのだろうか。 未練はないことはない。あの時こうしておけばよかった、とか、あの時伝えておけばよかったかな、なんて思うことがそこそこある。 それがもやもやし続けながら消えきれずに、苦しみながら世界を漂っているなんて嫌だなぁ。 でもそれでもラストシーンにもあるように、死者も生者も誰かが隣にいてくれることがどれだけ力になるのか、それさえしっかり理解をしていれば、どれだけ辛くなっても、大丈夫な気がする。 信じる神は、私たちの営みに宿るなら、 寄り添って生きることを忘れてはいけない。

    1
    投稿日: 2025.10.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    厳しい作品だった 作中にあったように、ゆるやかな死は、自身においても周りの人たちにおいても、いろいろなことやものを整理する時間があるが、突然の死には、なにもない 死んだ人も生きている人も、おなじように大きな傷を負って、たぶん生きてる側はずっとそれを抱えて生きてゆく いつか時が、、、というけれど、たとえ心の平穏は訪れても、決して消えることはない悲しみはずっとそばに寄り添うだろう 死への畏怖があるからこそ生への尊厳があり、作中を通じて投げかけられていることに対峙することが難しい自分はまだまだだなあって、まあ、いくつになってもまだまだで、それがわかるのはいつか死を受け入れたときかもしれないし、それでもまだわからないかもしれない

    1
    投稿日: 2025.10.28
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    最近は彩瀬まるの新刊が出ると同時に購入して、現在読んでいる本を中断して、読むスピードを落としてじっくり読むのが私の読書のスタンダードとなっている。最初から彩瀬ワールド全開の語り口で始まるので、今回も期待できる内容と確信した。話が進んで行くにつれ、今回はちょっと重めの内容と構えてしまう面が垣間見られた。一気に読んでしまいそうなところを抑えつつ、1日何ページと決めて読むこととした。 彩瀬作品を全て読んでいる訳ではないので何とも言えないが、今回の作品はやや宗教的・ややSFのテイストが感じられた。ただ、読んでいくうちに「あれ、これと内容・雰囲気が似ている小説を読んだかもしれない」と気づく・・・そうだ!中村文則の「列」とコンセプトが似ている。彩瀬「列」と中村「列」には細かい違いがあるものの、目的も判らず並ぶ、列から離れていく人がいれば列に加わる人もいる等々共通点がある。どちらも果たして浄化できるのだろうか、生まれ変われるのだろうか、見守っていくしかない。母のノートが2つの世界の橋渡しをするのはSFの常套手段で、このやり取りは実に楽しい。次はどんなメッセージが送られてくるのか? 中盤以降は徐々に彩瀬「列」は中村「列」の概念から離れていく。SFの様な設定は徐々に薄まり、「この世」の世界と「あの世」の世界は単なる並列する2つの世界へと変化する。「この世」では社会に流されて生きるものの、「あの世」に行くと一種の気づきを得た人は浄化されて次の世界へと旅立つ。ただ、次の世界が「この世」なのか、それとも浄化に見合った素晴らしい世界なのかは読み取れなかった。ここで、浄化の程度が可視化されているのは非常に面白いアイディアだった。結末は曖昧となるが、希望としては娘の子供、つまり孫に生まれ変わればいいけど、実際はそううまくはいかないだろう。そもそもそれができたら正に陳腐なSF小説となる。 今回の設定は今までとはかなり隔たりがあったが、作者が言いたかった内容はこれまでとはあまり変わっておらず、人間の内面・心の動きを完璧に描き切っていた。 直木賞の候補に選ばれたのはこれまで2回。そろそろ3度目の正直、この作品で直木賞取れないかな?その際に高いハードルとなるのはやはり中村文則の「列」だろう。私がそう思うのだから情報量が多い海千山千の文学評論家はこの痛い所を突いてくるだろう。直木賞に限定せず、どんどんノミネートされることを期待する。

