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powered by ブクログAudio bookで聞いたのですが、 おもしろかったです! 普段考えない視点から、 日本の変化や抱えている課題をピックアップして、 広い世界の長い歴史を俯瞰した視点から、 大きな文脈の中でそれら課題が何を意味するかを 論じてくれていることが本当に知的に刺激的でした! もっと社会に貢献したくなりました。 ・共感の限界と社会契約に基づく市民の在り方 ・成熟した民主主義は「不信」を大切にする ・日本の高等教育と明治維新 ・組織マネジメント原理主義vs使命 ・公共の充実と近代市民社会 内田樹にほれ直しました。 他の著書も読みたいです!
0投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログaudible 。人口減少問題は人口一極集中問題であるとの指摘には納得がいった。韓国の例を挙げるまでもなく日本はそういう道をひた走っていると思う。 内田樹さんの鋭さには感服する。佐高さんが悪くいうので少し離れていようと思っていたのだが。
3投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログタイトルがバタくさいのであまり期待してなかったが、とても参考になった。特に人口問題の捉え方については新鮮だった。今から100年後に日本の人口は5000万人になってしまうようだが、5000万人というのは明治時代の終期と同じであり、江戸時代の日本の人口は3000万人だったのだ。その人口で江戸時代には200以上の藩がそれなりに存続し、日本全国の隅々にあったそれぞれの藩に文化や名産品があったのだ。 人口減少が問題なのではなく、一局に人口が集中して地方が切り捨てられていくことこそ問題なのだ。資本主義は効率性を追求し、お金儲けのためには儲からない地方ではなく、都心に人口を集め効率的に稼ぐことを狙う。藩の中でしか生きられなかった江戸時代はどんなに貧しい藩であっても、その存続のために必死になり、他藩より良くなろうと努力したのだ。そして明治政府は、学問と医療を偏らせることなく地方に分散した。帝国大学や旧制高校を全国どころか台湾や朝鮮にも張り巡らしたのだ。ところが現在は経済効率性を優先して、全て市場任せで政治家は何の戦略も展望も持たないのだ。このまま日本が沈没し続けるしかないのか?と考えさせられる本である。
73投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ時事的な論考。 まとまりはないが、世相を捉える一つの見方。 答えはない。 知性の総量が変わらないとすれば、どこにどうやって水路をつくるか。
1投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ●読前#沈む祖国を救うには 高緯度経済成長期に生まれ、バブル期に働き始めた世代の僕にとって、日本がどんどん沈んでいっていることを実感する。僕が救うなんてことはできはしないが、内田さんがどんなことに「沈む」と感じ、どう「救う」と考えているのかを知りたい https://amzn.to/4hT9OH8 ●読後#沈む祖国を救うには 2025年の予言的内容で驚いた。「〇〇ファースト」、言わんとすることに共感できることがありつつも、同時になにか危険が潜んでいる感が拭えなかったが、それがなぜかを教えてもらえた。今は潜んでいる若い賢者がこの先行動を起こすことを願うばかり https://mnkt.jp/blogm/b250327a/
10投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログいつも内田先生の本を読むと「ああ、そういことなんだ」と思わされることがあります。 歴史の見方、政治のあり方、人口のことから死にいたるまで広い視野で様々なことを学ばせてもらいました。これからも興味深い本を期待しています。
