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まず牛を球とします。
まず牛を球とします。
柞刈湯葉/河出書房新社
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総合評価

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    牛は食べたいが、動物は殺したくない。そんな人類の夢が実現した未来を描く表題作『まず牛を球とします』他、全15作品収録のSF作品集。 心に刺さるSF短編集です。 「世界を幸福にする仕事」をする科学者の話や、現代の箱男の話、田中という姓が差別される世界の話など、どの話も現実の延長線上や、ほんの少しズレた未来の話のように思えて、奇妙で落ち着かない気分になります。 好きだった話は、先述の世界を幸福にする科学者のはなし、『ボーナス・トラック・クロモソーム』。淡々としていてちょっと疲れていて、でも前向きな一人称語りが癖になる。 退屈な話の代表といえば数学と他人の夢、を合わせた話『数を食べる』も面白い。私も「3」を食べてみたい。 あと、個人的にすごい共感したのが『タマネギが嫌い』。 主人公のタマネギ嫌いトークに共感が止まらない。どうやら作者さんもお嫌いらしい。仲間。 こんなタイトルですが宇宙SFです。

    19
    投稿日: 2025.11.09
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    柞刈湯葉『まず牛を球とします。』読了。 人を食ったようなタイトルに本文もそれを地でいくスタイルが、さすが柞刈湯葉!という感じ。日常を面白くずらしていく感覚が心地よい。文庫を待たずにもっと早く読んどけばよかったという一冊。

    11
    投稿日: 2025.10.29
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    異星モノ、歴史改変モノ、謎の技術、はたまた改暦のように純粋にSFというよりも、この世界のあり方を考察させるような作品まで、まさにごった煮。色々な料理を味わえた。

    0
    投稿日: 2025.10.05
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    読んでいる最中は面白さを自分で言語化できていなかったが、小川哲さんによる解説「柞刈湯葉の面白さは、『フィクションを見つけてくる』ことにある」という言葉がとてもしっくりきた。 ひとつの仮定・設定を定め、あとは現実的な思考で組み立てた非日常を描き出すことで、日常の価値を再確認する、というのがSFの真骨頂だと思う。まさにそんな1冊だった。

    0
    投稿日: 2025.10.05
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    表題作のインパクトを受けて購入したが、それ以外も面白い。 また、小川哲の解説がまたすごい。柞刈湯葉の面白さを言語化するとともに、SFというジャンルの根幹を見事に言い表していると思う。

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    短編集にしても15篇はすごいな。 解説で小川哲さんが、この人はフィクションを見つける天才だとかそういうようなことを書いてたけど、確かにそうなんだと思う。 ジャンルバラバラのいろんなSF(スコシフシギ)がぎゅっと詰まってる。文体もそれぞれ変えていて、器用な人だ。 でもそのせいもあってか、全体に統一感がなく、文化祭で買った文芸部の記念誌みたい。 整合性のない話を楽しめないタイプの、私みたいな人には向かなかったかな? いや、星新一とか面白いし、別に理不尽な話が嫌いなわけじゃないんだけど。 それでも、交通安全責任課の話と箱男の話は割と好きです。 箱男、コミケで真似する人いそー。

    0
    投稿日: 2025.09.24
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    柞刈湯葉の世界観が炸裂する短編集。 「まず牛を球とします」 「犯罪者には田中が多い」 「スコットランドの黒羊」 「数を食べる」 「石油玉になりたい」 「東京都交通安全責任課」 「天地および責任の創造」 「家に帰ると妻が必ず人間のふりをしています」 「タマネギが嫌い」 「ルナティック・オン・ザ・ヒル」 「大正電気女学生~ハイカラ・メカニック娘~」 「令和二年の箱男」 「改暦」 「沈黙のリトルボーイ」 「ボーナス・トラック・クロモソーム」 タイトルからもう面白い。 そして深さもある。

    0
    投稿日: 2025.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あとがきで「自分の知らない社会の人たちがどんな話で笑っている(いた)かを知ることで、その社会がうっすらと共有している世界観みたいなものが伝わる」と、ジョークの解説を楽しむ理由を述べていた。 ジョークを通して未知の世界と出会うという切り口が新鮮かつ作者の何事も楽しむ感性を象徴しているようだと感じた。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    単行本買っているし、noteも読んでるので(無課金申し訳ない…)、既読ばかりといえばそうなのだが、 小川哲の解説がかわいい 文庫版あとがきがかわいい 文庫の色目がかわいい 大層かわいいので、買い。

    2
    投稿日: 2025.09.13
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    ショートショートとまではいかないけど、短い話を束ねた短編集。表題作からしても牛を球にして工場で生産するって発想が面白い。 個人的に刺さったのは「沈黙のリトルボーイ」。これは広島に投下された原爆が起爆せず、不発弾として産業奨励館(現在の原爆ドーム)に突き刺さり、それを不発弾処理として解体しようというお話。広島の方々のいろいろな感情があるので難しいとは思いますが、もっと深掘りして膨らませて一本の映画にできそうとおもいました。

    30
    投稿日: 2025.09.12
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    15篇からなる贅沢なSF短編集。文系な私には「よく分からん」と感じる話もありましたが、一つ一つ内容が濃くて楽しかったです。そしてタイトルが素晴らしい。どのタイトルもおしゃれでかっこいいです。『大正電気女学生〜ハイカラ・メカニック娘』が特に好き。

    9
    投稿日: 2025.09.12