
陸軍士官学校事件 二・二六事件の原点
筒井清忠/中央公論新社
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総合評価
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powered by ブクログ陸軍士官学校事件は、皇道派と統制派の派閥抗争のさなか、辻政信大尉がスパイを送り込み、クーデター計画を捏造したとされる事件で、二・二六事件の原点と呼ばれている事件であるが、これまであまりに謎が多く、実像が明らかにされてこなかった。本書は当事者の日記・記録・回想、捜査に当たった憲兵隊や軍法会議の記録のほか陸軍士官学校候補生らへの取り調べ調書記録なども駆使し、その全貌を明らかにした貴重な研究である。 著者は「諸個人の集合的行為の複合物としての歴史は最初の諸個人の意図を大きく越えほとんどそれと正反対のコースに進むことが多いが、この事件はその典型的ケースだった」(230頁)と述べる。そして、この感慨は読者にも共有される。
0投稿日: 2016.06.18
