Reader Store

総合評価

25件)
3.4
2
10
8
2
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    元国民的人気俳優でありながら、地元に蔓延る麻薬の元締めとの疑惑のある国会議員。主人公の青年は、その疑惑を追及すべく位置情報ゲームアプリ開発に乗り出すも、その途上で仲間が誘拐されてしまう。位置情報ゲームアプリを使った誘拐犯との駆け引きが中盤、そして終盤は渦中の疑惑の人物との対決が描かれる。真相は読めなかったけれど、正直、小学生の麻薬製造やアプリ開発、警察動員の誘拐ゲームなどなど設定に気がかりな点が多いし、途中の細かい説明や補足は後々の推理の確からしさ、正当性を担保するためには必要なことなんだろうけど、ここまでテンポを損なってややこしくする必要もあったのかという気がしてしまう。

    5
    投稿日: 2025.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    序章から引き込まれた・・・ってか、もうここで1冊の本ぐらいのドキドキ。 滋賀の新興住宅ベットタウンの小学校で、LSDにより小学生4人が薬物中毒になる。牧歌的平和な町が急に事件で有名になった。 ムラサキノート社のノートに染み込んだ薬物を吸う、もしくは口にいれることで摂取するその薬は「バニッシュ」と呼ばれた。 「おじさんにもらった」というが、その後道端に箱に入れておいてありそれを摂取した子どもたちが何人も薬物中毒で運ばれる。 学校で注意喚起しても、子どもたちの好奇心には勝てない。 そこで、以前この地でドラマロケをして縁ができた有名俳優の師道正一に薬物撲滅キャンペーンをお願いした。師道は1か月みっちり各学校をまわってくれたり、キャンペーンに参加したりしてくれた。さらに、この薬物の出所が最初に中毒症状を起こした小学生女児が生成したものであると推理し、彼女を補導し、一件落着した。 が、この町がアンダーグラウンドで「無料でLSDが手に入る町らしい」という噂は消えなかった。 この事件で師道と共に動いていた義永という刑事は、事件が一件落着した頃「無料で薬が手に入らなくなった」という逆恨みでこの町に訪れた者に刺されて死亡した。 それから13年。 師道はその後、この町に移住して議員となり、国政にまで出た。人気の議員となる。 この町で図書館の契約社員をしている彼方は、師道があの事件のときに女の子が書いた「バニッシュ」生成レシピを持っていて、この町で売りさばこうとしていると考える。それはスマホの位置ゲーを使うらしい。 あの日死んだ警察官、義永の娘は公園に置いてあるらしいというその薬をさがしていた。師道を絶対捕まえる。 そこで、彼方(HNカナタ)、義永の娘真理子(HNマリ)、インフルエンサーのヤマオ、エンジニアの分度器、AI(言葉を学習中でほぼ意味あることはしゃべらない)の詩人でグループチャットをつくり、師道を捕まえる作戦を立てる。 師道たちがつくったスマホの位置ゲー「MK」は、指示された場所まで行くと、所定のメッセージがでるというもの。もともと健康のために〇〇まで歩こう!というだけのアプリだ。自分で目的地をいれられるが、その入力部分にある暗号をいれると売人がいる場所にたどり着けるらしい。 だったら同じようなアプリで、もっと面白くてみんながMKよりも使うようなものをつくって邪魔をしようという作戦だった。 新しいアプリが出来たころ、マリが誘拐される。 自分たちがつくったアプリに犯人から言われた暗号をいれると、場所が指示された。ここはどこだ?大阪のどこか? 犯人は警察を呼ぶことも厭わない様子。故意にしていた朝雲という刑事(13年前義永と一緒に捜査していた)に相談する。 すると朝雲は、警察を集めるのは難しいがOBならと100人を超える応援を集めてくれた。このゴールは・・・どこだ? そしてなぜか、この位置ゲーに、師道まで参加している。 師道はなぜ国会を休んでまでこの事件にクビを突っ込むのか?やはり、彼が犯人なのか?そして、ゴールはどこか・・・・? って話です。 「誘拐劇場」という題名だけどマリが誘拐されるまでもなかなかボリュームがありそれはそれで面白く、 誘拐されて、位置ゲーを大勢で始めてからもドキドキするし、 終わってからのオチもなかなか・・・で、 めちゃくちゃ面白い!!ってなった。 一気読みしました!!!

