
総合評価
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powered by ブクログ久々に本を一冊読み終えた。本書は東京大学資料編纂所教授の本郷和人氏が、御専門の中世を中心に歴史の論点をわかりやすく提示してくれていて、単純に教養本として面白いだけではなく、歴史を見る際の視点についても学ぶことができる。 我々一般人は、史料分析の結果としての歴史の本を読むから中々検証する立場には無いが、問題ある歴史家の誤謬を何パターンか指摘している。一つが資料絶対主義でもう一つが功名心からくる検証不十分な突飛な主張。 前者は、承久の乱が素材だが、後鳥羽天皇は鎌倉幕府では無く北条義時一人を倒したかった、何故なら北条義時を倒せという命令書になっているからというもの。しかし、実は幕府という言葉自体が後世の言葉で当時はそうは呼ばれておらず、北条義時と言えば、イコール政権だった由。 後者は、織田信長の天下布武は畿内だけ、とか日本は鎖国してなかったとか、幕末より前の江戸時代でも天皇は重要な役割を果たしていたというようなもの。織田信長については民衆史の観点から重要性を否定したい、鎖国は幕末の欧州来訪でインパクトを受けたことが気に入らない、最後は孝明天皇や明治天皇からバックキャストした発想。私のようは素人でも全く違うと思うアホな主張を、イデオロギーや功名心で主張して、世の中を惑わすのは本当にやめてほしい。 本郷先生はこうした主張に対し、今の視点ではなく昔の視点で見ること、反証材料を探すことで反論している。 このほか、応仁の乱の背景分析、古代・中世・近世・近代という日本史四分野が相互に干渉せず、幕府開始年の整理などロジックが異なる主張がバラバラになされているという史学界の問題の指摘、なども面白かった。
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ“歴史の定説、新説に物申す!”という感じで話が進められる本書。歴史に疎い私も興味津々になって読み切りました。おもしろかったです。 “歴史研究は、専門外の時代には手を出さない。歴史教科書は、各時代の担当者同士が話し合わない。山川出版社の教科書に載った説が、日本史の定説。山川出版の教科書を書いているのは、東大の先生”など、目から鱗、ビックリ! 専門外に手を出さないのは、他業界でもあるあるなのかもしれませんが。歴史は流れが大事だから、統一することって必要だよなぁと、ど素人の私でも思います。 そんな日本史学の現状で、筆者は矛盾を紐解きながら検証し論を進めており、明快で分かりやすかったです。 【地道な積み重ね】→【発想の転換】→【検証】という筆者の研究姿勢は、他の分野でも通用すると思います。 遠い昔のことでも、まだまだ未開の部分があるんだということを知ると、歴史っておもしろいなあ。 第1章 「権門体制論」と「東国国家論」 第2章「鎌倉幕府の成立年次」を探る 第3章「承久の乱」をめぐる新説 第4章 北条時宗は「救国」の英雄か 第5章 「永仁の徳政令」の裏側 第6章 鎌倉幕府を倒したのは後醍醐天皇か 第7章 足利義満は天皇になろうとしたのか 第8章 「くじ引き将軍」足利義教と神仏の存在 第9章 「応仁の乱」の本質 第10章 織田信長の「天下布武」が意味すること 第11章 異なる「江戸幕府成立年」の定義 第12章 「鎖国はなかった説」の盲点 第13章 幕藩体制における「天皇の権威」
16投稿日: 2025.06.30
