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戦争と音楽 京極高鋭、動員と和解の昭和史
戦争と音楽 京極高鋭、動員と和解の昭和史
古川隆久/中央公論新社
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    中心テーマ: 近代日本における西洋音楽の「動員」と「和解」という二面性。 京極高鋭の生涯を通して、音楽と社会、政治、文化の複雑な関係性を探求。 戦前・戦中における音楽の戦争協力と、戦後の音楽による国際交流・平和への貢献。 重要なパート: 序論: 京極高鋭の紹介と、彼の生涯を通して近代日本の矛盾と音楽の力を探る目的。 軍楽の歴史と、音楽が持つ動員手段としての側面。 西洋音楽と軍楽: クラシック音楽における軍隊音楽の影響(ラデツキー行進曲、交響曲第100番「軍隊」)。 音楽、特に西洋音楽が持つ、平和と和解を促す力。 京極高鋭の特異性: 音楽とスポーツという二分野で国際的に活躍した稀有な人物としての評価。 近代日本の矛盾と国家主義: 欧米列強への対抗意識と、国家主義思想の形成。 京極家の背景と、華族制度における音楽の位置づけ。 京極高鋭の幼少期と学習院時代: 幼少期の生活と、昭和天皇との交流。 学習院での教育と、音楽との出会い。 クラシック音楽への傾倒: フリッツ・クライスラー、エルマン、エルネスト・シェルリングら音楽家からの影響。 レコード蒐集、声楽への挑戦、オーケストラ活動。 大学進路と音楽への情熱: ジャーナリストとしての活動開始と、音楽への情熱との葛藤。 演奏活動の再開(学習院音楽部秋季演奏会)。 海外音楽旅行: 欧米への音楽旅行の目的と資金源の謎。 著名な音楽家(フルトヴェングラーなど)との交流。 読売新聞社での活動: ジャーナリストとしての活動(貴族院担当、近衛文麿取材など)。 フルトヴェングラーへのインタビューと、その内容についての分析。 著作権問題への関与: 著作権制度に関する論説発表と、問題提起。 結婚と家族: 妻・典子との結婚と、その背景。 情報委員会と「週報」: 情報委員会の設立経緯と、国民教化宣伝の役割。 「愛国行進曲」の誕生とその影響: 内閣情報部による歌詞公募と、京極高鋭の企画。 大衆歌としての「愛国行進曲」の普及と、社会現象。 替え歌の存在と、風刺的な意味合い。 レコード業界への影響。 戦後の「愛国行進曲」: 戦後の受容と、歴史的文脈からの評価。 流行歌統制と「国民歌謡」: 戦時体制下における音楽統制の実態。 「愛馬行進曲」: 制作背景、普及状況、「愛国行進曲」との比較。 「国策歌謡」: 京極高鋭による「国策歌謡」に関する論説と、具体的な事例。 戦時下の音楽文化への貢献: 音楽家の権利擁護と、戦時下の音楽の役割についての考察。 近衛文麿との関係性(推測)。 国際音楽文化交流への関与: 音楽文化国際交流日本専門委員会での活動。 「南方に対する音楽政策」。 国会での質疑: 帝国議会における音楽政策などに関する質疑。 大東亜共栄圏内の音楽文化交流政策。 南方巡回演奏会: 戦争遂行のための音楽普及活動。 戦時下の音楽観: 東洋の精神に基づく、新たな音楽文化の創造の主張。 音楽家としての活動と評価: 多岐にわたる音楽関連組織への関与と、政治家としての評価。 貴族院議員としての活動: 戦時下における議会制度についての質疑。 敗戦と疎開: 戦災と疎開の状況。 文化行政への提言: 内閣に文化委員会を設置する構想。 戦後の活動: 読売新聞社顧問、相模女子大学教授、スポーツ分野での活動。 フランク・シナトラ、重量挙げ、オリンピックなど、多様な活動。 晩年の活動: 政治活動、民社党との関わり。 平和国家・民主国家における音楽の役割を模索。 中国観: 京極高鋭の中国観に関する考察。 全体的な評価: 戦前・戦中と戦後の音楽活動における対照的な側面。 あとがき: 執筆協力者への謝辞。 本書の目的: 京極高鋭の生涯を通して、昭和期の日本社会における音楽の役割と変遷を考察する。 西洋音楽の受容、国家主義、戦争、国際交流など、多岐にわたるテーマを提示し、読者に多角的な視点を与える。 歴史的資料と証言に基づき、客観的な分析と評価を行うことで、昭和期の音楽文化研究に貢献する。

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    投稿日: 2025.04.16