    0
    投稿日: 2025.11.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学生を巻き込む麻薬の横行に地元の刑事が捜査を始める。かつてその町でロケをして有名になった俳優が麻薬撲滅キャンペーンを申し出て刑事の相棒の様な存在になる、という所から始まるミステリー。誘拐事件あり、アプリでの大会ありと盛り沢山な内容。何となく大掛かりな劇場物を観た様な気がする。

    16
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    師道は善か悪か。 薬物依存に対する問題提起がなされている。 師道の理念を肯定しそうになるけれど、それもどこまでが真実か。 うまくドラマ化してくれないか。

    3
    投稿日: 2025.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    滋賀県大津市にある小学校でのこと…5年生の教室内で起きた不可解な出来事は、LSDの略称で知られる悪名高い幻覚剤を4人の小学生が摂取するという… この地でばら撒かれているLSDが「バニッシュ」と名づけられ被害児童が小学生だったことに驚いたのだが、刑事が動き出した頃に薬物撲滅キャンペーンのイメージキャラクターに選ばれた俳優の師道が協力し、事件の真相に辿り着く。 それが始まりであり、そこから数年経って動きだしたのは俳優だった師道が国会議員にのしあがったことで、彼に不審を抱くのは刑事の娘と元子役の支倉だった。 二人が仲間を集って調査を始めた矢先に誘拐事件が起き…。 展開が多くて何度も振り返りながら読み進めるという、苦戦しながらの読書だったが一番読めなかったのは師道の行動であり、彼の性格であった。 もと俳優というのもあるのか、常に本心を見せないのがわかりにくくさせていたのかもしれない。

    68
    投稿日: 2025.11.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    麻薬撲滅キャンペーンで成功した水倉地区。その立役者の一人であり、元俳優で現職の国会議員・師道一正には、違法薬物の売買に関わっているという噂が流れていました。元子役で今は契約社員として鳴かず飛ばずの日々を送るの彼方は、殉職した刑事を父に持つ真理子と組み、師道の疑惑を突き止めるべく位置情報アプリを作成します。そんななか真理子が誘拐されてしまいます。 小学生が引き起こした薬物事件や師道の推理、薬物撲滅キャンペーンの中心人物だった真理子の父の死。ショッキングな導入から一気に引き込まれグイグイ読み進めました。アプリ開発のSNSグループの会話も面白かったです。AIの「詩人」の存在が後に事件の突破口になるだろうとは思いましたが、勝手に想像していたのとは違った展開でした。もうひと捻りある意外な展開でした。でもちょっとあっけなかったかな。師道が自殺したのもなんか違うなあーと思ってしまいました。面白かったけど期待値が高すぎたかも。

    10
    投稿日: 2025.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルと表紙のシュールさに惹かれて読み始めたが、、、。 例え、フィクションと言えども話の設定が強引すぎる。結果ありきで無理やりキャラクターを作った感じ。最後までハマらなかった

    10
    投稿日: 2025.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    潮谷さんの小説はセリフが面白い。 詩人の「風の中、立ち尽くすだけ」は、間がよく、彼の正体を思い浮かべるとほっこりする。 位置情報を収集するアプリや若年層のドラック使用など、今どきの要素が盛りだくさん。 最後まで暗い空気にならずに面白いのは、軽妙な会話あって、なのだと思う。 映画ネタがちょくちょく出てくるのも好き。マドンソク!

