Reader Store
わたし、わかんない
わたし、わかんない
岩瀬成子、酒井駒子/講談社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

8件)
3.3
1
2
2
2
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    岩瀬さんの作品は、こころの奥にずっとある。大切なおまもりのようでもあるし、静かに抵抗するための力のようでもある。

    0
    投稿日: 2025.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    桜林直子さんの、「つまり、“生きづらい”ってなんなのさ?」と併行して読んでいるのだけど、 まさに、中とセンくんが、 「社会に合わせられない生きづらさと、社会にあわせられるがゆえの生きづらさ」の例だなと思って、納得してしまった。 私は後者だけど、同じものさしで相手の辛さをわかったつもりになってはいけないなと思った。

    0
    投稿日: 2025.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    学校があまり好きではない中、ちょっと風変わりなセンくんという友だちがいる。 ふたりでちょっと怪しげな人のあとをつけたりしている。 中は自分にとっても正直で、分からないことは分からないとはっきり言う。だからクラスでは「わかんないちゃん」と呼ぼれてしまう。 将来何になりたい?と聞かれても、色々考えてしまって分からなくなってしまう。 正直な子どもではあるが、ちょっと変わっている。 対してセンくんは大人が期待する答えを言う子ども、でも本人はそれを打ち破りたい。 こんな中とその周りの大人達が絡んで話は展開していく。 両親は考え方に相違が出てきて別居。 母親の職場の同僚はフワフワした地に足をつけようとしない大人。 そして怪しげな男の人が結果的に中の気持ちを動かす。 中は一般的な大人にとってはめんどくさい子ども、でも自分の頭で色々考え、納得出来るまで動こうとしないのは良いことなのでは。 我が家にも何でも「何で」と聞く子どもがいる。 算数の法則でも、言葉の意味なんかについても「何で」と聞いてくる。 彼は一つ一つ意味を理解しないと前へ進めない子どもなんだ、と最近思えてきた。 中のようにもしかしたら深く考えすぎたわからなくなっているのだろうか? それともただ何もかもがわからないだけなんだろうか? この話を読んでいで改めて身近な子どものことを考てみようと思った。 窓から覗いていた女の子は中自身なのかなあ。

    0
    投稿日: 2025.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あれ?これ、読んだっけ?と、思ったら、ひみつの犬と、よく似ている。 主人公にモヤモヤしたり、今の子供から少しずれているような、大人がリアルでないような…気がした。

    0
    投稿日: 2025.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うちの娘も何を聞いても「わかんない」というので、そんな彼女に読んでもらいたいのと、私も彼女を理解したいと読んだ一冊 主人公の中ちゃんのお母さんがきちんと娘の気持ちを受け止めてて反省 小4の子なので、がっぷり四つというわけじゃないけど言葉の選び方が優しくてさすが童話作家 小学生が学校に行きたくない気持ちがすこーしだけ分かった気がする 最後に中は自分であることを決めるんだけど、居心地良く自分らしくいられる場所を探して選ぶって大人でもなかなかできないことなので、これからの毎日を伸びやかに過ごしてほしいなと娘に重ねて思う

