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イーサン・フロム
イーサン・フロム
イーディス・ウォートン、宮澤優樹/白水社
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総合評価

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    上流階級のイメージのあるウォートンだけれど、これはその対極とも言える、寒く貧しい村の貧しい男の物語。でもなんか印象に残るな。

    7
    投稿日: 2025.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    マサチューセッツの小さな村を舞台に、病気がちの妻と、妻の親戚の女性と3人で暮らすイーサン・フロムの身に起きた事件を描くお話 イーディス・ウォートンは以前「無垢の時代」を読んだことがあるのだけど、とにかく情景の描写が細かくて、その時代や場所を文章という形で生き生きと再現するのが本当に上手いなと改めて思いました。 ニューイングランドの冬の寒々しい感じとか、主人公家族の家の様子とかが映像として脳内で再生されていく感じがとても楽しい読書体験でした。 肝心の物語の方は、病弱の妻がいるにも関わらず親戚の若い娘に思いを寄せてしまうというお話で、妻が泊まりで出かけた時にやたらワクワクしてる主人公の様子とかがすごく細かく描かれるのだけど、妻がかわいそうだなとか思いながら割と冷めた感じで読んじゃいました。 最後の方になって、イーサンとマティが激しく求め合うところのセリフのやり取りが読んでいてムズムズしまくりで、自分は一体なにを読まされているのだろうと思ったところからの、これはホラーではないかと思うようなゾッとするラストで全然爽やかじゃない読後感でした。 普通なら命を落とす展開にすることが多いと思うのだけど、あのラストに落とし込んだ作者が怖い。

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    投稿日: 2025.04.10