
総合評価
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powered by ブクログ大矢興業社長の矢沢を切り付けて服役中の川口。 その服役中に亡くなった友人の真実を解明するために奔走する主人公内海と同士の小畑。村尾刑事も交えて、川口の愛人、娘、矢沢などが絡み、真相があばかれる。 この物語は、真相が暴かれて終わる。ただ真相をあばくだけである。矢沢が、愛人が、娘が、内海が、どうなったかなあ?と思いながら終わるので、読み終わったときにあまり満足感は感じない。 しかし、過去を暴くだけのこの物語をなんとなく回想している今が、北方作品の醍醐味なのかなあ!って思っています。
0投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログ北方謙三『過去 リメンバー』ハルキ文庫。 再読。北方謙三の初期ハードボイルド小説が5ヶ月連続で再刊されている。第1弾の『友よ、静かに瞑れ』に続く第2弾がこの『過去 リメンバー』である。 学生時代から北方謙三のハードボイルドにハマり、後に北方謙三が歴史小説家に転身するまで全作品を読んでいる。 時代と共に若い男は次第に軟弱になり、喧嘩などの肉体闘争を経験したことの無い世代が増えている。虐めや暴力と喧嘩は全く違う。自分より弱い者を標的にする虐めや暴力と違い、常に勝敗がつきまとう喧嘩は対等か相手が強い場合が多い。負けるのは決して弱いからではなく、挑戦した結果だと思えば良いのだ。 北方謙三のハードボイルドは強い男とは何か教えてくれた。 さて本作。主人公の内海義行が語り手となり、一人称で極めて乾いた文体で物語は進行していく。ざっくりと言えば、刑務所に収監されていたかつての仲間が急死し、仲間が伝えようとしていたものを探し出すというストーリーである。 6軒の喫茶店を経営する内海義行の元にかつての仲間で刑務所に服役中の川口直司から、会いたいという簡単な内容の手紙が届く。川口が5年の刑で服役し、後2年で釈放されるというタイミングで、もう1人の仲間の小畑にも同様の手紙が届いていた。 しかし、内海と小畑が意を決し、川口に会いに行こうとした時、内海をマークしていた刑事の村尾から川口が刑務所で急死したことを知らされる。川口が最後に伝えたかったことは一体何か。川口とかつて暮らした女と実の娘に遺したものとは…… 川口の、そして、内海の過去が甦る。 本体価格800円 ★★★★
60投稿日: 2025.05.26