    29
    投稿日: 2025.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    小学生。麻薬。LSD。バニッシュ。水倉地区。師道。俳優。政治家。義永。父親。真理子。 彼方。アプリ。MK2。位置情報。誘拐ゲーム。刑部。ゲームマスター。詩人。AI。

    0
    投稿日: 2025.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館でなんとなく気になって手に取ってみた初読みの潮谷験さん。なかなか今時設定のミステリー。舞台は滋賀県のベッドタウン水倉地区。実際あるのか?聞いたことない。バニッシュという薬物被害者は小学生。俳優の師道一正が探偵としての能力を発揮。その後師道は国会議員となる。事件解決の最中にも師道に違和感を持っていた支倉彼方と刑事の娘・真理子。師道の真実に迫ろうと仲間を集め、位置情報アプリ「MK2」を使って水倉丘陵に隠されているはずの秘密を調べ始める。そして誘拐事件は起こった。二転三転するミステリー。なかなか良かった。

    1
    投稿日: 2025.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ちょうど阿津川辰海さんの「最後のあいさつ」を読んだばかりなので、奇しくもカリスマ的人気の有名人についてまたも思いを巡らすことに。 俳優と政治家という、本心が見えない得体のしれない感じが共通していて、結局この人は悪者なのか?と考え続けることに。 どちらも二転三転するものの、最後のあいさつはスッキリしたが、こちらは単純な解決はしない。ゲームなど複雑な要素があるのと、信頼できない語り手パターンとか、盛り沢山なのでちょっと大変だったかなぁ。 お互いの腹のうちを探り合う、心理的なやりとりに焦点を当てるなら面白いか。

    1
    投稿日: 2025.10.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    15年前、滋賀県大津市水倉地区で薬物蔓延騒動が起きた。小学生複数名がLSDを摂取していたのだ。その内の1人がLSDを製造していたことが判明して事件は終結するが、事件を担当していた義永部長刑事は麻薬常習者に刺殺される。事件を受けて少年の薬物犯罪を防止するキャンペーンに協力した俳優の師道一正はその後衆議院議員となるが、実は刑事を殺害したのではないかという噂が囁かれていた… 『時空犯』が面白かった潮谷験さん。他に何冊か読んだが、今んところ『時空犯』がベスト。意外性にとことんこだわる作風がゆえに当たり外れが激しいのか、本書は私の好みからは外れた。予想外の展開が次々と起きるプロットだが、いかんせん警察、容疑者、犯人らの行動原理に無理があって説得力がない。そうなると俄然、白けちゃってページを捲る手が進まないのだ。唯一“詩人”だけはいい味出していた。 本筋とは全く関係ないが、主人公•彼方の仕事内容(図書の物流)は初めて知った。普段図書館を利用する身としては、読みたい本を最寄りの分室に取り寄せてくれるサービスは大変ありがたく思っている。その裏には、利用者の求めに応じて本館と分室の間で図書を行き来させる業務をしてる裏方さんがいるってことだ。地味だけどAIにはとって変われない仕事。サービスを支えてくれている方々に感謝。

    23
    投稿日: 2025.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    導入部の刑事と俳優までは次の期待をもって読んでいたが、誘拐ゲームあたりから話が萎んでしまった。 真理子の誘拐をゲームにして怪しい元俳優の政治家師道一正の本性を暴く、 これがなぁ…なんとも面白くない。 加えてゲームの裏側を暴露する刑事と師道の延々と続く事件の謎解きにいい加減飽きてきた後に、なんとも陳腐なオチへと向かう。 残念な本だった。

    1
    投稿日: 2025.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いきなり小学館が麻薬を摂取する所から始まるなんて衝撃的だなぁと思いました。それも健康薬のように見せかけ道端に置いてあったとの証言に驚き、薬物をなくすためのイメージキャラクターとして俳優の師道がやり後に政治家になってしまう。誘拐をテーマにしたミステリーAIやチャット、位置情報アプリまで出てくる近代的なミステリーし仕上がっています。二転三転ラストの衝撃的な結末に拍手喝采、あなたも誘拐ミステリーを読んで堪能して下さい。

    10
    投稿日: 2025.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    良かった。中盤まで物語が進まなかったが動き出してから二転三転の楽しさがあり、回収された物語はすごいって感じた。 3014冊 今年242冊目