    19
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もうこの世にいないはずなのに、 そこに居ると感じる母。 生きている人と死んでいる人。 死んだ人の中でも夜行に乗り旅立てる人と 未練があり夜行に乗れない人。 すごく対照的だと思いました。 何がそこを分かつのか。 誰しもが「みちゆくひと」になる。 そこで晶枝さんのようになるのは難しいことだ。何かを強く悔いていて、かつ誰かを待つという意志の持ち主。わたしがみちゆくひとになったとき、どうなるのだろうか。 夜行に乗れるだろうか。それど誰かを待つために変わっていくのか。死は誰にでも平等に訪れるからこそ、老若男女問わず読んで欲しい作品だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    生と死。現実の世界と、死後の世界。 生きている間にお互いが向き合えず、それぞれが後悔と自責に駆られ、先に逝ってしまった両親と残された娘がバラバラのまま存在する。 母の遺品の中から出てきた不思議な日記が、死後の世界で続いていく日々を見せてくれる。 その奇妙で不思議な日記を通して、バラバラの世界が少しずつ繋がっていく。 それでも、生きている間に向き合えなかったふたりは完全には繋がれない。理解しきれない。けれど、「ない道を作って歩いていく」ことできっと何らかの形で家族の形が完成するのだと思う。 2025.10.21 読了

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    〈在ることはつらい〉けれど、だからこそそれに堪えて、いて(存在して)くれる他者が光になるというこちら側の理が死後の世界でも続いていてくれる物語に私は救われる思いがした。拍動の停止がすべての苦しみから解放してくれる世界はきっと呼吸がしやすい。でも彩瀬さんはそんな理想論の逃げではなく、苦しみの起点から一緒に道を作りあげていく人間たちを誠実に示してくれている。幻想的な描写でのアプローチの仕方も含めて、らしさの溢れた作品でした。

    0
    投稿日: 2025.10.17
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    幼少期に弟を亡くした橙子(とうこ)と両親は、 その事実を背負いつつ普通の家族であろうと努力して暮らしてきた。そんな彼らの後悔と再生を語った物語りだったと思います。人間存在や死生観などが深く考察されているように感じ、好印象読了。星4つの評価といたしました。

    0
    投稿日: 2025.10.17
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    死の世界をみちゆくひとと、生の世界をみちゆくひと。どちらも前に進むために心の整理が必要なんだな、と。

    0
    投稿日: 2025.10.14
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    日記帳で繋がる現世とあの世。 近しい人が現世を離れても繋がりが持てるというのは素敵な話だと思う。 自分が死んだらどうなるかなんて、誰も分からない。 もしかすると作品のような世界が待っているのかもしれない。 それは数十年後の楽しみとして取っておくとして、今は生きていることを存分に楽しみ、後悔のない人生を送りたいと思う。

    3
    投稿日: 2025.10.12
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    随分とスピリチュアルな物語だな、と思いながら読んだ。 死後の世界と現実の世界とが交互に描かれる。 逝ってしまった両親と残された遺された娘の物語。 生きているうちに向き合えなかった家族、それぞれの想い、後悔… 考えるとなんとも切ない気分になった。 自分の道は自分で切り開いていくしかないと気づいたときに、人は一歩踏み出せるのかもしれない。 死後だったのがとても残念ではあるけれど、両親が道を切り開けたことに救いを感じることができた。 そして、道を作っていこうと思えた娘にはきっと光さす未来が待っている、そう感じた。

    3
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いまここにいないあなたに会うために、ここにいまいない私は歩き続ける。 「死」はすべての終わりではなく、終わらせるための旅の始まりなのかもしれない。 自分のせいで幼い息子を死なせてしまったと悔やみ続ける母親。妻の後悔を癒せず娘の寂しさも癒せず心が孤立する父親。弟にしか向かない母の思いを欲し続ける姉。 バラバラの家族が、母親の死後も続いていく不思議な日記で繋がっていく。 人は死んだらどうなるのか。 死者たちの行列は、苦しみと悲しみを吐き出しながら続く。 見つけられなかった正しさを祈りながら、救えなかった思いを掬いながら。 彩瀬まるが耳元でささやく。「メメントモリ」と。 たくさんの死を浴びながらいつか自分がたどる夜行を思えと。

    2
    投稿日: 2025.10.07