1投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログもしかして、そうかな、と思ってたけど、やっぱりそうだったのか。 「今私たちが直面しているのは『近代の限界』というより、『前近代への退行』である、ということは、論理的に言えば、今必要なのは『近代の復興』、『近代への回帰』だということになる」 「『近代市民社会』などというものはまだ歴史上一度も実現したことのなかった幻想なのかもしれない」 じゃないかと私でも感じていたのだけど、そんなことを言うと、歴史家からバカにされそうだったから、口に出したことはなかったのだけど。 内田さんがキッパリ言うので、これからは胸を張って言える。ポストモダンなんてまだ早い!まずは近代化だ! 最後の講演が、少子化社会をどう乗り越えるか、明快でよい。 以前から一極集中には反対し、少ない人口で地方のコモンを大事にして生きていくことを提唱していた著者だが、ここでもその論を若い人たちに向けて、わかりやすく述べている。フランスはあの国土で6500万人。日本が5000万人に減っても都市に集中しなければやっていけるなと思う。 資本主義の要求に飲まれずに地方分散のビジョンを作る政治家を増やしていかなくてはね。(見当たらない…)
28投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ54 安倍・菅・岸田三代の政治の特徴は「国民の要望に一切応じない」という点にあった。国民が無力感に蝕まれ、政治参加の意欲を失い、選挙を棄権し、結果的にコアな集票組織をもつ政権与党が選挙に勝ち続けるという「必勝パターン」を自民党は発見した。民意に応じると有権者はつけあがる。それよりも「お前たちは無力だ」と思い知らせる方が政権は安定する。 61 安倍元首相は「私は立法府の長である」という言い間違いを4回口にした。これはおそらく「議会の過半数を占める政党の総裁は自由に立法ができる」という彼自身の実感を漏らしたのであろう。だが、法律を制定する立法府の長が、法律を執行する行政府の長を兼ねる政体のことを「独裁制」と呼ぶ。つまり、彼は「私は独裁者だ」という民主主義の精神を否定する言明を繰り返した。 92 白票はただの「無効票」である。「現状に対して強い不満を持っている」という意思表示にはならない。「現状肯定」の意味しかない。 93 民主政における選挙とは、全幅の信頼を託せる人を選びことではない。むしろ、国や自治体に害をなす可能性のある人をできるだけ公職に就けないためのもの。気に入った人を見つけ出して、その人を応援するという心楽しい作業ではなく、むしろ候補者たちの悪意や嘘や不誠実や弱さを目を凝らして点検するという気鬱な作業。 149 「より同質性の高い部族に縮減していく」傾向がアメリカではだいぶ前から顕著になっている。ジョージア州フルトン郡サンディスプリングでは、富裕者たちだけが自分たちの納めた税金が他の地域の貧民に分配されることを嫌って、「金持ちだけの自治体」をつくった。金持ちがいなくなったせいで税金の多くを失ったフルトン郡は、図書館などの公共施設が維持できず、街灯まで消された。その結果、フルトン郡では治安が一気に悪化した。この成功事例を見て、アメリカの中の富裕層が住む自治体でこれに続く動きがある。 テキサス州やカリフォルニア州の独立運動も発想は同じ。自分と同質の者たちだけと部族を形成してその利益を最優先する。「純化と縮減」である。 この傾向が加速すれば、アメリカはいずれ「国としてのまとまり」を失うことになりかねない。公共はいったん解体し始めると、あとはもう歯止めが効かない。「共同体の純度が高いほど良い」というルールを採用すれば、同じ部族内であっても、純度の高さを求めて、さらに小さな同質集団に分裂することはもう止められない。 196 我々が直面しているのは、「人口減問題」ではなく、「人口一局集中問題」。 同一国内に過疎地と過密地ができていることが問題。人口がどれほど減っても、それが全国均等に広がっていれば、今「人口問題」と言われている問題の多くは解決する。首都圏には今4400万人が暮らしている。東京・千葉・埼玉・神奈川4都県だけに人口の35%が集まっている。次第に韓国の人口集中に近づいている。 203 そもそも資本主義は「過疎地」と「過密地」を作為的に作り出すことで成立していた経済システム。都市に人口が密集して、地方には生業を営む余地がない…という状態を意図的に創り出すことを「囲い込み」という。これは直接的には村落共同体の共有地(コモン)をさまざまな理由をつけて富裕な人々が買い上げたり、奪ったりして、そこを「私有地につき立ち入り禁止」にしたことを意味する。 コモンが失われたことで、村落共同体は解体し、村人たちは零落して、都市に流れ込み、そこで「労働力のほかに売るものを持たない」プロレタリアというものになった。それによって英国の資本主義は急成長を遂げた。 資本主義は人口が均等に分散している状態を望まない。 213 農業がなくなってしまったら、農耕が行われていた土地には住む人がいなくなる。生業を失った人たちは、働き口を求めて都市に集まる。それしか生きる手立てがないから。そうやって農業が壊滅すれば、人口の一極集中はさらに加速する。 215 『資本論』には「資本の原初的蓄積」の分析が書かれた章がある。 どうして資本主義は成功したのか。それは、それまで地方に分散していた人口を作為的に移動させて、人口過密地と人口過疎地を作り出したから。 216 困ったことがあったら、人口過密地と人口過疎地を人為的に創り出せばいい。人口過密地では地価が上がり、需要が多いから物価が上がる。労働者はどんどん流入して悔いるから「いくらでもかえがきく」。賃金は下がり、雇用条件も切り下げられる。そして、住む人がいなくなった過疎地では、その都度「最も生産性の高い産業」を誘致する。だから、都市に人が集まって、地方に人がいなくなることは資本主義的にはむしろ歓迎すべき事態。