    1
    投稿日: 2025.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    近畿地方のベッドタウン・水倉地区で起きた薬物事件。バニッシュと呼ばれるペーパーアシッド、最初の被害者は小学生だった。 県では薬物撲滅キャンペーンが展開され、イメージキャラクターとして俳優・師道一正が選ばれた。クリーンなイメージで俳優としても超一流、人を魅了することに長けた彼は、探偵としての能力も発揮。県警の義永誠刑事に協力して、事件の恐るべき真相を看破した。 事件解決の名声も手伝って師道は国会議員となり、水倉を地元として帰ってくる。そして囁かれはじめる黒い噂。 熱狂の最中にも師道に違和感を持っていた支倉彼方と義永刑事の娘・真理子は、師道の真実に迫ろうと仲間を集め、位置情報アプリ「MK2」を使って水倉丘陵に隠されているはずの秘密を調べ始める。 そして誘拐事件は起こった。 二転三転する物語と手に汗握る知的攻防。善とは悪とは? 『スイッチ 悪意の実験』『伯爵と三つの棺』の潮谷験が贈る、傑作ジェットコースターミステリー! よくある田舎で起こった小学生薬物摂取事件。ばら撒かれたLSDを摂取した小学生がいて、そのLSDを作ったのが小学生だったというそれだけで衝撃な事件を、当時、薬物撲滅キャンペーンで動いていた人気俳優が解決したいう小説みたいな話。の、数年後の話。人気俳優は、地方から国政の政治家となり、この事件があった土地では、ものすごい支持層がいる。そんな政治家に開発したアプリで薬物中毒者を呼んで、薬物をばら撒いてるのではと疑いを持った女の子とそれに巻き込まれる男の子の話。 なんとうか、この政治家である師道さん。本当に、分からない人だった。何を考えているのか、そしてそのパフォーマンスは政治家だからなのか、元俳優の演技力からなるものなのか、それとも本心なのか。本当にわからなかったし、敵役だった。出てくると本当にいやだった。出てくるなよぉって思ってしまう始末。 師道に疑いを持っていた真理子ちゃんが誘拐されて、自分たちで作り上げたアプリが誘拐劇に使われる。あちこち行かされて、犯人の意図は分からないし、真理子ちゃんが心配だし、師道も政治家のくせして出張ってくるし、本当に感情が忙しかった。 次々と明らかになるこの誘拐劇の裏側。それでも、なんだか腑に落ちないところがある。師道の記者会見で全てが終わり、「過去の事件」になってしまい、世の中の人たちにとっては、もう懐かしい話ぐらいなんだろうけど、ずっと現場を見てきた私としては、腑に落ちないことがあって、さらに師道が出張ってきたことも「絶対に裏があるに決まってる。その裏が何かは分からないけど」状態。 しかし、さらなる裏の事実が出てきて、最終的にはなるほどってなった。師道の執着はすごいし、正直いって、そこまでしないともしかしたら薬物汚染って終わらないのかもしれないなっとぼんやり思ってしまった。 師道が口を滑らせた「詩人」のことは、あとから見返したら、確かに人間ぽくなっていて、さすがと思った。ちょっとおかしいところもあったけど、私たちは最初から詩人の正体を知っていたから、なんとも思わなかったけど、途中で参加したらそう思ってしまうかもなぁと。 2025.9.13 読了

    1
    投稿日: 2025.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    元役者の国会議員が切れ者で曲者すぎる。「詩人」のとぼけた発言が好き。そこが終盤にポイントになるとは驚き。

