1. はじめに 本書では、獣医学の分野における重要なテーマや問題について、著者の経験や見解を通じて述べられています。特に、野生動物医学やペットの獣医療に関する現状や課題に焦点を当てています。 2. 野生動物医学の重要性 - 宿主と寄生虫: 宿主に寄生する昆虫や病原体の影響について言及されており、特に野生動物と人間社会との関係が強調されています。 - 感染症のリスク: 野生動物が持つ感染症のリスクが人間や家畜に伝播する可能性があり、これが公衆衛生に与える影響についても触れられています。 3. ペットの獣医療 - 家族としてのペット: 現在、ペットは家族の一員とみなされており、飼い主の期待に応えるための獣医療の重要性が強調されています。 - 診療の実際: 若手獣医師が実際にどのように診療を行っているのか、具体的な事例を交えて説明されています。特に、若い獣医師の能力や信頼性が、飼い主の安心感にどのように寄与するかが述べられています。 4. 社会的な要請と獣医師の役割 - 獣医師の必要性: 環境問題、農業問題、さらには公衆衛生における獣医師の果たす役割が強調されています。特に、感染症の予防や動物の健康管理が重要です。 - 教育と研修: 獣医学教育がどのように進化しているか、また新しい技術や知識の習得が求められていることについても触れています。 5. エキゾチックアニマルとその獣医療 - 多様性と専門性: エキゾチックアニマルの診療において、獣医師が必要な専門知識と技術を持つことの重要性が強調されています。これにより、異なる動物種の健康を守るためのアプローチが必要です。 6. 今後の展望 - ワンヘルスの概念: 人間、動物、環境が相互に関連しているという観点から、ワンヘルスの重要性が強調されています。これは、獣医師が自然環境や生態系を考慮に入れた診療を行うことを求めるものです。 - 新たな研究と技術の進展: 獣医学の分野において新しい研究や技術が今後の獣医療にどのように寄与するかについての展望が述べられています。 7. 結論 本書は、獣医学の現状や課題を多角的に捉え、獣医師の重要な役割と社会的な期待について述べることにより、読者に対して今後の獣医療のあり方を考えさせる内容となっています。特に、感染症や環境問題に対する認識が重要であり、獣医師がこれらの問題に対処するためにどのように貢献できるかが問いかけられています。

"獣医師"といえばまずどんな姿をイメージするだろうか？ 幸いにして先人や現職の先生方の尽力によって、その名は比較的広く知れ渡っている。しかし想像される姿といえば、多くの場合犬猫ペットのお医者さん？精々動物園の獣医さん、といったところだろうか。 動物に興味のない人にとって見れば、金輪際関わることのない遠い存在だと思われるかもしれない。 しかしそのイメージは、氷山のほんの一角に過ぎない。 獣医師という存在は、実は我々の生活の意外と近くにあるのだ。 そんな獣医師のありのままの姿を垣間見られるのが当書である。 長年に亘って寄生虫学の研究と学生育成をはじめ、日本における野生動物医学の発展や野生動物の法獣医学という分野の草創など多大な経験と功績のある著者と、現場の獣医師の先生方だからこそ描ける獣医師の活躍と可能性は、他に類を見ない解像度と包括性だ。 "１５歳からの"と冠されるが、 獣医師に興味を持つ人や獣医学生に限らず、進路に悩む中高生等例外なく多くの方々に読まれたい一冊である。 スター