1投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログ内田樹さんの本を定点観測的に読むようになってから随分経ちます。今回も「いつも通り」なのかな、と思いつつ読み進めたのですが、いつもよりも「なんかやばいな」と思わされてしまいました。それは最近読んだサンデルとピケティの対談本と通底するところがあるからかも知れないし、別々のスーパーで立て続けに感じたマンパワーの低下があるのかもしれません。でもこのまま拝金教の資本主義「だけ」でいくのは世界にとっては良くないことでしょう。打ち手が見えないのが辛いところですが、それでもほんの少しの希望を持たせてくれる内田さんは、やさしい。
83投稿日: 2025.05.08
powered by ブクログ読了。内田先生の本は60冊読んでいる。斎藤知事の批判があり、嫌だなと思った。それ以外は良かった。近年動画にはまり、斎藤知事、石丸さんを応援する気持ちが強い。改革者として、若い人が出てきたと思っている。私がおかしいのかな?
4投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログ現代社会の閉塞感、違和感の正体を鮮やかに敷衍してくれて、自分が何に気をつけて、何を日々のできる範囲で護り育てなくてはならないのか、気づかせて頂いた。 成熟するには、良識を持つには。 同質性を基準とするのではなく、広い視野を持って、長いタイムスパンの中で物事を観察すること。 自分自身を含む光景を上空から俯瞰する。 そんな視点を持って生きていくことが、大事なことだと学ぶ。 そして、そうした態度で示される氏の数々の見解から、多くの金言が得られる。 読んでいて思ったことは、次の三つ。 1.自由と教育について 自得するものこそが、真に自分のものとなる だからこそ、教えるのではなく、自得できる環境を作ることこそが重要だ この考え方は、学生時代に学んだ、エヒメアヤメの保全や、木村秋則さんの自然農にもつながる思想だと思った。 2.自由と平等を実現するには 私有財産は世代を超えて引き継げないとしては? その上で、医療、教育、生活保障は、社会全体で見るとすれば良い。 3.社会共通資本を守るということ 自然や、文化、宗教、伝統という社会共通資本を護り、そのために、地方から小規模分散の社会を実現することが、持続的な日本をつくることになるということ。 自分の関心事項、夢と繋がる。私は、華厳的な世界の見方で、小規模分散の世界を作り、社会共通資本を守りたいと思っているということを自覚した。 役職定年まで残り10年弱。次のステージは、本当に目指しているそこ、自然と人の共存に向けていける様に、しっかり頑張ろう。
15投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログ何かとモヤモヤする物事に対して、普段の自分だけでは思いつかないような、ちょっと視点の異なる考え方に気付かさせてくれます。 そこから更に考えを深めたり、他の物事でも違った側面から考えられるようになったりと、筆者の本は考え方の勉強になることが多いです。 普段の仕事やお金の事に追われ、ついつい何にでも同じ物差しを当てている自分を反省しました。 沈む祖国から少しでも多く持ち逃げするような人間にはならず、沈む祖国を救うために自分なら何が出来るか?を諦めずに考えていきたいと思います。
3投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログ内田氏の書籍はよく読みます。今回は我が国を憂う、そしてもうどうしようもない所まで差し掛かっていることをかんじました。特に物質的なことよりも、倫理的、精神的に蝕まれてしまっているという警鐘。最近のあらゆる書物では、お金はいずれなくなる、資本主義は形を変える、責任あるポストには立つべきではない、ゆるく生きていくべき、などの論調が跋扈しておりますが、本当にそうなのでありましょうか。
3投稿日: 2025.04.01