    0
    投稿日: 2025.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Amazonの紹介より 近畿地方のベッドタウン・水倉地区で起きた薬物事件。バニッシュと呼ばれるペーパーアシッド、最初の被害者は小学生だった。県では薬物撲滅キャンペーンが展開され、イメージキャラクターとして俳優・師道一正が選ばれた。クリーンなイメージで俳優としても超一流、人を魅了することに長けた彼は、探偵としての能力も発揮。県警の義永誠刑事に協力して、事件の恐るべき真相を看破した。事件解決の名声も手伝って師道は国会議員となり、水倉を地元として帰ってくる。そして囁かれはじめる黒い噂。熱狂の最中にも師道に違和感を持っていた支倉彼方と義永刑事の娘・真理子は、師道の真実に迫ろうと仲間を集め、位置情報アプリ「MK2」を使って水倉丘陵に隠されているはずの秘密を調べ始める。そして誘拐事件は起こった。二転三転する物語と手に汗握る知的攻防。善とは悪とは? 『スイッチ 悪意の実験』『伯爵と三つの棺』の潮谷験が贈る、傑作ジェットコースターミステリー! 異質な物語だったなというのが、第1印象でした。 誘拐事件というと、身代金や緊迫感といったイメージを想像します。この作品では、身代金はなく、ゲームアプリを使用しての誘拐劇で、あまり緊迫感がなく、空気を掴んでいるかのようなホワッとした雰囲気があるように感じました。犯人らしき人を尾行するにも、そんなに行動するわけではなく、頭脳戦なので、なにか物足りなさはあるように感じました。 といっても、AIやチャット、位置情報アプリといった現代ならではのモノを小説に取り込むのは新鮮で面白かったです。 人物同士での会話劇も読みごたえがありました。新しい疑惑が出るたびに、「この人、もしかして・・」と印象が二転三転していくので、予測不能でした。 特に師道の存在感が印象深かったです。何が本当なのか、何が嘘なのか? 頭の中で、右往左往しながら疑ってしまう師道の発言や行動に、絶対怪しいなと思ってしまいます。 そもそも、誘拐の発端となった薬物事件が衝撃的でした。 小学生が被害者ということで、そこまでドラッグが拡がっただけでなく、手軽に手を伸ばせば手に入るという状況に衝撃を受けました。 最後まで振り回された誘拐劇でしたが楽しめました。 真実が二転三転、四転とコロコロ変わっていき、しまいにはまさかの犯人といった意外性もあって楽しめました。 スッキリと終わったというよりかは、ヌルっとモヤモヤ感の残る余韻でした。

    3
    投稿日: 2025.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    展開が二転三転、こんな誘拐ミステリーは初めて! 位置情報アプリを使った誘拐の謎を追え #誘拐劇場 ■あらすじ 滋賀県大津市の水倉地区で小学生が麻薬を摂取するという事件が起きた。自治体は薬物をなくすため、イメージキャラクターとして俳優の師道に依頼。さらに彼は地元の刑事と連携して、麻薬事件の真相を突き止めることに成功したのだ。 その後師道は政治家となるも、後ろ暗いうわさがあった。彼の素顔に迫ろうとする真理子と彼方は、仲間たちと水倉地区を調べ始める。しかし真理子が誘拐されてしまい… ■きっと読みたくなるレビュー 本作は誘拐をテーマにしたミステリー、またもや潮谷験先生がやってくれましたね。先生はどんな題材でもエンタメにしちゃうし、しっかり謎解きミステリ―になってるし、しかもTVドラマ見てるような感じで読めちゃうんすよねー。そういった意味では、今後は脚本にも挑戦して欲しいと思いました。 さて本作は誘拐がテーマにはなっているのですが、これまで読んできたような誘拐ミステリーではありません。金銭や怨恨といった単純な目的ではないのです。本作のメイン題材は麻薬、使われるツールはITやAI、語られるのは善悪の価値観です。かなり密度の濃いミステリーに仕上がっています。 まず推したいのはプロットですね、よく組み立てました、素晴らしい! まず一行目から惹きつけるし、序盤なんてあっという間に読めちゃいます。前半でもう展開が二転三転するんですから、全く目が離せない。 面白いのがストーリーに取り込んだツールですよね。位置情報アプリ、チャット、AIなど現代的。個人的には位置情報アプリを誘拐ミステリーに使ったのが興味深く、謎解きにも絡んでくるし、さすがだと思いました。 そして謎解きですよ。最初っから怪しすぎの師道一正がどう事件に関わっているのか、いないのか。特に動機や背景がよくわからずで、終始煙に巻かれちゃうんですよね。もちろん誘拐犯やその背景もぶ厚く解きごたえあり、位置情報アプリとの関連が唸りましたね~。 また本作は薬物についてよく描けています、恐ろしさが伝わってくるんですよ。薬物に手を出してしまう人のリアルが描かれていて、読んでるとしんどくなってくる。なんか小学生が被害者になってしまうなんてのも不気味、現実では絶対やめてほしい。 この物語では力がある者とない者の運命が露骨に出てる感じがしますね。何が正義で、何が善なのでしょうか。 ■ぜっさん推しポイント 仲間っていいもんですよね。私も長らく今の会社で仕事をしてますが、チームメンバーには本当にお世話になっています。チャットのやり取りログを見てると、いつもの自分みたいでニヤニヤしちゃいました。 本作でも同じ志をもった仲間たちのやりとりが微笑ましくて好きですね~、でも中身はアツくて力強い。励まし合える仲間がいるってのは、幸せなんだろうなと思いました。