    7
    投稿日: 2025.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    チチとハハは別居した。 チチは生まれ育った王子島に帰って喫茶店を開くことにし、ハハは童話作家の仕事を続けながらも、新聞記者として働き始めた。 となりに住んでいるセンくんは一つ年上の五年生で、毎朝一緒に登校する。学校は行きたくない。たくさん考えて考えて、考えた先に出てきた「わたし、わかんないです」を言うと、先生は困った顔をするしみんなはわかんないちゃんって言う。 装画:酒井駒子 表紙の女の子、主人公中(ナカ)ちゃんの絵の雰囲気からか、このお話を読んでいる間ずっと、ジトっとして薄暗いイメージを持ち続けていました。 お父さんとお母さんが別居するということは、主人公にとってとても大きな事件なはずなのに、そのことについては大きくは触れられず日常が続いていく、その中で小さな、事件と言えるかどうかも分からない、もしかしたら大きな事件になり得るかもしれないことが日常の延長上に起こったり、学校に馴染めないでいる居心地の悪さが描かれたり、読んでいてなんだか得体の知れない物が背後に蠢いているような気持ちになりました。 学校の先生にとって主人公は賢いけれど困った子。先生が期待する言葉を言えない子、きっと先生からすると言ってくれそうに思えるから当てるのだろうなと思いました。でもそう一筋縄ではいかない主人公を持て余してしまっている最中に思えました。 その子が、浮いた存在になってしまう初期の状態が描かれているなと感じました。 残り数ページだけどこれどうなっちゃうの?どういうエンディングを迎えるの?と半ばサスペンスやホラーでも読んでいるようなハラハラした気持ちで読んでいたところ、あっさりスッと幕が引かれて驚きました。ここで終わり??と。でも、ずっと、わかんないって思い続けてきた主人公が一つの大きな決断をしたことで、ほんの少しだけホッとしました。この子の行く末は「わかんない」けれど、小さな身体でぐるぐると考え巡らせていることを根気よく聞いて共感してくれる人が現れるといいなと思いました。 巻末、作者の別の本ですが江國香織さんがコメントされていて、確かに江國香織さんが好きそうな文章だと妙に納得してしまいました。 決して好みの文章や内容ではないけれど、なぜか読んでしまうし、読後頭に残ってしまうお話でした。 好みではないというか、没入してしまい、この仄暗さに引き摺られてしまいそうだから苦手なのだろうなと思います。 そして何より苦手だなと思う所以は、このお話は小学生中学年の女の子が主人公ですが、大人に向けて描かれているような感覚になるからです。これについては、作者の本を読むのが初めてなので、他の作品も読んだ上でもう一度考えたいと思います。 追記:初めてではなかったです、同時期に『ぼくのねこポー』を読んでいました。二作読み比べて、やはりこちらは若干大人向けに書かれているようにも思えましたし、こういうお話を好んで読む、江國香織さんの子どもの頃のような小学四年生の女の子もいるかもしれない、そこへ向けて描かれたようにも思えました。

    2
    投稿日: 2025.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    小4の中は、両親が別居した為、今はハハと2人暮らし。 隣りに住んでいる一つ上のセンくんと学校へ行くけれど、本当は行きたくない。 いやだ、いやだと思うからなのか学校はつまらない。 いろんなこと考えているけどわからないことは、わからないと言うからみんなに笑われる。 わからないことの多い中だけどちゃんとハハと話をするし、チチとも話をする。 ハハに悩みを言う特丸さんとの会話も聞く。 センくんと助けたお爺さんの息子の話も聞く。 大人の話を聞くことで、自分なりに何をしたいかを考えていくのだろう。 大人になってもわからないことはたくさんある。 それをわからないと言えるのか、わからないまま放ったらかしにするのか、大人だからそれは自由にするのかもしれない。

    64
    投稿日: 2025.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    わからないことをわからないと言える人は実は幸せなんじゃないだろうか。 大人の言っていることに矛盾を感じつつも、「わかんない」とはいえずにわかったふりをしてしまう子どもだった。大人になった今もその気がある私はそう思った。 わかったふりをしたり、言われるままに行動したりして一見そつなく過ごしてしまうのだ。 「わかんない」と言ってしまうことで「わかんないちゃん」と呼ばれ揶揄される子どもの物語。 「わかんない」ときちんと言える強さがうらやましく思えた。 わかんないことをわかんないままにして、適当にやり過ごしていくのは実はラクだけれど、わかんないことを1つずつクリアして一歩ずつ進んでいく方が絶対いい。 「わかんない」に時間をかけて向かい合える社会ならいいのにね。

    1
    投稿日: 2025.03.14