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三毒狩り(下)
三毒狩り(下)
東山彰良/毎日新聞出版
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総合評価

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    佟雨龍が地獄に行って、人の世に逃げ込んだ三毒を連れ戻すために鬼になって舞い戻ってきます。地獄でケルベロスになった親友・皮蛋と別れたのは残念ですが、人世では小皮蛋が佟雨龍の妹分として活躍します。 エンタメ作品としてはちょっと冗長というかよく言えば盛りだくさんでしたが、何とか読み終えました。小皮蛋の妹子が佟雨龍に「どこにも行かんで」とすがりつくシーンがいじらしく印象的でした。というか佟雨龍は一人で抱え込み過ぎなのが焦ったい。 あきらめるのも大事、あきらめないのも大事。佟雨龍や李平はその間で気持ちが揺れていました。どうしようもないことは潔く諦めるたほうがいいに決まっていますが、諦めきれずにもがく姿に人々は心を動かされるのだと感じました。

    15
    投稿日: 2025.10.08
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    『三毒狩り(上) 』(8/21) 評価2 『三毒狩り(下) 』(8/24) 評価1 新刊書の販促に乗ってしまい残念である。 読みながら、読んでいる時間がもったいないと 何度後悔したことか。 「直木賞作家が放つ円熟の一大エンターテイメント」の帯書きと書店の平積みに踊らされた。 何が円熟か、読者への狎れか見くびりとしか 思わない。 中国で国民党が日本の侵略軍と戦い、続く内戦で共産党が勝ち毛沢東が支配を確立した時期の話だ。 一介の胡麻油売りと拾われた子(主人公)の波乱万丈の物語である。 (上)、この物語で父や主人公が因縁の敵役に騙されて悲劇を招くくだりはそれなりに面白い部分もある。 三毒というのは、六道輪廻図(天、人、修羅、畜生、餓鬼、地獄)の中心に描かれた互いに食みあう鶏と蛇と豚が意味する貪欲と瞋恚と愚痴(貪・瞋・痴)のことである。 (下)に入って、死んだ主人公が閻魔大王の命令で現世に遣わされ三毒退治をする。地獄や霊界の話は構成が雑駁であまりにも突飛でついていけない。 仏教世界のことが説明されるが深みを感じない。 2023年から‘25年にかけて「毎日新聞」に一年半 連載したものを単行本化したものである。 連載小説のためか霊界での奇譚が長々と続く。 文章や表現力にも殊更目を引くものはなく、 ページを稼ぐために書き続けたとしか思えない。 仮構世界を創造する緊張感が伝わってこない。 時期的に構成が『鬼滅の刃』の焼き直しと感じてしまい、物真似の剽窃作品に見えてしまう。

    0
    投稿日: 2025.08.24
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    読み始めが大変読み難くかったのだが、朽木の洞の中で佟雨龍を見つけた頃から読みやすくなった。 毛沢東の核実験で地獄から鬼魂が逃げ出す。地獄に落ちた雨龍は三毒が見えるので逃げた閻魔大王が追跡を命じる。 まぁ、ここまではなんとか読み進めた上巻。 死んで生き返る雨龍に興味を持ったが、次第にだらだら長く話を引っ張っているようで、話のテンポが非常に悪くいつまでもグズグズしている。 とにかく主役の雨龍の魅力が読むほどに無くなっていくので、260+342ページが辛いものになった。 新聞小説だから冗長になるのか、長ければ良いとは言えない本だった。

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    投稿日: 2025.08.08