    111
    投稿日: 2025.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小学生が薬物を摂取していたという衝撃の事件から物語は始まる 俳優の師道一正が事件を解決するが、数年後彼に疑いを持つ若者が現れ… 師道は善人なのか?悪人なのか?全てが謎のまま二転三転していくストーリー キャラクターが魅力的な作品

    8
    投稿日: 2025.08.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    序章が面白さのピークで、物語の全体像はありきたり。しかし、AIが良い味を出していた。軽いエンタメを読みたいときにちょうど良い。 AIを出すと5年くらいで作品の賞味期限が切れそうだけど、これはAIの使いどころがおかしいから、割と長く楽しめそう。

    1
    投稿日: 2025.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    小学生が合成麻薬LSDを製造・使用というセンセーショナルな幕開けからのゲームを仕掛けてくる誘拐犯。あからさまに怪しい政治家が出てきて「これはさすがにミスリード要素かな?」と思っていたら、真犯人が主人公という反則技wそこからさらに前述の政治家をめぐる展開がもう一つあるわけだが、そのための誘拐だと頭では理解しつつも乗り切れない部分はあった。しかも政治家も根っからの悪人ではなかったし。

    2
    投稿日: 2025.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     過去に薬物事件を解決した元俳優の政治家・師道一正に主人公が疑念を持つところから始まり、彼への調査が始まってから起きる誘拐事件と人質解放のゲームが融合した誘拐ミステリーで、メインの謎である『師道一正とは何者なのか?』の推理が徹頭徹尾描写されていて真相が早く知りたくて頁を捲る手が止まらなかった。

    2
    投稿日: 2025.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    師道一正とは一体何者なのだろう。何を考えているのだろう。何を成し遂げたいのだろう。彼方たちとともに、その答えを探し求めていた。 最後の最後まで、楽しめる作品だった。 MK2を作り上げた仲間たちがそれぞれ個性的でとても心惹かれた。

    1
    投稿日: 2025.08.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     滋賀県大津市にある水倉地区で、小学生が麻薬を摂取するという事件が起こった。他のベッドタウンに比べれば決して犯罪件数も多くない素朴な田舎町で起こったLSDの過剰摂取による被害者が増えていく中で、有名俳優だった師道一正が水倉地区の薬物犯罪撲滅キャンペーンに参加してくれることになった。やがて師道と刑事の義永は事件の真相に辿り着く。それから長い月日が経ち、政治家になった師道は、水倉地区の象徴のような存在になっていた。この事件とこの事件で相棒を果たした刑事の死が、彼を政治の世界にのめりこませる重要な出来事になったことは、有名な話だが、そんな彼に疑いの目を向ける人間もいて――。  ということで本書は、小学生が麻薬を過剰摂取するショッキングなシーンで幕を開け、物語の後半は、倫理的な問題に深く踏み込み、やがて『心』の問題に行き着く忘れがたい余韻を残す作品になっています。とはいえ題材自体は軽くなくても、重さでページを進める手が鈍ってしまうタイプの作品ではなく、読み味は軽快で心地良く、先が気になって仕方なくなるタイプの作品と思います。ゲーム性を組み込んだ誘拐ミステリとしてもユニークで、終わってからがはじまり、と言わんばかりに二転三転する展開がとても魅力的でした。様々な真相が明かされるたびに、そんなところにも仕掛けが、と驚きっぱなしの一冊でした。

    2
    投稿日: 2025.08.07